2010-05-01(土) [長年日記]
■ 川崎 4-2 湘南@等々力競技場
ワールドカップ中断前の最後のホーム戦。今日から写真がワイドになります(Desire的な意味で)。
先制された前半はどうなることかと思ったが、終盤はかなり盛り返して、なんとか勝った……。小宮山とケンゴの初得点は良かったけどなー。
あいかわらず守備に集中が切れるときが多くて、そこを突かれちゃってる感じ。ボールの支配率は完全に勝っているのに、シュートがぜんぜん枠に飛ばないし。なんかちぐはぐなんだよなぁ。(今日の終盤みたいに)調子の乗ってしまえば強いんだが。
2010-05-02(日) [長年日記]
■ 続々々HTC Desireセッティング(保護シート、自作クレードル、壁紙)
さすがに3日もいじってるとかなり手になじんできて、もうほとんどのことがストレスなく使えるようになった。もうiPhoneの使い方忘れた(笑)。
今日はAmazonに注文してあった液晶保護シート(液晶じゃないけど)と予備のmicroUSBケーブルが届いたので、それを使う。
保護シート
480x800の有機ELは本当に美しいんだけど、反射がきついし、なによりこの手のものはケースに入れずに裸で使う主義なので傷が怖い。というわけで、iPod touchの頃からギラつき防止系の保護シートを貼っている。今回は貼っているまさにその時、グスタフの「遊んで攻撃」に合い、猫の毛が入るのは阻止したものの、ちょっと埃が入ってしまったので、いずれ貼り直す。とほほ。
貼ったあとの感触はおおむね良好。特に感度にも影響なし。
PDA工房 HTC Desire SoftBank X06HT Perfect Shield 保護 フィルム 反射低減 防指紋 日本製
PDA工房
¥1,017
LEGO製クレードルとUSBケーブル
続いて予備のmicroUSBケーブルが来たので、クレードルを作成。ベースは以前作ったiPhone用で、サイズはほぼ同じなのでケーブルの取り回しだけ変更。ケーブルはコネクタの小さい純正の方を使った。もちろん、片手で抜き差しできるよ!
microUSB端子のケーブルは、Xperia(他にもW-ZERO3の新型とか?)もこのタイプらしくて在庫がぜんぜんないっぽい。iPhoneの頃から半日で電池がなくなる人なので、出先で充電できないとかありえないから毎日ケーブルを持ち歩く日々なのだが、1本しかないと忘れるのが怖い。自宅に2本、職場に1本、携帯用に1本は欲しいところ。
Xperiaはなんか特殊な加工がされたものじゃないと充電されないらしいので、一度に何本も買うのは怖いからまずは普通のを1本買ってみた。特に問題なくちゃんと充電できるし、データ交換もOK。職場用にもう1本買おう。あと巻き取りタイプのがもう1本必要。
【正規品】 PLANTRONICS USB充電ケーブル(Micro USB) 76016-01
ポリー(Poly)
(no price)
HTC Sense用壁紙を作る
標準のシェル(と呼んでいいのか?)であるHTC Senseは、デフォルト画面の左右に3画面ずつの計7画面が使える。これはすごくいいアイデアで、順序ではなく場所で覚えておけるので探す手間がかなり低減される。iPhoneでの教訓を活かした、後発の強みだな。おれは右に仕事寄り(カレンダーとかTodoとか)、左にプライベート寄り(音楽ビデオ系とか)という感じで使い分けてみてる。
で、(iPhoneと違って)ちゃんと壁紙が貼れるんだけど、480x800の画像1枚というわけではなく、横に長いのが使える。ただし7画面だから幅3360px必要かというと違って、ちょっとずつ重なってスクロールするので960x800の画像が必要で、しかも(なぜか)左右60pxは使われない。つまり、840x800のほぼ正方形の画像を作って、左右に60xの余白を入れるというのがDesire用壁紙の作り方だそうだ。
というわけで、iPhone用に80枚ほど、320x480のグスタフ壁紙を作っておいたのをぜんぶ捨てて、いちから作り直してみたら、半分ほど経過したところで倍の170枚になってた。不思議。というか、ウチの猫かわいすぎるんですけど!
2010-05-03(月) [長年日記]
■ 『Springfields ~東京場所~』へ行ってきた
ほんの数日前、かみさんが「実はチケットがある……」と言い出したので、急遽、日比谷野外音楽堂へ。まぁ、連休中は特に予定もなかったのでGJ。
お目当ては"知世ちゃん"(原田知世)、大貫妙子、細野晴臣(世代的な意味で)。キセルや星野源は初めて聴いたけど、30年前の音楽が一周回って戻ってきた感じだった。「ということは次はフュージョンが戻って来るね」と話していたけど、はたしてそれはどうだか。あと、キセルのバックのキーボード、エマーソン北村がすごすぎて目が離せなかった。
それにしても原田知世はすごい。普通、少女性を残したまま大人になると単なる「痛いオバサン」になってしまうものだが、彼女の中にはちゃんと少女と大人が同居したままなんだよなぁ。魔法使いか*1。おまけに最後にドジっ娘属性まで発揮してくれちゃってもうね。
大貫妙子は圧巻としか。女王様の統率のもと、すばらしいステージ。バンドもハイレベルだったし、「いつも通り」をはじめオーディエンスをくすぐる選曲もGood。原田知世のステージでもやった「ファム・ファタール」を、大貫版でもう一回というのも貴重だった。
トリの細野晴臣は別の意味で圧巻というか、もうフリーダムすぎて何がなんだか(笑)。本人曰く「北米音楽のカバーをやります。オリジナルをやってもカバーに聞こえる」という感じで、古き良きアメリカンサウンドをたっぷり。聴衆置いてきぼりギリギリのラインでやりつつも、ちゃんと楽しませてるのはすごい。鈴木茂がソロパート弾きまくりで、これまた贅沢極まりない。
というわけで、4.5時間があっという間。楽しかった。
あえて苦言を加えるなら、音響のセッティングがひどかった。
原田知世のセッションは(よりによって)ヴォーカルが埋もれて非常に聴き取りづらかったし、大貫妙子のセッションに至っては、最初から最後まで右スピーカーからのハム音がひどく、気になってしょうがなかった。せっかくこれだけベテラン・大御所揃えたのに、スタッフが素人仕事してちゃダメだろうよ。
*1 本当は「魔法少女」と呼びたいところだがこの国では別の意味になってしまうので。「魔女」だと失礼な感じだし。
2010-05-04(火) [長年日記]
■ キケン(有川 浩)
男ばかりの工学系大学のサークル「機械制御研究部」(略称「キケン」)を舞台に、本気で遊ぶ大学生たちを描いたオムニバス長編。
多くの人にとっては荒唐無稽で面白い話なんだろうなーと思うけど、自分は「あー、あるある」という共感は覚えこそすれ、あんまり盛り上がらなかった。あとがきにも書いてあるけど、男子たるものみな自分の「キケン」を持っているもので、それを外部から女子が観測した結果を小説にしただけだから、シチュエーションがあんまりぶっ飛んでないんだよね。
いや、客観的にはぶっ飛んでいるんだけど、変にリアリティにこだわるせいで「まぁこれくらいはあるよな」という感想になってしまう。そうなるともう、フィクションとしての枠に足りてないわけで、男子としては満足できないわけです。もっとファンタジー成分多めでいいと思う。
ちなみに自分にとっての「キケン」は中学時代で、爆弾こそ作らなかったが、フラスコいっぱいの水素ガスに火をつけてみたり、部室でニトログリセリンを合成したりしていたのだから、危険レベルとしてはこの話の大学生たちとたいして変わらない。あ、おれは横暴な先輩に振り回される下級生の役回りだったので(笑)。
あんな面白い経験ができたのも、何をやっても全部責任かぶってくれた恩師・鎌田先生(女性)のおかげです。ありがたや。良い「キケン」には、良い大人の存在が欠かせない。本書に物足りなさを感じるのはそれもあるかも。
2010-05-05(水) [長年日記]
■ HTC Desireとの音楽/ビデオの同期
音楽ファイル同期にiTunes Agentを使う
音楽ファイルの同期にとりあえず使ってみたdoubleTwistは非常に遅い上に使いにくかったので、iTunesへのアドオンとして動作するiTunes Agentを使ってみることにした。GPLなのでたいへんけっこうですな。iTunesを使い続けるというのが癪に障る部分だが、やはり一日の長があるから音楽ファイルの管理ツールとしては機能的にかなり充実してるんだよね。
参考にしたのはWindowsとAndroidで音楽・動画を同期する方法で、だいたいここに書いてある方法の通り。同期できるプレイリストが1個だけというのが非常に厳しい制約なんだけど、とりあえず今までiPhoneと同期していたプレイリストを全部入れたスマートプレイリストを作ってしのぐことに。まぁ、ほとんどの場合、全曲シャッフルで聴いてるので問題はないんだけど、「最近追加した曲だけ」というプレイリストもけっこう使っていたので、運用上はちょっと困る。
同期処理そのものは素早くてシステムへの負荷も低く、満足のいく性能だった。ひとつだけエラーになって同期できないアルバムがあったんだけど、iTunes上で確認してみたところアルバム名の最後に空白が入っていて、これが悪さをしていたようだ。これなら常用できそう。さらばdoubleTwist。
それにしても、iTunesのプレイリストを読むという動作をする同期ソフトが多いのは、たぶんiTunesがプレイリストを読むAPIを公開してるんだな、COMとして。だったらRubyのWin32OLEでも使って同期スクリプトを自作することもできるわけだ。自分で使うだけならGUIはいらないし、ちょっと作ってみるのもいいかもな。時間ないけど。
なお、現在Desire上での音楽/ビデオ再生にはMeridianを使用。音楽再生は申し分ない。ただ、iTunesでリッピングした.m4aファイルの場合にアートワークが表示されないのは、Androidの制約なのだろうか、他のプレイヤーでも表示されないし。.mp3だと問題ないんだけどなー。
ビデオの同期は手動で
ビデオファイルは同期ツールを使わずに手動でコピーすることにした。iPhoneと違ってどんなファイルも端末上から削除できるので、見たはしから削除してしまうビデオファイルは手動の方が楽だ。
で、試しにニコ動向けにエンコードしたファイルをそのまま読ませてみたら、残念ながら音声だけが再生されたので、これまでどおりCraving Explorerを使って変換することに。ただしiPhone向けのプロファイルだと解像度的に寂しいので、専用のものを作った(といってもiPhone向け設定の解像度部分を変えただけ)。Craving Explorerのインストールフォルダにあるtemplate\convert.xmlというファイルをいじる。<Devive>~</Devive>の間に以下の設定を:
<Item> <DisplayName>HTC Desire</DisplayName> <Accelerator>D</Accelerator> <DeviceName>desire</DeviceName> </Item>
<Movie>~</Movie>の間に以下の設定を追加する:
<!-- HTC Desire --> <Item> <DisplayName>MP4(HTC Desire)</DisplayName> <Accelerator>M</Accelerator> <ActionName>mp4-desire</ActionName> <DeviceName>desire</DeviceName> <CommandLine>-f ipod -vcodec mpeg4 -b 1200k -mbd 2 -flags mv4+aic -trellis 2 -cmp 2 -subcmp 2 -s 640x480 -r 30000/1001 -acodec libfaac -ar 44100 -ab 128k</CommandLine> <FileExtension>mp4</FileExtension> <BeforeAction></BeforeAction> <AfterAction></AfterAction> </Item> <Item> <DisplayName>MP4 ワイド(HTC Desire)</DisplayName> <Accelerator>W</Accelerator> <ActionName>mp4-desire-wide</ActionName> <DeviceName>desire</DeviceName> <CommandLine>-f ipod -vcodec mpeg4 -b 1200k -mbd 2 -flags mv4+aic -trellis 2 -cmp 2 -subcmp 2 -s 800x450 -r 30000/1001 -acodec libfaac -ar 44100 -ab 128k</CommandLine> <FileExtension>mp4</FileExtension> <BeforeAction></BeforeAction> <AfterAction></AfterAction> </Item>
512x384が標準のニコ動向け動画の場合、縮小どころか拡大になっている点は気にしないこと。
2010-05-06(木) [長年日記]
■ Android + Gmailで、指定したメールだけ通知させる
Desire搭載のGmailアプリはそこそこの速報性があって、MMSが使えない環境でもおおむね不自由しない感じになっている。ただ、inboxに入ったメールが全部通知されてしまうので、たくさんのメーリングリストに入っていたりするとうるさくてしょうがない。メーリングリストだけあらかじめフィルタしてinboxから除いておけばいいんだが、それってGmailの使い方として間違ってる! と思うので、逆に通知して欲しいメールだけを選択的に通知してもらう方法を模索している。現時点ではこんな感じ。たぶんもっとスマートで省電力な方法があると思う。
速報して欲しいメールは主にケータイからのメール。iPhoneの時はケータイからのメールだけMMSに転送していたんだが、これだと未読が二重管理になってウザかった。やはりGmailの中で完結させないと。
ということで、原則としてGmailアプリには通知をさせない(着信音を「サイレント」にしてバイブを切ると通知領域にアイコンだけ出るようになる。もちろんアイコン表示も抑制可能)。代わりに特定のラベルを付けたメールだけ通してもらうために、IMAPクライアントであるK-9を導入。K-9はIMAP IDLE機能を使ってメールを監視してくれるので速報性が期待できる*1。
あらかじめ通知して欲しいメールをGmailのフィルタで絞り込んでおき、特定のラベルを付ける。ここでは仮に「notify」。
K-9にGmailのアカウントを作成し(~@gmail.comのアドレスを入力するとあとはよきに計らってくれる)、Account Settingで「Folders to check with push」を「Only 1st Class folders」に、「New mail notifications」をON、「New mail ringotone」を好きな音色に。必要に応じて「Vibrate」もONに。
ついでFolder listを更新すると「notify」が出てくるはずなのでそれを開き、「Folder setting」にて「Folder push class」を「1st Class」に設定。これで、先の設定とnotifyフォルダ(ラベル)が結びついて、push通知(IMAP IDLE)の対象になる。はず。なにしろいろいろ試行錯誤したので、これが最小のセッティングかどうか自信がない(笑)。
これでケータイからのメールはinboxに残ったままでnotifyラベルが付き、K-9からはnotifyフォルダに入った未読の新しいメールとして認識される、という寸法。K-9で読んでもGmailで読んでも既読になるので、二重管理にならない。
*1 なんですべてをK-9で完結させないのかというと、受信メールをすべてinboxに入れておいて、処理済みメールをarchiveするというGmail的運用に向いていないため。フォルダへの手動振り分けがとにかく面倒なUIなのである。
2010-05-07(金) [長年日記]
■ HTC Desireのアラームをカスタマイズ
AndroidはiPhoneのようにマナーモードでもアラームが鳴り響くといったアホな設計にはなっていないので、まぁデフォルトのままでも普通に目覚まし時計として使えるんだけど、ちょっと工夫するといい感じに。ここはあえてアプリは加えない方向で。
電車通勤サラリーマンの強い味方、寝過ごし防止アラーム(バイブのみ)を、うっかりマナーモードにし忘れても音が出ないようにするには、やはり無音のアラーム音を加えておくのがいい。これには、以前iPhone用に作った無音ファイルがそのまま使える。iPhoneでは拡張子を.m4rに変えたけど、.m4aのままでOK。/sdcard/media/audio/alarmsの下にコピーするだけ。
同じように、好きな音色で目覚めたければ任意の音声ファイルをこのディレクトリに置くだけである。妙な裏技使わなくてもいいからわかりやすい!
/sdcard/media/audioの下にはringtonesというディレクトリもあって、その名のとおり着メロである。これも好きな音声ファイルを放り込んでおくだけで、着信音の選択リストに出てくるようになる。
2010-05-08(土) [長年日記]
■ 築地「鮨文」で寿司
かみさんの誕生日だったので、昼に築地に出て寿司を食べた。食べログで築地市場周辺の寿司屋をリストアップして行ったが、★が多い順に行列が長くて笑った。「これくらいなら待てるかなー」という、上から5番目くらいにあった「鮨文」に並んだが、回転がはやくてけっこうすぐに店内へ。
築地の寿司はどの店で食べてもおいしいと思うけど、この店もネタもリッチでうまくて満足・満腹。店内の撮影は禁止されていたので、写真は花をかじるグスタフ(寿司と関連なし)。
■ コンラッドでアフタヌーンティー
その後、波除神社に参拝したあと汐留までのんびり歩いて、コンラッド東京のラウンジでアフタヌーンティー。味は悪くなかったけど、ちょっとショボかったなー、これは。
まだ寿司で満腹に近かったこともあり、2人で1セットだけ頼んだけど、それにしたって寂しかった。値段的にはほぼ変わらないシャングリ・ラのアフタヌーンティーと比べるとその差は歴然。紅茶も、シャングリ・ラはおかわりのたびに別の種類を選べるのに対し、コンラッドはアッサム一択。スイーツも材料はいいもの使ってるけど、味は想像の範囲内で、シャングリ・ラみたいな驚きはなかった。
2010-05-09(日) [長年日記]
■ iTunesとDesireの同期ツールを書き始めた
Desireへの音楽ファイル転送はとりあえずiTunes Agentでしのいでいるが、やはりプレイリスト1つだけというのが厳しすぎるので、選択したプレイリストを転送できるツールを書くことにした。もちろんRubyでね。
とりあえずGithub上にプロジェクトを作ったが、こっちはまだほとんど空っぽ。まずはiTunesのCOMインタフェースを確認するためにirbでいじってみるなど。4年前に出張先のホテルで目覚まし時計を作って以来だ(笑)。
まずはartonさんのActiveScriptRubyにある1.9.1を入れるところから始めたので(さすがにもう新規環境を1.8で作る時期じゃないだろう)、始めるまでにけっこう時間がかかってしまった。いや、入れるのは簡単だったんだけど、Poderosaのcygwin環境からだとirbがプロンプトを出してくれなかったりするので苦労したり。普通にRuby Console使えばよかったのか……。というわけで、慣れたVMware上のLinuxでコードを書き、ファイル共有したWindowsから実行するという環境を構築。
そんなこんなで、プレイリストの一覧を取ってきて、それぞれのプレイリストから含まれている曲のメタ情報やファイル名などを読めたので、ツールに必要な情報は全部取れそうというところまで確認して今日は終了。Win32OLEは相変わらずGJすぎる。
2010-05-11(火) [長年日記]
■ Android Marketで有料アプリを買おうとして(少し)はまる
いままで、Android Marketからは無料アプリだけをダウンロードしていたのだが、今日「位置情報に応じてWiFiなんかをON/OFFできるアプリはないか」と相談したら、複数の人からLocaleというのを薦められた。位置情報だけでなくさまざまなシチュエーション下で、WiFiだけでなくさまざまななデバイスをコントロールできるらしい。まさにこれ。
ところがこれが、お値段$9.99だという。けっこうするなー。まぁ、iTunes Storeと違って24時間以内にアンインストールすれば払い戻ししてくれるという良心設計なので、まずは試しに買ってみればいいのだ。
ということで、マーケットアプリでポチッとしたら、アプリが異常終了して買えないの。決済方法を選べというから、クレジットカードを選んだとたんに落ちる。
……と愚痴ったら、「Google Checkoutにクレジットカードを登録すれば動く」という情報をもらい、そのようにしたらこんどは通った。なんだコレ。ひどいなぁ。カード決済未対応なのはいいけど、落ちるこたぁないだろうに。
とりあえず(無事購入できた)Localeの設定はしてみたけど、自宅から離れないとその動作を確認できないのが玉に瑕だ。明日は忘れないようにいろいろ試してみないとな。
2010-05-12(水) [長年日記]
■ HTC Desireでシチュエーション別の設定切替
昨日の続き。
教えてもらったLocale($9.99)は、位置情報の精度がどうにも悪い。自宅周辺100mで設定してもまず自宅を検出してくれない。300mくらいにすればなんとか検出してくれるけど、それじゃちょっと使い物にならない。動作を見ていると、GPSを使っている間、なぜかWiFiもONにしているようなので、どうもWiFiも併用しているような気がする。だとすると(少なくとも)国内では精度悪くて使えないわなぁ。もしかすると作者の住んでいるところではこれで十分の精度が出るのかも知れないけど。
ということで、Localeはアンインストール。即座に「返金したよ」というメールがきた。これは安心して有料アプリを試せるから、嬉しいよなぁ。iTunesでははっきりいって1000円以上するアプリは怖くて買う気になれなかったもんな。というかこれが当たり前だと思うんだけど。
続いて、同じように位置情報をベースにしてWiFiのON/OFFだけをしてくれるAutoWiFi(100円)を試す。たぶん作者は日本人? GPS/3G併用または3Gのみが選べるという、日本の環境にマッチした作り。ただ、なぜか地図が表示されなくて使えないという。Desireの解像度に合ってないだけかも知れないので、バージョンアップに期待しつつ、返品しないで持っていよう。
で、今は何をどうしているのかというと、One Step Settingというのを使っている。位置情報関係なくて、あらかじめ設定しておいたシチュエーション(自宅とか職場とか)を手動で選んで各種設定を切り替えるという。なんか、これで十分な気がしてきたよ。もっとも、まだ名前に偽りがあって、アプリ起動、シチュエーション選択、実行と、3ステップ必要。シチュエーションをウィジェット化すれば本当にワン・ステップでいけるのになぁ。
2010-05-16 追記
One Step Setting、ウィジェットはないけど設定ごとにショートカットが作れることがわかった。しかも最新版ではアイコンがいくつか選べるので、これで十分。なるほど、ショートカットというのはこういう場面で使うのだなぁ。
◆ ただただし [なるほど、おっしゃる通りかも知れません。ただ、緯度経度で指定しているわけではなく、Google map上で指定してい..]
◆ kp [衛星から位置情報が取得できない場合のWiFiや基地局からの情報による位置決めの精度の問題でしょうね。 Localeで..]
◆ べべ [Localeの"Location Condition"のヘルプを読むと、 "Locale will briefly ..]
◆ ただただし [町田すら満足にカバーされてなくて悲しくなりました……。これでWiFi情報使われたらダメですねぇ、たしかに。 普通にA..]
◆ ただただし [……という観点で探すと、「Cell mode」でlocationを決めるLocale pluginというのも存在して..]
◆ kp [Skyhookでは、APのMACアドレスと位置情報をユーザが登録できるので自宅のAPの情報を登録してしまえばいいので..]
2010-05-13(木) [長年日記]
■ 出張で松本へ
泊まりがけの出張って、いつ以来だろ。ともかく、松本で明朝から会議なので前日入り。
八王子からスーパーあずさに乗ったんだけど、「スーパーあずささん23号なう」とか「あずささん、揺れすぎです」というネタをTwitterに投げていたら、真面目なレスがいくつも返ってきて弱った。アイマスに理解のあるfollowerばかりじゃないことを配慮しなくてすまんかった!
もっとも、件の振り子車両による「妙な揺れ」は実感できず、単に振動の多い路線だなーという感想。そんな中、2時間ネットにつなぎっぱなしのPCを覗いていたのだから、まぁちょっとは気持ち悪くなるのもしかたないというものだ。
八王子から松本までジャスト2時間ということは、だいたいバイクで中央道を飛ばすのと変わらない感じだよなぁ。仕事じゃなければバイクで来たのに……(仕事じゃなければ来る理由がないだろうというツッコミはなしで)。
2010-05-15(土) [長年日記]
■ グスタフ、タマを取られる
市の補助が出るようになるのを待って申込んだグスタフの去勢手術だが、本日決行。ためしに小さい頃に使っていたバッグに入れてみようとしたらこのざまである。頭しか入ってない。大きくなったものだ。
朝10:00、先日買ったリードを付けただけで、じかに抱っこして獣医まで連れていくが*1、途中から感づいたのか、怯えた声でビャービャー鳴き始める。医者に着いても鳴き止まず、診察台に載せられたらすごい形相で「フーッ」と唸る。凶暴というより、小心者だよなぁ、これ。内弁慶すぎる。他人のもとに預けられるのは初めてなので、そうとう心細いだろうとは思うが、心を鬼にしていったん帰宅。
17:00引取りへ。最初はケージの中から誰かれかまわず「フーッ」と言っていたが、声をかけたらおれを認識したようで、こんどは情けない声で鳴き始める。帰りはバッグに詰めて持ち帰ったが、歩いてる間じゅう鳴きどうし。さぞかし怖かったんだろうと思うが、こういうことが重なって、医者に行くのが嫌いになるんだろうな、ペットって。獣医師ってほんと、損な職業だよなぁ。
エリザベスカラーを付けるのかと思っていたけど、オスの去勢手術の場合はなしだそうだ。まぁ、傷口も小さい、簡単な手術だしな。メスは大変だろうけど。お代は16,000円。あとから相模原市の補助で2,800円バックされる。
帰宅してからもしばらくしがみついて離れなかったが、だんだん(足腰がふらつきつつも)うろうろし初め、4時間もするといちおうシャンとして歩けるようになり、少しだが食事も口にした。もっとも傷口が気になるようで、しきりに舐めたり、尻を床にこすりつけるような動作をする。痛痒いんだろう。こればっかりは傷がふさがるまで耐えてもらわないといけない。抜糸は1週間後だが、こんどは素直に連れていかせてはもらえないんだろうなぁ。
犬は去勢するとおとなしくなるというけど、猫はあまり変わらないとも聞く。グスタフはどうだろう。あいかわらずの乱暴者で、主治医からも「これはすごい」と一目おかれている(?)のだけど、そろそろ噛む力を加減してもらわないと、こっちの身がもたないんだが……。
*1 なにしろ歩いて3分程度の近所なので。
2010-05-17(月) [長年日記]
■ 入門Git(濱野 純(Junio C Hamano))
4ヶ月も前に買っておいて今ごろ読むとかね。しかも出版はさらに4ヶ月前とか、どうなんですかね。
すでにGithubを便利に利用していて、チュートリアルにも一通り目を通してあるので、まぁ復習がてら……と思って読み始めたらとんでもない、これはツールの入門書ではなく、新しいソフトウェア開発のワークフロー解説書だ。というか、いきなり内部構造の説明から入る入門書なんてあるかい!
冒頭Linusのはしがきに、彼が作ったベースの上に「一般のユーザにも適したユーザインタフェース」と「磨きあげられたシステムにまで育てていくメンテナ」が必要だと書いてあって、いきなり吹き出してしまう。いや、実際Gitプロジェクトは(本書の著者という)素晴らしいメンテナを得ているが、ユーザインタフェースはとても一般向けとは言い難い。特にリポジトリを操作するコマンドが多すぎて、正直「きれいなリポジトリの維持」に対するこだわりがパラノイアすぎるんじゃないかと感じる。
そんなわけで、本書はGitにそういう「過剰さ」が必要になった背景の説明に満ちている。
LinusがBitKeeperからの乗り換え先を探すにあたって、「履歴管理」のツールではなく「パッチ管理」のツールが欲しいと言っていたのを覚えているが、Linux Kernelのように巨大で、歴史があり、大勢が関わっているようなプロジェクトの場合それは必然で、プロジェクトを効率良く運用していくためにGitにはそれをサポートするコマンドが数多くある……という背景を理解するのが、Git理解の近道なのだ。そういう意味で、本書のChapter 10(パッチベースのワークフロー)こそが本書の本論部分になるんだと思う。
おそらくLinux Kernelほど大きくない普通のプロジェクトにおいては、Gitの持つ機能の大半は不要だろう。だが、なぜ「歴史」をきれいに編纂しておく必要があるのか、そのためにプロジェクトメンバがどのような心がけを持つ必要があるのかについては、ひととおり理解しておいた方がいいと思う。というか、そこを押さえずにGitを使っても、たぶん宝の持ち腐れだろう。
で、思想はわかったとしても、やっぱりこの複雑なコマンド群を使いこなせるとはとても思えないんだよなぁ。Gitはもう、コマンドラインで使うツールじゃないよ。だから標準でGUIツールが付属するのは非常に納得がいく。GUIで対話式に操作しないと、普通の人は歴史の編纂なんてできないって(→TortoiseGitを入れてWindows上に開発環境を移すフラグ?)。
2010-05-18(火) [長年日記]
■ グスタフ、2階のベランダから脱走する
家猫とはいえけっこう外が好きなグスタフは、しょっちゅうベランダに出てはスズメを監視したりしているのだが、今日の夕方は出たっきりなかなか中に入ってこない。どうしたのかと思って呼びにいったら、どこにもいないではないか。気づかない間に屋内に戻ってきたかと思って家じゅうを探してみたが、どこかに隠れて寝ているわけでもなさそう。脱走したか。
1階の屋根の上から下のフェンスまでは1m程度しかないので、ちょっとジャンプすれば逃げ出せるかも……と以前から予想はしていたが、早くもそれが現実になるとは。もうすっかり大人だから、庭でおとなしく遊んでいてくれたりはしないだろうなぁ。とりあえず餌で釣るために、カリカリを入れたガラス瓶を持って外に出る。
暗い中、名前を呼び、瓶を振りながら近所をまわってみたけれど、ぜんぜん応答がない。猫は迷子になるとどんどん遠くに行ってしまうというから、これだけ探して見つからなければもう近くにはいないと考えていいのではないか。なんか、おれが飼う猫って、かならず途中で行方不明になるんだよなぁ。とほほ。
で、もうダメかと思って庭で座り込んでいたら、裏門の隙間からひょっこり入ってくるではないか。「どこ行ってたんだよ!」と声をかけたら逃げ出そうとするのですかさず捕まえた。あー、よかった。
写真は、帰宅直後に玄関で「また出してくれないかなー」とおねだり中のグスタフ。いいや、なにか対策をうつまで、しばらくはベランダ禁止!
2010-05-21(金) [長年日記]
■ 今年最初の臼田詣。「はやぶさ」に最後のエールを送ってきた
あかつきとイカロスも無事に打ち上げられたので、ちょっと臼田まで行って道中の無事を祈ってきた(←明らかに嘘である。家を出たのは5:30だが、H2Aの打ち上げは7時ごろ)。いやまぁ、言うまでもなく、6月帰還が決まった「はやぶさ」の応援ですが。
R299
ガソリンも高いし、高速の割引もないのでどうしたものかと悩みつつ八王子まで走ってきたが、「下道行けばいいんじゃね?」と気づいたので、そのまま酷道ことR299で北上することにした。前回通行止で踏破できなかったからリベンジも兼ねて。
リベンジもなにも、今回はなにも問題はなくスムーズで、通行止区間もクリア*1。もっとも、壁面工事がつづいているし、落石がゴロゴロしているので、相変わらず危険な状態なのは間違いない。よくまぁ国道を名乗ってるよ。
ともあれ今日はやたらと天気がよくて気持ちがいい!! 外界の気温はぐんぐん上がっているようだけど、標高があるから過ごしやすい。止まると暑いのでほとんど走りっぱなしで長野入り。
国立天文台野辺山
はやぶさが可視になるのは午後のはずなので、今日は余裕がある。R299を西に向かってもいいけど、ひさびさに野辺山を訪ねるのもよかろう。ということでR141を南下。
45mはちゃんと稼働していた。湿度の低い時期しか運用しない(そして5月の連休あたりがその限度)と聞いていたので、たぶん上向きだろうなーと思っていたから、これはラッキー。数分おきにちょっとずつ動いていたので、ターゲットを変えながら何か観測していたのだろう。平日で見学者もいなかったので、独り占め状態でしばらく眺めるなどする。
運用を終了している干渉計は1基だけ横倒し状態で、たぶん去年の一般公開時以来ずっとこの状態なのかな。かわいいねぇ*2。
にしても暑い。駐車場から45mまで数百メートルの徒歩で汗だく。ウェアを脱いでくればよかった。
臼田宇宙空間観測所
軽く昼食をとってから一路臼田へ。到着は14時ごろ? ディッシュはすでにだいぶ上を向いていたものの、最初はまだ動いていなかった(と思う)。受付でいつものようにパンフレットと見学者バッジを受け取るが、バッジがクリップ留めのものから丸い布製のステッカーに変わっていた。ステッカーの印刷も発色が悪いし、事業仕分け対策のコストダウンだろうか?
ところで、64mが新品みたいにピカピカですよ! 冬の間に改修工事をしていたのは知っていたけど、ここまで全面的に再塗装されてるとは思わなかった。もう、白い部分はとことん白く、仰角制御のギヤはキリリと黒くて、もうヨダレ出ちゃう。これであと20年は戦える! いやね、大型のアンテナってもう作られないから、現存するのはどれも老朽化、間近で見ると錆が浮いていたりして、ちょっと悲しくなるんだよね。いやぁ、これは美しい。眼福眼福。
そんなこんなで興奮しながら激写しまくっていたら、じりじりと動き出したので、(たぶん)はやぶさと交信を始めたのだろう。以前、Twitterで@Hayabusa_JAXAに臼田との交信時間を質問したけどまったく返答がなかったので、いま何をしてるのかよくわからないんだよなー。公開してはまずいんだろうか?
それにしても、もうすぐそこまで来てるんだよなぁぁぁぁ! あと半月ちょっとで戻ってくるんだよ! まだ信じられん。
2010-05-22(土) [長年日記]
■ グスタフ、去勢されても勢いは衰えず
先週の去勢手術から1週間。ここ数日はほぼ普段どおりの生活に戻っていたが、今日は抜糸。
まだ病院に出かける手続きが一定していないので、おでかけ用の袋にはみずから進んで入ったり、外に出れば喜んで周囲を見回すなど、油断しまくり。で、病院が近づくにつれてだんだん不安そうな顔つきになる。気づくのが遅い(笑)。
で、診察台に載せられるとこれ以上ないくらい情けない声で鳴き始めるが、今日は下半身をちょっと袋の外に出して、はさみで糸をチョキンと切るだけ。(たぶん抗生物質の)注射をブスッとされておしまい。その間10秒程度。病院を出るまで鳴きっぱなしだったけど、こんどは家に近づくにつれて徐々に普通に戻ってきた。
しかしまぁ、本当にぜんぜん変わらないよ。相変わらず手加減なしに噛むし、外にも出たがってしょうがない(これは引き続き禁止中。ベランダにネットを張ることを検討してる)。このまま元気で乱暴なオス猫でい続けるのかねぇ。
◆ やまざき [ぐっさんかわえ~(/-\)]
2010-05-23(日) [長年日記]
■ livedoor Readerの未読をクリアした
最近、仕事はほとんどオフィスにいなくて、顧客先を点々と回っていることが多いんだけど、おかげでLDRの未読が溜まる溜まる。自席にいるときはちょっとした合間に息抜きがてらチラチラ見たりしていたけど、出歩いてるとそうもいかない。おまけにAndroidにはiPhoneのAeroReaderみたいないい感じのLDRクライアントがまだないから、移動中にも消化が進まない。
というわけで(?)、未読が精神衛生上よろしくない数になってきたので、未読を一気にクリアした。ざっとタイトルだけ見たfeedもあるけど、基本的にいっさい見ないでばっさり。あー、すっきりした。まぁ、クリアしたあとも順調にまた未読が溜まっているんだけれども。
それにしても、「Twitter始めたらfeed reader見なくなった」って人はよくみるけど、おれはTwitterすらロクに見てないからなぁ。Android版のクライアントにも「これだ!」っていう決定版がまだないし。TweetDeckがAndroid版を作ってるそうだから期待してるところだけれども。
2010-05-24(月) [長年日記]
■ iTunesとDesireの同期ツールを書いた
先日書き始めた同期ツール、まとまった時間がとれなくてこんなにかかってしまったが、いちおう動くようになったので実戦投入。→ソース。
iTunesが返すデータの文字コードがWindows-31Jだったり、UTF-8のテキストをメモ帳で編集するとBOMがついちゃうとか、わりとどうでもいいところで苦労したりして。まぁ、ruby 1.9.1のおかげでクリアできたが。
基本的に、
- 指定したプレイリストの曲を指定パスにコピーして
- プレイリストにない曲は削除して
- プレイリストの中身を.m3uファイルに書き出す
というだけの処理なので単純だ。
自分しか使わんから、GUIとかgemなんて、なくていいやもう。バッチファイルにしたから、Desireをクレードルに載せたあとはワンクリックで同期できるようになったのでおk。バッチファイルなんて書いたの10年ぶりくらいかも。
2010-05-26(水) [長年日記]
■ 代替医療のトリック(シン,サイモン)
私の(嬉し恥ずかし)代替医療体験告白コーナー!
子供のころからやたらと鼻血が出る体質で、しかもひとたび出血すると多量でなかなか止まらないので行動不能になるというやっかいな症状。大学病院で調べてもらっても原因不明で、「鼻の粘膜を焼く」といういささか乱暴な対処療法をすすめられた。「さすがにそれはなぁ」と悩んでいたところに、母が見つけてきたのが鍼治療である。
藁にもすがる思いで(←代替医療にはまる典型的な心理状態)受診してみたところ、センセイは「頭に気がたまっていて(のぼせたような状態にあるから)鼻血が出やすい」と診断。頭と足の先に針を打つと、両端にワニ口クリップがついた細い銅線を取り出して、針の間を接続したのである。頭と足の間にある電位差を取り除くのだそうだ。そして、この銅線には逆流を防ぐためにダイオードまで仕込んであると自慢げに語った*1。
おれがベッドから跳ね起きて治療院を飛び出さなかったのは、体から針をぶら下げたまま往来を歩くのは忍びなかったのと、母の顔を立てるためである。あの場で笑い出さなかった自分を褒めてやりたい。そんなわけで、プラセボ効果のまったく期待できない患者が、ここに誕生したことになる*2。
で、この話、非科学的な代替医療を小馬鹿にして終わりかというとそうではなくて、なんと不思議なことに治ってしまったのである。あれ以来、かつてのような派手な鼻血はいっさ出いなくなった。
さて、ここで中国四千年の神秘に魅せられて代替医療のとりこになるべきかというと、そうじゃないよ、というのが本書に書かれていることである。鼻血癖が直ったのは鍼のおかげ「かも知れない」が、単に体質が(偶然時を同じくして)変わったのかも知れないし、その他の生活習慣の変化が治癒をもたらしたのかも知れない。
「個人の体験」はその治療法の効果を証明するものではない。必要なのは厳密な臨床試験しかないのだ。おそらく鼻血が出やすい体質の人に対する鍼治療の臨床試験なんてされてないと思うので、ここでは評価をペンディングにするのが科学的な態度というものだろう。「(自分は)鍼がきっかけで鼻血が治ったよ」くらいは言ってもいいが、「鼻血には鍼が効く!」とまでは一般化してはいけない。
Amazonの書評には★を1つか2つしかつけてない人がいて、そういう人たちはおそらく上のような体験をしたことがあって、それを否定されるのが耐えられないんだろうなぁと思う。自分を客観視できないんだね。まぁわからなくもないけど。
というわけで、鍼治療を最初に血祭りにあげたあと、ホメオパシー、カイロプラクティックなどの代替医療について、「科学的に原理が説明できるかどうか」にはかかわらず、厳密な臨床試験の成果を使って「効くかどうか」だけを検証するのが本書の基本的な流れである。だから、ホメオパシーみたいなあからさまなインチキに対しても、誠実かつ中立に向きあっていて、「さすがはサイモン・シンだ」と感心してしまう。(上記のような心理的な抵抗は別にして)このアプローチを論理的に否定できる人はいないだろう。
おおかたの予想どおり、ほとんどの代替医療はこの検証に耐えられない。腰痛に対するカイロと、一部のハーブ医療だけがなんとかセーフというところ。おれもカイロはたまに頼るけど、腰痛にはたしかに効くけど慢性的な肩こりはいっさい改善しなかったのでこれは納得できる。こんな風に自分の体験にマッチする部分は納得できるけど、そうじゃない場合はつらいかもねー。でもそこに向きあってこそ、安価で安全で効き目のある医療を受けられるというものでしょう。現代人として必読。
2013-08-28追記: 文庫版が出た
2010-05-27(木) [長年日記]
■ 「HTML5 TechTalkスペシャル」に行ってきた
ブログ「Life is beautiful」でおなじみの中島聡さんの来日(帰国?)に合わせて開催されたHTML5 TechTalkスペシャル『W3C Widgetとその応用を考える会』に参加してきた。
白状すると、HTML5は上っ面だけ眺めて「(お仕事では)IE9が普及する数年先までは使えないでしょ」というスタンスだったので、あんまり真面目に勉強してなかったため、技術的な内容にはあんまりついていけなかった! すまん!
でも、今回のテーマであるW3C Widgetのデモをいくつか見せられて、こういう風にアプリとして配布可能にしてしまえばIE9の普及なんて待つ必要ないなー、と思い直したのであった。ようするにWebサイトとして見せなければ、HTML5対応ブラウザは単なる「W3C Widget実行のためのランタイムライブラリ」としてインストールしてもらうイチ要素に過ぎなくなっちゃうわけだもんな。
というわけで、買ったまま書庫の肥やしになりかけていたHTML5 API本を引っ張り出して読んでいるのであった。paymemoをHTML5化しながらちょっと遊んだり*1。泥縄。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784822284220
なんでもHTML+CSS3+JavaScriptでできるようになるのはすごいねー。でも個人的には、セクション要素によってちゃんと構造のある文書が書けるようになったのが一番嬉しいかも知れん。
それはそうと、中島さんの講演は「電子書籍のプラットフォームをHTML5にしよう」的な内容で、Widgetとは密接には関係なかったけど、この提案自体は面白いと思った。今の電子出版の状況って、「どのプラットフォームと心中するか」という最初の選択が重くて、リスク高すぎるもんな*2。
でもまぁ(オープンという点を除けば)昔Macromedia Shockwaveで作ったマルチメディアコンテンツをCD-ROMで配ってたのと発想はあんまり変わらないような気もする(笑)。
2010-05-28(金) [長年日記]
■ 「ベントラーベントラー」が3巻で完結
以前も紹介したかも知んないけど、「アフタヌーン」で連載されていた「ベントラーベントラー」が先日出た3巻で完結。いや、アフタヌーン読んでたから知ってるけどさ。寂しいなー。
歴史に残る傑作! ってわけじゃないけど、まったり風味のオールドファッションドSFで、ロートルSF読みには実にいい作品だった。最終話の雰囲気もよかったし、オマケの(気になっていた)人造人間セルマのその後が描かれていて、これがまたいいんだわ。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784063145533 https://www.amazon.co.jp/dp/9784063106039 https://www.amazon.co.jp/dp/9784063106640
2010-05-29(土) [長年日記]
■ 新しいカメラを買った(OLYMPUS PEN Lite E-PL1パンケーキレンズキット)
まわりにデジイチで写真を撮る人が増えていて、彼らが撮る写真は実際きれいでいいなぁと思うのだけど、基本的に一眼レフは嫌いなのだ。なぜかっちゅーとデカくて重くて黒いところが耐え難い。気軽に持ち歩けないモバイル機器は、しだいに持ち歩かなくなってしまってもったいない。
そしたら最近、知人がOLYMPUSのPENを買って、けっこういい感じの写真を撮るではないか。PENシリーズならいいかも……といろいろ物色していたら、パンケーキレンズを欧米でしか売ってないカラーのボディに組み合わせて限定生産するというので、思わずポチってしまった。ほら、これなら小さくて軽くて赤い!*1
発売は昨日(5/28)の予定だったので「いやー、発売日に買っちゃいましたよ」というネタをする予定だったんだが*2、Amazonさんが届けてくれたのは1日遅れの今日だった。いやいいけど。
https://www.amazon.co.jp/dp/B003MP8K98
なにしろデジイチは初めてなのでなにがどうなっているのかもよくわからないけど、E-PL1はかみさん所有のGR Digital IIよりもスイッチ類が少ないというヌル~いデジイチなので、こっちもヌル~く使っていくつもり。とりあえず最初に撮ったのはグスタフでした。というか、言うまでもなく被写体はもっぱら猫になるだろうけど。
2010-05-30(日) [長年日記]
■ CDが棚からあふれたので、ソフトケース収納に移行
なぜか毎月毎月、お布施のようにCDが増えていくので、自宅の新築時に作ったCD用の棚がいっぱいになってしまった。世代的になかなかモノを捨てられないこともあり、せめて収納効率を増やそうと思ってコクヨのソフトケースを買ってみた。まずは50枚。
日本代表がイングランド相手に3得点無失点なのに負けるという珍事*1を見ながら黙々と作業をしたが、だいたい1時間ちょっとで移せた。ケースを分解して裏ジャケを取り出すのが大変だけど、慣れるとまぁまぁのスピードでこなせるようになる。でも、一回に50枚が限度だなぁ。飽きるので。
写真のようにスペース的には1/2以下になるので、あと倍くらい増えても大丈夫ということになった。検索性は落ちるけど、どうせリッピングしたものしか聴かないので実害はないだろう。ついでに二重買いの防止のために、ブクログのAndroidアプリを使って整理しながらガンガン登録。バーコード連携がすばらしいので、すげーらくちんだった。
コクヨ CD/DVDケース メディアパス 1枚収容 50枚 黒 EDC-CME1-50D
コクヨ(KOKUYO)
(no price)
*1 未来の自分のために解説しておくと、1得点2オウンゴールである。
2010-05-31(月) [長年日記]
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784822284220
泥縄読書終了。
最近、Webアクセシビリティがらみで人さまのサイトのHTMLソースを見ることが増えたんだけど、特に見出し要素の使い方が難しいというか、サイトオーナーの「個性」が発揮されてしまうのね。ようするに今のHTML/XHTMLでは構造化された文書なんて書けやしないということなんだけど、HTML5から導入された「セクション」の概念のおかげで、だいぶそのあたりがいい感じに表現できそうな感じ。
……というのが(個人的には)HTML5最大のメリットかも知れないとすら思うわけだけど、本書ではそういう文書的な側面は表面的に触れるにとどまり、HTML5周辺のAPIを中心に解説している。といってもそれらも通りいっぺんであることに違いはなくて、HTML5をとりまく技術の概観をざっくり把握できるほどほどの分量で、とっかかりとしては適度で良いと思う。「HTML5で夢がひろがりんぐ!」と鼻息が荒くなるくらいにはエキサイティングな未来が感じられる。
まぁ、API的にはJavaScriptからネットワークやストレージへのアクセスが拡大しているのが大きな変化だけど、それとて、やっとプログラミング言語としてアタリマエのことができるようになっただけではある。で、ためしに実装して、Chrome5あたりで動くことを確認して「わーい」と喜んでから、Android 2.1のブラウザで試すと動かなかったりして凹むわけです。同じWebkitなのに(「Webkitの悪夢」と呼ぶらしい)。
けっきょくHTML5が十分に普及するまでは、今と変わらずブラウザ間の非互換に頭を悩ませることになるんだろうなぁ(というかしばらくは今よりひどくなるかも知れない)。ブラウザ間非互換をがんばって吸収できる体力のあるサービスのような例外を除けば、あとはWidgetのような単体アプリのランタイムとして特定のブラウザを指定できる場合だけが、HTML5の恩恵を受けられる、そんな状況がしばらく続くだろう。
とは言ってもわれわれ技術者は(いつかやってくる)HTML5時代に備えて準備しておかなくてはいけないわけだ。これだけ色々盛り込まれていれば、あと数年は楽しみが尽きることはなさそうだねぇ。
◆ ogijun [要らなくなったiPhone用のグスタフ壁紙はぜひ放出してください。ていうかノロケかよ><]
◆ cocomaca [はじめまして。twitterでお見かけしてこちらにお邪魔させていただきました。 (ハンドルはTwitterのScre..]
◆ ただただし [> ogijun Picasaにあげといた(笑)。 http://picasaweb.google.co.jp/ta..]
◆ smbd [Picasaかなんかで公開してください<グスタフ壁紙]
◆ ただただし [しょうがないなぁ(笑)。 http://picasaweb.google.co.jp/tadatadashi/Gu..]
◆ smbd [やったー]