2011-10-01(土) [長年日記]
■ 富士山できのこ狩りをしてきた2011
昨年に引き続き、今年もうどん会の方々に誘っていただいて、富士山できのこ狩りをしてきた。昨年はずっと雨でなかなかひどい目にあったのだけど、今年も9月の予定が雨天で延期になり、リベンジとなった今日も雨の予報だったので半ばあきらめていたのだが。蓋を開けてみれば(雲の上ということもあり)ずっと好天で、すがすがしい秋の富士山をたっぷり満喫することができたのだった。
初参加の昨年は、どれが食べられるきのこなのかもわからず、手当たり次第に摘んでみては打率五割というところだったのだが、今年は時期が少しずれたこともあって生えているきのこのバリエーションも少なめで、あまり迷うことなく食べられるものばかりを摘むことができた。打率にすると九割くらい。それでも5、6種類くらいのきのこをたっぷり持ち帰ることができた。
昨年は雨で中止したのだが、今年は(例年どおり)途中できのこ汁を作って食べるというイベントも催された。みんなで採ったきのこの一部で作るのだが、数種類のきのこを刻んで煮て、味噌を加えただけの椀が、もう、なんじゃこりゃというくらいにウマイ! 鮮度の高いきのこって、すげぇ旨いんだなぁ! というわけで我が家は夕飯もきのこ汁である。
そうそう、きのこは放射性物質が心配という話もあって空間線量計も持ち込まれたのだけど、五合目あたりで0.03μSvくらい。地上よりむしろ少ないのだった。飛散している放射性物質は重めなので、高山には届かないのかも知れないね。
その他、美麗きのこ写真はこちら。
2011-10-04(火) [長年日記]
■ プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)(グレッグ・イーガン)
「もう電子書籍でなきゃ新刊なんて買わねーよ!」といきがってみたところで、イーガンの新刊には勝てないのがSF者の性であろうか。いやいいんですけどね、大満足ですし……。
日本オリジナル短編集ということで、イーガンの日本での人気はよっぽど高いのだろうとは思うが、一方で「マニア向けで手強いのばっかりじゃないの?」と警戒する気持ちもあった。が、冒頭の2作はむしろ平易で、SF初心者にもオススメしたいところ。特に「クリスタルの夜」は「いかにして〈シンギュラリティ〉の成果を人類だけのものとするか」というセコいアイデアを実行に移す話で、くすくす笑いが止まらなかった。これは〈シンギュラリティ〉モノのいい変奏曲。
と、油断してると3本目から一気にハードになってくるわけだが。「暗黒整数」は『ひとりっ子』収録の画期的数学SF「ルミナス」の続編で、ハード数学SF+パニック小説であいかわらず楽しいシリーズ。それからおなじみ「ワンの絨毯」は「あれ? 『ディアスポラ』に入ってたじゃん」と思いきやオリジナルの中編バージョン。お得意の「人間のアイデンティティ」テーマにとどまらず「人類のアイデンティティ」にまで踏み込む傑作。
表題作はブラックホールに飛び込んでいくプロジェクトの話で、70%くらいは意味不明の科学用語で埋め尽くされている難敵。いや、理解するのはあきらめたけど、結果を持ち帰れない実験に意味があるのかというけっこう科学的に深い話だね、これは。
このまま「ド」がつくほどのハードSFで爆走して終わりかと思いきや、最後の「伝播」は、難しいところがいっさいなし、それでいてもっともSFマインドにズドンと来る傑作だった。この構成はずるい。いや上手い。
2011-10-05(水) [長年日記]
■ 「You-OK」が「同僚の安否確認」にも対応
先日の防災の日に安否確認システムがひどいという話を書いたけれど、You-OKという安否確認システム(というか他の用途にもいろいろ使えるんだけど)を提供しているxibberさんがさっそく「同僚の安否確認」に対応してくれた。すばらしい!
You-OKは、会社がBCPのためにムリヤリ導入した
頭ごなしのツールであることを断固拒否します。You-OKはBCPのツールでありながら、
同僚の安否の確認も届けられるツールになりました。
xibbarさんは福島で罹災して秋田に避難、最近仙台に移ったという、まさに今回の震災の被害者なのだけど、その間もYou-OKはサービスを提供し続け、みごとなまでに「事業継続」を体現しているわけで、それだけで信頼感抜群だ。それに加えて今回、さらに人間味あふれる魅力が加わったのだから、数百名規模までの安否確認用途で利用者のITリテラシに自信がないならもう、ここを使うしかないでしょうって感じだわ。
2011-10-06(木) [長年日記]
■ Steve Jobs死去
さすがにこれは日記に書いておかないわけにはいかんだろうなぁ。
Jobsの仕事のやり口にも倫理観にも、まったく同意するとことはないのだけれど、少なくとも傑出したイノベータだったし、人類にとって彼を失うことがおおきな損失なのも間違いない。
彼亡きあとのAppleが(そしてIT業界が)、引き続きイノベーションを起こし続けられることを祈る。
2011-10-07(金) [長年日記]
■ 「DRMをかける書店からは電子書籍を買わない」というポリシーは貫けるか
長谷部誠の「心を整える。」が電子書籍化というニュースをみて、以前からちょっと読みたかったこともあり、おまけに印税は被災地に寄付とのことなので、ベストセラーは読まない方針を曲げてじゃあ買ってみるかと思ったのだ。
で、並んだ電子書店の中から特定端末前提ではない書店としてhontoがあったのでログイン(なぜかアカウントを作ってあった)。XMDFって書いてあるから普通にブンコビューアで読めるだろうと思ったが、ふと不安がよぎったので対応デバイス・環境についてを読んでみたら妙な記述が:
すでにPCにダウンロード済みの本につきましては、そのままお楽しみいただけます。
PC向け「honto」アプリでも閲覧可能です。
「すでに」って? 「PC向けhontoアプリ」ってなんぞ?
で、ぐぐってみたら「hontoのPC向けXMDF/ドットブックがDRMフリーをやめて端末紐付に変更した」なんて記事を見つけたわけです。うわー、ヤバいヤバい。あやうくDRM付き電子書籍をつかまされるところだった。XMDFって書いてあるからってなんでもOKってわけじゃないんだなー。本屋が潰れたら読めなくなる本なんて誰が買うかっつーの。その足で即、アカウント消去。
そういえばけっこう品揃えがいいBookLive!も、調べてみると電子書籍販売サイト:BookLive! - そのDRMにあるように相当ひどいらしく、こっちはアカウントを作る前に踏みとどまって良かった良かったてなもんだ。
こんな調子でDRMを避けていたら、最終的にどこの書店からも買えなくなってしまう気がする*1。もちろん、技術系出版社の多くはDRMをかけない方向なので安心だけど、Spece Town亡きあと、小説は今のところ安心して買えそうな書店はパピレスくらいだろうか*2。書店として理想的なのはパブーだけど、プロの作品はまだまだ少ないし。なんとも、お先真っ暗だのぅ。
先日、今の電子書店は本を消費財としか考えていない人向けという指摘をしたが、上でリンクしたこの電子書籍下さいでも、同じ危惧を表明している(→気付いたら1年.. 今後のテーマは "保存" だ!!)。別におれひとりがDRMのかかった本を買わない決心をしたところで、この傾向に歯止めがかかるとは思えないけれど、著作権保護を訴えるときは「文化、文化」とうるさいくせに実際売ってるのは「消費財」という、あからさまな裏表っぷりはどうにかして欲しいよ。
ちょっと期待してしまうのが今日発表になったYahoo!ブックストアだけど、日本の電子書籍を取り巻くこの状況をYahoo!が単独でひっくり返せるとは思えないしなぁ。
◆ takahashim [まだ試してないのですが、Kinoppyはどうですか? http://blog.goo.ne.jp/ikunya/e..]
◆ ただただし [紀伊国屋はいままで真面目に見てませんでした。おお、「心を整える。」がありますね! しかもXMDFだ。 http://..]
◆ ただただし [DRMなしのが買えたのはいいが、このサイト、なんだかセキュリティ的にヤバそうな……]
◆ かずひこ [よくあるご質問: Q 海外からでも利用できますか? A あいにく現時点では海外在住のお客様へ電子書籍のダウンロードサ..]
◆ こ~りん [よくある海外規制は、接続元のIP規制じゃなくて、クレジットカードが日本国内のものかどうかだから 実際にはちゃんと買え..]
2011-10-09(日) [長年日記]
■ 富士山一周(反時計回り)
だんだん秋めいてきて、まさに今乗らずにいつ乗るのというくらいバイクにはベストシーズンになった。今日は早起きできたので、Tシャツにウェアをひっかけただけの格好で出発したけど、まだまだぜんぜんいける。……とか調子こいてたら御殿場あたりで耐え切れなくなって、ダウンのインナーを着てしまった。弱い。
今日は風もないおだやかな日なので逆さ富士でも拝めるかと思い、いつもと逆に反時計回りで富士山一周へ。と思ったら篭坂峠越えて山中湖に入ったところでガスが出てきてしまい、富士山どころではなくなってしまった。富士吉田で朝食をとりながら時間をつぶしていたら晴れてきたので、ようやく出発。
先日の台風の影響で「第六の湖」こと「赤池」が出たという話は聞いていたが、どのあたりにあるのかもよくわからなかったので、まぁ見れたらラッキーくらいのつもりでいようと思っていたら、途中、精進湖の手前で道路脇に人だかりができていたのでなんの問題もなく道から見られた。ここの橋、「赤池大橋」って名前がついてたけど、そういう意味だったのか。知らんかったわ。まぁ、湖というより、池だね、たしかに。
精進湖までくるとすでに太陽はだいぶ高く、たしかに逆さ富士にはなっているもののこんな光線の状態でうまい写真を撮る腕はおれにはねぇよ(笑)。まぁ、そういう狙いなら太陽が富士山から顔を出す前に来いってことだよな。あ、いや、こっち側ならむしろ夕方に赤富士を狙うべきなのか。
精進湖がこのありさまなら本栖湖はもっと厳しいのであった。おまけにマラソン(?)があるらしく周回道路が通行止めだし。
帰路はいつものように富士山スカイラインを走ったが、当然ながら五合目への登山道は渋滞しているので、今日は寄らずにまっすぐ帰宅。山の木々はまだぜんぜん色づいてもいないので、あと2、3週間したらまた来よう。
■ 20世紀フォックス版『はやぶさ/HAYABUSA』は最高のパラボラ映画だ!
だいたい、原作付きの映画というものは、特にそれがお気に入りの原作だったりする場合、ガッカリな出来と相場が決まっているものである。その「原作」がノンフィクションだった場合はなおさらで、下手に細部を知っているものだから「そこは事実と違う」とか「あの場面を描かないとはなにごとか」とか、文句の出ないはずがない。だから、同時に3本(!)も進行している「はやぶさ」の映画化についてはまったく期待していなかった。
で、先日最初の一本である「20世紀フォックス版」が公開されても観に行くつもりはなかったのだが、驚いたことに観てきた人たちの感想が大絶賛の嵐なんである。とにかく悪い評判を見たことがない。それが主に、うるさいことには定評のあるTwitterの宇宙クラスタの人たちなんだから、これは無視するわけにはいかなくなってきた。ソーシャル怖いです。
というわけで行ってきた。
いやもう、すごかった。どんだけすごいかっつーと、
- まずはいきなり内之浦34m(通称うっちーさん)。初登場は射場の隅っこなんだけど(すごく目立つので視線はそっちに釘付けです)、すぐにピンでアップ。思わず「キターーー!」ってつぶやいちゃったよ。
- それからなにより臼田64m(通称うすださん)。これはもう、頻繁に何度も登場するし、ストーリー上一番盛り上がる「はやぶさを発見」するシーンでは主役を張るわけで、もう最高としか言いようがない。
- 最後にゴールドストーン70m。まさかの海外パラボラが友情出演。鼻血出るかと思った。
大型パラボラアンテナ施設が3ヶ所も出てくる映画はきいたことがない。これは史上最高のパラボラ映画といっても過言ではないのではないか……と思ったけど、「最高」はいまだ『月のひつじ』だね、やっぱり。なんにせよパラボラマニア必見である。
冗談はさておき(いや冗談ではないけど)、映画としてもすばらしくよくできていた。なんといっても脚本がまず上手い*1。なにしろ「嘘」がほとんどない。でもちゃんと140分の枠にペンシルロケットから「のぞみ」を経て「はやぶさ」に至る道筋も、発射から帰還までのエピソードもすべて入っている、まるで魔法のような脚本だった。
わりとどうでもいいこと(リアクションホイールが壊れるシーンとか)をさっくり省いたりする一方で、川口さんがポットのお湯を入れるシーンみたいな重要だけど細かいシーンをちゃんと入れるといった、メリハリをしっかりつけて欲張り過ぎてないところがいいんだな。それから、実在の人物にかなり似せてきたキャストの中に、一人だけ架空の人物を、それも主役に入れるという演出上の冒険も、実話をもとにしたエピソードをからませることで実在感を持たせて、違和感なくまとまってるし。たいしたもんだなぁ。
まぁなんにせよ、竹内結子のメガネだけでお腹いっぱいです。本当にありがとうございました。でも他の2本にはまだ気を許していないけど。
はやぶさ/HAYABUSA [Blu-ray]
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*1 「最後の講演シーンはよけいだったよね」とはかみさんとおれの共通意見。まぁあれは本来なら的川さんの講演なので、的川さんの教育論という文脈から切り離したら浮いて当然だよなぁ。もうちょっとシンプルなまとめ方もあっただろうに。
2011-10-11(火) [長年日記]
■ 第2回アクセシビリティBAR『秋の文字サイズ変更ボタン祭り』に行ってきた
前回の『初夏のパンくず祭』に続き(ちゃんと続いたとは!)、今回は『文字サイズ変更ボタン』がテーマ。Webサイトの右上あたりにある「小中大」とか書いてあるボタンで、押すと文字サイズが変わるという、なんの役に立つのかよくわからんアレが題材である。
例によって飲み食いに忙しくしつつも、太田さんが力の入った(入りすぎた?)プレゼン資料を用意してきてくれたので、それをネタにして18人でしゃべりっぱなしの2.5時間。みなさん一家言あって面白い。
太田さんの事例調査によって、自治体や公共団体のサイトはともかく、企業サイトについている「文字サイズ変更ボタン」は本当に飾りにすぎないことがわかってなかなか面白かった。やはりこういう「肴」があると盛り上がる(笑)。JISが決めている「最低200%まで拡大」という基準を満たせてないばかりか、そもそもボタンがどこのあるのかわからなかったり、トップページで設定した文字サイズが他のページに適用されないとか、まぁ、はっきりいってひどかったね。おまけにおかしなランキングに載るためだけにIRページにだけボタンをつけるという、さらにひどい慣習まで暴かれて、これは本当に「ないほうがマシ」というシロモノ。完全にユーザそっちのけだ。
で、参加者の多くは制作サイドの人間なので、一致した意見としては「ブラウザの拡大機能を使え」なわけだし、そのためには「ブラウザの機能をもっと啓蒙しないと」とか「わかりやすいUIのためにブラウザベンダさんもっとがんばって下さい」という流れになってしまうは必然だろう。その点にまったく異論はないのだが、現状のブラウザの拡大機能がどれくらい使われているのか(啓蒙の成功度合いは測定可能なのか?)とか、さらに言えば「文字サイズ変更ボタン」はそもそもどれくらい利用されているのかという客観的な指標がないので、なにかと机上の空論になりがちだ、という指摘をした。やっぱ(解析屋としては)数字がないと足元がはっきりしないんだよね。
というわけで、「(好むと好まざるとにかかわらず)文字サイズ変更ボタンをつけてる」というWebマスターさんにおかれましては、自サイトの文字サイズ変更ボタンがどれくらい利用されているのか、ぜひ調査して結果を公表していただきたい。なに、JavaScriptをちゃちゃっと数行書くだけですよ。
2011-10-12(水) [長年日記]
■ WEB+DB PRESS 総集編 [Vol.1~60](森田 創)
なんでも編集後記でこの日記を引用したからという理由で献本していただいた。ありがとうございます。読んでみたら2006年の記事から、ほんの数行である(律儀だなぁ!):
執筆陣が豪勢だと評判なので、買ってみた。たしかに豪勢だ。ただ、昔の雑誌の「その道の大家を連れてきました」的な豪勢っぷりとちょっと違う気がする。編集者がちゃんとネットにアンテナを張って、いま「旬」な技術者を見つけてきている感じ。
これが32号のときの話で、この総集編にはそれを含む1号から60号までのすべての記事がPDF化されて入ってたったの2,700円。「1冊あたり云々……」という計算は誰かがやっていたから省くが、たいへんな大盤振る舞いには違いない。また、今回で3冊目になる総集編ながら、ちゃんと1号から再録してるところも真面目だよなー。
さて、上で引用したように、旬のソフトウェア技術者を見つけ出してきてその専門分野について語ってもらうというのがWEB+DBの本領なわけだが、あれから5年、読み手であるおれはWebアクセス解析の道へ踏み出し、開発の一線からはちょっと外れた位置にいるものの、60号においても執筆陣の何割かは知人・友人だったりする。この割合は5年前とさほど変わっていない(むしろ最近の方が増えている感じ)。
これが、相変わらず開発者コミュニティとのつながりを保ち続けているおれの成果なのか、それともWEB+DBが硬直化しているサインなのかはわからない(まぁたぶん前者)。ひとつ確実なのは、引き続き移り変わりの激しいWeb業界でありながらも、トップエンジニアたちがその流れに押し流されることなく先頭を走り続けているということと、それを押しのけるように若い力も台頭してきているということだ。
総集編の記念エッセイに名を連ねている11人の「Topエンジニア」たちは一部を除いてさすがにみなベテラン揃いだが、さらに5年後、この顔ぶれがどのように変わっているのかも楽しみである。
2011-10-13(木) [長年日記]
■ Dennis Ritchie死去
なんだかIT業界有名人の訃報が続いているが、個人的にはこれは悲しいなぁ。ちなみに第一報はGoogle+上のRob Pikeの投稿:
I just heard that, after a long illness, Dennis Ritchie (dmr) died at home this weekend. I have no more information.
I trust there are people here who will appreciate the reach of his contributions and mourn his passing appropriately.
He was a quiet and mostly private man, but he was also my friend, colleague, and collaborator, and the world has lost a truly great mind.
C言語の開発者であり、UNIXの開発者でもあるデニスはもう70歳、この先さらに新しい何かを産み出してくれるようなことは期待できないわけで、彼のいない未来から何かが欠けるわけではないだろう。ただ、彼の残したものに対する尊敬というか感謝……うん、そうだ、感謝だな。それはもう、計り知れないわけで。
(ポケコンのBASICを除けば)最初に学んだプログラミング言語はPascalで、次に覚えたのがCだった。Pascalは基礎を学ぶには良い言語だったが、「これならなんでも書ける!」という多くのプログラマが感じるある種の「全能感」はまさにC言語によって与えられた*1。その後はエディタのマクロやAWKを除けば、Javaに触れるようになるまでほとんどCだけを使っていた記憶がある。さすがにもう、C言語は役目を終えたと思うが、それでもインターネットがCで支えられている事実はまだしばらく揺るがないだろう。
ネット上の追悼メッセージをみていると、
free(dmr);
とか、
dmr = (void *)0;
とか、
printf("goodbye world\n");
とか、「おまえらわかってんなぁ」というのが目について、いっそう悲しみに拍車がかかるのである。
彼なくして、今日の世界はけっしてなかった。R.I.P.
*1 この全能感はのちにRubyによってさらにブーストされるわけだけど、それはまた別の話。
2011-10-14(金) [長年日記]
■ 復活の日 (ハルキ文庫 こ 1-2)(小松 左京)
小松左京の逝去からンヶ月、いくつかの名作を読み返したいと考えるも、せっかく電子書籍化されたそれはいわゆる「買ってはいけない電子書籍」ばかりで話にならない*1。しょうがないからBookOffオンラインのお知らせメールに登録して*2、在庫が出たら即購入、BOOKSCAN経由で電子化してやっと読めた。なんという苦労。てかその苦労の半分くらいは自ら選んだものなのだけど(笑)。
書かれてからもうすぐ50年にもなる「古典」なのに、なんだかむしろ今読んだ方がいいんじゃないかとすら思える先見性にまず驚く。時代は東西冷戦のまっただ中、作者の視点も核戦争や細菌兵器による地球滅亡を描くことにあるからそこはさすがに昔話になってしまうが、未知の細菌との攻防をはじめとしたディテールが911や311を見てから描いたんじゃないかと思うほど迫真的なんである。
なにより、(ちょうどこれから冬に向かうこともあり)やはり今年も話題になるであろう新型インフルエンザの発生から流行、蔓延そして敗北までの過程が今の視点から見てもすごくリアル。ワクチンが効かないとか、症状の進み方が異常にはやいとか実にありそうだし、じわじわと「社会」が止まり始めてついには死体の処理まで追いつかなくなるあたりなど、ほんとに背筋が寒くなる。
そんな中、病院に診察待ちの長い行列ができて、それでも暴動はもちろん横入りをすることもなくひたすらじっと耐える日本人たちの姿が描かれてたりするわけ。うわー、この風景、ほんの半年前に見たじゃん! ほんとに40年以上前に書かれたのか、これ。他にも、人類にさらなる追い打ちをかける地震の規模がM9だったりして、その妙な数字の一致がまた恐怖に一枚リアリティを加えたりして。
あと面白かったのが、原子力が大活躍しているところ。というか原子力なくして人類は生き延びられなかったという状況設定なのだ。廃棄物について言及はあるものの、その扱いは(当時の空気を反映して)いささか楽観的すぎるものの、たしかにこの場面では原子力以外のエネルギー源では力不足なので、なにがなんでも原発廃止という今の流れを思い浮かべながら読むと実に味わい深い。
ところで「復活の日」というと原作よりも映画の方を思い浮かべてしまう。なにしろ角川映画がもっとも金をかけていた頃の作品だし、なんでもCGでごまかすわけにもいかない時代のものだから、ロケ地も大道具もとにかくホンモノ使ってて圧巻だった。冒頭、南氷洋にぽっかり潜水艦が浮かんでくるシーンはいまだに脳裏に浮かぶし、ボロをまとって誰だかわからないくらいに汚されまくった草刈正雄のギラギラした目は実に迫力があった。今回原作を読み返して、あのオリビア・ハッセー役の人は映画にしか登場しない、というか代わりに原作には色気もなにもないおばちゃんが出てくるのだったと気づいて唖然としたのだけど。サービス精神のかけらもないな、小松左京(笑)。映画も見返したいねぇ。
2011-10-15(土) [長年日記]
■ 映画『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』を観てきた
先週に続いて、なんか急に映画づいているな。しかも、こっちも20世紀FOXだ。
よくよく考えてみると『猿の惑星』って観たことなかった。同じ時期に公開された『2001年宇宙の旅』は(嫌いなくせに)何度も観てるのに。とはいえストーリーだけは知ってるので、前日譚であるこの作品を観るにあたってとくに予備知識はいらないだろうと判断。というか、実際典型的なハリウッド映画で中身はほぼ「ない」ので予備知識もへったくれもなかったのだが。TV CMなんかで「泣ける」と言ってるけど、それはない。むしろおれもかみさんも、その荒唐無稽さに各所でくすくす笑っていたくらいである。
文明批判的なテーマが(たぶん)あった元祖に対して、本作はいかにして猿の惑星が成立したのかという「理屈」をそれっぽいリアリティで描くのが目的なので、とくにテーマ的なものはない。猿たちが知恵をつけ、人類に対抗していく、その萌芽を派手なアクションを交えながらわりと淡々と描く。ただ、人類衰退のシナリオに関しては元ネタがたしか核戦争だったはずだけどそれとは違ってしまっているし、そもそも宇宙飛行士たちに数千年の時を超えるテクノロジーがあったようには思えないので、筋の通った前日譚というわけでもなさそうだ。
さすがにCGは呆れるほど高度で、猿たちの動きはすごい。群れをなして街を破壊していくシーンは、さすがハリウッド。でもねー、異質なはずの猿たちが、ちっとも怖くないんだよな。
だいたい、脳細胞が増えたくらいでどうしてチンパンジーが背筋を伸ばして直立したり、突然表情が豊かになったりすんのよ。とにかく猿たちが「人間っぽく」なりすぎて、本来あるべき不気味さがまったくない。「ああ、ここまで人間ぽいなら、人類に代わって地球を支配しちゃっていいんじゃないですかね」とまで思えてしまう(笑)。制作サイドは猿たちを人間ぽく描くことで感情移入させたかったのかも知れないが、これはやりすぎというか、観客をナメてるよなぁ。
2011-10-16(日) [長年日記]
■ KindleのPersonal DocumentsがArchiveとWhispersyncに対応
昨日Amazon.comからメールが来て、Personal Documentsをアーカイブするようにした、それからKindle Software 3.3でPersonal DocumentsもWhispersync対応したという。Amazon.com上にあるKindleユーザ用のページ「Manage Your Kindle」を覗いてみると、おお、いつの間にか「Your Kindle Library」に「Personal Documents」ができてて、おれが送りつけたファイルが9月終盤あたりから蓄積されているではないか。これはすばらしい。
で、さっそくKindle Softwareを3.3にアップグレードしたものの、PCから過去のアーカイブをKindleに送りつけることはできても、現在Kindleに入っているファイルはSyncされていないっぽい。どういうことかよくわからなかったのだけど、今朝になってようやくわかった。3.3にして以降のファイルは、ちゃんとsyncされるということのようだ。
普段からスクレイピングした日経新聞などを自動でKindleに送りつけ、朝の通勤電車で読んでいるのだけど、今朝の分を読み終えて削除しようとしたのが以下の画面:
従来は「delete」って出てたけど、今は「remove from device」になってる。でEnterすると確認画面もなくすぐ消えるし、実際ファイルはKindleから消去されている。で、メニューから「View Archived Items」を選ぶとそこに今消した記事があるので、「→」を押すとこうなる:
WiFiがONになっていれば、Amazonのクラウド上から該当記事をダウンロードしてきてくれるという寸法。これで「新型Kindleはメモリが2GBしかないからぜんぜん足らない」とかいう寝言は言わずに済むね! でも、Personal Documentは1つあたり50MBまでだけどね!(←自炊派死亡)
まぁ、自炊PDFが対応したとしてもAmazon.com上の容量も5GBなのですぐに足りなくなるし、テキストだけでもこれなら悪くない。あいにく他のデバイスむけKindleアプリの追従はこれからみたいだけど、任意のテキストをKindleとスマフォ、PCの間で同期しながら読むことができるようになるんだから、かなり便利になりそう。というか、もはや他の電子書籍端末は選択肢に入りようがないなー、これは。
■ 川崎 1-2 新潟@等々力陸上競技場
なんかひさびさ。
大連敗を脱出し、徐々に降格圏内から離れつつあるフロンターレだが、別に連敗脱出したから強くなるというわけでもなく、いまだに危なかっかしいことに違いはない。もっとも、稲本・小宮山が復帰してようやく「完全体」に戻りつつあるので期待は高まる。
……って、高まるはずだったんだけどなぁぁぁ。以下略。写真はPKを見事に止めたリッキー。これがなかったら1-3だった。
2011-10-18(火) [長年日記]
■ 「連絡先」のデータをクリアしてHTC Desireのメモリを5MBも空けた話
使い始めて1年半にもならないHTC Desire、いまだ性能面でも見劣りすることなく実用度は高いまま(しかもバカみたいに大画面じゃないから扱いやすい)のだが、非常に残念なのが内蔵メモリ(ストレージ)の不足である。こればっかりは設計ミスだよなぁとは思いつつ、当時はこんなにたくさんのアプリを入れることは想定していなかったのだろうなと同情しなくもない。
いずれにせよ、公式のアップデートすら入らない*1という状況がしばらく続いていたのだが、ついにRemember The Milkの最近の更新で破綻した。いっきにサイズが増えたせいで、もう1byteも余裕がない。しかももう、消せるアプリがない。
悩んでいたところ、なんと半日もたたずに救世主登場。「HTC Incredible / Android で Low on space 警告が頻発する原因判明」によれば、HTC製Android端末のメモリ不足にはパーティション設定に起因する問題があり、アプリを削るのではなくデータを削ることで対策できる場合があるとのこと。その中にある一番効果的と思われるcom.android.providers.contacts(連絡先)のData Clearをやってみたところ、なんと5MBも空きができた。なんということだ。これ、どう考えてもバグじゃねーの(笑)。
いきなりData Clearをするというのも大胆というかアホだし、復旧にもコツ(?)があるので、バックアップを含めた手順は以下:
- 「連絡先」を開いてメニューから「エクスポート」。本体のデータをSDカードへ
- 「設定」→「アプリケーション」→「アプリケーションの管理」→「アドレス帳」*2で「データ消去」
- ここで再起動。理屈ではそのままでもいいと思うが、インポートでエラーが出るなど挙動が怪しかったので再起動したらエラーが出なくなった
- 起動するとすぐに同期が始まって、Google Contactsのデータは勝手に落ちてくる
- Facebookも使っている場合は「設定」→「アカウントと同期」からFacebookの同期を手動でやると復旧が早い
- 「連絡先」を開いてメニューから「インポート」。さっきバックアップしたデータを元にもどせば完了
ちなみに、やはりエクスポート/インポートが不安なので(最初のインポートでエラーが出た時は冷や汗が出た)、今後は本体じゃなくてクラウドに全面的にアドレス帳を移行しようと心に誓った*3。ローカルよりクラウドにデータを置いておく方が安心、というのも時代だねぇ。
2011-10-19(水) [長年日記]
■ BookOffオンラインの神(?)対応に感動する
引き続き、小松左京や半村良の古本を探しては自炊……ということをしている。捨てずに取っておけばよかったよなぁ、あの頃、自炊という手段があればねぇ。
それはさておき、古本を探して歩きまわるなんてことはもうぜんぜんする気はなくて、もっぱらBookOffオンラインを利用。欲しい本を登録しておくと、在庫が出たときにメールで知らせてくれるので買い逃しがない。まぁ、1500円以上買わないと送料がかかるので、ついつい予定になかった本まで買ってしまうのが罠なんだけど。
先日小松左京の「継ぐのは誰か」が出たというのでさっそく注文したのだが、その後、検品時に表紙カバーにシミがあることがわかったとメールがあった。しかも、それを無料にしてかつ同梱するという。BookOffは買取のときにそういう汚れはチェックしているはずだから、ささいなシミが見過ごされた程度だろう。「そういう商品は売らない」という単純な対応だと、汚れなんて気にしないから読みたいんだという読者(おれ)にとっては何も嬉しくない。だから金は取らずに同梱する。じつに正しい姿勢だと思う。しかも結果的に合計1500円を切ったが送料も無料のままで良いとのこと。おれはこういうサービスをする会社、好きなんだよなぁ。これからもひいきにするぜ。
で、今日になって届いた本を確認してみたんだけど、件の「シミ」がどこにあるのかさっぱりわからない。強いて言えば、裏表紙の中央付近に直径1cm程度の水滴が乾いたような模様がなきにしもあらず。まさかこれのことか? 表表紙ならまだしも、裏表紙にこの程度の「曇り」があったところで、商品価値が下がるとは思えないんだけどなー。ちょっと過剰なほどの品質管理にびっくりしてしまったよ。本当にユーザ本位なんだなぁ。
2011-10-21(金) [長年日記]
■ 松本出張
アクセス解析のセミナー講師で松本へ。天気予報では雨だというし、もう10月も下旬なので寒いだろうと思い、冬用のジャケットを着てきたのに、なんだかいい天気だし暑いし。こんなことならバイクで来たかったよ! もっとも諏訪のあたりから窓の外を見ていたけど、紅葉はまだまだという感じだった。今年は遅いかもねー、いつまでも暖かいし。
セミナーは受講生が全員女性(!)で、その後の懇親会もその流れだったから、なんだか落ち着かなかったよ(笑)。懇親会をしたスペイン料理屋の店員の首の動きがおかしかったり、隣のテーブルで5 vs 5の合コンが始まったりして、なかなか楽しかったのではあるが。
2011-10-22(土) [長年日記]
■ 町田駅の天井にサーフボードがめり込んでいた
松本一泊出張から帰ってきたら、小田急町田駅の上りエスカレータが止まっていた。「疲れてんのになー」とぶつくさいいながら歩いて上っていくと、突然目の前にそそり立つサーフボードが。
視線を上にあげると、先端が天井の石膏ボードにのめり込んでいる。なるほど、これがエスカレータを止めたのか。壊れた石膏ボードの破片が周囲に散らばるなか、こわごわと天井を見上げてサーフボードをよけて上る乗客たち……という異様な風景。もちろんすぐに通行禁止になったけど。
高さ制限にひっかかるようなロングボードが途中の天井につきあたったが、エスカレータはそのまま動き続けてボードを押し上げたため、メリメリと天井に穴を開けてから止まったということか。大きな事故にならなくて良かったなぁ。
しかしこれを防止する良い方法が思いつかん。トンネルや高架下手前にあるような高さ制限案内を出しておいても、車と違って人間は、寝かした状態で乗ってから途中で立てたりするからなぁ。天井を丸めて滑りやすい素材にしておくくらい?
2011-10-23(日) [長年日記]
■ Sinatra版Amazon-Auth-Proxyの運用を始めた
試験的に作ってみたSinatra版Amazon-Auth-Proxyだが、忙しさにかまけて放置していたら、当初のGAE値上げに続いて今度はAmazonのAPIが11月から変更になるということで、まじめに運用しないといけない感じになってきたのでなんとか実装したのだった。ソースはいつものようにGitHubで:
ちなみに今回のAmazonのAPI変更は、正式なAssociateTagが含まれていないクエリは受け付けなくなるというものなので、今まで日本のAmazon用AssociateTagを使い回して各国向けのクエリを処理していたプロキシは、軒並みダメになる。ちゃんとそれぞれの国向けのAmazonで専用のAssociateTagを発行してもらわなくてはいけないのだ。現在プロキシを運用している人は、今月末までに自分の環境を見なおしましょう。
で、今までCGI版を動かしていた人も今後はSinatra版をHerokuで動かすのがオススメ。Herokuのアカウントはもう持っているとして、改めて手順をここに書いておく:
# コードを取得 % git clone git://github.com/tdtds/amazon-auth-proxy.git % cd amazon-auth-proxy # 必要なGemを取得 % gem install heroku bundler % bundle install # Heroku上にアプリを作成、Amazonのキーを設定 % heroku apps:create 【ここにアプリの名前(URLの一部になる)】 --stack cedar % heroku config:add AMAZON_ACCESS_KEY=【ここに自分のアクセスキー】 % heroku config:add AMAZON_SECRET_KEY=【ここに自分のシークレットキー】 # 設定ファイルをいじる # name: 自分のプロキシの名前をつける # aid: 自分が保有しているAssociateTagを各国分 % vi amazon-auth-proxy.yaml # アプリをリリース % git commit -a -m 'update settings.' % git push heroku
あとは、「http://指定したアプリ名.heroku.com」でアクセスできるようになる(トップページにアクセスすると指定した国のディレクトリ配下にアクセスするようにというメッセージが出る)。
これだけでは意味がないので、ちゃんとProduct Advertising API用リバースプロキシに登録して、みんなで共同利用できるようにしておこう。「エンドポイント」にアプリのトップページのURLを入力すれば良い*1。ついでに風柳版に登録している人はそっちも変えておきましょう。
追記 - 参考リンク
- dotcloudで動かす方法 by @hsbt
*1 Sinatra版は指定されたAssociateTagを見て動的にrpaproxy.yamlを生成することにしたので、特に設定は不要。
2011-10-24(月) [長年日記]
■ 『スティーブ・ジョブズ』を買っていい電子書店はどこか
2011-10-25追記: 講談社の一覧にないビットウェイブックスを追加。DRMフリーと思われます。
2011-10-25追記: 販売を開始したBooksVを追加。残念ながらAndroid専用。
2011-10-25さらに追記: ビットウェイブックスから商品が消滅。
Jobsの伝記が発売だそうで、まぁ(みなさんの予想通り)おれは読む気はないんだけど、講談社という大手出版社が紙と同時に電子書籍も販売開始、それも複数の電子書店から……ということで、日本の電子書籍事情がどうなっているのか俯瞰するにはいいチャンスかも知れない。
以前から書いているように、電子書籍といえども紙と同程度のポータビリティを持つべきだ。たとえ出版社が電子書籍から撤退しようが、著者が販売を差し止めようが、いちど買って読者の手元に届いた本は、そのまま読み続けることができなくてはいけない。という観点でみると、端末に依存しないこと、書店が潰れても影響を受けないことが重要だ。もちろんDRMがかかっていないこと、仮にかかっていても最悪スクリーンキャプチャができれば手元でバックアップできる。
ということで、日本版公式サイトにある電子書店の一覧で比較。形式は.book(ドットブック)で固定のようなので、そもそも.bookが読めない環境は除外する:
書店名 | 端末非依存 | DRMなし | キャプチャ可 | |
---|---|---|---|---|
eBookJapan | (11/04から販売) | |||
紀伊國屋BookWeb | ◯ | × | ◯ | |
ソフトバンクブックストア | × | ? | × | |
GALAPAGOS STORE | × | ? | × | |
TSUTAYA.com eBooks | × | ? | × | |
honto | ◯ | × | × | |
パブリ | ◯ | × | × | |
BooksV | × | × | × | |
Book Place | ◯ | × | × | |
Book Live | ◯ | × | × | |
VOYAGER Store | × | × | ◯ | |
LISMO Book Store | × | × | × | |
Reader Store | × | × | × | |
(半日で取り扱い停止) |
途中で暗澹たる気分になってきたので後半はいい加減かも……。.book本家であるVOYAGERには期待したのだけれど、ブラウザ上でしか閲覧できないタイプのビューアだった。まぁ、講談社がこういう条件で販売先を選択したというだけの話だけれど、少なくとも読者の手元に可搬性のあるファイルが残るタイプの書店は皆無だった。これが日本の電子書籍をとりまく実情。だいたいこの中にiBooksが入ってないという時点で、Jobsの本を出す意義が失われてるように思えるのだが。
ついこの間まで直接XMDFや.bookのダウンロードが可能だった紀伊國屋BookWebが入っているのを見たときには期待したのだが、つい最近になって専用の書棚アプリ「Kinoppy for PC」が用意され、過去に買った本すら単体でダウンロードできなくなるというひどい改悪をしてくれて、呆れるばかりだ。セキュリティも甘いし、こんな本屋、二度と使うもんか。
というわけで結論: 「スティーブ・ジョブズ」は電子版を買ってはいけない、紙で買って自炊せよ。
2011-10-25追記: 上記訂正。ビットウェイブックスからなら買っていいかも(内容未確認につき自己責任で)。/さらに訂正。10月25日の朝にはありましたが、同日午後にはサイト上から消滅しました。残念です。
◆ mrkn [原著なら Kindle Store と iBooks で買えます。]
◆ ただただし [そういうツッコミが入ると思ったよ(笑)。 今回の基準を厳密に適用すると、Kindle Storeは◯/×/◯、iBo..]
◆ mayakovskii [ビットウェイではDRMフリーですね。 http://books.bitway.ne.jp/meng/cp.php?r..]
◆ ただただし [おー。情報ありがとうございます。確かに素の.bookっぽいですね。どうやって講談社の目を逃れたんだろう(笑)。本文に..]
◆ sora_h [なんだかんだ原著をKindle Storeを買うのが良い気がしてきたw .bookってKindleで読めたっけ…]
◆ ただただし [bookはKindleでは読めない(今回そういう「もともと読めない端末」は除外)。まぁ、T-Timeで表示させてキャ..]
2011-10-27(木) [長年日記]
■ BitbucketでdotfilesをGit管理する
GitHubもいいけど、プライベートなファイルをGitで管理したいなぁと思っていたところに、@hsbtがdotfilesをgithubとbitbucketに分割という記事を書いていたので、Bitbucketを使ってみたのだ。そうか、以前からBitbucketという単語は何度か聞こえていたけど、GitHubと違ってプライベートなリポジトリを無料で作れるんだね。
さっそくアカウントを取ってみると、カスタムドメインが使えたり、CIをサポートしていたり、付随サービスもいろいろ充実しているみたい。こんなふうにGitHubと棲み分けてフリーアカウントを発行しちゃうと、ユーザも棲み分けてしまって共倒れ……なんてことにならないのか心配になってしまう。が、Gitは中央リポジトリを持たないから、潰れてもユーザは痛くも痒くもないのだよな。大変だねぇ。
さて、ではWeb上のメニューに従って「dotfiles」というプライベートリポジトリを作ってみる。これは簡単。HTTPSとSSHでアクセスできるリポジトリができたので、さっそくローカルにcloneだ:
% git clone git@bitbucket.org:tdtds/dotfiles.git fatal: destination path 'dotfiles' already exists and is not an empty directory.
えっ。
あー、思い出した、gitoliteを入れたときに、試しにローカルのdotfilesを管理するリポジトリを作ってみたんだった(笑)。まいったな、存在すら忘れてたよ(忘れていたということは、commitしていない改造が山ほど入っているということでもある。とほほ)。まずは最近の改造をちまちまと分割してcommit。
で、別にBitbucket使わなくてもいいということを思い出したものの、SSHだけでなくHTTPSでアクセス可能なリポジトリの方がいろいろ便利だと(ちょっと無理やりな)理由をつけて、あえて移行することにしたのだった:
% git remote add bitbucket git@bitbucket.org:tdtds/dotfiles.git % git config branch.master.remote bitbucket % git push
こんな感じで。実際はこの下のファイルを、$HOMEにsymlinkにする。
2011-10-29(土) [長年日記]
■ tDiary 3.1.1リリース
恒例の肉の日リリース(ただし3ヶ月おき)。詳しくは下記リリースノートを:
今回、機能に影響のあるアップデートはあんまりなくて、バグ修正、それもruby 1.9の文字エンコーディングに関するあれやこれやとか、$SAFEに関するあれやこれやが修正されております。主にかずひことhsbtの業績。あと、amazon.rb利用者にはAPIの変更に伴う修正が入っているけど、海外のAmazonを使っている人以外にはあまり影響ないかな、今のところ。
同時に第一tDiary.Netも全面的に3.1.1にしてしまった。最近はCIが走っているおかげで、わりと躊躇することなく安心してアップデートできる。テストがあるってすばらしい(←自分は書いてないけど)。
次回は2012年1月29日の予定。もう来年か!
2011-10-31(月) [長年日記]
■ ヘルメットのカラーバリエーションが少なすぎて泣ける
だんだん秋も深まってきたのに風邪をひいたり出張が入ったりでなかなかバイクに乗れない週末が続いているのだけれど、そんなこととは関係なく、そろそろ傷みが激しくなってきたヘルメットを買い換えたい。
Araiは頭の形が合わないものだから、必然的にSHOEIから選ぶんだけど、ジェットヘルをリストアップして唖然とした。なんだこの色気のなさ。
いまかぶってるのは同じSHOEIのJ-Force IIかIIIなんだけど(←どっちだよ)、R1200GSのボディカラーに合わせたソリッドな黄色で、片方しかパニアケースを付けていないのと相まって認識率は高く、高速のSAなんかで「たださんですか?」なんて声をかけられることもしばしばだ*1。
だからというわけではないが、やはりできるだけバイクに合わせてヘルメットも選びたい……のにこの仕打ち。昔はもうちょっとカラーバリエーションがあったもんだけどなぁ。ちなみにジェット以外のスタイルを選んでも状況は変わらないのであった。バイクに乗るのがおっさんばかりになってしまったから、こういう当たり障りのないモノトーンばかりが売れ筋になってしまったのだろうか。嘆かわしい*2。色味がついててもせいぜいワインレッドとか暗いブルーだなんて、乗る前から気分が沈むわ。もっと晴れやかになる色がなぜないの。
というわけで、一気に購買意欲が減退してしまった。もちろん、カスタムペイントという道が残っているのはわかっているのだが、そっちを選ぶとこんどはバイク本体の色を変えたくなるという未来が見えるからなー。それはムリ!
◆ xibbar [ご推薦ありがとうございます。 もっともっとよくしていきますので、これから応援よろしくお願いいたします。]