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ただのにっき


2011-10-15(土) [長年日記]

映画『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』を観てきた

先週に続いて、なんか急に映画づいているな。しかも、こっちも20世紀FOXだ。

よくよく考えてみると『猿の惑星』って観たことなかった。同じ時期に公開された『2001年宇宙の旅』は(嫌いなくせに)何度も観てるのに。とはいえストーリーだけは知ってるので、前日譚であるこの作品を観るにあたってとくに予備知識はいらないだろうと判断。というか、実際典型的なハリウッド映画で中身はほぼ「ない」ので予備知識もへったくれもなかったのだが。TV CMなんかで「泣ける」と言ってるけど、それはない。むしろおれもかみさんも、その荒唐無稽さに各所でくすくす笑っていたくらいである。

文明批判的なテーマが(たぶん)あった元祖に対して、本作はいかにして猿の惑星が成立したのかという「理屈」をそれっぽいリアリティで描くのが目的なので、とくにテーマ的なものはない。猿たちが知恵をつけ、人類に対抗していく、その萌芽を派手なアクションを交えながらわりと淡々と描く。ただ、人類衰退のシナリオに関しては元ネタがたしか核戦争だったはずだけどそれとは違ってしまっているし、そもそも宇宙飛行士たちに数千年の時を超えるテクノロジーがあったようには思えないので、筋の通った前日譚というわけでもなさそうだ。

さすがにCGは呆れるほど高度で、猿たちの動きはすごい。群れをなして街を破壊していくシーンは、さすがハリウッド。でもねー、異質なはずの猿たちが、ちっとも怖くないんだよな。

だいたい、脳細胞が増えたくらいでどうしてチンパンジーが背筋を伸ばして直立したり、突然表情が豊かになったりすんのよ。とにかく猿たちが「人間っぽく」なりすぎて、本来あるべき不気味さがまったくない。「ああ、ここまで人間ぽいなら、人類に代わって地球を支配しちゃっていいんじゃないですかね」とまで思えてしまう(笑)。制作サイドは猿たちを人間ぽく描くことで感情移入させたかったのかも知れないが、これはやりすぎというか、観客をナメてるよなぁ。

Tags: movie

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