2010-03-01(月) [長年日記]
■ Google CalendarとiPhoneの同期方法をGoogle syncからCalDAVに変更
いつからかわからないが、Google syncで同期設定してあるiPhoneに、ちゃんとスケジュールが送られていないことに気づいた。iPhone→GoogleはOKだけど、逆がダメっぽい。これは、(iPhoneを見ながら)「その日はあいてます」とか言って予定を入れたら、帰宅してから蒼くなるパターンなのでヤバい。
で、調べてみるとiPhoneOS 3.0からはCalDAVという仕組みを使って同期できるようにもなっているらしい。知らなんだ(→参考: iPhoneOS3.0のCalDAVでGoogleカレンダーの色がちゃんと反映されるようになった)。というわけで、ここを参考にしてGoogle synからCalDAVへの移転を決行。
まずはGoogle Calendar上で同期したいカレンダーの設定を開く(設定→カレンダー→[該当するカレンダー])。下のほうに「カレンダーのアドレス」というところに、「@gmail.com」もしくは「@group.calendar.google.com」で終わる「カレンダーID」があるので、それを控える。
この【カレンダーID】を、以下のURLの中に挟んだものが、「CalDAV」のURLになる:
https://www.google.com/calendar/dav/【カレンダーID】/user
これを必要なすべてのカレンダーについて作成し、iPhoneに転送してコピペできるようにする。メールで送ってもいいし、おれはEvernote上にノートを作った(これならあとから探すのも楽だし)。
続いてiPhone上での作業。
CalDAVのアカウント追加画面(設定→メール/連絡先/カレンダー→アカウントを追加→その他→CalDAVアカウントを追加)で、サーバ名に先ほどのURLを入れ、ユーザ名とパスワードにはGmailのアカウント情報を入れる。ユーザ名には「@gmail.com」まで入れないといけないという情報もあったので、念のためちゃんと入力しておいた。入力が終わるとサーバ名の部分は「www.google.com」になってしまうのはひどい仕様だ(CalDAV URLを変更する時にはAdvanced Settingsで)。
これを、同期したいカレンダーの数だけ繰り返すと、カレンダーの方にはこのように表示される(4つのカレンダーを同期している)。はっきりいって、Google syncの時のように一箇所にまとまってないわ、一個一個べつべつに設定を入力しなくてはいけないなど、ひどい退化だ。誰だよ、Appleが優れたユーザインタフェースを作る会社だなんて言ったの。もしGoogle syncがちゃんと動作してるならこんなひどいUIはできることなら使いたくないねぇ。
実際は一番上の「All Calendars」を選択して使うことになる。デイリー表示はこんな感じ。元記事にあるように、CalDAVを使うメリットは、Google Calendar上で使っているのと同じ色で表示される点かな。直感的にどの情報か見分けがつくのは良い。
ちゃんと同期されることも確認できたので、このまま使うことにした。まぁ、カレンダーの数を増やすことはめったにないから、面倒な設定も最初だけだしな。
追記
公開されているカレンダーの場合は、URLを入力するだけのiCalで取り込む方が楽みたい。ただし色はランダムになるようだ。予定編集したいカレンダーはCalDAV、そうでない場合はiCalがいいかも?(←よくわかってない)
2010-03-02(火) [長年日記]
■ MyKeePassでiPhoneでもパスワード管理できるようになった
野良ビルド版iKeePassを入れたものの、有効期限は3ヶ月だし……と悩んでいたら、MyKeePassというのが出たと教えてもらった。iKeePassが輸出規制にひっかかって、なんで同じようなMyKeePassは問題ないわけ???
こういうものはソースが公開されてないと怖いものだが、MyKeePassも公開されたようなので、導入することにした*1。購入・ダウンロードはこちらから→MyKeePass (iTunesが開きます)
面白いのがデータベースファイルの転送方法で、MyKeePassを転送モードにすると(右下のフロッピーのアイコンをタップ)、iPhoneがHTTPサーバになる。表示されているURLにアクセスすると、ファイルをアップロードできるフォームが現れるという寸法。ポート番号はランダムなので、家庭内のWiFiを使っていればおおむね安全と考えていいだろう。
ちなみにデータベースファイルは、.kdbx(v2.0用)ではダメで、.kdb(v1.0用)にエクスポートしたものでなければいけない。最初、.kdbxのまま転送して、何もリストに現れないのでえらく悩んでしまった。というかファイルを消すUIがないから、いつまでもiPhone上にゴミが残ってる状態なんだけど(笑)。
転送に成功すれば、マスターパスワードの入力でエントリの中身を見ることができる。パスワードをタップするとクリップボードにコピーされるので、それを各アプリなり、Webページのフォームなりにペーストすれば良い。
*1 公開されたからって読むわけじゃないし、だいいちiTSにあるのが同じソースからビルドされたバイナリという保証はないんだけど(笑)。
2010-03-03(水) [長年日記]
■ ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック(樽本 徹也)
昨日Twitterで、ユーザビリティやアクセシビリティを「思いやり」という言葉を使って説明することについて議論している集団があったので、思わずツッコんでしまった。少なくともユーザビリティは「use」+「able」、つまりそのモノが「使い物になるかどうか」がポイントであって、制作者の「思いやり」なんてウェットなものは関係ないのである。アクセシビリティだって似たようなもので、思いやりなんてあやふやなものを基準にモノを作っていたら、10年20年後になって過去の自分を呪うことうけあい。
ユーザビリティやアクセシビリティの書籍は、そんな世間の勘違いを正すところから入るのが定石で、積読箱の奥深くから発掘してきた本書もそうだった。著者は人机交互論の樽本さん。日本のユーザビリティの第一人者である。ブログは前から読んでいたのに、本を読むのは初めてだったりする。もう4年以上前の本なのに、まったく古びたところがないのがすごい。
内容はかなり実践的で、概論的なのは最初の章だけ。あとはユーザインタビューやシナリオ分析、プロトタイピングのような現場で使えるさまざまな手法を具体的な細かく解説。圧巻は後半1/3を占めるユーザテストの章で、「ここまで手の内晒しちゃっていいの!?」とビビるほど詳細に説明されている。実際、この本片手にユーザビリティ屋を開業してもやっていけるんじゃないかというくらい(笑)。
本書が出版されて数年、それでも、ここまでしっかりやる顧客は(少なくともWebサイトでは)めったにいないんだけどさー。早めのユーザテストは、トータルで見れば安上がりだと思うんだけど、なかなか理解されないんだよなぁ。
2010-03-06(土) [長年日記]
■ 「第4回 春の車載動画オフ in 浜松」へ行ってくる
秋の車載オフに続いて、今日は春の車載オフ。日程がJリーグの開幕と重なるというなんともアレな状況だが、告知はこっちの方が先だったので優先するのだ。というわけで、車載オフの日がやってきたのでこれから出発(まもなく7:00)。こんな時間でもすでに動き出しが遅いというのは、上のスクリーンショットを見ればわかる。まるで卵子(集合場所の浜名湖)に群がる精子の様相だ(笑)。
天気予報は雨だけど、もちろんバイクで。というか、みんなゴメン、おれが犯人だ……*1。
*1 まぁ、全国から雨男が集結してるという見方もできるけどな。
■ 「第4回 春の車載動画オフ in 浜松」へ行ってきた
ご覧のとおり、文字通り行って帰ってきただけ!
いやもう、出発したときからずーーーーっと本降りで、いつものように装備は完璧なのでまったく問題はなかったのだけど、かといってずぶ濡れの状態でどこかに寄る気にもならず。本当は集合前にどこかでウナギでも食べようと考えていたんだけど、そのまま集合場所まで直行してしまった。
今回はiPhoneで今ココなう!をしながら走っていたんだけど、日本平SAで休憩中、viadesさんが抜いていったのを確認。その後、走っていたら前の車が一瞬ハザードを付けるので横に並んでみたらまさにviadesさんだった*1。そのまましばらく並走したが、途中で少し渋滞気味になったところで先に。
集合2時間前くらいに到着したら、例によってすでに何台もの車が停っていたが、さすがにバイクはなし……かと思ったら、次第に集まってきて、都合7台(なぜかうち3台が相模ナンバー)。最終的に宴会・宿泊場所のホテルには8台のバイクが集まった。最遠方は愛媛から600km自走。この雨のなか、みんなよくやるねぇ。
まったく雨があがる気配がないので、みんな早めにホテルに移動。ちゃんとした雨装備の重要性について力説などしているうちに雨が上がり、暗くなってからハマーのライトで記念撮影をしたりして、19時からの宴会まで時間をつぶす。宴会は車載オフらしくアルコールなし(笑)、ニコ動で面白い車載動画を流したり、ビンゴをしたりしながら楽しく過ごす。
日帰り組のおれは21時前に切り上げて、すぐに帰路へ。最初は路面も乾いていたが、だんだん雲行きが怪しくなり、静岡県を半分ほど横断したところでまた雨に。まぁ、今日は気温高めだし、行きより1枚多めに着こんだので、まったく問題なし。3時間ジャストで無事帰宅。
とくにまとめはありません。次回はどこかなー。今回は全部で150台くらい(?)集まったみたいなので、だんだん開催場所を探すのが難しくなってきそうだ。
*1 四輪の人たちはPC上で今ココの状況を確認しながら走れるので、近くに誰が来たのかすぐにわかるのである。
◆ せお [雨でしたがお会いできて嬉しかったです。 流石に冬の雨舐めてました…]
2010-03-07(日) [長年日記]
■ グスタフ、腹が減ってもぜったい鳴かない
こないだウール製品を食べると書いたグスタフだが、こんどはフリースを食べた。化繊はやめとけよなぁ……。
そのせいどうかわからないが、今日はなんだか食欲がないらしいので、食事を一回抜いてみた。当然、次の食事を待たずに腹が減るはずで、おれの顔を意味ありげに見つめてみたり、膝の上によじ登ってきてすぐに降りてみたりなど、変な行動をし始めるのだが。なぜかぜったいに鳴かない。
小さいころから、滅多に鳴かないんだよなぁ。声が出ないわけではないようで、何かのはずみで「ニャー」と言うことはあるし、嫌いなことをされたりすると「イヤーン」みたいな声を出すけど、「何か要求するときに鳴くといい」みたいな知識がないみたい。これも、猫としての社会性を身につけてない弊害なんだろうか。
なんとか人間側で何か要求しているようだと察してあげるようにしているんだけど、本当に望んでいることをしているのかどうか自信がないので、せめて要求があることくらい明確に伝えてくれると助かるんだけどなー。
写真は、床暖房との接触面積を最大化すべく、平面生物と化しているグスタフ。
◆ shino [平面生物!かわゆす。後ろ足がどうなっているのか、知りたいw]
◆ ただただし [後ろ足はバリエーションがありますねぇ。この写真の時は、わりと普通に畳まれてました。]
◆ hyuki [社会性という意味では、人間側で「ニャー」と鳴いてみるというのはいかがでしょう(?)。]
◆ ただただし [猫語で話しかければ猫の社会性が身につくのなら、グスタフにはとっくに「人間の社会性」が身についているはずではなかろうか..]
◆ ogijun [うちだと「コラ!」ていうよりも「ふーーーっっ!!!」とか猫語で怒った方がしゅんとしてるような気もします。]
◆ ゾウリム [横から失礼しますorzこの度は動画の宣伝ありがとうございました<(_ _)>これを励みにこれからも頑張っていこうと思..]
2010-03-12(金) [長年日記]
■ Suicaロッカーのずさんなサポート体制に唖然とした日
自分は、電子マネーといえばPASMO一本で、通勤定期や小額決済用途に日常的にもかなり便利に使っている。今日は荷物が多かったけど朝から出先に向かわなくてはいけなかったので、蒲田駅でSuicaロッカーを利用した。コインロッカーのSuica版である。支払いと認証をSuica 1枚でこなせるので、利便性はたいへん高い。
ところが、これがなかなかひどいシロモノだと知るのは、ひと仕事終わって荷物を取り出そうとした時だ。
タッチパネルで荷物の取り出しに触れたあと、カードでタッチすれば自分のロッカーの鍵が解除される……はずが、エラーになってしまった。どうも反応が鈍いので、二度タッチしたのがいけなかったような気がする。ディスプレイには電話番号が表示され、ここに連絡しろとある(これがフリーダイヤルではない03始まりの番号なのがまず気にさわる)。慌ててiPhoneを取り出し、電話をしようと思ったら、すぐに表示が消えてしまった。ええーっ、ちょっと待ってよ! 何も操作しないのに連絡先が消えるとか、ありえんわー。
ディスプレイはもとのメニューに戻ってしまったので、もういっぺん解錠にトライしてみたところ、またエラー。今度は「電話しろ」ではなく、カードIDが違うとかなんとか、そんなメッセージ。こりゃもう、完全におかしくなってるな。
で、連絡先はおそらく、預けたときにもらったレシートにも書いてあるだろうと思い、見てみたらたしかに同じような番号が書いてあった。ほっとして電話をすると(さぁ、ここから信じられない出来事が立て続けに起きますよ!):
(ひとしきりどんなトラブルが起きたのか聞かれたあと)「これから東京駅を出るので、待っていて下さい」
「えっ? 東京から来るの?」
「はい、30分くらいかかるので、そこでお待ちください」
「30分待てと」
「はい。電話番号を教えて下さい」
しょうがないので、駅ビルで立ち読みしながら時間をつぶす。携帯持ってない人だったらどうする気だろう。もしくは30分も時間がない人とか。
ちょうど30分ほどしてからロッカーの前に向かうと電話が鳴り、サポート担当がロッカーの前についたから落ちあってくれと言う。本人じゃなくてオペレーションセンターからみたい。たしかに、作業服姿、白髪頭のおっちゃんがロッカー前にたたずんでいるので、声をかける。
まずはエラーが出ることを実演してみせて、レシートを提示。そこに印字されているカード番号(一部)と合っていることを確認してもらう。あとはもう、ドアを開けてもらって、荷物を取り出すだけだと思うっしょ?
サポート氏がなにやら秘密の操作をすると、ディスプレイがメンテモードらしきメニューを出す。いくつか操作をすると解錠用の画面になり、問題のロッカー番号が出ている。それを選んで「解錠処理」を押すと……なんとエラー。「もう一度操作しろ」というダイアログボックスが出る。
サポート氏は促されるままにもう一度おなじ操作をするが、エラーも同じ。なんどやっても同じエラー。操作しながら「すみません、ちょっと時間がかかります」とか言ってるけど、いちソフトウェア技術者視点から見ると、待てば直る状況じゃないと思うよー、それ。
同じことを、かれこれ2、30回繰り返しただろうか。背後で待ってるおれも、さすがにしびれが切れてきた。個々のロッカーついている鍵穴のようなものを指さして「もう待ってらんないからさ、とっとと開けてよ」。
ひょっとすると末端のサポート要員はマスターキーを持たされてない可能性もあり、だからディスプレイに向かって無限ループ操作しかやりようがないのかと思ったら、彼はこともなく首から下げたマスターキーを取り出すと、あっという間にロッカーを開け放った。最初からそうしろよ!!!
どうも、客を小一時間も待たせているという意識がまったくないらしい。最初からさくっと荷物を取り出してくれれば、礼の一言でも残してとっとと立ち去ったところだが、さすがにもう我慢がならんね(といいつつ、なかなか面白い展開を楽しんでもいるわけだが)。というわけで、最後にちょっとイジワルをさせてもらった。
荷物を取り出して、おっちゃんに手を差し出す。「で、返金してくれるんでしょ?」
おっちゃん、まったく想像してなかったかのように「ぽかん」としてる。しかたなく、ロッカーがまったく想定されたサービスを提供できなかった以上返金は当然だと説明したり、もしこれが原因で飛行機に乗り遅れたり、大事な商談を落としたりしたら、賠償ものですよ的な軽い脅しも加えてみたところ、コトの重大性を理解したもよう。
「ちょっと両替してきます」と駅の方に向かおうとしたが、ポケットに小銭が入っていたことを思い出したのだろう。すぐに300円取り出して渡してくれた。なんとなくこれ、おっちゃんのポケットマネーとして処理される気がするなぁ。保守会社が返金処理を想定してないってことだもんね。
ともあれ次の仕事には少し遅れたが、これにて一件落着。
……まぁ、おっちゃんはたぶん悪くないと思うんだ。年齢は60歳前後。定年後の再就職か、リストラされてバイトに雇われたか。普通にずっとサラリーマンやってて、接客経験がないとしたら、いきなりのサービス業はキツかろう。そもそもちゃんと教育してない保守会社が悪いし、だいいち故障時の対応が話にならない。客を待たせないサポート網整備や、言われなくても返金するようなマニュアル作成を怠ってる。
以前のコインロッカーなら駅員に頼めばすぐに開けてもらえたものが、Suicaロッカーになったとたんにとんでもなくサービスレベルが下がってしまっている。利便性はたしかに向上したが、異常系がこれでは、ちょっとこの先、安心して使う気にはならないね。特に時間が差し迫った状況で使うのは危険すぎる。Suicaロッカーを使うときは、無限に時間が余ってるときだけにしましょう(笑)。
◆ うむ [アホみたいに長時間待たされたのだから300円程度の返金要求したぐらいで 非難される筋合いは無い]
◆ おっちゃん、悪くないけど… [使えなさ過ぎです。おっちゃんがテキパキしてたら、300円は請求されなくても、返金してたと思います。 駅なんだから、移..]
◆ 数寄屋橋 [いや、注意します!!鍵付きロッカーにします!!!でも、自分がロッカーに入れて、他人に渡すなんて時は結構使ってたんです..]
◆ むつかしいですね。 [絶対故障させるなというなら話は別だが、ロッカー会社(含むおっちゃん)の唯一の過ちは、首からさげたマスターキーを早めに..]
◆ Re:むつかしいですね。 [無人駅じゃあるまいし、 各ロッカーの近くに常に専従の人を配置するような間抜けな事をせずとも、 異常時に駅員かNEWD..]
◆ なのし [私もよくコインロッカーは利用しますが、こんなトラブルがあるとは知りませんでした。 飛行機に乗れなかったりしたら損害..]
2010-03-13(土) [長年日記]
■ TweetDeckのリスト機能を使うようにした(リベンジ)
昨年12月に、TweetDeck 0.32ではリスト機能が使い物にならないならないと書いたが、最近どうも、もともとのgroup機能が機能不全を起こしているようで、登録しても反映されないことが頻繁に発生するようになった。このままではTwitterクライント乗り換えも考えないと……。
とその前に、もう一度リスト機能を試してみよう。
最新の0.33からは、Twitterの認証方式がOAuthになったおかげで、API利用回数制限がずいぶん緩和されたらしい。おまけにAPIコールの呼び出し方が、従来の「個別にちまちま指定する方法」から、TweetDeckオススメの自動設定になっている。しかもこれ、サーバ側で随時チューニングされるようで、なかなか賢いという噂も聞こえてくる。
というわけで、常時注目しておきたいリストを4つ、groupから置き換えて様子をみている。0.32では20分以下にできなかった更新間隔が、お任せ全自動でも通常1分以内、遅くとも2分程度で反映されてるっぽい。これなら十分に使い物になりそう。
2010-03-15(月) [長年日記]
■ tDiary: Twitpicプラグイン
Twitterを眺めていたら、こんな話が流れてきていた:
tDiaryではサムネ機能、私は実装してないんですけど、twitpicと連動させたら、デキルぢゃんかっ!! うほ、これは便利だー、一々写真を編集しなくて済む~~~。(via ::tom-tom-diary::)
なるほど、確かに写真の多くはまずTwitterに流すご時世なので、そこから日記/ブログに転用というのは自然かも。tDiaryのimageプラグインはサムネイル扱うのが苦手だったしね。
というわけで、twitpicプラグインを書いてcontribに入れておいた。- ダウンロード: twitpic.rb
2.3でしかテストしてないけど、2.2でも動くと思う。使い方はtwitpic.rbヘルプを参照。右の写真はこんな感じで指定↓
{{twitpic '18k5g0', 'れいぞうこの上から'}}
ところで関係ないけど、contribの下には「twitter_ほげ.rb」みたいな名前のプラグインが乱立していてわけわかんないなー。整理したい。
■ tDiary: 携帯百景プラグイン……は作れません
Twitterで「携帯百景のプラグインも欲しいですけど」という反応をもらったけど、携帯百景の貼付け用コードを見ればわかるように、画像のIDとサムネイルのURLに関連性がないため、サムネイルURLを導出する手段がない。これだと、簡単な記述で日記に貼付けられるようにするという、プラグイン化のメリットが出てこない(貼付けコードをそのまま使った方が早い)。
画像IDは単なるシリアル番号っぽいのだから、サムネイルもそれを加工したものにすればいいのに、なんでこんなファイル名にしちゃったのかなー。
2010-03-16(火) [長年日記]
■ 回帰祭 (ハヤカワ文庫JA)(小林 めぐみ)
未読箱に「えいっ」と手を突っ込んで取り出したら、1年以上前の文庫本を掘り出した。未読箱じゃなくてタイムカプセルになりつつある……。
けっこう評判良かったから買ったけど、ラノベ調の表紙のせいで手が出なかったんだよな。で、そんな表紙と、妙に説明調の出だしから、宇宙SFと見せかけた青春小説かなー、と思ったら、けっこう骨太なミステリータッチのSFだった。
ただ、著者が狙った「閉鎖世界」はあまりうまく描けてないと思った。「匂い」が感じられないんだよねー*1。あとはちょっとオチが安直……というか、いつの時代のSFですか。まぁ、手軽なエンタメとしてはちゃんと面白かった。
*1 閉鎖世界の住人にとってその世界の「匂い」はおそらく気にならないので、変に描写しない方がリアルだが、実際は読者のためにちゃんと描写すべきである。
2010-03-18(木) [長年日記]
■ ビックカメラSuicaカードを解約した
Suicaロッカーにやられたからというわけでもないが(まぁきっかけにはなったかも)、1年前に取得したビックカメラSuicaカードを解約した。PASMOに切り替えてから、ぜんぜん使ってなかったし。以下、解約の手順。
ビックカメラの窓口で解約したい旨を伝えると、ここでやれるのはポイントカードの移行だけだと言われる。というわけで、まずはクレジットカードについている、ビックポイントカードの機能を、ノーマルのグレーのヤツに移してもらう。まぁ、ビックで買い物する機会もほとんどないわけですが。
続いて、カード裏に書いてあるVIeWカードの窓口に電話。郵送されてくる書類に必要事項を書いて返信することで解約完了になる(これは一般的なクレジットカードと同じ手順かな)。ここで問題になるのは、カードに入っているSuicaのチャージ。提示された選択肢は以下:
- 使い切る(カードが生きているとオートチャージされてしまうので危険[笑])
- JRの窓口で払い戻し(手数料を取られる)
- VIeW ALTTE端末で払い戻し(手数料なし)
とうぜん、電話口の向こうのお姉ちゃんは3.を勧めてくるわけだが、そんな二度と使わない得体の知れない端末の操作方法をこれから覚えるのは勘弁願いたい。どうせ使いにくいのは目に見えてるし。クレジット機能を殺したあとでもSuicaとして使えるなら1.を選んでもいいのだが、それはダメだという。
どうにかならないかとゴネてみたら色々調べてくれて、カード無効化のタイミングで、残金を口座に振り込めるらしい。それでお願いした。なんかイレギュラーなお願いをしてしまったようだ……と思ったら、ゆうべ届いた解約書類にちゃんとそのことが書いてあった。姉ちゃんが知らなかっただけで、普通の手順じゃん!
というわけで、ちゃんと返金されてることを確認すれば解約完了になるんだけど……いつになるんだろう?
2010-03-20(土) [長年日記]
■ 横浜F 4-0 川崎@日産スタジアム
開幕戦が車載オフだったり雪の日に遅くまで仕事だったりしたせいで、晴れて今日がおれの開幕戦だぜ。……なのにこの結果! ひどい!!
こんなに大差で負けたのって、記憶にないんだけど。大量失点はあるけど、4点差ってなくない?
一見、DFが崩れたのが原因なように見えるけど、実際は中盤がまったくボールをキープできず、パスも通らなかったせいで、攻撃が組み立てられなかったからだと思う。パスの出どころ(ケンゴ)と、出しさき(ジュニーニョ)がいないだけで、こんなにも攻撃の幅がなくなるとはなぁ。個人技で上回るマリノスの選手が2人がかりでプレスに来てるのに、誰もサポートに駆け寄らないんだもん、ボールを奪われてもしょうがない。これは菊地がいないせいもあるか。
あとはやっぱり采配ミスか。開幕戦を見ていたかみさんから、稲本がちゃんとフィットしていると聞いていたので、楽しみにしてきたんだけど、マリノスがちゃんと稲本対策をしてきたせいで、まったく力が発揮できない。それに普段はスタメンじゃないDF薗田にミスが目立ち、失点続き。どっちも序盤で明らかになった問題なのに、後半に入ってもぜんぜん対処しなかったように見える。終盤投入された楠神がいい動きをしていたおかげで、最後の10分だけはなんとか格好がついたけど、それだけだったなぁ。
まぁ、頼りにしていた主力選手が何人も欠けてしまっている状況で、どうにもならないのはわかるしなー。プロジェクト運営をしたことのある身であれば高畠監督の苦境もわかるだけに、なんとも言えないのだけど……。
2010-03-21(日) [長年日記]
■ Let'snote N8にもロゴを隠すステッカーを貼った
「持ち主に尻を向ける失礼極まりないノートPCのロゴ」にささやかな反抗を示すシリーズその2。「その1」すなわちLet'snote R3のときのものはこちら(今はこの「NO Ruby, NO LiFE」じゃなくてFONのオレンジ色のステッカーだけど)。
N8の天板は黒なので、なにかいいステッカーはないものかと探していたのだけど、サイズやデザインで気に入ったものがなく、どうしたものかとボヤいていたら「作ればいいじゃない」というアドバイスとともに素敵なアイデアをもらったので、そのまま採用した。どうよこの、燦然と輝く「ナショナル」のロゴは(笑)。ブランドとしての使命は「Panasonic」にその座を譲ったものの、存在感はこっちの方がはるかに上だ。
2010-03-22(月) [長年日記]
■ 第八回Wikiばなに参加してきた(そして少ししゃべった)
第八回Wikiばな - Wikiと集合知があったので参加してきた。ちなみに、開催に至る流れはこんな感じだったと思われ:
あれ……。
そんなわけで、今日の塚本さんのプレゼンが、ちゃんと字を減らしてビジュアルリッチになっていたのは偉い(笑)。
話題はWikiに近づいたり近づかなかったりで(というかWikiにつなげて話したのは塚本さんだけだったような気もする)、「Wikiばなどこへ行く」という感じだったので、今回のテーマは7年も前に予言されていたんだよ! ……という話を最後に少ししてきた。
というか、shinoさんとetoさんから「おわりの言葉」を依頼された時の理由が「今回の話はまとまらないと思うから最後にしめてください」だし。なんつームチャぶり! そんなわけで、講演は片耳で聴きながらPreziでプレゼン資料を作ってたのであった。なお、予言はこれ以降書かれていないので、これからのWikiばなを作るのはあなたたちです。
■ Preziを初めて実戦投入
そんなわけで、↑に書いたように、今回初めて、Preziを使って公の場でプレゼンした。だいぶ前に書いた紹介記事はウチの日記でもトップの人気になっているが、実際に身内以外の人前で使ったのはこれが初めてである。
といっても制作作業は講演を聴きながらの1時間くらい。もちろんネタを集めている時間もない。ところが、Preziはこういう時にも威力を発揮するのだなぁ。1枚の大きな「紙」の上に、まずWikiばなのサイトから各回のテーマを抽出して適当に並べる。続いてこの日記の「wiki」タグがついた記事からめぼしい部分をキャプチャして取り込み、これも「紙」の上にざっと並べる。
あとはこれらを、グルーピングしたり時系列に並べたりしながら、プレゼンのシナリオを考える。この時点で、「Wikiばなの歴史」を縦方向に、それぞれの回に合ったエピソードを横方向に並べるというマトリックス構造が見えてくる。一直線にしかできない普通のプレゼンツールからは絶対に見えないビジョンだ。これがPreziを使う最大のメリット。
最後に、一度に見せたい塊にフレームをかぶせて、それらにしゃべる順番のパスを設定すればできあがり。このリンク先で「Reuse this prezi」をすると中身を見ることができるはずなので、興味があったら触ってみて欲しい。時間がなかったので見た目はショボいけど、雰囲気はわかると思う。
ほんと、Preziはプレゼンテーションのパラダイムシフトだよ。ああ、すばらしい!
これで日本語の使えるテーマが増えると嬉しいのだけど。今日本語が通るのは1つだけ、それも中国語と共通フォントなので、変なAndroid端末みたいな見た目の漢字になってしまうのがかなり気になる。
2010-03-23(火) [長年日記]
■ 川崎 4-0 メルボルン@等々力競技場
3日前に0-4で負けたチームが、4-0で勝つとはなぁ。少なく とも前半は別のチームみたいだった。
一人少なくなった後半は押される場面も多かったけど、よくしのいだ。 今回も監督の決断が遅くて、見ている方はヒヤヒヤしたけど。というか、 こういう試合は、早めの交代がセオリーじゃないのかよー、高畠さん。
2010-03-24(水) [長年日記]
■ Webkitではイベント系の属性をJavaScriptから書き換えられない(の?)
最近まじめにAjaxプログラミングを始めてですね(今ごろかいな)、jQueryで楽ができる時代から始めるとハードル低くていいっすよ、ホント。
で、だいぶ前から自分の浪費っぷりを可視化しないといかんなーと思っていたので、それを題材に「単に使ったお金を記録するだけのWebアプリ」を作ってみている。GETでデータを取ってきて、POSTでデータを投げるのでいい題材。これをiPhone用のビジュアルにすれば、日常的に使えるだろう。たぶん自分にしか実用性がないけど、ソースはgithubにて(→paymemo)。サーバサイドでいまだに「require 'cgi'」とかしてるのをなんとかしろって感じだが。もちろんドキュメントはない。
Firefox上での開発はまったくスムーズでたいした困難もなかったのだが、これを肝心のiPhone上で実行すると追加ができない。Ajax使ってるはずなのに画面遷移が起きちゃう。試しにChromeでやってみたら同じ現象なので、Webkitだけの問題らしい。
いろいろ(中略)調べてみたところ、Submitボタンにあとから「onclick」を追加していたためだとわかった。WebkitだとこれがDOM上に反映されない。onclickを食ってなければ画面遷移が起きるのは当たり前やねぇ。ChromeにもFirebugが提供されてて助かった。他にも、formにonsubmit属性を追加しようとしてもダメだったので、Webkitではイベント系の属性は操作できないのかな。
こういう非互換情報がうまく見つけられないのは、たぶんもう、誰もonclickとか使ってないからかも知れない。当然、回避策はbindを使ってイベントハンドラを登録する方法なわけで、jQueryではこっちが主流なんだろう。なお、わざわざイベントハンドラを動的追加しているのは同じページ内に複数のお財布を置きたいからなので、「初めからonclickをハードコーディングしておけば?」というのはナシ(やればできるのはわかってるけど)。
で、さっそく使い始めてはや数日。想定どおり自分の浪費っぷりが目に見えて、かなりビビっているのであった。いやー、これは良くないな。ひどいものを作ってしまった。
2010-03-26(金) [長年日記]
■ tDiary: 更新ページと設定ページにjQuery
というわけで(どういうわけで?)、なんとなく勘どころがわかってきたので、tDiaryの更新ページと設定ページにjQueryを読み込むようにした。googleapiから1.4の最新を持ってくるようにしてある。あと、jsディレクトリを掘って00default.jsを設置(まだ中身は空っぽ)。
まずは日記更新時や設定変更時のUI改善に取り組みたい所存。
なお、日記表示ページにはまだ入れない。あんまり動的ページにする意味なさそうだし、そういう細工を入れすぎるとSEO的にも不利だし。もっとも以前から、リンク元はAjaxにすべきだという話もあったので、考えどころではある。
2010-03-28(日) [長年日記]
■ シアター! (メディアワークス文庫)(有川 浩)
最近の有川浩はあんまり恋愛小説を書いてくれなくなってしまったようなので、積極的に読もうとは思わなかったんだけど、flipperから読み終わった本が自動的に送られてくるので、けっきょく読むことにかわりはないのだ。いやまぁ、普通に面白かったけど。
弟が主宰する赤字劇団の借金返済支援のカタに、2年で黒字化する条件を突きつけるしっかり者の兄。劇団所属の女性たちが少しからみはするものの、恋愛要素はほとんどないと言っていいだろう。物語の構造は子供の集団に大人をひとり投げ込んだらどうなるか、という「ドラえもん」スタイルだ。「大人役」の兄の弱点がゴキブリというところも、弟の性格がのび太っぽいところも含めてそっくり。TV版のように教訓話では終わらないので、「劇場版ドラえもん」だと思って読めば間違いない。
そんなわかりやすい筋書きだから良くないというわけじゃなくて、まさに作中で叫ばれている「マニア受けはしないが間口の広い作品」を狙ってのものだろう。読書離れを食い止められるのはこういう作品だという作者のメッセージだと思う。だから、Amazonあたりで深みがないとか酷評してる人は、逆に自分の読解力のなさを恥じた方がいいんじゃないかな(笑)。
もっとも、そういう狙いなら(デビュー当時から相変わらずの)三人称の地の文に、とつぜん一人称が混じる変なクセを直した方がいいと思うんだがなぁ。というか、こういうのは編集者が指摘してやれよ。
◆ 通りすがり [私は3人称の中に突然1人称が混じるのは作者の個性だと思っていますけどね。確かに少し違和感を覚えますが、解らないことで..]
2010-03-29(月) [長年日記]
■ 日記のテーマを変更した
なんとなくCSSをいじりたくなったので、久しぶりに完全に新しいテーマを作成した。(ごらんのとおり)名前は「gustav」で、まだまだ微調整は必要だが、trunkにはcommit済み。
今回、border-radiusをはじめ、いろいろとモダンブラウザ向けの仕様を使ってしまったので、IEではだいぶ見た目が違ってしまっているが、もうどうでもいいやって感じ。だってうちの日記、IEのシェアが20%しかないし。少なくとも、読めればいいだろうと。Firefox 3.6、Chrome 4.0、IE 8.0で動作確認した。Operaは未(Operaのシェアは5%を切ってる)。iPhoneもこれから。
それから、おれはかねてから頑ななリキッドレイアウト厨だったのだが、さすがに20インチクラスのワイドディスプレイでブラウザを最大化して使うユーザが無視できないほどたくさんいるという現状では、リキッドレイアウトを維持するのは現実的ではないので、幅900pxでデザインした。理想と現実のあいだでうまく折り合いをつけないとね。
あと、これはインチキなんだけど、更新ページのデザインをする上でどうにもならない部分があったので、tDiary本体に手を入れて、更新ページにだけbody要素に「update」というクラスを追加した。よってこのテーマは2.3系の先っちょでしか使えない(←ひどい)。
それからこれはテーマとは関係ないが、Amazonの書影を「大」にしてみるなど。なかなか迫力があっていいんじゃないかと思うけど、ひょっとするとひどい副作用があるかも知れない。
◆ ただただし [おお、Operaでの確認ありがとうございます! じゃあこの方向でOKかなー。]
◆ えぐぞせ [Safari 4.0.5、角のトリミングが効いてません。 ※常用してませんがためしに表示してみました]
◆ ただただし [むー、Safariはまだ-webkit-border-radiusしか使えないのか。だせぇ。 いちおう対応してみまし..]
◆ NT [Opera 10.51でも角丸OKです。一応ご報告ということで。]
◆ zunda [いいな〜。ただ、ご想像のとおり幅の狭いブラウザだとはみ出してしまいます。widthの代わりにmax-widthを使う..]
◆ ただただし [max-widthか、そんなのもありましたねぇ。すっかり忘れてるな。 widthをautoに戻して、max-widt..]
2010-03-30(火) [長年日記]
■ 「非実在青少年問題」規制反対派はもうちょっと戦略的に動くべきじゃないか
ゆうべ、東京都の「非実在青少年問題」の討論をBSフジ「プライムニュース」でやるというので、こたつに入ってノートPCでTwitterのハッシュタグ#hijitsuzaiと並行して眺めていた。ちなみにおれは、言うまでもなく反対派である。民主主義国家で、権力に表現の自由を売り渡すことほど愚かしい行為はないからだ。
で、BSを見られない人がTwitterだけを読んでいると、TLが猪瀬直樹の揚げ足取りで埋め尽くされており、まるで「規制側」がダメダメな印象だったかも知れないが、実際は猪瀬直樹がほぼ完全に番組を掌握していて、反対派は言いたいことをぜんぜん言わせてもらえていなかった。反対派は明らかな準備不足で、猪瀬の穴だらけの意見にも満足に反論できないわ、こっちの意見は猪瀬に途中で遮られて最後まで言わせてもらえないわ、もうさんざんな感じ。もう一人の児ポ専門の女性はほぼ空気だったので、1対2で人数も優勢だったにもかかわらずである。
2時間枠のTV番組で厳密な話なんてできっこないのに、条例案の細部に立ち入ろうとしちゃダメだろう。規制側はそのあたりをよく理解していて、(細部をごまかしつつ)雰囲気のつかめるフリップを用意してあり、ことあるごとに「表現規制ではない」と繰り返す。予備知識のない視聴者は「ゾーニングならいいじゃん」って気分にさせられる。おまけに猪瀬は、自分に不利な方向に話が向かうと、すぐに割り込んで話題をかっさらう。あの、瞬時に雰囲気をつかんで引っ張り込む能力はすごいね。
反対派は規制側の最大の弱点である「日本は世界的に見ても性犯罪が極端に少ない国」で「性表現が豊かになるにつれて犯罪発生率が下がっている」というポイントを真っ先に指摘して、規制側の立脚点を潰すべきなのに、その話題を持ち出せたのは番組の最後の最後、出演者の締めのコメントの段階。まさかあそこで新しいフリップが出てくるとは思わなかった。手遅れだって。
反対派の2人は、きっと評論とか創作で、じっくり時間をかければいいものを書く/描くんだと思う。でもああいう場で必要なのは、そういう「持久力」じゃなくて「瞬発力」だ。条例に詳しい人よりも、臨機応変に相手の穴を突ける論客を派遣しなきゃいけないのに、そうできなかったのは、単に人材が不足しているだけとは思えないんだよなぁ。なんというか、個々の兵隊に頼るだけで、戦略がない。
反対派は二言目には「条例案を読め」というけど、そんなもの読みたがるヤツなんていないんだよ。規制側がイメージ戦略で来てるのに、のんびり啓蒙活動してる戦局じゃないだろう。こっちもイメージ戦略で対抗しなきゃ、負けちゃうよ。これは負けられない戦争じゃないのかね。
→続き
2010-03-31(水) [長年日記]
■ 「非実在青少年問題」規制反対派はもうちょっと戦略的に動くべきじゃないか(2)
昨日の続き。批判しっぱなしは性に合わないので、提案もしてみるよ。この活動にはよい結果を残して欲しいしね。なお、以下は基本的に自分の観測範囲で公開されている情報のみにもとづいているので、すでに水面下で進行中の事柄もあるだろう。ちまちま書いてたら時間がかかってしまった。3/31付けだけど実際の公開は4/4。
6月までの短期決戦である以上、ロビー活動を中心に据えている現在の方針は良いと思う。パブリックコメントを募集しているわけでもない案件に、無差別にメール/FAX攻撃をするとむしろ心証を悪化させかねない。ただ、味方に付けたい議員に対してアピールするにしても、バックにそれなりの数の有権者が存在していることを実感させられなければ効果がない。
つまり、「継続審議対策として味方になってくれる議員を効果的に増やす。そのためにより多くの普通の人にリーチして反応を引き出す」というのが基本戦略になる。その上でとれる戦術は:
公開Webサイトを中心に組織化する
「非実在青少年」でググると、最初に出てくるのが「非実在青少年」規制問題・対策まとめは個人によるまとめサイトで、オーナー多忙につき更新停止中。その次がニュース記事(Yahoo!は最初からニュースばかり)という感じで、活動の中心になるようなWebサイトがない。今どきこれはありえない。
「プライムニュース」に里中満智子や藤本由香里を送り込んだグループが、オフィシャルなサイトを持って情報発信していくべき。どうも関係者間の情報交換はMixiで行われているようだし、Twitter上での関係者のつぶやきも活発だけど、それではあとから運動に関与したい人には敷居が高いだけ。まとまった公開情報はオフィシャルサイトで出さないと、仲間内で馴れ合ってるようにしか見えなくなってしまう危険性もある。これから理解者を急速に増やしていかなければならない状況で、これはすごくマイナスだ。
公式サイトがあれば、この上で市民の意見を集約したり、適切な行動を促したりできる。明確な組織が目に見えれば、活動に参加したい人も門戸を叩きやすくなる。なによりも、無責任なデマの拡散を防ぐのに、URLで参照できる公式サイトは有効だ。効果のない昔の署名活動に踊らされることなく、求心力のある署名集めだってできるだろう。
普通の人たちにわかりやすくアピールする
反対派の合言葉のようになっている「まずは条文を読め」はご法度。小難しい法律文書なんてものを読みたがるのは、ごく少数だということを肝に銘じるべき。その上で、条例案の持つ危険性を、平易な言葉で簡潔に表現しなくてはいけない。
これが難しいのは重々承知しているが、ものごとを平易に表現することに長けたマンガ家があれだけ揃っていながら、それができないとは思えない。というか、この話題をマンガで表現しようというマンガ家がいないのはどういうわけだ*1。出版社と対等になっていない若手にはいろいろ制約があって難しいかも知れないが、描き手はたくさんいるだろうに。
対案を用意する
今後反対派に取り込んでいくべきなのは、まさに子供を守りたいと考えている「親」たちだ。「子供たちの今」を守りたいという気持ちを利用して、裏で「子供たちの未来」を奪うというのがこの条例の危険なところだ。
だとすればまず、その「今」の不安を和らげてあげないといけない。規制反対派はゾーニングでそれができると主張しているが、ゾーニングをどのように適用・強化するのか、現状では具体的なものが見えない。「今のままで十分」という主張が不安の解消につながらないのは明らかなので、反対派の不安のポイントをきちんと把握した上で、納得してもらえる「対案」を用意する必要がある。
相手の戦術に対抗する
この戦術は議論の余地が大きいと思うが、規制派が条文の細部に踏み込まずに雰囲気だけで押し通そうとしている以上、反対派も雰囲気の醸成を考えた方がいい。ニコニコ動画の討論会(→まとめページ参照)に規制派が参加ていないのを見ればわかるように、彼らは本当に戦い方を心得ている。不利な場には絶対出てこない。
彼らが危険な存在だということを明確にできるレッテルを貼ることを考えた方がいいかも知れない。「おせっかいファシズム」という呼び方を見たけど、これだとちょっと弱いかな(「禁煙ファシズム」よりはだいぶ弱い)。ただし、味方に付けたい「親」たちにまでそのレッテルが及ばないように気をつける必要があるので、難しいところだ。
*1 ちばてつやの描いたもの(あれは過去に描いたもの?)を以前ネットで見かけたけど再発掘できず。
◆ ぐは [ここ1,2日の間ですけど、メールもGoogle Syncで同期できてない感じがあります。 今朝まではほとんど音沙汰無..]