2012-08-01(水) [長年日記]
■ 西山温泉、慶雲館へ (2)
翌日、宿を出てからさらに山奥に向かい、奈良田温泉へ。前回来た時は町営の温泉にかみさんだけ入ったのだけど今回はパスして、奈良田の集落散策のみ。奈良法王神社のこま犬はあいかわらずかわいい。
ところで今回初めて知ったのだけど、奈良田の「奈良」は近畿地方の奈良のことで、「奈良法王」は孝謙天皇のことを指すのだという。病気療養のためにわざわざ奈良からやってきた孝謙天皇の住居跡がいまの神社なのだとか。ほんとかなー。WikiPediaにはそんなこと一言も書いてないぞ(笑)。まぁたしかに、昨日書いた慶雲館の開業時期と孝謙天皇の在位期間はけっこう近いのだけど、証拠もなにもない伝承なんだろうなぁ。
とか言いつつ、実はあの神社の本殿には三種の神器が安置されていて(戦後GHQによって接収されたまま行方不明)、奈良からヒ一族が渡ってきていたのが伝説の始まりなのではないか。で、奈良田の人たちはその子孫で……というくらいにはSF脳です(→参考)。
奈良田の集落には上のようなやや大振りなパラボラアンテナがあって、調べてみたら衛星ブロードバンドサービスipstarらしい。西山温泉にも同じのがあったし、なるほど、ここらの通信インフラは衛星か。ADSLですらないというのはすごい。遅い理由がわかったよ。苦労してるんだなぁ。
2012-08-02(木) [長年日記]
■ Wassrついに終了、小規模バーチャルグラフの受け皿はもうないのか
長年愛用していたWassrが、ついに終了のお知らせをアナウンスするに至った。モバイルファクトリーの中でもずっと実験的な扱いを受けていたと聞いているし、そもそもAmazonのアフィリエイト以外にマネタイズの試みがほとんどなかったことからしても、これは時間の問題だろうなぁとは予測していたが。というか、雨後の筍的に生まれてきたTwitterクローンの中ではよく生き延びた方と言うべきか。
非公開アカウントにして狭い範囲でつながった人たちとのカジュアルなやりとりというのが近年の使い方で、こないだ書いた7thライブにフラスタを出したのもここで知り合った仲間たちによるものだ(「わさます」の「わさ」は「Wassr」の「わさ」)。このことからもわかるように、Wassrは「小規模」かつ「バーチャルグラフ」に向いたソーシャルネットワークサービスだったと思う。
その好例なのが「イイネ!」の実装で、たとえば昨日のイイネ!ランキング、トップはこんな感じ:
このイイネをした人のアイコンがすべてずらっと並ぶような表現は、著名人なら数百、数千の「fav」「RT」「いいね」をもらうTwitterやFacebookではありえない実装だけど、最近のWassrの規模感ならちょうどいい。で、このダイレクトでビジュアルなフィードバックのおかげでTwitterやFacebookにはない「近さ」が感じられて実に良かった。
この規模感に近いグラフが扱えるのは、今ではPathやLINEになるのだと思うけれど、どちらもリアルグラフを基本にしているのでWassrで形作られたコミュニティの受け皿とはちょっと違う。昨日のアナウスからこっち、Wassr上のあちこちで代替サービスを探す動きがおきているけれど、まだ「これだ」という受け皿は見つかっていない感じだ。こういうのってマネタイズしにくいから、単独のサービスとしては難しいだろうなぁ。
とりあえずFacebookのグループやGoogle+の共有サークルを使うのが解ではあるが、どちらも閉鎖的すぎて新規流入が得にくくなる。Twitterで鍵付きアカウントにしてリストでつながるのが一番近い雰囲気になるかも知れない。
2012-08-03(金) [長年日記]
■ 明日の「LL Decade」でLTをします
前日になって書くのもアレだけど、明日のLL DecadeでLTに登壇する予定。
LLイベントも10回目(9周年)ということで記念企画的なものが多く、LTもこのイベントにゆかりのある人たちという線で選ばれたようだ。顔ぶれを見ればわかるように、最近この手のイベントであんまり喋ってないおれからするとほとんどイジメだよこれ(笑)。こんな歴戦のTalkerたちにネタ勝負で立ち向かえるわけもないので、いたって穏便な話になる予定。せっかくなので、本家ドラ娘に記念ドラを叩いてもらうよ。
なお、当日券はあるそうです。開発以外のことがらに関しては無計画なプログラマにはいいイベントですね。
■ アクセシビリティキャンプ東京#2を開催した
4月の#1に続き、#2を開催した(Facebookのイベントページ)。異動やらなんやらが重なってしまい、今回は実行委員としてはほとんど手伝いもできなかったのだけど……次はがんばります。がんばれるといいなぁ。
今回のテーマは3つ:
- 支援技術体験
- レスポンシブ・ウェブデザインとアクセシビリティ
- アクセシビリティに関する自動テスト・CI
支援技術の企画案が通って実現できたのはよかった。といいつつ、おれがフォローしていたのは最後の「自動化」なのだけど。現在のWCAG2.0では、すべての試験を機械的に実施することはできなくて(というか30%くらいしか機械的には判断できない)、いかにしてアクセシビリティの確保を自動化するかはこの業界最大の課題だと言ってもいいだろう。さらにCIっぽい運用ができればいいよね……という話。
けっきょく、制作プロセス自体を変えないとどうにもならんというところは共通認識として押さえることができたけど、プロセスの確立からテストツールの開発まで、まだまだ課題は多いねぇ。WCAGの規格自体を自動化しやすくするという話は出なかったけど、そっちも考えてみるべきだよね。今のはあまりに人力に頼りすぎていて、エンジニアリングの課題にすらならない上にコストがかかりすぎて、企業は普通に導入をためらうレベルだし。
2012-08-04(土) [長年日記]
■ LL Decadeに行ってきた (そして5分ほど喋った)
予告したとおり、LL Decadeに行ってきた。上の写真はLT中のわたくし (Photo by @igaiga555)。
「よくまぁこんなメンツを揃えたなという」というLTの顔ぶれからして、緊張するなという方が無茶なわけで、こんなプレッシャー、仕事でも感じたことないわ(それはどうかと思う)。事前の素振りで6分かかっていたので最後まで話せたこと自体が奇跡ではあるが、最後の1枚はロクに説明できなかったなぁ。LTではやはり、言いたいことは最初に持ってこないとあかん。
あと、Preziがときどきかかる「画面が右にずれる」現象にあたってしまい、なんだかマヌケなプレゼンになってしまった。ので、資料はこちらです*1:
自分のこと以外のことに関しては、プログラミング言語処理系を自作してわかったことが白眉。とくにConstナントカさんが水を得た魚のようにしゃべりまくるを見て、こういう人が表に出てくる場を作ったことが、LLイベント最大の貢献じゃないかなーと思ったね。こんなマイナーな話を数百人の前でしゃべって、観客ほぼ置いてけぼりでも許されるって、ちょっとすごい。
あとはLTの司会をしてくれた@MaripoGodaにようやくリアルで会えた。懇親会でやはりオープンな世界に入るきっかけになったのがtDiaryのプラグインだった(bigpresen.rb)という話をされて、またひとつ世界に(間接的に)大きな貢献ができたことを誇りに思うのであった。
*1 Preziの埋め込みができなくなってる気がするのでプラグインは使わず。
2012-08-06(月) [長年日記]
■ 今日から蒲田
というわけで、異動して今日から蒲田勤務。通勤時間が1.5倍になったのが地味にキツい。あと、駅からオフィスの距離がけっこうあるので、この季節は暑くてつらい(冬は寒くてつらいのだろうか)。
#これ以上のことが書けないのである。
2012-08-09(木) [長年日記]
■ たのしい開発 スタートアップRuby(大場 寧子)
先日、電子献本していただいたもの。あいかわらず読むのが遅い。
昨今のRuby関連書籍はずいぶん豊穣なものだから、こんなアプローチの本が出せるようになったんだなぁ。面白い。Ruby/Railsそのものというよりは、Rubyコミュニティと、コミュニティが持っている「良い習慣」に関する本なのだ。Rubyによる開発が"楽しい"のは、言語の持つ性質ゆえにとどまらなくて、楽しい開発をするための良い習慣と、それを維持・推進するコミュニティがバックボーンにあるからなんだよ、という話が、実際にその楽しい開発を体験中の著者たちによって等身大の言葉で語られる。
よくRubyコミュニティに対して「キモイ」とか「電波」とか指摘される部分を、大胆に前面に押し出した勇気がすごいよね。
ただ、読み終えて、さてこれを誰に勧めよう……と考えたときに、困ってしまった。最初に思い浮かぶのは、SIerでJavaかなんかでがんじがらめの楽しくないプログラミングに辟易している人たちだ。でも、彼らはさすがにオブジェクト指向くらいは知ってるし、本書に書かれた言語のチュートリアルはさすがに初歩的すぎてつまらないと思う(そういう向きに読ませたいのはyugui本だ)。かといって、scaffoldをざっと動かしたレベルのRails解説は表面的すぎて面白みがわからない。というか、この本を手に取るくらい意識が高い人ならこれくらい知っていて当然じゃなかろうか。
と思い、「はじめに」にもどって対象読者をみなおしてみたんだけど:
- Ruby について基本的な知識を得たいという方
- 職場にRuby を導入することを目指していて周囲を説得する方法を探している方
- Ruby を使っていても今一歩うまく行かないという悩みを抱えている方
- 実際にRuby を使う予定はなくともRuby 界隈で支持されている開発手法や習慣、あるいはコミュニティ活動に興味があるといった方
いやこれ、欲張りすぎでしょう。この4種類の人たち、抱えてる課題はぜんぶ違うんじゃないか。それをいっぺんに解決する本は、少なくともこの厚さでは書けないと思う*1。実際、巻末の文献紹介は多すぎないが十分な網羅性があって、しかもただのリストでなく長めの解説がついているので本書の次の一歩を指し示すにはとても良い。これらの本に対する入り口のしての機能を狙ったのかも知れないけど……。
というわけで、対象をぐっと絞ってみたらもっと良かったのになぁと思う。たとえば上のリストでいえば最後の人たちだけをターゲットに、「Rubyistの秘密」に迫ったもっと濃い本にしたらかなりいいんじゃないか。あ、でも最終章の@ayuminインタビューはいろんな意味で面白いので、これは一読の価値あり*2
↓はAmazonだけど、もちろん電子書籍の方がオススメである(ちょっと安いし)。
◆ ブチャ猫 [表紙を見た時、Rubyってドーナツ屋さんかと思ったわw]
2012-08-10(金) [長年日記]
■ 自作の器が(ようやく)届いた
益子でろくろを回してからはや3ヶ月。まだかなー、と思って(かみさんに)電話してもらったら「15日までに届けます!」との返事だったとのこと。蕎麦屋か!
というわけで、その返事よりは少し早く届いたのであった。写真はあとでもうちょっとマシなのを撮るつもり。
湯のみを作ったつもりがでかいぐい呑みみたいになったとか、皿は凸凹が目立つとか、多少難点はあるけどまぁ自分で作ったものは下手でも愛着があるものです。
2012-08-11(土) [長年日記]
■ tDiary稼働までの最小ステップ
今日、@igaiga555から「tDiary をローカルで開発用に起動する手順ってどこかに書いてありますか?」と聞かれたので、とりあえず「vim tdiary.conf ; bundle install && rackup で!」と答えた。これはtDiaryを使ったことがあってRubyについてわかってる人向けの最小の説明なんだけど、そういうのを抜きにして「とりあえず動かす」なら、今ならどんな手順だろうか。
開発目的ならある程度Ruby周辺の環境があるという前提(bundlerはインストール済みとか)で、こんな感じか:
% git clone git://github.com/tdiary/tdiary-core.git tdiary # ソースを取得 % cd tdiary % git checkout 3.1.4 # バージョン3.1.4に切り替え % bundle # 必要なライブラリを入手 % cp tdiary.conf.beginner tdiary.conf % vi tdiary.conf # ← @data_pathを指定する % htpasswd -c .htpasswd user # ← userのパスワードを指定する % bundle exec rackup # Rack配下で実行
これでlocalhost:9292にアクセスすれば動く。Webサーバの設定不要でこれだから、ずいぶん簡単になったもんだと思いつつも、もうちょっと減らしたい気もする。ちなみに3.1.4をcheckoutしているのは、今日時点のHEADだとJavaScriptのランタイムを要求されてしまうため(CoffeeScriptのプリコンパイルが目的だけど、これはオプショナルにすべきものだと思うので要調整)。
◆ いがいが [まとめありがとうございます!(私もまとめようと思ったら先を越されました。w) 私のmac環境だと、 % htpas..]
◆ まちゅ [@data_pathはデフォルト指定があっても良さそうですね。カレントディレクトリのdataフォルダとか。(そしてC..]
◆ みわ@miwarin [tdiary のバージョンアップ手順は何かモダンな手順があるのでしょうか。私は取得した tdiary を既存の td..]
◆ ただただし [> いがいが あー、脆弱だから使えなくしたんですかねぇ。(だったら何か他のものをデフォルトにすればいいのになぁ……)..]
◆ hsbt [> miwarin 私は capistrano を使っています。後で日記に書いておきます!]
◆ まちゅ [>miwarin アップデートにGitを使う版を書きました。 http://www.machu.jp/diary/2..]
2012-08-12(日) [長年日記]
■ 敷居亭の打ち上げに参加した
コミケ最終日ということで、新婚の@taitokuさんの奥さんを見に敷居亭の打ち上げに参加(笑)。いや、おれはコミケには行かないんだけど、西方への出張機会がないいま、こういうときじゃないと京都組のみなさんにはなかなか会えないので。
蓋を開けてみたら20人超の大宴会で(でも店は丸の内のイタリアンレストラン「パリアッチョ」で、コミケの打ち上げにはとてもみえない)、モゲマスでいうところの敷居プロに加えて姉妹プロダクションのゆかいプロの面々、そしてなぜかわさますプロが4人混じっているという。敷居プロの人たちは酔うとガチャを回すと聞いていたけど、本当なんだぜ。まったく恐ろしいところだ。
で、今回も新刊をいただいた。あいかわらず作風が広すぎて誰の絵なのかわからないくらふとさんの表紙がすばらしい。ネタはもちろんモゲマスで(敷居プロは「モバマス」派が多いようだが)、注目度が高いだけあっていつもより多く刷ったけどほぼ完売とのこと。旬だねぇ。
内容も、やりもしないで「あれはゲームじゃない」とかいってるアンチソーシャルゲーム派を軽々と吹き飛ばすような楽しい雰囲気満載で、たいへん面白かった。なかでも、重課金兵が多くの割合を占めるであろう敷居プロで無課金を貫き通しているハバネロPの文章は涙なくして読めない、それでいて楽しさに満ち溢れているという傑作。今回も増刷のうえで通販するそうです(→Check it out!)。
2012-08-15(水) [長年日記]
■ ハリー・ハリスン死去
最初の感想が「あれ、まだ存命してたんだ」という失礼な話だが、ハリー・ハリスンが亡くなったそうだ。学生時代にけっこう手当たり次第に読んだよなぁ。まだ書庫にはほとんど手つかずで残っているので(しかも未自炊)、いつものように追悼読書といきたいところなんだけど、作風に幅がある人なのでどれを選ぶか悩むところ。ここはバカバカしさで「テクニカラー・タイムマシン」ですかね、やはり。
2012-08-16(木) [長年日記]
■ 復刻版 大宇宙の旅(荒木 俊馬)
(例によって4回応募するとかならず1回当たる)本が好き!の抽選献本にあたった。松本零士のイラストが描かれた帯が本来の表紙を押しのけるように存在を主張していて「なんだかなぁ」という感じがしたのだが、中身は正真正銘面白かった。でも松本零士をプロモーションに使うのは間違っていると思うけど。
さて、本書は半世紀以上前に書かれた天文学の啓蒙書で、ターゲットは小学校高学年から中学生。ところが、これがけっこう難しい。中学生の「宙一くん」が星々に導かれて宇宙を旅する、ストーリー的にはファンタジーだが、骨格はガッチガチのハードサイエンスだ。数式はバンバン登場するわ、おまけに読者に自分で計算してみるように促すわと、小学生はおろか中学生にも荷が重いのではないかと心配になってしまうほど。現代でこれを企画したら編集者から数式は除いてくれと言われるに違いない。
だがもちろん、科学に興味のある中学生ならこれくらいがんばってついてくるのだ。作者のそういう出る釘をより高みに引き上げようという心意気が伝わってくる。もちろんいたずらに難しいわけではない。連星系の軌道や質量の計算はすばらしく整理されているし、風船を使って宇宙の膨張を説明するのにこれほど丁寧な解説はいままで読んだことがない。あと、打ち出の小槌で「相対性」を説明するなんてすごい発想。宙一くんと星々の語り合いも楽しいし、一言でいえば「手抜きがない」。これを読んで育った子供たちは幸せだ*1。
古い本なので書いてあることはすでにかなり古びている。特に銀河中心への旅を「なにもないから」という理由で中止するなんて今なら「エェー!?」ってところだが、当時はブラックホールがあるなんて知られてなかったし。恒星の一生や銀河の距離など、現在の仮説とはだいぶかけはなれた解説になっていて、当然ながら子供に読ませて良いものではない。だが、科学啓蒙・教育にかけるその姿勢はとても真摯だ。これは理科の教師にちょっと手にとってもらいたいかな。
*1 で、結果として出てきたのが100%ファンタジーの「999」というのはなんかアレだけど。という意味で松本零士を引っ張りだしたのはミスリードだと思う。
2012-08-18(土) [長年日記]
■ 箱根の姥子温泉に行ってきた
夏バテ気味のかみさんのリクエストで箱根へ。元箱根にある秀明館は日帰り専門の温泉で、もともと湯治場ということでほぼサービスなし(自販機が1台あるきり)、個室つき4時間で1人3000円前後。とはいえ下界が連日猛暑の中、エアコンなしで風呂と惰眠がむさぼれると思うとずいぶんリーズナブルではないか。
お湯はやや熱いが、なめらかで気持ちのいい温泉だった。というか、岩屋の中から湧き出る温泉、半地下でしめ縄を飾った浴室はなかなか情緒があってよろしい。
ただ、食べるものが何もないという事前情報がなかったため、空腹を抱えて外に出たのは15時。そのまま箱根で中華とカフェをはしごするという暴挙にでてしまったのであった。ダイエット中なのに……。
2012-08-19(日) [長年日記]
■ 臼田・野辺山めぐり (ようするにいつもどおり)
昨日の今日だが(今日は1人)、やっぱり下界は暑いのでこんどはバイクで北上。先日のパノラマ写真に味をしめたので、今日はパラボラアンテナのパノラマ写真を撮ってこよう。
例によって中央道から諏訪で降りてビーナスライン。しかしまさか寒いとは思わなかった。だがさすがにハイシーズンということもあってけっこうな人出、止まる場所もない。じゃあとっとと西へ向かおうと思ったが、先日の通行止めもあったことだし、仮に通れても大河原峠はもっと寒いだろうし、今回はR299に回って麦草峠を通って行こう。まぁ、麦草峠も寒かったんだけど(えるしってるか、麦草峠と大河原峠の標高はだいたいおんなじだ)。
で、まずは臼田さん。さすがに今日はおやすみモードです:
うーん、失敗だ。せっかくのアンテナが歪んでしまった、メインに据えたいオブジェクトは中央に来るように撮らないとこうなるのか……。まぁ、そもそもうすださんはパノラマにする必然がないのだよな。気を取り直して野辺山へ:
あえて45mは遠方に退いてもらって、10m干渉計メインで。これはなかなか悪くない感じ? せっかくなのでGoogle+のカバー写真にしよう(→大きめの写真も含めたその他の写真)。
帰りはR141を南下していくとR52に入るので、そのまま新東名から帰ってこようかと思ったが、さすがにちょっと遠回り過ぎるので素直に中央道から。でも時間に余裕があってかつ国道を避けるルートを開拓できれば悪くないかもね、これ。帰りの中央道は、女性用の日焼け防止アームカバーをはめて走るハーレーのあんちゃんとか、お盆最終日の大渋滞でも欠かさず談合坂に集合するアホな珍走団のみなさんとか、いろいろカオスでした。やっぱ帰りの中央道はできれば避けたい。
2012-08-21(火) [長年日記]
■ 富士総合火力演習へ行ってきた
昨年の震災での活躍もまだ記憶にあたらしい自衛隊、ここ最近は竹島や尖閣諸島あたりできな臭い状況が続いていてまた別の意味で関心が集まりつつあるところではあるが、そんなこととはいっさい関係なく、「そうかえん」に連れてってもらえることになったので行ってきたのであった。あんまりにもいい天気すぎて、顔と腕が真っ赤だよ!
ミリオタじゃないので装備品についてはあんまりよく知らないんだけど(戦車が三世代そろい踏みだとか、10式戦車のスラローム射撃すげーくらいはわかる)、大迫力エンターテイメントとしてまずすごいわな。あと、予算がなくてあんまり実弾打たせてもらってない自衛隊のはずなのに、隊員の練度は(噂どおり)すばらしく、兵器そのものよりも隊員たちの動きばかり見ていたよ。
これなんて、会場からは思わず笑いが漏れていたけど、やれと言われたらぜったい逃げるしな:
個人的にはアパッチよりもコブラよりも、OH-1がちょーかわいくて気に入った。コンパクトで速い乗り物は正義です。ライトウェイトスポーツ的な意味で:
2012-08-23(木) [長年日記]
■ 「Forkwell を始めたことを Facebook に共有しない」という選択はアリか?
今日とどいたForkwellのニュースレターに、ユーザ登録の最終ステップで従来は下記のようなチェックボックを設置していたのを:
☑ Forkwell を利用開始したことを Facebook で共有する
以下のように変更したと書いてあった:
Forkwell を始めたことを Facebook に共有しない
理由は、多くのユーザがチェックを外してFacebookへの投稿を避けるからだという。バイラルによるプロモーションに依存しているサービスだからぜひともここでシェアしてもらいたいとのこと。Forkwell側の要件はわかったけど、だからといってユーザにとってこの変更は「なし」だと思うんだけど。
UI設計の基本として、否定形の選択肢は避けるべきだ。否定形の設問にチェックを入れると何が起きるのか理解するのに、人の脳はよけいな苦労をするから。特に日本語の場合、文章の最後まで読まないと文意を理解できないから、この形式だとぱっと見で「チェックが外れているから共有しないだろう」と感じる。
結果として意図せずにFacebookに投稿がなされると、ユーザは「騙された」と感じることだろう。これはForkwellにとって好ましい感情だろうか?
これを読んで思い浮かんだのが、先日読んだ「リーン・スタートアップ」に載っていた事例。著者のサービスを使ったテスターに、(やはりテストの最終ステップで)「このサービスを友人に紹介してください」と依頼したところ、拒否されたという。なぜなら、まだこのサービスが良いものかどうか判断できないのに友人に薦めることなんてできないからだ。あたりまえですね。Forkwellのユーザ登録最終ステップもまさにこの状況にあるはずで、騙してまでシェアさせるなんてもってのほかではないか。
これは「最終ステップでシェアを拒否するユーザが多い」という事実に対して、直接それを解決しようという短絡さがよくないと思う。やはり「リーン・スタートアップ」に解決策が載っている。「5つのなぜ」だ。
- 最終ステップでシェアを拒否するユーザが多い
- なぜ? → ユーザはForkwellを友人に紹介したいと思っていない
- なぜ? → ユーザはForkwellが良いサービスかどうか判断できない
- なぜ? → ユーザはまだForkwellを使ったことがない
以下略。おれなら「じゃあしっかり使ってもらってからシェアを促すフローを作ってみよう」とか「使っていてよかったと感じた瞬間に紹介してもらえるようにしよう」なんて結論になるかなぁ。たとえば通知ページに「××の称号に昇格しました。」なんてイベントが出てくるけど、これって使ってて嬉しい&自慢したいタイミングじゃん。そういう気分のときにちょっと目立ついいねボタンがあれば、思わずシェアすると思うんだけどね*1。
*1 もしかするとすでにそうなっているかも知れない。おれはFolkwellにたまにしかログインしないので、称号の変更に関しては通知ページでしか見たことがないけど。
2012-08-24(金) [長年日記]
■ 新しい左手用マウスを導入
コクヨやLogitechから左手用マウスが出ていたのも遠い昔の伝説になりつつある昨今、全国の左手マウス愛好家のみなさんはいかがお過ごしでしょうか。
おれも、自宅で使っていた白コクヨはすでに退役して左右対称のMicrosoftマウスに、職場で使っていた黒コクヨもさすがにボロくなってきたのでなんとかしたいと考えていたところ、新しい職場では好きなキーボードとマウスを買っていいというお達しが! さっそくキーボードにはいつものテンキーレスRealforce(今回は静かなオフィスでうるさくないように静音タイプにしてみた)をチョイス。さてマウスはどうしよう。
市場に出回っている左手用マウス、いまはRazer Deathadder 3500 Leftしか選択肢がないと思っていたんだけど、さすがに職場でゲーミングマウスを使うのもなぁ……と思ったら、なんといつのまにかサンワサプライからも左手用マウスが出ているじゃないの! minicuteという会社から輸入したEZ mouseというエルゴノミクスデザインなマウスらしい。けったいな形だけどこれにしよう(そして具合が良ければ自宅にも導入しよう)。
というわけでさっそく使ってみている。
エルゴノミクスデザインといっても横のものが縦になっただけなので、そんなに違和感はない。いままで下向きに押していたボタンが横向きになる。ただ、ホイールを回すときはちょっと馴染めない感じがあるかなぁ。まぁすぐに慣れるだろう。少しボタンが硬いのか、クリックが認識されないことがあるけど、これも馴染めば大丈夫なのかもしれない。
なんにせよ左手用のエルゴノミクスマウスは貴重なので推していくよ!
SANWA SUPPLY 有線 エルゴノミクス形状 左利き用 MA-ERG2LH
サンワサプライ
(no price)
B003XKNX76
2012-08-25(土) [長年日記]
■ 川崎 0-1 名古屋@等々力陸上競技場
(どっちもミスがたいへん多かったという意味で)互角だったように見えるので、0-1で負けたのはそんなに嘆くことではないとは思うけど、それにしてもあんだけ攻め込んでおきながら枠に飛ぶシュートが少なすぎるんじゃねーの。積極性に乏しいというか、攻めに迫力がないんだよなぁ、最近。
前から書いているように、シーズン途中からかなり状態の悪いチームを引き受けさせられて、しかも主軸が次々と故障離脱していく中で奮闘している風間監督には(同じマネージャ業をしている身からすると)かなり同情的ではある。だからといって、たいして実績もなく目立った活躍をしているわけでもない監督のご子息が2人ともずーっとスタメンで出っぱなしというのは、その同情心をだいぶ削ぐ理由になってはいるのだけどね。李下に冠を正さずというではないか。つーかもっといい選手いるだろ。
そんなチーム不振の中、夏休み最後のホームゲームということもあり、例によって等々力は楽しいイベントでいっぱい。酷暑のさなか涼を届けようという意図だろう、なぜか昭和基地の南極越冬隊と中継をするという謎の企画やら、ペンギンショー(?)やらで盛り上げていた。いやまぁ、チームの調子がよければ楽しかったんですけどねぇ……。
2012-08-26(日) [長年日記]
■ アームストロング船長の死去にともない「月のひつじ」を(ふたたび)観る
朝おきて最初に目に飛び込んできたのがアポロ11号のアームストロング船長死去のニュースだった。最近では人類が月に行ったことすら知らない世代もいるらしいのだけど(都市伝説かもしれないけど本当でも驚かないよな)、これでまた歴史に1ページ、だなぁ。
うちの書庫にはアポロ時代の資料映像が入ったDVDなんかも何枚かあるけど、やはりここは「月のひつじ」で追悼でしょう。アームストロングはクライマックス以外ほぼ登場しないけど、アポロ11号の着陸中継を実現したオーストラリアの田舎の電波天文台Parkesの人々の話なんだからおおいに関係ある。まぁようするにパラボラ映画が見たかったというだけだけど。
B00008OJPO
B002TUEW8K
■ 今日は一日プログラミング三昧
……の予定だったのだが、↑でDVDなど見てしまったのでのっけから予定が狂ってしまった。お約束すぎる。
まずは今月からAPIが変わって動かなくなっていたこの日記の全文検索をなんとかする(search-bing.rb)。BingのAPIが変わるのは以前からアナウンスされていたので、締め切りまでに対応ができなかったのは全面的にこっちのせいなんだけど、こんなに大幅に変えなくてもいいじゃんねぇ。というか、ページネーションのサポートがなくなるとか、かなりのデグレードで、使う気がだいぶ失せた。Googleのに入れ変えちゃおうかなー。
あと、なぜかNet::HTTPを使うとAPI呼び出しがTimeoutしてしまうので、泣く泣くopen-httpを使ったとか($SAFEが1の場合に制約があるからtDiaryでは使わないルール)。これはまた機会のあるときにでも追いかけよう。というわけで検索機能が復活。
そのあとは、最近たちあげたMassrのコードを書こうと思ったんだけど、まじめにテストを書こうとしたらRSpecの勉強だけで残りの時間が消えてしまった。TDD難しすぎる……というか、OAuthで認証するサービスのテストなんてどうやって書くんだ?
2012-08-30(木) [長年日記]
■ 今日もプチプチとgemのproxy対応
proxyの内側でrubyを使ってるのは世界中でおれだけなんじゃないかと感じつつある今日このごろいかがおすごしでしょうか。今日はTwitter認証を使っているツールを動かそうとしたらホストが見つからない的なエラーを吐いたので「またか……」と思いつつ対応しました。
認証の実装に使っているのは例によってOmniAuthなのだけど、Twitterの実装はOmniAuth Twitter。この中でRuby OAuthを使っていて、HTTPでの通信をしているのはこれ。
OAuthの方はちゃんとproxyを意識した作りになっていて、外部からオプションで:proxyを与えればちゃんをそれを使うようになっている。ので、OmniAuth Twitterの方で環境変数を見てオプションを変えるようにしたものをpull requestして、これはすぐに取り込まれた。めでたしめでたし。
……とはいえ、数あるOAuth利用者がいちいち同じ対応をしなきゃいけないのは良くないよなぁ。できるだけ上流、この場合はOAuthの方で対応した方がいいかなー。さらにさかのぼってNet::HTTPで、というのは行き過ぎだとは思うが、その境界はどこにあるのか。悩ましい。
2012-08-31(金) [長年日記]
■ 実践 Metasploit ―ペネトレーションテストによる脆弱性評価(David Kennedy/Jim O'Gorman/Devon Kearns/Mati Aharoni
ここ数日けっこうな騒ぎになっていた、Oracle Javaのセキュリティホールに関する報道にともなって、幾度となく名前が登場したMetasploit。その本邦初の解説書である本書をちょっと必要に駆られて読んでいるんだけど、いやー、面白いわー。いままであまり接近してこなかった世界ではあるが*1、Webサービスを開発・運用している身としては他人ごとではない世界でもあり、壁を隔てた向こう側にいる人たちの思考過程とその手法についてよくわかって(いろんな意味で)面白い。
Metasploitそのものはペネトレーションテストをすることを目的に作られているが、そこに含まれているのは歴代の多数のexploitなわけで、ダウンロードするだけでアンチウィルスソフトにひっかかる代物だ。そんな危険なものなのに、オープンソースでリポジトリはGithubにある。さらに開発言語は我がソウル言語であるRuby。こりゃフォローしないわけにいかないし、いつかはパッチのひとつもcontributeできたらいいね。
本書は「実践」とついているだけあって、構成もハードだ。なにしろインストール方法はおろか入手方法の説明もなしにいきなり起動から入る。専門用語の説明も最小限。それくらいはクリアしてから手に取れということだ。一方、ホワイトハッカーとしてペネトレーションテストの正当性を確保するためのルールに関しては前段で丁寧に説明してあり、モラルなくしてこのツールを手に取るなという強いメッセージに背筋が伸びる思い。
そんなペネトレーションテストの設計から入って、ポートスキャン、脆弱性スキャンを経てようやく「攻撃」に至る手順はしごくまっとう。理論は別の書籍に任せるということだろう、周辺ツールの紹介もはさみつつ本当に実践的な手法の紹介に徹している。まだ読みかけだけど、後半にはRubyで書かれたさまざまなモジュールを改造したり新規に書き起こしたりもしているようで、これも楽しみだ。
実践 Metasploit ―ペネトレーションテストによる脆弱性評価
オライリージャパン
¥4,180
*1 クラッキングをする人たちの住む世界、という意味でだが、もちろん本書の想定読者はセキュリティ監査目的のペネトレーションテストをする人たちである。
◆ 利三 [PIYO、Croudia、Twisterあたりが近い感じかな。見た目はだいぶ違いますけどね。]
◆ ただただし [PIYOにはイイネがないですね。Croudiaは機能のspam騒ぎをみてるとちょっと……。あとTwisterは使い方..]
◆ 利三 [まぁたしかにCroudiaは評判が…なところはありますね。ただ機能的には「イイネ」(クロではお気に入り)と「鍵付アカ..]