2007-02-01(木) [長年日記]
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784044601133
文庫になったので読んでみた。面白かった! 相当なペースで一気読みしてしまったので、エンターテイメントとしてかなりの質なんだと思う。オススメ。
とはいえ、SFとしてはそんなに高評価はできないかなぁ。上下巻の厚さがずいぶん違うので「なんでだろ」と不思議に思ったが、上巻はとにかくオカルト系の情報を大量にぶち込んで、「と学会」会長の面目躍如。ちょっとぶち込みすぎだとは思うが。下巻は打って変わって骨太なサスペンスになり、神の正体に迫るゾクゾクする展開。たぶん、SFを読みつけてない人はかなり満足できるのではないだろうか。
もっとも、神の正体についてはSF者なら一度は考えたことがあるだろうし、信仰に関する話も、(おれは映画『コンタクト』を思い浮かべたけど)そんなに斬新なものではない。ネタは新鮮ではないけれど、料理が上手い、といったところだろうか。
もちろん、「うまい料理」を味わうのが読書本来の楽しみなのだから、なんの不満もない。たいへん美味しかった。
ぜんぜん関係ないけど、単行本が2003年発行ということで、ネットまわりの描写が予測とズレまくっていて興味深かった。
当時はまだブログブーム前なので、物語の世界では(2chを出自とする)巨大匿名掲示板がすべてなのだ。執筆のほんの2、3年後に、みんなSNSの狭い世界に引っ込んじゃうなんて、想像もつかなかったんだなぁ。巨大な権力を持つサイトのページビューが少なすぎるし、その割には現実への影響力を大きく見積もりすぎだ。3年後がまったく予測できていないあたりが、逆に今のインターネットの動きの早さを表していて面白かった。
2007-02-03(土) [長年日記]
■ I love 梅ヶ枝餅
伊勢丹、大九州展にて。
◆ arton [僕も大好き。先週、高島屋の大九州展で買いました(大九州が百貨店ツアーをしてるのかな)。]
◆ ただただし [同志よ! 買ってその場で食べるのが旨いんですよねぇ。 ちなみに伊勢丹相模原店、明後日までです。]
◆ nkjm [こないだ伊勢丹府中店でやってたときに行って来ました。ちなみに相模原店の次は立川店ですよ。]
◆ kitaj [梅ヶ枝餅,オレも大好き.旨いよね.]
◆ ただただし [2003年の九州旅行以来、ことあるごとに梅ヶ枝餅のことを書いてるのに、なんで今年だけ反応があるんだろう……。もしかし..]
◆ るる [私も大好きです。田舎が福岡なので、子供のときはよく食べてました(^^)阪急百貨店でゲットしました。かさの屋だったので..]
2007-02-04(日) [長年日記]
■ おなじいろ
Let's noteのタンジェリン天板とiPod shuffleのオレンジは、たぶん似た感じの色だとは思っていたが、重ねてみたらまったく同じ色合いだった。まさしく、Jobsがおれのために作ったshuffle!
実際は表面処理がちょっと異なるので、斜めから光を当てると違って見えるんだけどね。
2007-02-05(月) [長年日記]
■ やっぱおれ、クラークは合わないわ。
BS2で『2001年宇宙の旅』をやっている。何度も観ているけど、色彩とか光の扱いがすばらしくて、ついつい観てしまうな。傑作だ(HALが死ぬあたりまでは)。
ところで、モノリスが登場するシーンで流れる不気味なコーラスを聞きながら:
妻: ほら、共鳴してるよ
俺: モノリスを作ったのはケロン人だったのか!
2001年といえば今、「2001年の直角編」と銘打ったクラーク&バクスターの『時の眼』を読み始めたところなんだが、これがもー、ちっとも面白くねぇの。人類発祥から21世紀までの複数の時代がモザイクのように入り乱れる異常な事態……という出だし、それだけ聞くと実に面白そうなんだが、テンポは悪いわ、説明は長くてクドいわ、おまえは話を進める気があるのかと。
そもそもクラークって作家は、小説はすごく下手だと思うんだけど(小説以外のところに価値のある人なわけで)、今回はバクスターとの共作ということでちょっと期待してしまったのが間違いだったか。まだ読み始めたばかりだから、駄作と判断するには早いけど。つーか、クラークがどのパートを書いているのかわからんけど。
だいたい、表紙の二人の名前の大きさが、あまりに違っていて失礼な話である。そりゃクラークの名前で売りたいのはわかるけどさ。原書では同じ大きさなのに。
2007-02-06(火) [長年日記]
■ はてなグラフでダイエットに挑戦(3)
先月、はてなグラフのAPIにデータ取得機能を要望したものの、まったく採択される兆しがない。もっとポイントをつぎ込まないとダメ?
しょうがない。ダイエットは待ったなしなので(というほどでもないが)、体重管理だけでもやろう。
ということで、「体重計に乗ったその場でメールを送るとグラフに反映させるツール」……を書くんじゃなくて、コマンドラインからグラフを更新させる汎用的なコマンドを作成した。せっかくなのでRubyForgeで公開(→hatena-graph-update)。
これをインストールして、procmailあたりでこんな感じの設定を書けばいい(.netrcを使ってID/PASSを書かずに済ませている):
:0 * ^TO_.*weight@example.com | sed '1,/^$/d' | hatena-graph-update weight
あとはメール本文に体重を記入して、weight@example.comにメールするだけ。でも体重グラフは非公開だよ!(笑)
その代わり、この日記に来るツッコミspam/リンク元spamの数を、ログから算出してグラフ化して公開中。サイドバーの下のほうに張ってある。これはdailyにcronでこんな感じに実行:
#!/bin/sh yesterday=`date -d yesterday +%Y-%m-%d` cd ~/var/log mv spam.log spam.log.$yesterday wc -l < spam.log.$yesterday |\ hatena-graph-update -u hoge -p hoge -d $yesterday spam
2007-02-07(水) [長年日記]
■ tDiary: 環境変数とproxyでハマる
最近はWebサービスを使うプラグインが増えてきて、必然的にtDiaryの動いているWebサーバからHTTPリクエストを出すことになるんだが、企業内で運用されてたりするとproxyを経由しなくてはいけない。この手のプラグインのさきがけであるamazon.rbが@options['amazon.proxy']というオプションを持っていたため、これを使いまわすプラグインがあり、「あんまりだ」という話になった。
そこで解決策として、新たに@options['proxy']というオプションを設け、これを共有することにした。HTTP以外のproxyなんて考慮しない大胆な設計。これを「HTTP脳」と名付けよう(余談)。
そうなるとさらに楽をしたくなるもので、GETリクエストしか使わない簡便なWebサービスの場合、open-uriを使ってproxy対応も「お任せ」にしたい。open-uriは環境変数を見てくれるので、@options['proxy']の値を環境変数に設定したらいいのではないか、ということで実装してみた。
まずはENV['HTTP_PROXY']に代入してみたところ、この値を見てくれない。調べてみたらruby-dev:22013という大昔の投稿を発見する。なるほど、たしかに危険だ。
じゃあ、ということでENV['CGI_HTTP_PROXY']を設定したら、proxyへのコネクションを開くところでこんどはInsecure operationなる例外が。これも調べてみると、ENVへのプログラム内部からの代入はすべて「汚染済み」扱いされてしまって、おまけにfronzen状態なのでuntaintもできない、と。そりゃそうか。今日は新発見が多いなぁ。何年Rubyやってんだ、おれ。
というわけで、@options['proxy']は採用するけど、それ以上の楽はできない、ということになりました。とほほ。巻き戻さないと(←ENV['HTTP_PROXY']代入版をcommit済みだったりする)。
2007-02-08(木) [長年日記]
■ svnnotify
こないだからまじめにRubyForgeを使うようになって、結果的に開発のためにsvnを使うようになったんだけど(個人的なドキュメント管理にはだいぶ前から使っていた。原稿とか)、まずはcommit logをメールで受け取りたいと。
でも、svnのサンプルに付いてるようなショボいのはいやん、と思ったので調べていたら、RubyForgeのFAQにHow do I get diff emails when I commit code?というのがあった。おお、これこれ。
でもこのまま使ってみるとHTMLメールになっちゃって、W-ZERO3で読めなかったりするものだから、もうちょっとシンプルにしようと思ってsvnnotifyを探すも見つからない。ウロウロしてたらCPANにあった。CPANか〜。
で、久々にCPANをセットアップ中。続きはあとで書く。まぁ、ドキュメントだけあればいいんだが。
続き。
「diffを色付けされたHTMLで受け取りつつ、テキストしか読めないメーラーでも読めるようにしたい」というニーズであれば、post-commitを以下のようにするのが吉なようだ:
#!/bin/sh REPOS="$1" REV="$2" PATH=/usr/bin:/bin:/usr/local/bin PROJECT=/var/svn/hatenagraphup svnnotify --repos-path "$REPOS" --revision "$REV" \ --svnlook /usr/local/bin/svnlook \ --to sho@spc.gr.jp --from `whoami`@rubyforge.org \ --with-diff --subject-cx \ --handler Alternative --alternative HTML::ColorDiff
もちろん、SVN::Notifyだけでなく、SVN::Notify::HTML::ColorDiffやSVN::Notify::Alternativeが必要。
でも、よく考えてみたらHTMLメールなんて別に欲しくないし、そういう整形やら色付けされたリソースは、メールよりもむしろfeedして受け取ったほうが嬉しいよなぁと思い、現状はシンプルにこんな感じとなった:
#!/bin/sh REPOS="$1" REV="$2" PATH=/usr/bin:/bin:/usr/local/bin PROJECT=/var/svn/hatenagraphup svnnotify --repos-path "$REPOS" --revision "$REV" \ --svnlook /usr/local/bin/svnlook \ --to sho@spc.gr.jp --from `whoami`@rubyforge.org \ --with-diff --subject-prefix '[hatenagraphup] ' --subject-cx
これで受け取ったメールからfeedを生成するようなツールを書けばいいじゃんね。つーかそれPla
2007-02-09(金) [長年日記]
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784063143300
(たぶん)第5回、かみさんが1巻だけ買ってきたマンガの続きを、おれが全巻買ってしまうシリーズ〜。ぱふぱふ。
って、またか! 全5巻でよかったよ、もー。
「アフタヌーン」を継続的に読むようになったときには連載も終盤で、ポップなものの絵は(アフタヌーンなのに)下手で、女の子は(アフタヌーンなのに)かわいくないし、萌え要素など(アフタヌーンなのに)いっさいなし。さらっと流して最終回、たいして印象には残っていなかったのだが。
でも1巻から読み直して、その第一印象が大間違いだったことに気づいた。クヤシイ。
あけっぴろげで物怖じしない根岸さんと、彼女に惚れて、心に浮かんだことを意識的にすべて口に出すことにした星野くん(ある意味モヒカン族)のカップルをめぐるラブコメ。というか、「言いたくても言えない」という恋愛モノにありがちな葛藤をすべて排除するとどうなるかという、ある意味「実験マンガ」じゃなかろうか。
葛藤がないからジメジメしないし、舞台の雰囲気も'80〜'90あたりの乾いた感じなので、主人公たちの猛烈なダッシュにぐいぐい引っ張られて、それが楽しい。星野くんの発言はとことんストレートなので、とてもかわいいとは思えなかった根岸さんが、読み進めるうちにどんどんかわいく思えてくる。マンガの力ってすごい。
学園モノなのに、夏休み、テスト、クリスマス、バレンタインデーなどの「イベント」がほぼ1回ずつしかないとか、なんか計算ずくなのかわからない割り切りもいいね。卒業式の回もあるけど本人たちのじゃないし(笑)。おかげでスピード感が失われないうちに最終巻までたどりつける。うまい。
どうも最近かみさんは、この流れを狙って1巻だけ買ってきてるような気がするな。なんだか悔しい(?)ので、さっき実装したamazonプラグインの新機能、isbn_detailでアサマシリンクしておこう。さぁ、全部買って読め。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784063143300
https://www.amazon.co.jp/dp/9784063143461
https://www.amazon.co.jp/dp/9784063143546
2007-02-10(土) [長年日記]
■ iPod shuffleのWidget
デスクトップ・ウィジェットは、Konfabulatorからそのまま惰性でYahoo! Widgetsを使っている。まぁ、Vistaに乗り換えたら純正品に乗り換えるかも知れないが、今のところ困ってないし。しいて言えばワイドディスプレイが欲しいなぁ! というところか。
で、先日iPod shuffleカラー版のウィジェットが登場していたので、iTunesコントロール用に使うことにした。かわゆす。よく考えると、(デザインが本当にshuffleそのままなので)ボタンを押してもなんのフィードバックもないから、決して使いやすくはないんだけど、まぁいいか。
起動時に宣伝用のサイトが開くのが難だけど(おまけになぜかSleipnirのページブロック機能が効かない)、どうせ起動したら次のWindows Updateまで再起動しない運用だから、まぁいいか。
「まぁいいか」ばっかし。
■ はてなグラフでダイエットに挑戦(4)
はてなグラフにデータ取得APIがまだつかないので(中略)、こないだ作ったツールの方で対応。追加オプションをつけて実行すると、前回保存しておいたデータに加算してからグラフを更新する。これにより、追加オプションを使ったグラフはWebインタフェース上では値を変更できなくなる。
でもまぁ、yamlとかpathnameとかoptparseとかostructとか、今まで使ったことのなかったライブラリが使えて楽しかったな。
で、例えば摂取カロリーをつけたい時には、食事の時にその場でケータイからこんなメールを送るだけで良くなった:
55 ヨーグルト 50 牛乳 300 パンx2 36 ジャム 80 バナナ 170 チーズ
各行をそのままto_fに渡しているだけなので、数値の後ろにゴミが入っていても無視されるから、メモを入れておけば後で同じものを食べたときにいちいちカロリーを調べなくても良い。
というわけで、摂取カロリーグラフも無事につけられるようになったので、サイドバーに追加した。ホワイトカラーの中年男性にしては、やっぱ食いすぎだよなぁ、こりゃ(←運動しろ)。
2007-02-11(日) [長年日記]
■ カブ廃車
来月、次のオーナーが引き取りに来ることになったので(しかも四国まで乗って帰るというので)、廃車手続きをしつつ、整備に出した。
タイヤを交換したんだけど、バイク屋にチョイスを任せたら、CT110用のタイヤを取り寄せてくれた。本来2.50サイズのC90に、2.75を履かせるのだから、だいぶ無理をすることになるのだが(といっても今まで履いていたのもほぼ同サイズである)、干渉するFフェンダーを熱で広げることまでしてくれた。GJである。
他にもブレーキシューやオイルの交換なども実施したので、長距離ライディングに耐えうる状態に戻っただろう。こいつとも、あとひと月余りだなぁ。ナンバーないから乗れないけど。
2007-02-12(月) [長年日記]
■ 映画『世界最速のインディアン』
かみさんが「面白いらしい」という情報を仕入れてきたので、『世界最速のインディアン』を観てきた@109シネマズ川崎。バイクの映画だというのに、ぜんぜん知らんかったよ。
1920年代のオンボロ・インディアンを駆って、ボンネビル塩湖の最高速度レースに挑むニュージーランドのお爺ちゃんライダーの話。バイクはover 40歳、ライダーは60歳台の、合計over 100歳ペア。これが信じられないスピードを出すんだから、痛快極まりない。最高。バイク乗りに限らず、エンジン付きの乗り物が好きなら見て損はない。
ボンネビルのことを知らないライダーはいないと思うが(いや実際はいると思うが)、バート・マンローのことはぜんぜん知らなかった。さすがに、最高速チャレンジャーのことまでは追いかけてないからなぁ。
アメリカ珍道中の話は、たぶんかなり脚色が入っていると思うけど、当時のアメリカはこんな感じだったに違いない、と信じさせてくれる、うまい演出。なにしろ、悪人が一人も出てこない、じつに幸福な映画である。
アサマシリンクを貼り忘れた! ちゃんと(?)便乗本が出ております。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784270001820
余談。
- レースの舞台になる塩湖が「ボンヌヴィル」という表記になっていたんだけど、日本では「ボンネビル」の方が通りがいいはず。翻訳サポートにモリワキの名前が出ていたようだが、ヨシムラに頼めばちゃんと「ボンネビル」になったに違いないよね。というか、「アクスル」とすべきところを「アクセル」にしちゃうなんて、モリワキはどんな仕事をしてるんだ。まぁ、これが戸田奈津子クオリティ?
- 1000cc以下クラスの世界記録はいまだ破られていない……とのことだが、今日び1000ccそこそこの市販車でも公道で300km/hを超える時代。おそらくこのクラスにはだれも興味を持たなくなったというのが真相だろうと思う。あとは、みんなが大好きなバートおじいちゃんの記録を、そんな最新鋭マシンで破るのは大人気ないしというのもあるだろうし。
- 普通のロードタイヤにある細工をしてレース用のタイヤを作るシーンがあるんだけど、あれに既視感を覚えたカブ仲間は少なくなかったと思われる。おれはツインリンクもてぎで同じシーンを見たよ!
- 海賊版撲滅キャンペーンが、例の(ものすごく評判の悪い)黒い涙を流すアレから、五月女ケイ子のイラストを使ったちょっとコミカル(?)な感じのものに変わっていた。心を入れ替えたようだ。というか、少しはマシな広告代理店がついたということか。
2007-02-13(火) [長年日記]
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784152087836
出だしがかったるいことは以前書いたが、さすがに中盤になると少し物語が動き始め、登場人物が勢ぞろいする。と同時に、終盤のクライマックスに何をやる気なのか丸わかりになってしまうという、ありがたくて涙が出る展開に。どっちが勝つかまであからさまにわかるんだから、これ以上読む必要ないじゃん!
登場人物の顔ぶれを見て、なんかどこかで読んだことがあるような……と思ったが、『リバーワールド』から面白い部分を削除するとこんな感じか? せっかく歴史上の大人物たちが揃って登場するのに、視点が数人の現代人からほとんど動かないから、なんだか醒めた描写ばかりが続いてちっとも盛り上がらない。
で、しまいには、第二部に続く謎を放り出してオシマイ。物語的にちゃんと締めようとか、そういう意図がまったく感じられない。だったら別々じゃなくて、1冊の上下巻として出せばいいのに。
というわけで、駄作。読む価値なし。
もっとも、訳者あとがきによれば、続編は「近未来を舞台にした工学系ハードSF」だそうで、それはそれで読みたいよなぁとか思ってしまう、弱いおれ。でもなんとなく、裏切られそうな気がビンビンするけどな。
2007-02-15(木) [長年日記]
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784840235624
『戦争』に続くシリーズ2作目。本書だけで完結せず、3作目に続くということを聞いていたので、3作目の『危機』が出るのを待ってから読み始めた。というか、先に買って読んでいたflipperが2冊ともくれたので。持つべきは、本を溜め込まないタイプの同僚だな!
オムニバス形式で、話が軽く繋がった設定の短編が5本。「内乱」の火種は、いちおう最初の方から仕込まれてはいるものの、ほとんど意味を持たない程度のノイズレベルで、煙が立ち始めるのは終盤になってから。伏線と呼ぶにはいささか唐突だったりわかりやすすぎたりして、ネタ的にもこれを「内乱」と呼ぶのはちょっとなぁ。むしろ、前作が武力衝突としたら本書は情報戦のようなものだろう。
……というツッコミはわりとどうでもいいのだ。そもそも図書館が軍隊を所有するという設定自体がファンタジーなわけで、ややステレオタイプな登場人物たちも、しょせん主人公・郁ちゃんの直情型で不器用な恋愛を盛り立てるための駒にすぎないのだよ。というか郁ちゃんカワユス。
というわけで、細かいことは気にせず、恋愛小説として楽しめばいいのである。そうなると、結末に物語上きわめて重要なターニングポイントが示された以上、立て続けに次作を読むのが正しい姿勢といえるだろう。
なお、前回指摘した、人称が混じる変な文体は(まだ少し残るものの)気にならない程度に鳴りを潜めているので、たいへん読みやすかった。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784840233613
https://www.amazon.co.jp/dp/9784840235624
https://www.amazon.co.jp/dp/9784840237741
ちなみに、次作は目次にネタばれがあるらしいので、目次は飛ばして読むのが良いらしい。こういう注意書きが的確に入手できるんだから、いい時代になったもんだなぁ。でも同時に、4作目があるという話を聞いて、「しまった、もっと待てばよかった」とか思ってもいるわけだが。
■ 花粉がきた
未曾有の暖冬で花粉が飛び始めるのも早いと言われ続け、というか待ち行く人々がみんなマスクをし始めたものの、自分にはまだたいした症状が出なかったので油断していたら。さすがに昨日、春一番が吹いただけのことはあり、今日は朝からくしゃみのしどおしだった。キタねぇ、ついに。
今年はステロイドという強い味方がいないので、マスクを買わねば。つーか早く買え。
2007-02-16(金) [長年日記]
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784840237741
郁ちゃんカワユスねぇ。でかいけど(背が*1)。
昨日の『内乱』に続いて、1日で読み終えてしまった。毎日1600円のハードカバーを読みきってたら、おこづかいがいくらあっても足らんよ。って、この2冊はもらいものだけど。
この作品を楽しんでいる自分の心理状態を省みるに、20年くらい前に新井素子を読んでいた感じに近いかも、と思った。(SF読みにとって)新井素子の重要性は、「女の子」に対する幻想には実は男女差があまりないことを証明したことだと思う。それまでは「男が描いた女の子」ばかりだった世界に「女が描いた女の子」を武器に切り込んで、それもけっこういい感じなことを男たちに気づかせたのである。
有川浩*2の描く「女の子」も、男女双方に受け入れられそうな幻想に満ちている。幻想抜きの、存在は認めるけどあまり近づきたくない「女」を描く仕事は、ティプトリーとか大原まり子に任せておけばいいんである*3。逃避文学と呼びたくば呼べ。幻想の中の女の子が恋に悩む姿を、身もだえしながら読むのもまた、読書の楽しみではないか。
ということを抜きにしても、なかなかシリアスな展開もあり、次巻(完結?)が楽しみ。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784840233613
■ tDiary: footnote.rbをリライトしたよ
というわけで、前のエントリは新しく実装しなおしたfootnote.rbのテストを兼ねる。CVSにツッコんだのはだいぶ前だけど、なにしろ今まで、脚注なんか使わないようにしてきたからなぁ。
改良点は以下の通り:
- ちゃんとセクションごとに脚注が入るようになった
- feedにも脚注が含まれるようになった
一方、
- 脚注を指し示すURLに非互換が出た
という問題があるが、まぁほとんどOKだろう。
2007-02-17(土) [長年日記]
■ あまりしない料理をする
といってもカレーだけど。かみさんが留守だったので「今日はコードを書こう」と思っていたけど、ちょっと乗れなかったので、あきらめてキッチンに立った。
もともとあまり料理は「できる」けど、「好きではない」。たぶんどっちも原因は長年のボーイスカウト活動だろうなぁ。キャンプ生活で生きていくためには料理は「しなくてはいけない」ものなので、料理はできる。レシピがあればたいていのものは作れるし、アレンジもできる。
一方で、疲れ果てている時にとにかく食うための料理ばかりをするので、楽しむというよりは、エネルギーを補給するための料理をする習慣が付いてしまう。片付けも含めて効率的でなければいけないので、料理が終わったあとにはほとんど洗い物が出ない。いわゆる「男の料理」にはならないのである。
まぁ、とりあえず飢えることはないから、いいんだけどさ。
2007-02-18(日) [長年日記]
■ 百度(Baidu)のbotを受け入れてみる
Baiduのbotである「Baiduspider」が、少しおとなしくなったらしい(via SEMサーチ)。
なにを契機にやったのか忘れたが、いままではBaiduspiderを拒絶していた。そういうことなら受け入れてみてもいいか、ということでいったん制限を解除。もっとも、まだ問題があるようならまた拒否するけど。それ以前に、EUC-JPな日本語ばかりのサイトがBaiduにとって意味があるのかわからんが。
それにしても、ツッコミどころの多いリリースだなぁ。
今後はこの問題について会社全体が真摯に受け止め、日本のインターネット業界におけるルールに従い、このようなことが二度とないように努めていく所存でございます。
「日本の」インターネット業界にローカルルールがあったんだ? 苦情を言ってきたのは日本だけってこと?
各サイトの規模とIP負荷に対し、それぞれ対応できるクローラー対策を設定し、中小のサイトに対し、クローラー頻度は20秒/回以内にコントロールしています。
IP負荷ってなんだ? レスポンスかなんかのことか?
絨毯爆撃型のbotにありがちな実装として、ホスト名が異なる場合にはIPアドレスが同一でも別サイトと見なして、同時に無数のアクセスをしてくるというのがあるが、それを同一視してくれるようになるんだろうか。ウチみたいに同一サーバでたくさんの仮想的なホストを見せているサービスだと、そうしてくれないとたまらんのだが。
■ メールとXMLRPCのゲイトウェイサービス
tDiary-users掲示板の投稿で知ったんだが、メールとXMLRPCのゲイトウェイを提供するubicast Mail Bloggerなんてサービスがあるんだ。ぜんぜん知らんかった。
tDiaryのXMLRPCプラグインは、つい最近まで最新版に追従していなくて動かなかったんだけど、やっと今年になってから追従した(らしい)ので、使えるようになっているはず。設置環境の制約でposttdiary.rbを使えなかった人にはいいかも。ちゃんと動けば、だけど(←なにしろXMLRPCプラグインを使ったことがない)。
2007-02-19(月) [長年日記]
■ やっとマスクを買った
銘柄はいつもの、ええと……「スーパーふつう」ってなんやねん!
◆ ただただし [ちなみに、隣にあったのは「スーパーやや小さめ」だったような。どっちかはっきりしろって感じ。]
◆ tokoya [チョコベビー・ジャンボって製品に思わずツッコミを入れてしまった事を思い出しました(笑)。]
◆ げいる [「ふつう」というのは「普通」ではなく「不通」だったのでは…。 このマスクは花粉も不通だが、スーパーなだけに空気出す..]
◆ やぢを [空気読めてないかもしれませんが、粒子の透過特性(スーパー)とマスク全体のサイズ(ふつう・やや小さめ)という、二つのパ..]
◆ big_gear [三菱東京UFJ銀行にスーパー普通預金ってのがありますね。]
◆ ただただし [やぢをさん: かんっっっぺきに空気読めてませんよ、それ:-)]
2007-02-21(水) [長年日記]
■ 高速HTMLパーサー「Hpricot」を使ってみる
2000個以上ある手作りHTMLファイルの一部分を全自動で書き換える、という楽し〜いお仕事(棒読み)をもらったので、エンジンがCで書かれていて速いと評判のHpricotを使ってみることにした。
……その前に、(いい加減逃げてばかりもいられないので)とうとうRubygemsを導入したわけだが、そのへんは割愛。$HOME配下に入れてあるruby 1.8.5-p12の環境に入れようとしたのに、コマンドファイルのshebangが「#!/usr/bin/env ruby」のままだったというのが唯一のハマりポイント。
Rubygemsさえあれば、インストールは簡単:
% gem install hpricot
ライブラリの使い方はHpricot Showcase-Jaを参考にした。つっても、狙ったdiv要素を探して別の何かに置き換える、なんてコードは、この程度だ:
require 'rubygems' require 'hpricot' doc = open( ARGV.shift ){|f| Hpricot( f ) } elem = doc / 'div.foo' # この「/」メソッドがキモい elem.remove elem.before( '<!-- bar -->' ) print doc.to_html
実は、Elements#beforeやafterの挙動がおかしくて……というか親要素とのからみでおれが期待する動作にならないので……、wrapメソッドを使ってゴミ要素を挿入したのち、別途正規表現を使って変換するという美しくないコードになっちゃったけどまぁいいや。
評判どおりかなり速くて、2000個のHTMLファイルを処理するのに、数分で済んだ。年中メモリ不足であえいでいるウチのcoLinux環境にしてはかなりの速度である。ValidでないHTMLでもエラー吐いて死んだりせず、それどころか正しい要素を補ってくれたりするのは良し悪しだが、今回はOKとした。
◆ 中川 [> キモい crazy とか insane で感じが出てるんじゃないかな。]
◆ ただただし [>crazy とか insane 人物に対してならいいけど、ライブラリのAPIに対してはちょっと雰囲気違くないですか..]
◆ 中川 [> キモい weird がいいかも。odd だとちと固い感じかな。 まあ、「キモい」という語感はなくなるけど、単に ..]
◆ ただただし [あー、意味的にはまさに「does not fit」ですねぇ。weirdもそれっぽい。 >crazy は人物じゃない..]
◆ 本当にただのとおりすがり [すいません。 日本語でキモイっていわれる側の人種(変態ヲタクなど)によってとは肯定的な意味にとるのかと思っていました..]
◆ ただただし [「キモい」と発言する側とされる側、それぞれに肯定的・否定的立場があって、マトリックスにすると4通りの状況があるという..]
2007-02-22(木) [長年日記]
■ アニメ版『ロケットガール』始まる
アニメ版のロケットガールが、WOWOWのノンスクランブルで始まったので観てみた。この時間ならリアルタイムに見られるねぃ。
まず言いたいのだが、SSA基地にある30mクラスとおぼしき大型のパラボラアンテナ、副鏡支持が4本なのはいかがなものか。あれは3本こそが美しいというものですぞ。どうせなら、内之浦の34mをモデルにしてくれればいいのに*1。
他にも、汚しが足らずにFlashアニメみたいにのっぺりしちゃったCGとか、背景から浮くほど色数が少ない絵作りとか、やっぱ深夜アニメは低予算だなぁ……と、しみじみ思う*2。まぁ、しゃあないか。
とは言うものの、予算に関係ない部分でのこだわりは多く、打ち上げシーケンスの雰囲気とか、声優の演技とかはけっこういい感じ。あと、ゆかりが同級生と比べて本当にチビに描かれていて笑った。あれが一番リアルだ。
とりあえず次週以降も観る。
https://www.amazon.co.jp/dp/9784829118511
2007-02-23(金) [長年日記]
■ tDiary: もりもりとspam対策
2.2のリリースに向けて、今月はspam対策関連のcommitをもりもり実行。ひととおりのフィルタは実装できたかな。
fragment入りのリンク元をspam認定
リンク元(referer)に、(通常のブラウザからは送られないはずの)「#」が含まれている場合はspamとみなす。標準のspamフィルタで強制的に適用。最近のreferer spamはたいていこれで防げている。なんでspam業者がわざわざ「#」を入れてくるのかわからないけど、ありがたいことだ(感謝してどうする)。
hide-mail-fieldプラグイン
夏に実装した、E-mail欄を隠すプラグイン。JavaScriptではなく、CSSを使うように実装しなおした。いっぽう、モバイルモードではtype=hiddenにして誤入力を防ぐように配慮。毎日50〜100通くらい来るツッコミspamは、ほとんどがこれで防げている。
spamlinkcheckフィルタ
1年半前に実装し、contribに入れてあった、リンクのないTrackBackをはじくプラグイン。標準のspamフィルタの設定画面でON/OFFできるようにして、coreに移動。(現時点では)たいていのTrackBack spamはこれで弾ける。
spamakismetフィルタ
先月実装した、Akismetのサービスを使うフィルタ。上のhide-mail-fieldプラグインをすり抜けてきた数通のツッコミspamはすべてこれで捕獲できており、実績は少ないながらも今のところ誤認識はない。
同様に先月入れてみた長いドメイン名spamフィルタは、ビミョーな感じなので今回は見送り。
このほかに、tdiary.confの初心者向けサンプル「tdiary.conf.beginner」には、spamフィルタのオススメ設定を書いてあるので、これを使って最初のセットアップをすれば、それだけでspamに強い日記が構築できる……はず。こっちはもうちょっとチューニングしたいところだが。
2007-02-24(土) [長年日記]
■ W-ZERO3でメールが受信できなくなったのでPRIN経由で復旧させた
サマリ
WILLCOMメールをW-ZERO3のOutlookで受信できなくなった時は、PRINを経由してPCで受信すると復旧できる。この方法には以下の2点の問題があるが、他の対処策はあるのだろうか?
- W-ZERO3単体で復旧する手段がない
- PRINの利用には別途料金がかかる
kwsk!
Gmailに届いたメールはすべてWILLCOMメールに転送して、W-ZERO3でも受信している。職場や出先でGmailが読めるとは限らないからである。読み物系のメルマガなんかは、自宅で読むよりW-ZERO3に溜めておいて移動中に読む方がいいので、使い放題という料金体系は重宝している。
で、毎朝W-ZERO3には夜のうちに届いたメールが数10通溜まっているのが普通なんだが、今朝は1通も届いていなかった。いぶかしく思って試しに手動で受信操作をしてみたら、80通ほど溜まったメールの、ヘッダ情報の受信中のところでコケている。メッセージは、接続を見直せとか設定を見直せとか、「お前変なことしただろ?」という典型的なユーザ主犯説に立ったものだった。
こんなの、どうみたって不正なメールヘッダを受信して死んでるに違いないじゃないか。おれじゃない、お前(PocketOutlook)のせいだ、ドアホ!!
E-mailのようなオープンな仕様ではどんなイレギュラーなメールが届くかわからないのだから、そういうメールを読み飛ばしたりして他のメール受信に影響を及ぼさないようにするというのは、メールクライアント実装の基本中の基本だ。少なくともPocketOutlookはその基本もできていないことになる。Microsoftは、E-mailが一般に普及して10数年にもなるいうのに、いったい何をしているのだろうか。Windows Mobileが本当にクソなOS(Outlookはアプリだけどさ)だという証拠がまた増えてしまった(SHARPの独自実装部分という可能性もあるけどたぶん違う)。
それはさておき、なんとかしないと今後永遠にW-ZERO3でメールが受信できない。そこで、WILLCOMが運営しているプロバイダPRINに接続して、PCでメールを受信することにした。PRINは別途料金がかかる(上限があるので実質的に定額制)が、日ごろから外出先でW-ZERO3をモデム代わりにしてPCを使っているので、問題ない。
PC上で使っているメールクライアント(おれの場合はBecky!)にWILLCOM用アカウントを作成する。サーバ設定やユーザID/パスワードなどの情報は、PRINにある解説ページを参考にして取得。W-ZERO3をモデムにしてPRINに接続後、Becky!のリモートメールボックス機能を使ってサーバにメールを残したまま不要なメールを削除した。この時点で何が原因のメールなのかはわからなかったが(Becky!はすべて問題なく受信したので)、おおかたspamメールのどれかだろう。
その後PRINとの接続を切り、W-ZERO3単体でメールを受信したところ、残したメールは無事にすべて受信できた。
というわけで、なんとか復旧できたわけだが、そもそもPCを使わないと解決できないとか、PRINのような有料サービスを使わないといけないとか、問題多すぎだっちゅーの。他に方法はないのだろうか?
あー、W-ZERO3上で動くまともなPOP3クライアントを探せばいいのか? と思って調べてみると、標準のtmail.exe(これがPocketOutlookの本体?)を置き換えるアプリがいくつか出ているようだ。
というわけで、評価の高そうなHDMobiMailというのを入れてみた。ブログを拠点で開発されているソフトというのはリンクしづらいなぁ。ここか? しばらく使ってみるつもり。少なくともPOPは速い。でもC#.NET製なので動作は遅い。
■ https://www.amazon.co.jp/dp/9784309621821
日本オリジナル短編集。
アイデアSFとしてみれば、大半がさすがに賞味期限切れで、いまどきこんなネタを読まされてもなぁ……という感想は否めない。たとえば「雷と薔薇」なんて、クサくてたまらんわけ。もちろん、これらの作品が発表されたのは1930〜60年代なわけで、こういう評価はまったくもってフェアではないが、アイデアが陳腐化してしまった時点でSFとしては「負け」だろう。
が、そういう偏見(?)を捨てて読むと、まぁ、実にすばらしい短編集なわけよ、これが。やっぱ短編はいいよ。短いがゆえの濃密な味わいが、なんとも後をひく。
なんてことはない描写に加わったほんの2、3語が、その場面のリアリティを格段に向上させて、まるで自分がそこにいるかのような錯覚をおぼえる。言葉を尽くして冗長な表現をするのは誰にでもできる。しかし、こんな短い作品群でそれをやってのけるとは、スタージョンは魔法使いか。
「孤独の円盤」がかもし出す言いようのない寂しさ。「不思議のひと触れ」における人魚の存在感。「もうひとりのシーリア」で感じる、じわじわ来る恐怖もたまらない。自分がいっしょにクローゼットに入ってるかと思ったよ。
とにかく、どれも気味が悪いほどよくできていて、「さすが」の一言。スタージョンがSFというジャンルに腰を落ち着けていてくれて、本当によかった。
2007-02-25(日) [長年日記]
■ 諸君、私はspamフィルタが好きだ
諸君 私はspamフィルタが好きだ
諸君 私はspamフィルタが大好きだ
NGワードフィルタが好きだ
ベイジアンフィルタが好きだ
ソーシャルフィルタリングサービスが好きだ
ブラックリストが好きだ
ホワイトリストが好きだ
グレイリストが好きだ
E-mailで
携帯メールで
掲示板で
コメント欄で
TrackBackで
HTTP Refererで
SNSで
検索エンジンで
ソーシャルブックマークで
このネット上で行われるありとあらゆるspamフィルタリングが大好きだ
プロバイダが提供するフィルタが的確にspam判定をするのが好きだ
spamフラグを付けられたメールがごみ箱に振り分けられた時など心がおどる
フィルタに新手のspamを学習させるのが好きだ
すり抜けてきたspamに対して「迷惑メールを報告する」ボタンを押す時など胸がすくような気持ちだった
何重にも張り巡らせたNGワードフィルタがspamを蹂躙するのが好きだ
ひとつのフィルタが取りこぼしたspamを次のフィルタが捉える様など感動すら覚える
巧妙に綴りを変えたspamメールがベイジアンフィルタにひっかかる様などもうたまらない
いかにも普通のメールを装いながら出会い系サイトに誘導するようなspamが
そのURLだけを判断材料にしてspam判定されるのも最高だ
もはやベイジアンフィルタではどうにもならなくなったとしても
PPMのような圧縮技術がspamフィルタに応用できるのを知った時は絶頂すら覚える
新手のコメントspamに滅茶苦茶にされるのが好きだ
最後に守るはずだったAkismetサービスが蹂躙され次々と無力化されていく様はとてもとても悲しいものだ
TrackBack spamの絨毯爆撃でサーバの負荷が異常に高まるのが好きだ
確実にspamを弾いている言及チェックフィルタが逆に負荷を上げてしまっているのは屈辱の極みだ
諸君 私はspamフィルタを 地獄の様なspamフィルタを望んでいる
諸君 私とともにネットを徘徊する諸君
君達は一体何を望んでいる?
更なるspamフィルタを望むか?
情け容赦ない糞の様なspamフィルタを望むか?
テクノロジの限りを尽くし三千億のspamを殺す嵐の様なフィルタを望むか?
「spamフィルタ! spamフィルタ! spamフィルタ!」
よろしい ならばspamフィルタだ
苦しくなってきたので後半省略(えー)。
最近tDiaryのspam対策をしていて、なんだかとても楽しかったんである。なんでかなーと内省してみたんだが、どうやら敵がいると燃えるということではないかと。
ソフトウェア開発には、明確な「敵」はいない。
そりゃもちろん、解決すべき「問題」は必ずあるわけで、ソフトウェアによって顧客の問題を解決する行為はすなわち、顧客と共同戦線を張って敵を倒すことに他ならない。でもそれは「仮想的な敵」にすぎなくて、実体のある「リアルな敵」ではないんだよね。おまけに顧客の利益が場合によっては他の誰かの不利益になることも少なからずあるわけで、常に後味の良い戦いができるわけではない。
でもspamやspam業者は、実体のある敵だ。おまけに、この敵を倒せば基本的にすべての「顧客」の得になる。正義は確実にこちらにあるのだから、燃えない方がおかしい。
征くぞ 諸君。
2007-02-26(月) [長年日記]
■ W-ZERO3のメールクライアントを元に戻した
一昨日HDMobiMailに入れ替えたばかりのW-ZERO3メールクライアントだが、HDMobiMailのメール受信中はフォアグラウンドを占有して切り替えもできないという致命的な仕様(?)にメゲて断念。だって、スケジュール確認してる最中に勝手に画面が切り替わって、そのまま1分くらい何もできないんだぜ? ありえん*1。
他にも、受信中にエラーが起きると(回線をつなげたまま)ダイアログを表示して、そのまま待ち続けるというのにも閉口した。PocketOutlookよりロバストなことを期待して入れたのに、逆だったなぁ。第一これでは自動受信モードで使うことができない。先の問題は要望にあがっているようだが未着手とのこと。まだ開発中のソフトなので、しばらく見守る方向で。
一方、(ツッコミにもあるが)nPOPも試してみた。こちらはさまざまなプラットフォームで動いていることもあって実績も多いし、動作は安定。キビキビと動いて気持ちがいい。ただ、Windows Mobile用とか自動接続対応版とか、バリエーションが混沌としすぎ。どれを使えばいいやら。全部試すほど暇じゃないので困る。ソースが公開されているからだけど、なんで原作者はパッチをマージしないんだろう?
あと、リモートメールボックス操作を目的に開発されたものなので、フォルダ分けなどの機能がなく、これがメールを備忘録代わりに使うおれのニーズに合わない。残念ながらメインのメールクライアントにはできそうにない。
もっとも、当初の目的だった、PocketOutlookがコケた時の緊急避難先としては有用だし、というかリモートメールボックスというのはまさにその目的に合致しているので、とりあえずWindows Mobile版を入れておくことにした。
で、けっきょくPocketOutlookに戻して使っているのであった。まぁ、送受信が腐ってるのを除けば、ビューアとしては別に悪くないしな。あとは時間のあるときにQMAIL3を試してみる?
*1 正確にはStartボタンは生きているので別のアプリを起動することはできる。でも受信画面にOKボタンがないのでワンアクションで切り替えられない。
■ 電車の中のディスプレイに時計が映ってないのが不思議でならない
前々から思っていたんだが、一両に10も20も大きな液晶ディスプレイを設置しておきながら、ひとつとして時計を表示してないなんてどうかしてるよ。設計者の顔が見たい。
で、なんで平日の夜に代官山なんかにいるのかというと、どういうわけか、はてなに潜入することになったからなんだが。「はてなに迫るRubyの魔の手! id:secondlifeは先兵にすぎなかった!!」って感じ?
◆ ただただし [遅延時にホームの案内で「発車時刻」を表示しないのは、混乱防止のために必要な措置だと思います。「現在時刻」を表示しなく..]
◆ IM [ずれると面倒なことが起きるので、全車両を同期させんといかんですね。車両の電源って常時通電しているイメージがあるけど簡..]
◆ hir [中央線の新型車両では車内モニタに時計が出てます。 他の路線でも追従してほしいですね。]
◆ IM [去年の10月から運用されている有楽町線の新型10000系には時計ないですね。 9月から小田急に中央線E233ベースの..]
◆ secondlife [昨日はおつかれさま様でした。 一時的にはてなが Rubyist だらけの会社になりましたね!]
◆ ただただし [>hir おー、そうですか。中央線はたまに乗るけど、まだその車両にはあたったことがないです。ソフトの修正で済むんだか..]
2007-02-28(水) [長年日記]
◆ ただただし [かみさんと2人だから車でしょう >router]
◆ router [ありゃ。バイクだったら「『電王』ですか!」と言おうと思っていたのに(笑)。読まれてたかな…]
◆ N [試乗会情報のページ: > 3歳未満のお子様は、保護者(20歳以上)のひざ上に > 抱えてご参加いただけます。 500..]
◆ ただただし [>500km/hも出るのに、危なくないんですかね 危険なのは速度ではなくて加速度なので、軌道上に危険物がなくゆっくり..]
◆ N [> 立って乗れる新幹線の方がよっぽど危険 そりゃそうですね。 どうも「大人のひざの上は危険」 というイメージが……。]
◆ スギヤマ [うちは一度目の応募で体験できました。平日だったかしら?その際は吉田のうどんも体験。たださんもいかがですか?]
◆ ma2 [僕も文庫になったときに一気読みしました。スタイルがクラシックだけど,いまどきこんな手のかかるSF小説書いてくれて感謝..]
◆ nkjm [紹介文を読んでおもわず「アマゾンでぽちっな」してしまいました。届くのが楽しみ>神は沈黙せず]