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ただのにっき


2007-02-01(木) [長年日記]

9784044601133

文庫になったので読んでみた。面白かった! 相当なペースで一気読みしてしまったので、エンターテイメントとしてかなりの質なんだと思う。オススメ。

とはいえ、SFとしてはそんなに高評価はできないかなぁ。上下巻の厚さがずいぶん違うので「なんでだろ」と不思議に思ったが、上巻はとにかくオカルト系の情報を大量にぶち込んで、「と学会」会長の面目躍如。ちょっとぶち込みすぎだとは思うが。下巻は打って変わって骨太なサスペンスになり、神の正体に迫るゾクゾクする展開。たぶん、SFを読みつけてない人はかなり満足できるのではないだろうか。

もっとも、神の正体についてはSF者なら一度は考えたことがあるだろうし、信仰に関する話も、(おれは映画『コンタクト』を思い浮かべたけど)そんなに斬新なものではない。ネタは新鮮ではないけれど、料理が上手い、といったところだろうか。

もちろん、「うまい料理」を味わうのが読書本来の楽しみなのだから、なんの不満もない。たいへん美味しかった。


ぜんぜん関係ないけど、単行本が2003年発行ということで、ネットまわりの描写が予測とズレまくっていて興味深かった。

当時はまだブログブーム前なので、物語の世界では(2chを出自とする)巨大匿名掲示板がすべてなのだ。執筆のほんの2、3年後に、みんなSNSの狭い世界に引っ込んじゃうなんて、想像もつかなかったんだなぁ。巨大な権力を持つサイトのページビューが少なすぎるし、その割には現実への影響力を大きく見積もりすぎだ。3年後がまったく予測できていないあたりが、逆に今のインターネットの動きの早さを表していて面白かった。

Tags: book
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
ma2 (2007-02-02(金) 11:15)

僕も文庫になったときに一気読みしました。スタイルがクラシックだけど,いまどきこんな手のかかるSF小説書いてくれて感謝したいです。

nkjm (2007-02-03(土) 00:40)

紹介文を読んでおもわず「アマゾンでぽちっな」してしまいました。届くのが楽しみ>神は沈黙せず


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