2012-03-01(木) [長年日記]
■ タイムライン化してもFacebookページの(実質的な)役割に変化はないんじゃないの?
Facebookページがタイムライン化するというので、さっそく手持ちのページを新しいデザインに変えてみた。カバーをつけてみただけだけど。アルバムから選ぶとなんだかノイズがのってしまって、いまいちきれいな画像にならないような? これに限らず、Facebookの画像の扱いはぞんざいで、圧縮をかけすぎるきらいがあるからなぁ。カバーに合わせてちゃんと編集した画像を新しく作らないとダメかもね。あと、アイコンが正方形に固定されてしまったので、せっかく縦長の画像を作ってもらったばかりのアクセシビリティキャンプ東京もなんとかしなくては……。
で、うちのかわいい猫たちのカバーを設定しおえて「ふーっ」と満足げなため息をついて気がついた。そう、満足するのは(なんとなくきれいなデザインにして何か作った気になった)ページのオーナーだけじゃん、これって。やれWelcomeページがなくなってFacebookを使ったマーケティングの終焉だ! みたいな騒がれ方がされているけど(その側面があるのは否定しないが)、本質的にはなーんも変わらんよ。
というのも、最近話題になったようにFacebookページに舞い戻ってくるファンはごくわずかだからだ。つまり、ほとんどのユーザにとってFacebookページのきれいなカバーを目にするのは初回のみ。仮に「いいね!」を押してくれても、その後ほとんどの人が自分のニュースフィードしか見ないのだとすれば、タイムライン化しようがしまいが、Facebookページの存在は事実上「ランディングページ」にすぎない。
もちろん、Welcomeページを使った巧妙な(だが中身のない)「いいね数稼ぎ」は使えなくなるし、カバーに使える画像にも縛りが多い。が、いわゆるキャンペーンはトップに固定にできるエントリで代用すればいいし、そもそもFacebookの外でやったっていいわけだ。つまり、タイムライン化したところでできることにたいした違いはない。そんなに騒ぐほどのことじゃないよね。
2012-03-04(日) [長年日記]
■ Kindle向けニュース配信システムをHeroku上に移動した
約1年ほど前から稼動していた各種ニュース(といっても現時点では日経新聞とInternet Watchだけ)をKindleに配信するシステムを、自前サーバ上のcronからHeroku上のClockworkに移植して、今日から実用開始した。
Kindle向けにニュースを配信する仕組みとしてはレシピが豊富なCalibreを使うのがメジャーなんだけど、クライアントPCを24H稼動しておくというのが節電が叫ばれるいまどきのソリューションとしてはイマイチと感じていて、長らく自分のサーバで回していたんだけど、もうちょっとPaaS(というかHeroku)を使い慣れておきたいと思っていたので練習台に。
Herokuでcron相当のサービスというとClockworkを使うということらしいので、1時間ごとに起きるように組んで、実際に配信するかどうかの判断は別途させるようにした。clockプロセスひとつでDynoを1個使ってしまうので、UIはなし。セコい(笑)。じゃあ設定はどこから与えるかというと、環境変数で指定したURLから毎回読み込むようにしたのだった。Dropboxにでも入れておけばどこからでも設定変更ができるという塩梅。
Heroku上でmobiファイルを生成させるためにkindlegenをgem化したり、メール送信にActiveMailerを使おうと思ったがRailsじゃなければその下で使っているMailを素で使ったほうが楽だとわかったり。もっとも、一番苦労したのはUTCで動いているHerokuに適切なTZを与えることだったりして(Time#localtimeに引数があるなんて初めて知ったよ)。まぁいろいろ勉強になります。
最初はちゃんとWeb UIをつけて誰でも登録して使えるようにしたら便利じゃね? と思っていたんだけど、人のサイトを勝手にスクレイピングして他人に配信するのはどう考えても違法なのであった。あとSendGridのfreeプランはメール送信数に制限があるし(ので各自で動かさないといけない)。とはいえコードは公開してあるもののドキュメントないから誰も動かせないだろうな(笑)。
こんなふうに自前で生成した「電子書籍」をメールで簡単にリーダーに送れて、それをクラウド上で管理できるというのがKindle最大のメリットで*1、このPersonal Documentサービスが完全におれをKindleにロックインしてしまっているのだよなぁ。他社でもこれ相当のことができないと、何かあったときの移転先に困るんだが。KoboやSONYには類似のサービスないのかな。
*1 少なくとも自分で電子書籍を作成できるギークにとっては、だけど。
2012-03-06(火) [長年日記]
■ いろいろgem化している
先日ようやくgem作成手法をわがものにできた(たぶん)ので、身の回りのいろんな制作物をgem化している。本来はライブラリを配布する仕組みではあるが、もちろんコマンドのパッケージにも使えるわけで、そういうツールはちょこちょこ公開しているので(おもに自分用だけど)。昨日は(数人が使っていると観測されている)Wassrfeedをgem化するなど。
Rubyスクリプトの配布・インストール方法はsetup.rbを始めいろいろあったけど、そういう作業抜きで環境に依存しないように作ろうとした結果が悪名高き「#!/usr/bin/env ruby」なんてshebangだったりするわけだ。そういう課題をgemは解決していたんだなぁ。今ごろ気づくなよという話だけど。ruby 1.9時代ならぜんぶgem化するべきなんだね。
ところで悩ましいのがはてなグラフAPIなのだけど(使ってるんですよ)、これはRubyForge上にあるものがまったくメンテされていないっぽいので勝手にGitHubに載せて1.9対応をしたものなのだけど、これをさらに勝手にgem化するのは気が引ける。というのも本家もgemで配布されているからなんだが。こういう場合はどうしたらいいかしらねー*1。元の開発者がクックパッドに転職しちゃったからなー……って、当の本人がforkしてるじゃん(笑)。
*1 もはや「pull reqできないリポジトリに何かを働きかけるのが面倒」という病気にかかっている。
◆ sora_h [あー、pull req できない小さいライブラリにパッチ送るの億劫ですよねー。その辺、GitHub すごいと思う (..]
2012-03-07(水) [長年日記]
■ 「後世に残る」のは紙か、電子か。
偶然だと思うが、「本(や資料)を後世に残す」という同じキーワードが踊る記事を立て続けに読んだ。ひとつは日経ビジネスオンラインの「“ブックオフビジネス”は業界全体で取り組むべき」で、古本業界の「目利き」がチョイスした本だけをデジタルアーカイブせよという提言。つっこみどころは色々あるがたぶんログインしないと最期まで読めないと思うので、一部だけ引用:
オンデマンド印刷技術も進化して、トナーの定着率の向上を果たしているが、それでも、紙にインクを吸い込ませるオフセット印刷に比べたら耐久年数には雲泥の差がある。1万年前のアルタミラの洞窟の絵が残されているように、自然物に溶けこんで記録されたデータの方が、はるかに過酷な年月に耐えうるのだ。
古代の壁画はべつに目利きが優れた作品を意図的に残したわけじゃなくて、たくさんあった壁画のうち、破壊や日照を免れて、かつ現代人が目にすることができたごく一部が奇跡的に知られているだけだ。希少性はあるが、同時代に製作された作品の中でとくに優れているわけではない。紙への印刷物にしたって、本当に長期間残そうと思ったら中性紙に顔料インクでも使わなければせいぜい100年というところなわけで、偶然残った1万年前の壁画と、大量生産が可能になってからの書籍の保存を同じ土俵で語るのはずいぶん乱暴な話だ。
我々がいまも優れた書籍を手に取れるのは、「目利き」の意図によって残りやすくなっているのはもちろんだが、それよりも大勢の人が分散して同じ物を保管していたことの方がよっぽど重要だ。どんなに良いものであっても、最初から一品モノとして制作されていたり、すべて同じ場所に保管されていたら、今よりもっとたくさんの作品が消失していたことだろう。このエッセイで「失敗する」と予言されている「電子アーカイブ」もどうやら「一箇所に」「1つだけ」保存するイメージのようだ。紙の本と同じように、複数のコピーを分散して残すという発想はないのだろうか。
もうひとつはTogetterにまとめられた民間事故調のWGメンバーからのメッセージ。事故調の報告書をどのように公表するかというくだりでやはり似たような話が出てくる:
後世の評価に委ねるためには、後世に残る形で報告書を残しておきたいと思う。であるならば、紙媒体のほうがいいのではないだろうか。
ちなみにこの秋山氏の発言から報告書の公表にあたっての要件を拾うと、「できれば無償で公開したい」「多くの人に行き渡らせたい」「後世に残したい」というところなのだが、なぜか行き着いた先が紙の書籍での販売とのこと*1。いまどきこの手の報告書が最初から電子化されていないことはまずありえないので、それをPDFにして(というか報告書の原本がPDFである可能性が高い)、ネットにポンと置くだけでこれらの要件は満たせるはずだが*2。もちろん、書籍という形でしか手に取れない人向けに並行して印刷物を販売するのは良いことだと思うが、Print on Demandのようなサービスだって今はある。どうもこの人も、「後世に残すなら紙」と思い込んでいるようにみえる。
本気で後世に残したいのなら、昆虫や魚がとっている戦略を真似れば良い。つまり「一度に多量に産む」のだ。一品モノの壁画には偶然に頼るほか後世に残る手段がなかったが、印刷技術の登場によってたくさんの複製が作れるようになった。だが紙はかさばって保管に困るし、複製コストも一定レベル以下には下がらない。しかし、電子データなら圧倒的な低コストで無数のコピーを生成でき、しかも保管場所もとらない。分散して保管しておけば、仮に人類が電気テクノロジーを失わないかぎり損なわれることはないだろう。
もちろん、保存メディアの種類だって多いほどよい。電子データだけでなく、紙でも残すべきだし、なんなら石版に彫っても良い。『後世に残るのは紙か、電子か』という問いの答えは「両方!」だ。少なくとも「紙だけ」に頼るよりはよっぽどマシなはずである。
*1 ちなみに報告書は電子書籍としても販売されるようだが、現代の日本における電子書籍の多くはDRMガチガチの「寿命付き電子貸本」にすぎないので、後世に残すという要件はまったく満たさない。
*2 公開サーバの提供だってGoogleあたりに頼めば無償でやってくれるに違いない。というか普通にGoogle Docsを使えば良い。
◆ 当事者 [ただただしさま、 ご丁寧なメッセージありがとうございました。こちらこそ、非常に考えさせられる議論をさせていただきあ..]
◆ ただただし [> 秋山さん もちろんです! これからもよろしくお願いします。公開手段について、新たな展開ができると良いですね。]
◆ 高橋征義 [今回のような場合とは異なるかもしれませんが、現在国立国会図書館では「インターネット資料収集保存事業」としてWebサイ..]
◆ ただただし [電子書籍の納本にかんしては自分も記憶にあったので、この記事を書くときにちょっと探してみたんだけど、その後の動きが見つ..]
◆ ただただし [関連メモ: http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/atstat/jss75shunen/ 20..]
◆ ただただし [気づくのが遅れたけど、Discover21はこのエントリから2年してDRMを撤廃したようだ。というわけで、遅くなった..]
2012-03-08(木) [長年日記]
■ GitHubのセキュリティホールがふさがったのでSSH Keyを確認しよう
先日、Railsアプリにありがちなセキュリティホールがあることが判明したGitHub。詳細は@sora_hによる「github の mass assignment 脆弱性が突かれた件」が非常によくまとまっているので参照のこと。脆弱性の内容そのものもだけど、開発者として脆弱性指摘をどのように受容、対応すべきかを考えさせられる事例だった。
で、これはようするに赤の他人が任意のリポジトリへのコミット権を取得できてしまうという事例だったのだけど、脆弱性の内容をみる限りその他のさまざまな入力もスルーされていた可能性がある。ということで、その対策が(おそらく)なされたのだろう、今朝になってGitHubから「SSH Keyの確認をせよ」というメールがいっせいにユーザに配信された。3日で修正とか、GitHubの中の人もずいぶんがんばった感が。
もっともメールがかなりそっけなないので、tDiaryの開発に加わるためにわざわざGitHubアカウントをとった人も読んでいるであろうここにもいちおうやり方を書いておく。
メールにも書かれている https://github.com/settings/ssh へアクセスするとこんな感じになっている(すでに1つを残して確認済み。念のためモザイク入れてあるけどたぶん意味はない):
登録済みのSSH Keyがずらっと並んでいるんだけど、ここに書かれているfingerprintが正しいかどうかをチェックして「Applove」ボタンを押す(もちろん身に覚えのないものであれば「Reject」を押す)のだが、そのfingerprintは以下のように確認できる:
% ssh-keygen -lf ~/.ssh/id_dsa 1024 XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:b8::bb:71:2f:fc:af /home/sho/.ssh/id_dsa.pub (DSA)
「~/.ssh/id_dsa」は自分のSSH鍵ファイル。dsaじゃなくてrsaかも知れない。公開鍵(~.pub)でも秘密鍵(.pubなし)のどちらでも可。また、ssh-agentやkeychainを使っている人は、以下でも得られる:
% ssh-add -l 1024 XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:XX:b8::bb:71:2f:fc:af /home/sho/.ssh/id_dsa (DSA)
これをGitHub上の表示と比較すればよい。まぁ、全桁比較しなくてもいいと思うけど。
◆ zunda [端末に表示されたssh-keygen -lの結果をコピーしてGitHubのページが表示されているWWWブラウザ内の文..]
◆ ただただし [おお、そりゃそうだ。あったまいい~]
◆ sora_h [github.com/blog を見るに SSH key の mass assignment 脆弱性はすぐに修正され..]
◆ hsbt [https://github.com/settings/security を作っていたのかもね]
◆ 通りすがり [zundaさんの方法で完璧なんですが、本文の最後に念のためにツッコミをいれておくと、sshのfingerprintは..]
◆ ただただし [おお、なるほど、それはたしかに可能な攻撃方法ですね。気をつけます。]
2012-03-09(金) [長年日記]
■ リストウォーマーを編む(3) - 完成!
ここのところ暖かい日が続いていて「やべー」と焦りながら(でも少しずつ)編んでいたのが、昨晩ようやく完成。そしたら今日からまた寒いとか。助かった(?)。例によってアップで見たらいけない出来、とくに袋編みにした親指部分は実に怪しい感じではあるが、細い糸で編むと薄くできていいな、作業がつらいけど。
さっそく今朝から家の中でPCに向かうときに着用している。手首が暖かいと指先が冷たくならない。これは良いものを作った。アルパカの毛には野生を呼び覚ます何かがあるらしく、やたらと猫が噛み付きたがるのが難点だが。
これで今シーズンの編み物はおわりかな。マフラー2本と腹巻、リストウォーマーと、なんだか巻くものばっかりだ。実はかみさんの生産力がえらく高くて、自分のものだけでなく人にあげるものも含めてずいぶんたくさん編んでいた。おれも帽子とバイク用ネックウォーマーをもらってしまったので、今年は身の回りにずいぶんニットが増えたよ。ウールが大好物の猫がいる家とは思えない(笑)。
2012-03-10(土) [長年日記]
■ J1開幕……は自宅観戦
(前期の成績があのアリサマなのにシートのアップグレードをするなんて物好きもいいところなんだけど)今年はS席シーズンチケットまで用意して準備万端……だったのだが。夫婦揃って体調を崩してしまい、残念ながら自宅観戦に。まぁ、次節からがんばります。いや次々節か。
開幕戦の相手は苦手な新潟ということでちょっと不安だったし、じっさい危ないシーンも少なくなかったのだが、最終的には1-0完封。新加入選手もけっこうなじんでいて、特に新外国人のレナトはいきなり大活躍。さすがに若いだけあってよく走るし、ボールを持ちすぎることもないので日本のサッカーにはけっこうフィットしそうで今後が楽しみだ。
2012-03-11(日) [長年日記]
■ 震災から1年
14:46はスーパーで買い物中だったのだけど、館内放送で黙祷するよというアナウンスがあったので、従業員も客もみんな黙祷していた。が、なぜか試食販売員が一人だけ、まわりの空気をいっさい無視して甲高い声で口上を張り上げて続けているのがなかなかシュールだった。どこにだって別の地球に住んでいる人はいるものです。
そこまで変じゃないにせよ、自分もわりとフラットな性格だし、直接の被害を受けていないから、震災以降なにか変わったかというとほとんど変化はない。できるタイミングで募金をし、グループ企業が実施している復興支援事業をバックで支え、科学教育を受けた人間としてデマに踊らされず可能であれば正す。これからもそんな生活を淡々と続けていくことだろう。なにせ復興はまだまだ続く長期戦なのだから。
写真は震災直後に避難用のキャリーを買ってもらい、それ以来ずっとお気に入りですっかり「猫小屋」にしてしまったグスタフ。着々と体重が増えているほかは猫たちも変わってないな。
2012-03-12(月) [長年日記]
■ IDカードケースが壊れたけど代わりが見つからない
会社で使っているIDカードケース、支給されたものじゃなくて何年か前に自分で買ったものを使っているんだけど、安物ながら使い勝手がよくて気に入っている。横型にも縦型にも使えて(IDカードは横型なんだけど邪魔になるから縦にして使っている)、ペナペナしないハードなケース。カードをスライドさせて磁気テープ部分を露出させる部分のギミックがよくできていて、カードを挟み込むパーツがあるおかげでいつの間にか滑り落ちてるなんてことがない。
で、そのスライドパーツを支える部分が折れてしまって、ちょっと動作が怪しい感じに。さすがに寿命か、と思って以前買った店に行ってみたもののもうディスコンらしく扱っていない。他の文房具屋や100円ショップをあたってみたけど類似の製品は見つからない。ネットで探してみたもののこれもない。
というわけで、代わりになるものが見つからなくて困っているのだった。縦にして使えるケースは(妙に高級感のあるものを含め)いくつかあるけど、こういうギミックを内蔵したものってないんだよなぁ。
◆ ただただし [KOKUYOのこれではないかというタレコミをもらった: http://amzn.to/wskNa2 写真がショボ..]
2012-03-14(水) [長年日記]
■ 急いで16歳になろう
簡単に結論の出るものでもないが、今日読んだ2つの記事が見せてくれる世界のあまりの違いになんだかモヤモヤ~としてしまったのでメモだけ残しておく。
ひとつめ。15才以下の方による、アメーバピグ・ピグライフのご利用に関して:
青少年のみなさまが安心安全にアメーバピグをお楽しみいただけるよう、2012年4月24日以降、15才以下の方を対象として、ピグの一部機能に利用制限を設けることになりました。
リンク先をみればわかるが、15歳以下の場合(とくにソーシャル系の操作にかんしては)事実上できることはなくなった。誰にも見られることなく、部屋に閉じこもって着替えたり飾り付けたりする程度か? 対象ユーザたちが大挙してコメント欄で嘆いているのも当然だ。
一方、こんなできごとも。「第7回 日本OSS貢献者賞・日本OSS奨励賞」受賞者を選定:
2011年最年少Rubyコミッターとして活動。震災復興プロジェクトSinsai.infoでは重要な開発メンバーとして情報収集機能を新規開発した。グローバルに開発成果を発表しており、3つ以上のホストしているプロジェクトと3つの主要な貢献プロジェクトがある。15歳の少年であるが高いスキルを有しており、有益なプロダクトを発表している。
アメーバピグではなにもできない年齢の少年が、こちらでは倍も年齢が離れた大人たちと対等にわたり合って世界を変えようとしている。しかもそれを大人たちが容認するにとどまらず、非常に高く評価しているという。彼が使っているツール、例えばGitHubは「ソーシャル・コーディング」と呼ばれるようにソーシャル機能が充実していて、少なくともピグと同じくらいの危険をはらんでいるはずである。
言うまでもないが彼の周囲では多少危ないことであってもやらせてみつつ、何かあったら手助けする気満々の大人たちがきちんと見守っているから安全なんである。ピグで楽しむ少年少女たちには、そういう大人がいないということなのだろう。彼らが16歳になっていきなり無防備に世界に投げ出されるのが気の毒でならない。が、それでも15歳でい続けるよりはマシか。
2012-03-17(土) [長年日記]
■ 日本人のための科学論 (PHPサイエンス・ワールド新書)(毛利 衛)
震災前に出版された本書を、震災1年後に引っ張りだして読むのはちょっとイジワルな気がしなくもない。なにしろ、のっけから「日本は原子力発電を推進すべし」なんて書いてあるわけで、おそらくこの1年、毛利さんは原発推進派と目されてそうとう攻撃されたに違いない。
もっとも、ちゃんと読めば科学一辺倒の偏った主張をしているわけではなく、科学を「文化」の一翼ととらえ、他の文化とともに「総合智」をもって課題に取り組もうと呼びかけているのがわかるわけで、なんらおかしなところはない。福島第一の事故にしたところで科学面では未知のことが起きたわけではなく、むしろエンジニアリングやリスクマネジメントの課題を浮き彫りにしたと言えるのだから、本書の呼びかけはむしろ今読んでこそ価値を持つんじゃなかろうか。
特に科学未来館で働くサイエンス・コミュニケーターの育成に関してかなりの紙数が割かれていて、これがけっこう面白い。以前Wikiばなの感想でサイエンス・コミュニケーターってマーケッター兼営業なんだなと書いたけど、まさに未来館を卒業して営業職に転職した人が登場したりして我が意を得たり。営業なしでのビジネスがありえないように、科学という文化を定着させるにあたって未来館方式のコミュニケーター育成はかなり重要だと思う。
というかこの1年、科学的思考をすっぽり欠いたまま「放射能」を怖がるばかりの人たちを大勢みてきたので、この仕事はまだぜんぜん足りていないのだよなぁ。これからも未来館をはじめ、サイエンス・コミュニケーターのみなさんの活躍に期待したい。というか自分を含め、科学教育を受けてきた人間すべてが、こういう経験をしておくべきだと思ったね。
ところで最近の毛利さんの発言を探していたら、未来館の館長挨拶が出てきた。たぶん定期的に書き換わると思うので、一部引用しておこう。震災後でもぜんぜんぶれてないね。
東日本大震災による自然災害や、原子力発電所の事故などで、科学技術の限界や負の側面もみえています。これらの問題をどのように解決していくのか、社会に生きる一人ひとりが熟考し、選択しなければならない時代となりました。
日本科学未来館はこうした人類的課題に対して、科学の役割を問い直し、科学だけでなく、政治、ビジネス、芸術、教育といったさまざまな分野の「知」を集め、解決策を皆さんとともに考え、提案します。科学は一部の人のものではなく、皆で共有する価値ある文化。多くの人々の生活と未来につながる先端科学技術を伝え、社会に貢献していきます。
2012-03-20(火) [長年日記]
■ ライトウェイトスポーツ的なスマートフォンが欲しい
こないだEMOBILEからLTEサービスへの乗り換えキャンペーンの電話があって(メールじゃなくて電話がくるのがなんかすごい)、GL01Pが2年縛りなら端末無料でかつ月額料金も下がるというので悪い話ではないんだけど、Desire (X06HT)もそろそろ2年になるから合わせて考えるといろいろ悩ましい。
iPhoneを捨てたのが中途半端な時期だったせいでホワイトプランの残りはまだ1年あるからメインキャリアはこのままSBMでいくとすれば、貧弱な回線をカバーするためにセカンドキャリアが必須になってしまう。となるともう、EMOBILEを継続せざるを得なくて上の提案をそのまま受け入れるのが吉だろう。ちなみにWiMAXは屋内や地方が苦手でおれの利用シーンには合いそうにないので除外。
そのセンでいくと次期端末は今出ているSBMの端末から選ぶことになるのだけど、どれもぱっとしないんだよなぁ。STAR 7 009Zなんて小さくて色もきれいでいいんだけど、スペック的に満足できると思えない。というか、CPUはせめてDual Core、メモリは潤沢で、ディスプレイサイズが4インチ未満、OSはICS化が見込めるという端末がない。HTC端末は気に入っているのでOneシリーズを扱ってくれるといいんだけど、あれも小さいのは性能面で劣るしな。贅沢言ってるのが承知してるが、デカいのも遅いのもイヤなんだよ! なんでスマートフォンには車やバイクでいうライトウェイトスポーツみたいなカテゴリがないのよ。高級外車とファミリーカーの二者択一とか勘弁してくれ。
もっとも、もう2つのキャリアを維持するのも面倒だし、ランニングコストもばかにならないので、違約金を払ってでも他のキャリアに集約するというのもありだ。もちろんディザリング前提で。となるとdocomoだけど、NEXT seriesのXi対応端末はやっぱりどれもバカみたいにデカいので手に取る気にもなれないのであった。うーん、どこもいっしょか(そりゃそうだ)。
あ、そうそう。先回りして言っておくと、「iPhoneに戻れば?」というのはもちろんナシです >主に@ogijunと@mrkn
◆ YaSuYuKi [条件にぴったり当てはまる端末だと、SonyのXperia U(おそらく4~6月に発表)が該当しますが、今度は、Son..]
◆ ただただし [たしかにXperia Uはいい感じですよね! SONYにトドメを刺してもいいなら、Xperiaをターゲットにしてもい..]
◆ yoosee [Xpediaは最近よくできてるし新機能にも積極的なので見なおしてますが、しかしソニエリからSonyになったタイミング..]
◆ ただただし [まだXperiaにするなんて言ってない!(笑) もっともdocomoに乗り換えるとしたらSBMの縛りが切れる来年まで..]
◆ たけむら [画面が小さければ、というより解像度が低ければ、CPUが遅くてもかえって操作感はよくなることもあるという印象を持ってい..]
◆ ただただし [描画がネックの場合はそういう面もあるでしょうね、メモリのスピードも効いてくるでしょうし。一方、明らかにCPUがネック..]
2012-03-22(木) [長年日記]
■ tDiary: 新しくなったPicasaプラグインがいい感じ
Picasaプラグインが最近あげた写真から一覧表示するという動作をデフォルトにするようになったのでテスト。これはいいですね。
当初、アルバム一覧と最新を選択させようという話になりつつあったのを、いきなり最新一覧を表示、必要に応じてアルバム一覧に切り替えられるようにと提案したのだった。これは最近、Facebookでタイムラインのカバー写真を選択する場面でみたUI。最初は適切なデフォルト動作をしておいて、それ以上の要望には一手間かけることで対応できるようにするというのは良いUI設計の基本ですな。
というわけで写真は、最近やたらと「遊んで攻撃」が激しいドーラを、ひざの上に仰向けに乗せて、紐の先についたおもちゃであやしているところ。これで延々と遊んでくれるので比較的ラクです(おれが)。「とってこい」も大好きなんだけど、あれは遊んでやってる方もけっこう動き回るから消耗するんだよねー。
2012-03-23(金) [長年日記]
■ herokuコマンドがproxyの中から使えなかったので修正した
日ごろ塀の中にいると苦労することも多くて、中でもproxyサーバを介さないと外のWebサービスが使えないのが困る。とにかくもう、Webサービスを使うほとんどのコマンドが、(少なくとも公開当初は)proxyの存在をまったく意識していない。初めて使うツールやライブラリの最初の作業が、proxy対応のパッチを書くことだったりすることも少なくない。
herokuコマンドも以前からそうで、いつか直してやらにゃなるまいと思っていたんだが、いつの間にかそれっぽいコードが入っているのに偶然気づいたので動かしてみたらやっぱり動かない。いきなりログインのシーケンスで落ちているってことは、テストしてないだろこれ(笑)。ちょっとソースを見たらすぐに直せたので、さっそくpull request。
で、すぐに@ayuminが取り込んでくれた。近く(←ソーシャルネットワーク的な意味で)に中の人がいると話が早い。おかげでいろいろ便利になりそうだ。Herokuを業務で使うことはないとは思うが、実験的にFacebookアプリを作ったりしても、こういう環境が塀の中から触れないと制約が多すぎて仕事にならん時代なんだよなぁ。
2012-03-24(土) [長年日記]
■ 川崎 0-1 C大阪@等々力陸上競技場
開幕戦を欠席したので、第3節となる今日が我が家のシーズンスタートである。負けたけど!!
おまけに晴れて暖かくなるという予報だったのに、けっきょく前半いっぱいくらいはかなりの雨、しかも寒いし。もっとも、今年からS席シーズンチケットという大盤振る舞いにしたので、少しゆっくりいっても屋根のあるところに座れるのだ。
1節、2節は新加入のレナトやジェシがいい感じにフィットしてるなーと期待していたんだけど、スタジアムから全体を視野に入れるといいところばかりでもないんだよなー。まぁそういうものだよね。まだ始まったばかりなのであんまり腐っていてもしょうがないのだけど。
2012-03-25(日) [長年日記]
■ ひさびさ西伊豆スカイライン(というかバイク乗るのがひさびさ)
春になったらバイクに乗ろうと決心していたのに、なぜか週末になると雨が降ったり雪が降ったりして、なかなか機会が訪れなかった。まぁ、以前は雨でも平気で乗っていたわけで、ずいぶん丸くなったもんだな、おれも。
そうこうする間にハイオクが170円/L近くに跳ね上がっていて、気温が上がっても懐は寒くなるばかりだのぅ。そろそろバイクもEVにならないとまずいんじゃないの。そうそう、もしバイクがEVになったら夜間に家庭用電源で充電することになると思うんだけど、「バイクの維持費は毎月の小遣いから」みたいな人は電気代をどうするんですかね。
それはさておき、久しぶりに西伊豆スカイラインへ。天気はいいものの風がものすごくて、停車するのも怖いくらいだったので、休憩もなしにピューと行ってピューと帰ってくるだけだった。まぁぼちぼち走り始めますよ。今年は花粉も少ないし。というかバイクに乗ってる間はくしゃみも鼻水も出ないし(そして降りてからひどい目にあう)。
2012-03-26(月) [長年日記]
■ モゲマスのプロダクションマッチフェスで懐かしのネトゲ対戦を楽しむ
引き続きモゲマスことアイドルマスター・シンデレラガールズを楽しんでおります。
最近はじまったプロダクションマッチフェスが、所属するプロダクションどうしのチーム戦で、相手をいかに圧倒するかを仲間とわいわい相談しながらやるのが実に楽しい。おれの所属するdランクのプロダクションは無課金ユーザからそれなりのお金かけてるユーザまでが混在していても成立するギリギリのクラスなので、知恵を絞ると絞っただけの成果が得られる。ゲームとしてのバランスもいい感じ*1。伝え聞くところによれば上位チームになると現ナマを積み上げてその高さを競いあうような状況らしく、それはなんとも恐ろしい世界なわけで、まぁdランクでよかったわ(笑)。
うちのプロダクションは13人の小世帯ながらけっこう強くて、フェスの半分が経過した段階で全勝でグループ首位。後半戦もこの調子でいけそう。優勝はもらったぜ。
運営が確率を操作するガチャとは違って相手は人間なので、これは普通にネトゲ対戦として面白い。アーケード版や無印でネット対戦を楽しんでいた(そして対戦機能がなくなった「2」について嘆いていた)古参のアイマスユーザが大勢楽しんでいるのもわかる。
もっとも別にソーシャルグラフを活用しているわけではないので*2、これをもって「ソーシャルゲーム」と呼ぶ気はさらさらないけど。個人的にはかれこれ20年以上前、職場の仲間たちとクランを組んで世界各地のQuakeサーバに乗り込んでCTFを戦っていた日々が思い起こされて懐かしい。ようするに懐古的な楽しみといえるかも。ウチのクランには「日本代表」や「初代日本一」がいたりして、なかなか強かったのよ。
そんなわけで、舞台はアイドルたちが衣装を奪い合う不思議な芸能界に移っただけで、昔ながらのネトゲ対戦を普通に楽しんでいるのであった。
2012-03-27(火) [長年日記]
■ 今度こそホンモノか、ウィルキンソン・ジンジャーエール(ペットボトル)
以前、登場したばかりの(人工甘味料版)ウィルキンソン・ジンジャーエールをうっかり褒めてしまったが、飲んでいるうちにだんだんつらくなってくるというシロモノだったこともあってそうとう評判が悪く、わりとあっという間に市場から姿を消した。それから9ヶ月あまり、ついに「瓶のまま」の味をペットボトルに詰め込んだウィルキンソン・ジンジャーエールが登場。
今日は静岡に出張していたこともあってなかなか入手できなかったのだが、空いた時間にコンビニに駆け込んでゲットした。いやもう、「セブンイレブンにはないよ」という情報をあらかじめ得ていたものの静岡駅周辺にはセブンイレブンばっかりでもうどうなることかと思ったが、5分ほど歩いたところにローソンがあったので無事入手できたのだった*1。
というわけでごくごく。いやー、500mlは多いね!(笑) 喉がヒリヒリするぜ(←別の意味で飲んでるうちにつらくなってきているという)。分量的にはディアボロ・ジンジャーが最適だったような気もするね。ま、これは明日からデスクに常備だな、会社の近くで買えればだけど。
*1 「ローソンにもないよ」という情報もあったんだけど、ローソンやファミマの品揃えはセブンイレブンほど画一的ではないので特定地域の情報を信じてはいけない。
2012-03-28(水) [長年日記]
■ さよならジュピター〈上〉 (ハルキ文庫)(小松 左京)
まだこんな時代のを読んでいたりする。というかKindleの未読リストの半分くらいが、最近ブックオフで買いあさっている1970~80年代の国産SFなんだが……。同時代の海外SFはたくさん書庫に並んでいるのに、国産SFはみんな売っぱらっちゃったんだよなぁ。たぶん「どうせあとで簡単に買い直せるし」と考えたんだと思う(けどそれほど簡単ではなかった)。今後、市場から消え去ってもいいようにがんばって自炊しよう。
「さよならジュピター」は個人的「ベスト・オブ・小松左京」なので、楽しく読んだ。とはいうものの、どうしても先の震災にからめた感想を抱いてしまうのだが。自分は震災の影響をあまり受けていない方だと思ってはいるけど、そうでもないのかな。たった2年で木星を爆破させるプロジェクトを成功させるプロフェッショナル集団をずさんな原発管理と対比してしまうし、計画を妨害しようとするジュピター教団の急進派はデマを撒き散らすことも厭わない過激な脱原発派に重なる。はたして人類は今後100年で、こんなすごいことをやってのけるところまで進歩できるんだろうか?
それはそれとして、ハルキ文庫版は巻末の対談が面白い。本書が書かれた時期はちょうど8bitのパソコンが普及しはじめた時期ということもあって、コンピュータに映画製作をサポートさせるためのテクノロジーがどんどん出てくる。3Dのワイヤーフレームを描くのに一晩かかったとか、タダでCray-1を借りちゃった話とかちょっと今では考えられない。にもかかわらず、作中にインターネットは登場しないわけで、いかにインターネットという存在が「想定外」のものだったかよくわかる。
2012-03-31(土) [長年日記]
■ 森薫拾遺集 (ビームコミックス)(森 薫)
(作者の)趣味全開で大変楽しかった。好きなものを好きなように描いているのをみるのはいいもんだ。
収録作品は新旧入り混じっているんだけど、「こだわり」の深さに変化はないものの腕はメキメキと上がっていてすごい。もっともちょっと古めの作品も味があってけっこう好き。
■ 木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)(石黒 正数)
最近、石黒正数が好きで買い集めている。
この作品もけっこう評判いいので買ってみたけど、ちょっと合わなかったかなー。少年誌ゆえの制約のせいだろうか。ところどころクスクス笑えるんだけどね。というかチャンピオンコミックスなんて買うの何年ぶりだ? とりみき以来じゃねーの?(←古すぎる)
◆ hsbt [clockwork でも良いんですけど cron の置き換えは https://addons.heroku.com/..]
◆ ただただし [また新事実だよ……]
◆ hb [HerokuのTZ設定は以下のコマンドを利用するという方法もありますね. $ heroku config:add T..]
◆ ただただし [例えば海外旅行中は配信時間を変更したいという場合、タイムゾーンは運用中に(Herokuコマンドなしで)設定できないと..]
◆ ただただし [Heroku Schedulerを見てみたけど、機能的にはまさにcron相当でプロセスをキックしてくれるだけなんだね..]
◆ ただただし [READMEつけた。 https://github.com/tdtds/kindlizer-backend#read..]