2006-08-01(火) [長年日記]
■ シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)(チャールズ ストロス)
面白いんだか、そうじゃないんだか、よくわからん。
ガジェットは面白かった。スピンの保存(だっけ?)を使った超光速通信を大真面目にやったり。ナノテクが「なんでもできる魔法」のように使われるのはありがちながら、ちゃんとさまざまな保存則が制約になっていたり。
ストーリーもわかりやすくて、こういう(どういう?)小説にしては、不親切なところがない。コミカルで楽しめる。エンディングもなんだかほのぼのしていて、いい感じ。
一番不満なのは、せっかく<特異点>をネタにしているのに、そういう感じがしないところだろうか。超知性であるはずのエシャトンは、何を考えているのかおぼろげながら理解できる存在だし(理解できないほど発達するからこその<特異点>だろうに)、一方、エシャトンよりはよほど人類に近いはずのファスティヴァルの方がよっぽど得体が知れない……というか、ほとんど描写がない。逆だよなぁ、と思う。
2006-08-04(金) [長年日記]
■ 新横浜はすっかり夏休み
なんだか忙しくて、日記書いてる暇もないなぁ。
でも、職場のある新横浜はすっかり夏休みっぽい。いや、働いている人は多いんだけど、イベント目当ての人々が毎日のようにぞろぞろ歩いているので。
一昨日は例の亀田[八百長疑惑]ボクシングで、微妙にセンスが悪い日本語のメッセージが入ったTシャツ姿がぞろぞろ。昨日はF・マリノス vs セルティックで、青い(ときおり緑の縞々)レプリカユニがぞろぞろ。
今日は朝から、胸に「救出は近い!」と書かれたネームプレートをつけた純朴そうな人々が横浜アリーナに向かってぞろぞろ歩いていた。あー、新興宗教団体ねー(追記:「エホバの証人」らしい。関係ないけど「エホバの証人」と「ヴェニスの商人」は似ている)。この季節、けっこう多いんだよね……で終わらせては面白くない。
実は彼らは地球に不時着した異星人の集団で、修理された横浜アリーナ型宇宙船に乗って今夜、故郷に向けて出発するところなのだ、と妄想。いいかも←どこがだ。いや、ピープル・シリーズっぽい感じで、どうすか。
2006-08-06(日) [長年日記]
■ 国立天文台野辺山特別公開
人ごみが嫌いなので、こういう施設の公開日にはあまり行かないのだが(目と鼻の先に住んでいるに相模原キャンパスに行ったことがないのはこのため)、野辺山の特別公開ではディッシュに触れるようなので行ってみることにした。
たいていはバイクで行くので、11月〜5月を観測シーズンとする野辺山のアンテナとは相性が悪い。いつも真上を向いている(記録によれば2002年のGWにちょっと傾いた姿を拝んだきり)。が、今日は完全に横倒しで、主鏡の内側が全部見えた。これだけでも来た甲斐があったよ〜。
去年の鹿島はずいぶん汚いディッシュだったが、空気がきれいなせいか、野辺山のはきれいだった。
研究施設ということもあり、説明員は学生が多くて、「おれの説明を聞いてくれ」オーラが出まくりで、行列が長くなろうがおかまいなしの熱心さである。が、「(今触っているアンテナの)表面はカーボンです」とか平気で嘘を言ったりもするのがご愛嬌である(実際は内側5列がカーボンで、外側2列はアルミである)。他にも、ALMAの展示で「電波干渉計は1960年代から……」と書いてあるのを教授(?)に「1950年代だろうが!」とツッコミを入れられていた。
あと面白かった企画は、10m干渉計を移動するために使う台車に乗る「台車でGo!」。ネーミングからしてベタベタだが、こういう機会は滅多にないので乗ることに。実際にアンテナを載せる子台車上に人を乗せるための手すりが設置してあり、5分くらいの乗車。
公開日には普段は入れない場所まで行けるので、この日しか見られないアングルのパラボラが拝めるのがありがたい。こんなふうに干渉計を一望にするのは、普段だと難しいし。ただ、ヘリオグラフが並んだところまでは侵入させてもらえなかったのが悲しい。あれは一度間近で見てみたいんだよなぁ。
■ 臼田はお休み
とうぜんながら、野辺山は途中で切り上げて臼田へ。しかーし! 日曜は休みなんだって!(見学はできたけど) 相模原キャンパスは年中無休で「はやぶさ」と交信してるんだと(勝手に)思ってたよ。
しかたがないので、反射板の隙間を通り抜けてくる陽光や、広い敷地に落ちた主鏡の影を撮影したりと、なんだか無駄な時間をすごす。いいんだ、それでも楽しかったし。
久しぶりに展示室に入ったら、DVDでビデオが流れるようになっていた。衛星・探査機の追尾に着目したビデオで、日本・世界各地にある、JAXAのアンテナが次々と登場するという萌え映像満載。「はやぶさ」の帰還が2007年ということになっていたので、製作時期はやや古いが、これ売ってくれないかなー。家宝にしますぜ。
この日は夏休みで、もしかするとおれみたいに野辺山からついでに来る人も多いのか、次々と車がやってきて、おれが帰る頃には6台も止まっていた。こんなに盛況な臼田は初めてだ。いつもはたいてい、独り占めだからなー。
2006-08-07(月) [長年日記]
■ ダーティペアの大征服―ダーティペア・シリーズ〈6〉 (ダーティペア・シリーズ 6)(高千穂 遙)
ぎょえー、まさか続きものの上巻だとは知らずに読んでしまった〜。下巻はいつ出るんだ。読まずにとっておけばよかったよ、とほほ。
とはいえ、1時間で読めてしまうものに1200円は、ちょっとコストパフォーマンスが悪いような……。昔みたいに、最初から文庫で出てくれるといいんだけどなぁ。スペオペにはそれくらいの手軽さが欲しいよ(←書いてて自分でもセコいと思った)。
2006-08-08(火) [長年日記]
■ 宇宙へのパスポート(3)(笹本 祐一)
出たばかりだから平台に並んでるかと思いきや、狭い科学棚にひっそりと1冊だけ挟まっていた。それってどうよ!? >文教堂@新横浜
で、積読も多いので、とりあえず「はやぶさ」のパートだけ読む。そして(また)泣く。これでは、泣けるかどうかだけを判断基準に本を選んでいるような連中と一緒である。まぁ、L/Dにすら載っていないような裏話なんかも読めて、「はやぶさ」ファンとしては持っておくべき一冊だね。
もちろん、個人的にいま一番美しいロケットであるアリアン、そして"最後のMロケット"であるM-Vなど、今回も読みたいレポート盛りだくさんである。落ち着いたらゆっくり読もう。
2006-08-09(水) [長年日記]
■ 5年前の記事が今書かれたら、どれくらいブックマークされるだろう
tDiaryの長年日記機能は、日記を書き続けるモチベーションを維持する装置としてかなり有効なんだけど、最近過去の日記を読み返していて、「今ならどれくらいのブクマ数を得られるだろう」と考えることがある。
例えばちょうど5年前、CodeRedカウンタの作り方なんて記事を書いていて、かなりウケた。背景を説明すると、CodeRedというIISのセキュリティホールをつくウィルスが蔓延して、あらゆるWebサーバの「/default.ida」というファイルへアクセスが集中、世界中でネットが大混乱という状況。そのdefault.idaへのアクセス数を記録してカウンタとして表示し、自慢(?)しようというネタである。
リンク元をみると数百のアクセスを集めているようだが(当時のWeb日記としてはけっこうなアクセス数である)、これが現在だとどれくらいになるのかイマイチ想像がつかない。人気のバロメータも、アクセス数よりブクマ数というご時世だし、同じ尺度が使えない感じがするのである。
だからなんだと自分でも書いてて思ったが、「1年間で××が○○倍になる」みたいな簡単な換算指標があると、いろいろ比較できて面白いだろうになぁ。
2006-08-11(金) [長年日記]
■ 電車で前に立った男の腕時計が気になる。
BVLGARIの、でもそれほど高そうではないバージョン。いや、時計自体に興味はないのだ。指している時刻が気になる。ちょうど5日の10:00。ちなみにこれを書いているのは11日の8:05である(W-ZERO3が正しければ)。
うーん、6日も前から止まっているのだろうか。止った時計を腕にする意味はなんだ?
……と思ったら、分針が動いた! 止まってるわけじゃないのか。ますます謎だ。
■ 不本意なランク
今日も新横浜は、証人の方々が救出を求めて横浜アリーナに集結しております。こないだ救出されそこなったらしい。けっこう若くてきれいな女の子とかいるんだよなー、もったいねぇ(←感想がおっさんじみている)。
それにしても、「google:救出は近い」でググると、こないだの記事が2番目に来るという状況を知って、頭を抱えた。検索時にblogを外したくなる気持ちもわかるよ。
■ Poderosa 4.0が使えない(泣)
愛用しているターミナルエミュレータPoderosaが4.0になったというのに、バージョンアップする暇がなく、やっと今日になって実施。
……使えねぇorz
なんか、機能が落ちてるんだが。たしかに、ちょっと画面が派手になって「あぁ、.NET Framework 2.0を使ってるんだねぇ」と思うし、プラグインでいろいろ拡張できるようになった(らしい)のもいいことだ。が、今までできていた、切断されたペインの再接続(Alt+R)ができないし、邪魔なステータスバーも消せなくなってしまった。これでは使い勝手が悪くて、とても常用できない。
screenを使っていると画面が乱れるのも変わってないし、3.0→4.0というバージョンアップから受ける印象とはだいぶ違う。つーか、おれ的には2.8くらいな感じがする。ソッコーで3.0に戻してしまった。残念ナリ。
◆ こ〜りん [完全にアクセサリと化していて、習慣で身に着けているだけなのでしょうか。 てことは、人に時刻を訊かれたら、差出すのは相..]
◆ とほほる [このブルガリな人は、6日も前ってことで違うとは思いますが、オレは出張で国外に出た場合に、現地時間に腕時計を合わせない..]
◆ えすーえふー [あれだ!ウラシマ効果。宇宙旅行から帰ったばかりなんだよ。]
◆ ただただし [それだ。考えうる、唯一の合理的な説明ですね!]
◆ アビー [機械式の時計はずれやすいから正確な時間は携帯で確認するようにしてる。]
◆ yoosee [壊れているのは分かっていて修理に出すつもりだけど、普段常時付けているので付けないと気持ち悪いからとりあえず付けている..]
2006-08-12(土) [長年日記]
■ 川崎 1-1 横浜F
仕事で遅くなりそうなかみさんを置いて、スタジアムの外でふろん太に出迎えてもらえるくらい早く着いたのに(具体的には1時間半前)、すでに屋根のある席は取れず。嗚呼、首位になるって、こういうことなのね……。
開始直後にいきなり先制されたものの、我那覇の同点ゴールで盛り返し、いい試合運びだったがそのまま終了。マリノスの守備に穴がなさすぎだ。
目の覚めるようなインターセプトとか、スペースには必ず誰かが走り込んできてたりとか、首位争いをするにふさわしい、いいチームになったよなぁ。って、浦和とG大阪が勝ったから3位転落か? くっそー。
2006-08-13(日) [長年日記]
■ St.GIGAを録音しようとして七転八倒した話
(概要: BSデジタルで放送されているSt.GIGAの音源をMP3ファイルにするまでのメモ)
なんだか朝から涼しくて、先に起きたかみさんが「はてなの近藤さんがテレビに出てるよー」と起こしに来ても「あとでYouTubeで観るからいい……」(←救いようのないダメ反応)と答えて朝寝を楽しんでしまった。貴重な夏休みが無為に過ぎていくなぁ。それもまたいいんだが。
かみさんはコミケに出かけてしまったので(またかよ)、のそのそと起きる。ホントに涼しい。こんな日は、St.GIGAを流しながら、窓から入ってくる風にあたりつつ、読書など。読んでる本が『日本沈没第二部』な時点で台無し感がひしひしとしてくるが。
ここで「St.GIGAはつぶれたんじゃないの?」と思った人は半分正しい。任天堂に見捨てられたあとつぶれたのは事実で、BSアナログの音声5chはもうない。が、その遺産を買い取ったWINJという会社によって、BSデジタルにて延々と再放送されているのである(このあたりの経緯はセント・ギガ・フォーエバーに詳しい)。
そのWINJも、サイト上のタイムテーブルの更新がひと月以上止まっているとか、メールを出してもなしのつぶてとか、電話をしても誰も出ないとか、なんだか雲行きが怪しい。そもそもどこから収益をあげているのやら。せっかくデジタルで放送されているんだから、今のうちにSt.GIGAの遺産を手元に録音しておこう! と思った(のが運の尽き)。
まず、デジタル録音環境を作る。これは去年買ったカノープスMD-Port XPの(使うはずがないと考えていた)光デジタル入力が使える。デスクトップからひっぺがして、Let's noteに接続。付属のMEDIACRUISEをインストールすれば録音できる……んだけどこのMEDIACRUISE、操作性が最悪な上に、無音状態の認識がおかしくて、自動録音が始まらない。
使い物にならないので、フリーな録音ソフトを探し、S Recというのを見つける。gogo.dllがあると自動的にMP3までしてくれるというので、ひさびさに午後のこ〜だも入れた。以前問題視されていたバイナリ配布は、インストーラがその場でソースをコンパイルするという荒業で回避するようになっていてのけぞった。そこまでやるか。ともあれ、これで録音環境は完成。
もっとも、これを人力で「エアチェック」するのもバカらしい。EPGを使ってHDDレコーダに「録画」して、あとからまとめてダビングすれば、失敗してもやり直せる。そう思ってまず30分くらい試しに録画してからダビングしたら、なんと最初の15秒しか信号が出てこない!
いろいろ調べてみたらSCMSというキーワードがひっかかる。おーのー! コピー防止技術でしたかorz MDやDATだけの話かと思っていたら、HDDレコーダにも装備されていたんだな。ムカっと来て、思わずPCをHDDレコーダに投げつけたくなった(が思いとどまった)。
わかったよ、リアルタイムで録音すればいいんだろ! S Recにはタイマー録音機能もあるので、NTPできっちり時刻合わせをすればタイムテーブルに合わせた自動録音ができるに違いない。とりあえず今夜、数時間分を仕込んでみよう。
こうやってまとめてみると、「七転八倒」って感じじゃないな。「二転び三起き」くらい?
2006-08-15(火) [長年日記]
■ GTDを始める(1)
春頃から「やろう、やろう」と考えていたのになかなか着手できなかったGTDを、夏休みを利用して導入することにし……ていたのに、その夏休みももう最終日である。すべての元凶はSt.GIGAという気がする。
夏休みにやりたかったことは「tDiaryの(溜まりに溜まった)パッチやバグをやっつける」と「GTDを始める」(その他モロモロ)だったんだけど、残り1日で両方できるはずもない。ここは「GTDでタスクを管理し始めればtDiaryの開発もばっちり進むさ!」と思い込むことにして、GTD導入を優先する。すまぬ。
で、『Life Hackes PRESS』は読んでいたから、あと1冊なにか読んでから……と思っていたら、ちょうどかみさんが『4576060732』を持っていたので借りて読んだ。ちなみに、かみさんに「GTDやってるの?」と聞いたら「check*padは使ってるよ!」と返ってきた。いやそれ、GTDじゃないし。
で、1時間足らずでパラパラと読んでみて、正直なところ別に読む必要ないんじゃね? と思った。52の「法則」に分かれているエッセイ集の体裁だが、どれも同じことの繰り返しだ。GTDは基本的に経験則から導き出されたHow Toにすぎなくて、本質的には以下の2点に尽きる。
- 頭の中の「やること」を全部外に出してリストアップ
- リストを定期的にレビューする
これだけのネタを引っ張りまくって本を1冊書こうと思えば、薄くなって当然だよなぁ。というわけで、最後の10ページ(第5章)と田口さんの前振り・あとがきだけ読めば良い本である。……だとしたら『Life Hackes PRESS』だけで十分ということだ。あとはBiz.IDをチェックしてればノウハウ的なフォローができるだろう。
もちろん、後付の哲学的な部分にも見るべきところはあるけれど(それも太字のところだけ拾い読みすれば十分)、読まなくてもGTDはできるんじゃないの。まして、翻訳の質ばかりが評判の聖典は(ry
つづく。
■ GTDを始める(2) - 収集
つづき。
まずは収集フェーズ。とにかく2、3時間、じっくり集中して、いま抱えている仕事やら、いつかやりたいと思っていることなど、頭の中にあるToDoを全部外に出す。
リストアップするだけなので紙に書くのが一番だろうが、どうせあとで電子化するので、最初からツールを使うことにした。今回用意したのはRemember The Milk(以下RTM)。あれ、check*padじゃなかったの? と言われそうだが、check*padはモバイル版がW-ZERO3から使えないので(モバイル専用のURLを用意するならUA差別をしないでもらいたいものだ)、しばらく前から端末を選ばないRTMに移行していたのだ。こっちの方が機能が多いしね(なんだかんだ言って高機能好き)。
そんなわけで、RTMの「受信箱」をホームポジションにして、思いつく項目をひたすら入力していく。RTMはキーボードショートカットが充実していて、新規項目の追加は「t」でできるので、キーボードから手を離す必要はない。あとあと楽になることはわかっているので、締め切りが明確な項目には期日も入力しておいた(「d」キー)。あとRTMはタグが付けられるので(おれ的に最重要機能)、仕事の項目には「job」のようなタグを入れておき、TPOに合わせたアクションアイテムを絞り込めるように仕込んでおく(タグの入力は「s」キーで)。
で、日ごろからこの手のリストはあちこちに書き散らかしている方なので、それらを集める作業をするだけでもけっこうな量になる。まずはGmailで★をつけてある「返事を書かなきゃいけないメール」を全部リストアップ。40もあったよ(ぉぃぉぃ)。
続いてカレンダーから締め切りのある作業をリストアップ。仕事関係はすでにRTMに入れてあるので、プライベートなものがメイン。それからあたりを見回して、家の中でやっておきたいことや、PC関係、バイク関係でやりたいことをどんどん追加していく。あっという間に100項目になったが、まだまだありそうな感じ。
RTMはこういう使い方をあまり想定していないのか、項目の追加にかかる処理時間がどんどん長くなってきて困った。ブラウザを立ち上げなおすと直るので、JavaScriptのバグかも知れない。
そんなこんなで2時間。今まで読んだGTD関係の資料では、たいてい最初の15分くらいで書くことがなくなるそうだが、おれの場合、なぜか2時間ノンストップで止まる気配がない。やばい、今夜は徹夜か? というか、RTMの限界に挑戦?
……と焦り(?)始めた矢先、RTMが落ちる。えーっ!?
タイミングが良すぎるものの、ここで「自分のせい?」とか考えたら負けである。復旧するまでの間、テキストエディタでリストアップを続ける。さすがに2時間を過ぎるとペースが落ちてくるので、トリガーリストの助けを借りる。と、さらに50項目くらいゾロゾロと出てきたりして。
そんなこんなで3時間。約250項目がリストアップされた。多いのか少ないのかよくわからない。自宅で出せるものは全部出せたと思う。
しかし記憶などあてになるわけがない。明日会社に行ってみないと思い出せない項目は確実にあるだろう。特定の1日に2、3時間確保したからと言って、全部が吐き出せるわけがないと思うので、これでいいんじゃないだろうか。「すべて頭の外に出せたというスッキリ感がいい」みたいな、経験者のプロパガンダを信じるあまり、かえってストレスを溜めたら意味がない。「思い出せたらすぐに追加すればいいや」くらいの軽い気持ちでゴー。
つづく。
■ GTDを始める(3) - 処理、整理
つづき。
その後Remember The Milk(RTM)も復活したので、リストをすべて電子化。これをフローチャートに合わせて処理する(フローチャートはBiz.IDの最初の図を参照)。
まずはRTM上に振り分け先のリストを作成する。日本語の名前は妙に長いので、適当な英語名にしてしまった。原書ではたぶん違う名前が付いているだろうけど、気にしない方向で。なおRTMでは名前順にソートされてしまうので、順番も意識して命名:
- 「次の物理的なアクション」⇒「Action」
- 「プロジェクト」⇒「Project」
- 「資料」⇒「Material」
- 「連絡待ち」⇒「Waiting」
- 「いつかやること/多分やること」⇒「Zzz」
なお、RTMには期日指定ができるので、今回はカレンダーツールは使わなかった。
また「Action」は状況別に分類しておけということだが、先に書いたように、タグをつけてそれを実現することにした。状況別と言っても通常は複合的な条件になるわけで、普通の一次元的な分類では融通が利かない。タグを使えば、たとえば「list:Action tag:job」で検索すると「仕事関係のアクションリスト」が抽出できるわけだ。RTMではよく使う検索条件もまたリスト化できるので、頻繁にアクセスする上記のような状況は保存しておいたほうがいいかも知れない。
あとはとにかく、フローに合わせて分類分類。RTM上の「受信箱」が空になるまでひたすら分類。帰宅したかみさんが温泉に行きたいというので、近所の日帰り温泉に出かけたが、待ち時間にもW-ZERO3で分類を続ける。RTMはモバイルモードでも一通りの機能が使えるので、こういう真似ができる。
やっているうちに「Material」はぜんぜん使わないことがわかった。おれは資料を頭の中に残しておくほど記憶力がよくないからだろう。このリストは消してしまおう。
それから「Action」と「Project」、「Project」と「Zzz」の境界があいまいで、ボーダーライン上の項目が分類に困る。このあたりは経験者の談話でもよくあがるので、気にせずにどちらかに強制分類してしまう。重要なのは「どこかに分類されていること」だからだ。それでも、「次のレビューで必ず読み返されるべきだ」と思うものは、より頻繁にレビューされるリストに入れるように気をつけた。それでも「バイクのオリジナルシートをオーダーする」が「Zzz」で、「バイクのウィンドスクリーンをリプレイスする」が「Project」なのは自分でもよくわからんが。
結果、2分以内に実行可能な「すぐやる」はたった4項目で(実際その場で完了にした)、その他は(重複などがあったので除いた結果)、以下のようになった:
- Action: 102
- Project: 87
- Waiting: 3
- Zzz: 45
バランスがいいのか悪いのかもわからんなぁ。Actionが多すぎるような気もする。Life Hacks PRESSには「このリストに100個以上の項目が並ぶことはまずない」そうだから、実際に多すぎるんだろう。たぶん実際はProjectに入っているべき項目がかなり混じっているに違いない。このあたりは週次レビューで徐々に改善されていくはず。
ちなみに週次レビューは、金曜の夜、会社を出る前に職場でやるつもり。これは職場にいないと判断できない項目があると思ったから。でも、そういう条件の付いたアクションアイテムが存在すること自体がいけないのかも知れないので、割り切って土曜の朝とかの方がいいかもね。
つづく。
2006-08-16(水) [長年日記]
■ GTDを始める(4) - 初日の運用
つづき。
さて、夏休みも明けて、GTD導入後初出社である。週末に設定した週次レビューまでは、定常運用というか、ひたすらアクションアイテムをやっつけることになる(のかなぁ。このあたりがよくわかんないね)。
ちなみに昨日は、出社してみなきゃ思い出せない項目は山ほどあるに違いないと書いたが、実際その通りで(「山ほど」ってほどではなかったが)、その通りなんだけど、それを「Action」に追加する暇なんてぜんぜんないんである。職場でもどこかで一人になれる時間をとらないとどうにもならない。
そういう些細な(?)問題は脇に置いておくとして(いいのかそんなことで)、出社してまず、「Action」をざっと眺めて今日やっつける仕事を「受信箱」に移動する。今日の日付の入っている項目は無条件に(10項目以上あるしorz)、日付が入っていないものもいちおう見直して、今日中に片をつけるべきかどうか判断、「受信箱」に移動する。
昨日書いたとおり、「Action」には100項目以上ある。これを毎日洗うのは大変だ。やっぱりここは少し減らすべきだろう。少なくとも毎日チェックできるだけの適切な数というのがあるはず。今日の感覚では、半分(50)なら続けられると思った。
なおRemember The Milk上では、検索で「list:受信箱 tag:job」を指定して、できたリストをスマートリスト化(右のタブから「保存」を選ぶ)すると、「今日のお仕事」に関する専用のリストができる。日中はプライベートな項目を目にすることなく仕事が進められるのでオススメ。しかし、モバイルでこのリストを開くと空だったりして(バグだな?)。とりあえず、1日分は軽くオーバーしている項目数が並んでしまったが、気にせず先に進むことにする。
あとは、今日の項目をばったばったとやっつけるだけ。早くアクションを取らなければいけないものからやっつける。もし相手があって、返答が欲しい場合には、その項目を「Waiting」に移動するが、〆切を設定したのなら日付を変更し、項目の内容も"返答待ち"を表現するものに変えておくといいと思う。
そんな感じで、最初のうちは快調に項目消化をしていたが、悲しいことに、項目は減るだけでなく、増える。例えばメールチェックをすれば当然新しい項目が増える(場合が多い)が、できるだけその場で分類までしてしまう:
- 2分以内で片が付くならやってしまう
- 今日中にやるべき作業なら「受信箱」に項目を追加
- 明日以降にやるべき作業なら「Action」に日付指定で追加
- 複雑だが来週以降の着手で良いなら「Project」に追加
なんとなく"重要度"よりも"時間"を基準に分類している……んだけど、これでいいのかどうかよくわからん。ともあれ、昼前には項目数が10前後で一進一退の攻防をしている状況。まぁ、休み明けというのはこんなものかも知れん。
午後は出張に出て、戻ってきたらいくつかの項目が雲散霧消していたりしてラッキー。明日に回してもいい仕事も見えてきたので、それらは無理せず日付を明日に変えて「Action」に戻す。最終的に「今日のお仕事リスト」は空になった。かなり無理やりっぽい感じもするが、良しとする!
で、帰る間際に「受信箱」をチェック。残っているのは「チーズを買って帰る」だけになった。Remember The Milkならぬ、Remember The Cheese。
つづく。
2006-08-17(木) [長年日記]
■ 4093876002
読み終わって最初に思ったのは「第三部は誰が書くのかな……」だったが、考えてみれば第三部が『果てしなき流れの果てに』なのはSF読みの常識だったね(ホントかよ)。
「第一部」をちゃんと最後まで読んだかどうか怪しいし、たとえ読んでいても記憶のほうが(例によって)さらに怪しいので自信はまったくないんだけど、第二部の構造は第一部をかなりきちんとなぞっている?
最初に少しずつ異変が起こり始め、最新の科学によってその事実が判明し、しかし政治的に隠されつつ事態が進行し……という筋書きが同じなだけでなく、第一部でもっとも印象的な「鎌倉の老人」のシーンまでもが、ある意味再現されている。小野寺と玲子のストーリーすらも、第一部と対称になっているようにも読める。
小松左京は、登場人物をわりと突き放して描く方だと思うんだけど、それがかえって(第一部での)"日本列島"や"日本人"という個人でないものに対する深い愛情を際立たせていた。谷甲州はその「小松風味」をうまく再現したと思うけど、微妙に登場人物(特に辺境や開発途上国で活動する人々)への思い入れが現れてしまうので、そのへんがちょっと希薄かも。少なくとも、第一部に感じたような無形のものに対する感情移入はなかった。このあたりの手腕は、第一世代SF作家の独壇場かもなぁ。戦争を体験しないと描けないものってあるのかも。
そうそう、実に谷甲州らしいポイントが→恋愛ネタがいっさいなし。
■ GTDを始める(5) - 2日目の運用
つづき。
Remember The Milkを使うブラウザはFirefoxがいい
いままでは愛用しているSleipnir上の一タブ内でRTMを使っていたんだけど、200を超える項目を入力したらかなり動作が緩慢になった。おまけに、肝心のキーボードショートカットが使えない場面がいくつかある。たとえば検索(Ctrl+Shift+/)とか、項目の削除(Delete)が動作しない。
そこで、ためしにFirefoxで動かしてみたらけっこう軽快に動くし、キーボードショートカットもきちんと動く。GTDでは頻繁にリストを見直すことになるので、タブブラウザの中で他のページと交じり合うよりは、単独のブラウザでアプリケーションのように見えている方がよさそうなので、FirefoxをRTM専用プラットフォームとして使うことにした。
いついかなる時でもメモれ
GTDを始めてみて、ある意味新しいプレッシャーを感じるようになった。「思いついたことを頭の中に残しておくのが気持ち悪い」というプレッシャーである。とにかくすぐにメモらないと、いつ忘れてしまうかわからないという不安を感じるのだ。そういう意味では、ぜんぜんストレスフリーではない(笑)と言えなくもないけど、悪いことではないと思うので気にしないことにする。
とにかく、いつでもメモれる環境が必須である。おれの場合はRTMに入力する手段にいつでもアクセスできることが重要になる。PCの前に座っていれば、常時起動しているFirefoxが使えるし、外にいるときはW-ZERO3のブラウザから入力できる。怖いのはWillcomが圏外の場合だが、RTMにはメールで登録できる機能もあるので、それを使う(「設定」の「情報」タブに書いてある「受信箱のメールアドレス」がそれ)。
テンプレートを使えばほぼフル機能が使えるが、携帯からこんなものを入力してらんないので、単純にSubjectに内容を書いて送るだけでもいい。あとでPC上で編集すればいいのだ。
特定のリストに直接放り込めないのがちょっと残念。このあたりはリストごとにアドレスがあるcheck*padの方が使いやすいかも。
がんばりすぎてしまうのが困りモノ
1日の始めに「Action」から「受信箱」に今日やる仕事を移動するんだけど、ここ最近、その数がかなり多い。というか明らかにオーバーフロー気味。すべてのタスクを消化できないことがある。
そんなとき、昨日のように残った項目は「明日送り」にしてしまうんだけど、これがなんというか残念というか悔しい。できることなら「明日送り」にはしたくない。
そんなわけで、「あと1つ片付けてから帰ろう」とか考えてしまって、ずるずると残業してしまったり。おかげで2日連続で、自宅で夕食が取れなかった。なんだかある意味、いいことないぞ、GTD!!
◆ Yukke [GTDネタには前からとりくんでましたが、RTMの使い方がすごい参考になります。 ここ数日のたださんのエントリを見てc..]
◆ ただただし [あ、+importの方でしたか! 実は以前、どこかでそういうことができると読んだことがあったんだけど、テンプレートの..]
◆ washi [> とにかく、いつでもメモれる環境が必須である。 そこで、HipsterPDAですよ…]
◆ ただただし [手書きのよさは否定しないけど、一時的でもRTMと二重管理になるのは我慢できないなぁ >HipsterPDA]
◆ Kaz [GTDには春先から取り組んで Gmailでやってましたが、捗らず。 参考にさせていただいて一気に RTMへ載せ替えま..]
◆ コージ [「思いついたことを頭の中に残しておくのが気持ち悪い」というプレッシャー>今更ながらすげぇ同感。俺は100円ノートメモ..]
2006-08-18(金) [長年日記]
■ 犬×人
mixiモバイルに出ていた広告を見て、「うわ、この組み合わせはヤバすぎ」と思った自分がよっぽどヤバいと思った。
■ GTDを始める(6) - 各リストの割合
つづき。
なんか、Remember The Milkからいくらかもらってもいいんじゃないかという気がしてきたよ。でもRTMも、例によってどこから収益を得てるかよくわからない、典型的なWeb2.0サービスなんだよね……いつなくなっても不思議じゃない。
それはさておき、週次レビューは明日(土曜)の朝にすることにした。仕事が終わってからするのはたぶん無理。
ところで、Biz.IDからリンクされたのだけど、その中で紹介されていた「GTD徹底研究会」で、ナマGTD体験で、田口師範のリストの割合が明らかになっていた。おれの今日現在のリストと比較するとこんな感じ?:
師範 | おれ | |
---|---|---|
Action | 5% | 42% |
Project | 25% | 38% |
Zzz | 70% | 19% |
この違いはナンデスカ?
……と不安になったが、どうもInboxの使い方が違うようだ。師範のInboxは分類前の一時的な項目置き場なのに対して、おれのInbox(受信箱)は「その日に片付ける/片付けたい項目置き場」になる。ということは、おれの「Action」は田口流に言えば「Project」に相当するのではないか。で、おれの「Project」に入っているものは「Zzz」に混ぜても問題ないと。
あと、おれはカレンダーを使っていないが、田口師範はつかっているハズ。上記の修正をした上で、日付の入っている項目は勘定に入れないで集計してみると:
師範 | おれ | |
---|---|---|
Action | 5% | 4% |
Project | 25% | 31% |
Zzz | 70% | 65% |
ほら、ほぼ一致した。そんなに間違ってなかったよ。
つづく。
2006-08-19(土) [長年日記]
■ GTDを始める(7) - 週次レビュー
つづき。
初めての週次レビューは、朝食をとったあとののんびりタイムに実施。おれの場合、思いついたことはすぐにメモってその場で分類しているので、収集フェーズはいらないだろう。各リスト間の項目移動や、ブレイクダウンを実施する。今日はわざとじっくりやったので1時間くらいかかったけど、慣れれは30分とかからないだろう。
「Project」から「Action」へ項目移動
来週実施する必要があると思った仕事を2つほど、1項目あたり2、3のアクションアイテムに分割して、「Project」から「Action」へ移動。目立つように優先度「3」をつけておき、月曜から優先して着手するようにした。
今週は「Zzz」から「Project」行きはなし。つーか、「Zzz」には夢みたいな話ばっかり入ってるんですが……。ネーミングに合いすぎている。
「Waiting」を廃止、「送信済み」へ
Remember The Milkにはあらかじめ「受信箱」と「送信済み」というリストが作られていて、削除することができない。これは同じRTMユーザ間でToDoを送りあうことを想定しているものだけど、今のところそういう利用法は考えていない。
そこで、「受信箱」を「今日やる仕事リスト」代わりに使っているように、「送信済み」を「Waiting」の代わりにすることにした。名前ともマッチしてるし。
追記: 「送信済み」はタスクの完了や編集操作がいっさいできないので、人によってはこの用途に使えないかもしれない。おれの場合は「受信箱」で編集してから移動するし、完了時も削除(削除はできる)してしまえばいいので困らないけど。
「Calendar」リストを設置
「Action」は相変わらず100近い項目が入っているんだけど、これだと一覧性が悪い。おまけに〆切の設定してある項目は上のほうに来るので、〆切はないけど重要な項目の検討が後回しになりそうだ。
そこで、新たに「Calendar」リスト作成し、日付の入っている項目はぜんぶここに集めることにした。スケジューラ(いまはMyKoyomi|を試用中)を使ってもいいんだけど、できるだけRTMに一元化したいので、これでいってみる。おかげで「Action」は50項目を切った。毎日見直せるほどよい数になったかな?
これで毎朝のチェックは最低限「Action」と「Calendar」、あとは「送信済み」の3つのリストになる。
つづく。
2006-08-22(火) [長年日記]
■ 松江行き?
8/29〜8/30に松江で一泊という仕事が入ったっぽい。誰か迎撃してくれるかしらん?
■ いまごろ「トップ2」にハマる
週末、ふらふらとShowTimeをみていたら、 トップをねらえ2!の第1話が無料で流れていたので、ちょっと躊躇しつつも見てしまい、そのまま勢いで5話まで視聴してしまった(200円×4)。おまけに最近AT-Xで流れた最終話の先行公開がちゃっかりYouTubeに(以下むにゃむにゃ。もちろんすでに消されている)。
2、3年前に製作が発表されたときは、なんだかおかしなデザインのキャラとメカで、とても前作と連続性のある話には思えなかったので、夢を壊されるのもいやだからずっと避けてきたんだが、なんだよ、面白いじゃないか。ネット上の評価は賛否真っ二つなようだが、おれは許せるなぁ。
たしかにストーリーには綻びが無数にあるし、演出も甘い。SF度もかなり下がった。が、前作からかけ離れた第1話(だがオマージュは多い)からスタートして、第4話でがっちりとつなげてみせ、最終話では「そこを描いて欲しかった」というまさにそのシーンをみせる。見事ではないか。
というわけで、安価なBOXが出たら買っちゃうかも知れん。さすがに1本30分の単品に6000円×6も出す気にはなれないけど。いまのところは(これまた前作に勝るとも劣らない)OPを引っこ抜いてiPod shuffleで無限リピート中。夏休みにSt.GIGAと格闘した経験がいきなり生きた。
2006-08-23(水) [長年日記]
■ イヤホンマイクが届く
W-ZERO3購入時に、カラースタイラスと同じ無料プレゼント品に設定されていたオリジナルイヤホンマイクが今ごろ届いた。もうすっかり忘れてたよ!
しかし、もらったはいいけど、使い道はないのであった。だってW-ZERO3では通話はしないし、音楽も聴かない。だいたい、一日普通に使ってるだけでバッテリが切れるのに、他の用途に使う余裕ないし。
◆ shun [しまったーーー。応募ハガキ出すの忘れてたーーー。Σ( ̄□ ̄;)]
2006-08-24(木) [長年日記]
■ 宇宙へのパスポート(3)(笹本 祐一)
読了。
4発のロケットを取材に行って、2発しか上がりませんでした……という話。ロケット取材の過酷さはよくわかったが、あまりに打率が悪すぎる。作者も(自ら文中に書いているように)慣れてきてしまったせいか、前2作のようなピュアな感動が伝わってこないから、なんだか「ロケット打ち上げ」から受ける印象からは、ずいぶん遠ざかった本になってしまっている。このスタイルはもうやめた方がいいんじゃないかなぁ。まぁ、「笹本+松浦の珍道中日記」としては面白いんだけどね……。
とはいえ、「はやぶさ」のパートだけでもそれを補って余りある価値があるわけだが。なにしろ、下手をすると「はやぶさ」をネタにした"松浦本"は2010年か2011年まで出ない可能性があるわけで(もちろん「下手をして」欲しいわけだが)、それまで内情に通じた人の手になる書物はこれしかない。ありがたいではないか。もちろん松浦さんがイトカワ到着着陸までで1冊書いて、「第一部完」とかやってくれてもいいんだが。つーかぜひそれで。
■ Gmailが登録制になったそうだが
日本の皆様にGmailを公開しましたそうだが、まだ招待もできる。しかも、99人まで。
2006-08-25(金) [長年日記]
■ Appleからの「spam」が止まらない
2、3ヶ月前から、「Apple eNews」というメールが届くようになった。Appleの宣伝DMである。そんなものに登録した覚えはないが、もしかするとiTunesのダウンロード時にチェックを外し忘れたのかも知れないと思い(いちおう最初は自分を疑う)、配信停止手続きに自分のメールアドレスを入れる。と、
入力されたメールアドレスはすでに配信停止を受け付けております。
と言われてしまう。もう何ヶ月も前にも同じことをやったのに、まだ止まらない。つまり、配信データベースにないアドレスにも無差別に送りつけているということである。ようするにspamやんけ!
最悪なのが、これを訴えるための連絡手段がないことだ。サイトにある連絡先にはこの手の一般的な問い合わせ先がない。ユーザからの苦情を受け付けない態度が、いかにもAppleらしいと言えなくもないけど。Amazonも問い合わせを避けるために問い合わせ先を隠したがるけど、汎用の問い合わせフォームがあるだけAmazonの方がまだマシじゃん。
そう言えば、例のSONY製バッテリのリコール案内も、トップページの一番下に、米粒みたいな字で極力目立たないように書いてあるあたりも、同じ発想かしらん。気に食わねぇ。
■ GTDを始める(8) - 忙しいさなかに週次レビュー
つづき。
明日は朝から晩までLL Ringだから週次レビューができそうにない。ので、仕事から帰ってきてからリストを見直す。前回の週次レビューで「Project」から「Action」にブレイクダウンした項目はちゃんと今週中にやっつけることができた。満足。
余裕のないときにムリすることはないと思ったので、今週は「Project」や「いつかやる」リストはざっと眺めるだけに。が、「Project」に入れてあった「Apple eNewsのことを日記に書く!」という項目をその場でcompleteさせてやり、これも満足(←そういうのは最初から「Action」に入れておけ)。
つづく。
◆ こ〜りん [「Appaleの宣伝DM」なら、appleに言っても無駄かと(笑)]
◆ ただただし [……くっそー、まだ残ってたか。 おれ、「Apple」って入力するのが苦手みたいなんだよなぁ]
◆ TrackBack [http://www.hsbt.org/diary/20060826.html#p01 HsbtDiary Inde..]
◆ おくじ [eNewsじゃないけど、「アカウントのパスワードをリセットできませんでした」みたいなのがよくAppleから来ますよ...]
◆ TrackBack [http://pmakino.jp/tdiary/20060826.html#p01 [ぴ] [ネット諸々] App..]
◆ TrackBack [http://sho.tdiary.net/20060906.html#p02 ただのにっき Appleからの「sp..]
2006-08-26(土) [長年日記]
■ LL Ring
今年もやってきました、男ばかりで朝から晩まで言語の話。最近は女性もだいぶ増えてきたけど。
Language Update
事前に知らされていたとは言え、本当に会場がプロレスのリングだったのでビビる。寝坊してしまい、定刻に着くのは諦めたが、shiroさんのハワイから生出演を見逃したのは痛かった。あと、まつもとさんのプレゼンはトラブルがなかった(最近好調?)。
近年のLLイベントを見ていると、まつもとさんがいつも言っている「言語の世界は変化が少ない」というのを実感する。どの言語も、この1年で変わったところなんてほとんどない。まぁ、言語仕様がそうほいほい変わられても困るんだけど。おのずと周辺の話題に終始するので、これを「Update」と呼ぶのは無理があるように思える。まぁ、いろいろ見られて面白いからいいんだけど。特にSqueakは毎年面白い。なんでもっとメジャーにならないのか不思議だ(金の匂いがしないから?)。
LLで関数プログラミング
相変わらず半分も理解できないので、毎年このあたりでSchemeかHaskellをモノにしようと考えるが、いまだ実現せず。「ふつける」でも買って帰るか?
じゃんけん2.0
どう考えても地味な戦いになるのはわかりきっていたのだから、見せ方を工夫しないと……。「時間がない」ばかりが強調されていて、なんだかなぁ、という感じ。ただ、特定の言語に肩いれしないためにJavaのコードをあんなに書いたなひさんはすげぇ。
ところで、圧勝に近かったJavaScriptの強さの秘密は明かされたっけ?噛ませ犬対策を真面目にやったから?
きみならどう書く
フレームワーク対決。チーム開発でTDDまできちんとやったRailsは、身内の贔屓目を差し引いても、実用性の点で一歩抜きん出ていた感じ。もっとも、他のフレームワークの出来もなかなかで、Railsのアドバンテージも長くないんじゃないかという気がする。
しかし、どの作品も驚くほどコードが短かくて呆れる。たぶん、自分がフレームワークに興味が持てない理由も、そこにあるような気がするな。
LL Gong
いわゆるLightning Talks。プレゼンは場数だなぁ、とつくづく思う。毎年やってるような人の手慣れっぷりに対して、初出場組は言いたいことすら満足に伝わってこないことが多かった。最低でも、プロジェクタへの出力くらいスムーズにできるようになって欲しいものだ。
あとRubyネタがひとつもなかった。Railsにパワーを取られてしまい、実は新しいアイデアが出にくくなっているんじゃないだろうか。世の中、Webアプリケーションばかりじゃないんだし。
終了後の抽選会では、正規表現本が当る。ここで「ふつける」が当らないあたり、引きが弱い。まぁ、PHP本を引いてしまった某Rubyistよりはずいぶん実用性が高いけど。
その他のレポートはTrackBack集積所を参照。
◆ ただただし [No, No! PQBoxらしい誤変換だなぁ。解説すると、PQBoxは読みの清濁を区別しないので、「りかい」と入力し..]
◆ なひ [最近LLがのさばってきてて、Javaくらい持ってこないと糊付けできないんですよ。]
◆ ただただし [「ちょっとヒネってC#でどうよ」とか思いながら見てました:-)]
◆ redrisefirm [む、たださんを当日発見できなかったw 写真から見て意外と近くにはいたと思うけど。。。]
◆ knok [時間があればRuby/SDLで作ったアニメーションを 延々と5分流す、というのをやりたかったです>Gong]
◆ ただただし [その暁には、忘れずにスクリーンセーバを切りましょう(笑) >knok]
2006-08-28(月) [長年日記]
■ USB充電生活
ふとモバイル機器はUSBで充電したいという記事を見つけたが、おれも最近はノートPC以外はUSBで統一している。AC側は記事と同じモバイルクルーザー。車にもシガーライターソケットに充電もできるFMトランスミッターが差してあるし、まさにユニバーサルな感じだ。
機器側は、まず、デジカメとW-ZERO3が同じコネクタで5Vだというのを最近発見したので、W-ZERO3用の巻き取り式ケーブルを活用。デジカメのACアダプタがあまりに巨大で閉口していたので、これに気づいたときは小躍りしたよ。ケーブルは、USB端子と二股になったヤツはなんかすぐに断線しそうなので避け、充電専用品にした。そもそもW-ZERO3とPCをUSBでつなぐことがほとんどないし。よく考えてみると、W-ZERO3って、5V入力を受け付ける端子が2つ並んでるんだな。間抜けだ。
携帯ももちろん、USB変換ケーブルを用意。あとはiPod shuffleがダイレクトにUSBに刺さるので、普段持ち歩いている機器はぜんぶUSBから充電できるようになっている。ACや車がないときは、ノートPCを外部バッテリとして使うこともある(先週末のLL RingではそうやってW-ZERO3を充電しながら使っていた)。あとはバイクのソケットを使う方法を見つければカンペキなんだが、そこまではまだ。
2006-08-29(火) [長年日記]
■ 松江にて
仕事で松江に来たので、NaClの人たちに迎撃してもらうべく、駅前のオープンソースラボに行く。駅前に向いた全面ガラス張りの壁面には「松江オープンソースラボ」の下に「Ruby City MATSUE」。たしかにこれは、ちと恥ずかしいかもしんない。
中に入ると、まつもとさんと前田さんがPCに向かって難しい顔。なんと、ruby-lang.orgの入っているマシンがKernel Panicで死んだらしい。お、おれのせいか!?(違うだろう) かなりピリピリした雰囲気なので、別室のかずひこに会いに行ったら、一緒にNaClの井上社長も待ってらして(ひえぇ)、あいさつ。
その後、とりあえずMLが復旧したので、そのまま放置して食事に(みんなすまん)。かずひこ家は一家で参加。22時過ぎまで飲み食い。楽しゅうございました。
2006-08-30(水) [長年日記]
■ 民家パラボラ
松江駅から米子空港行きバスの乗客は、おれひとりだった。ちなみに乗務員は運転手含め2人。大丈夫か、この路線。飛行機もこの調子で独り占めだと自家用ジェットみたいでいいんだが。
いや、そんなことはどうでもいいのだ。空港への道すがら、庭に巨大なパラボラを構えた民家(?)を発見。走るバスから携帯カメラで流し撮りという情況だったので比較対象のない写真になってしまったが、φ4〜5m程度? 庭にパラボラというか、庭「が」パラボラという感じ。「せちやん」かよ。つーか、自宅に置くサイズじゃないよなぁ。民家じゃないのかも。
でもまぁ、ちょっと夢を見てしまったよ。自宅に置くなら最低でもこのサイズだよな(さっきと言ってることが違う)。
追記: ツッコミを参考に調べてみたら、4〜5mどころじゃない、どうやら9mあるらしい。ありえねぇ……。
2006-08-31(木) [長年日記]
■ バトンにかこつけてW-ZERO3をDISってみる
バトンはやらない主義だが、PDA、使ってますか?という記事があったのでTrackBackしてみる。つーかそれは、バトンではなくアンケートと呼ぶのが普通です。
と思ったら、「character code is not utf8 or ascii (euc)」とか言ってTrackBackを受け付けてくれないし。eucってわかってるなら変換すりゃいいじゃん……。とりあえず、無理やりUTF-8化して送ってみたが。
PDAを現在使っていますか? 使っている方は機種も教えてください
W-ZERO3(WS004SH)を利用中。
過去に使ってましたか? 現在使ってない/使っている理由はなんですか?
pilot1000→PalmPilot→Visor Platinum→Palm Tungsten|E……と、ずっとPalmOS機を愛用。PalmPilot用の着せ替え筐体を製作するほど溺愛していたが、国内サポートがなくなり、通信端末への進化が完全に止まってしまったため、継続利用を断念。
上手な使い方を教えてください
難しいことを聞くなぁ。「肌身離さずに持ち歩くこと」に尽きるんじゃないの?
歴代PDAで最高のマシンはどのマシンでしょうか?
Visor Platinum。割り切った機能、速くて軽快、安いから雑に扱っても気にならず、乾電池駆動で世界中どこへ行っても安心、Spring Boardで拡張性もあった。当時求めうるPDAとしては最高のバランスだったと思う。
今後どんなPDAがほしいですか? あなたの夢のPDAを教えてください
PIMをPCでもPDAでも(さらに携帯でも)参照・更新したいので、PDAローカルにデータを保存したくない。USB(や古くはRS-232C)でPCと同期するなんてスタイルは、通信環境が貧弱な時代の遺物にすぎない。今なら、世界中どこに行っても使える無線通信環境の上で、高速にWebアクセスができれば、それが現代のPDAのあるべき姿だと思う。
ハード的には、シャツの胸ポケットに入るくらいに小型・軽量で、電源の入手が容易いこと(できれば乾電池、今ならUSBから充電できるのが最低条件か)。フルキーボードが付いているに越したことはないが、長年の訓練の成果があるのでGraffitiでも困らない。テンキーだけなのは困る。
という観点からW-ZERO3を見ると、まだまだ理想には程遠い。W-ZERO3を買った目論見としては、まず通信機能に期待していて、(どうせWindowsCE由来のPIMなんて使えないとわかっていたので)PIMをWeb上のサービスで代替してしまおうという考えだったが、道半ばである。
まずスケジューラ(カレンダー)。購入前にPCで使っていたGoogle Calendarはモバイル版がないので早々に脱落。現在はMyKoyomiを使っているが、打合せの場でスケジュール調整をするには、通信速度が遅すぎて、実質的に使えない。通信速度が上がっても、Webのインタフェースは一覧性が低すぎる。代替手段が見つかるまでは、仕方なく内蔵の「予定表」を使っているが、PalmOSに慣れた身としては悲しくなるほど完成度が低い。というか、Windows Mobileの開発者は、これを使ったことがないんじゃないかと疑っているのだが。キーボードを出すだけでフォーカスが失われるなんて、どうかしてる。Google Calendarと予定表をネットワーク越しに同期するツールを書くという最終手段に出るしかないか。
続いてTodoリスト(タスク管理)。これはRemember The Milkのモバイル版をPocketIEで使えばOK。スケジューラと違って人とすり合わせをする場面がないので、通信速度の遅さはネックにならない。RTMはモバイル版でも機能があまり落ちないので、やりたいことはたいていできるのもいい。項目追加だけならメールでもいいし。
それからアドレス帳は、(通話専用の)携帯上で管理することにしているので、PDAでは使わない。メールアドレスも後述するGmail上にあるし。
ここまでがいわば「PIMの三種の神器」だが、現在ではこれにメールを加える必要がある。メールはGmailから転送して、内蔵のOutlookで読んでいる。Outlookの完成度も泣きたくなるほどひどいけど、読むだけならあまり問題はない。メールを出すことは少ないが、OutlookからGmailを経由して出す方法があるそうなので、近々それにするつもり(今はGmailのモバイル版を使っている)。
あとはその他のWebアクセスだが、mixiもLDRもモバイル版があるのでそれらをPocketIEから利用。「簡単ログイン」ができないのがちと不便だが、携帯に比べて画面が大きく、一画面で読める情報量が多いのがいい。携帯と違ってリンクになってないURLもコピペできるし。
Webブラウザといえば、W-ZERO3ユーザにはOperaをもてはやす声が多いけど、とてもじゃないが同意できない。たしかにフルブラウザとしての機能はすばらしいけど、Ajax系のサイトはかなりの割合でOperaをサポートしていないし、だいいち遅くて重くて、とても日常的に使えるブラウザじゃない。起動するまでに何十秒も待つなんて、PDAとしてあり得ない。おれはPocketIEくらいのバランスがいいと思う(まぁ、IEにもダメなところは数多いが)。
というわけで、W-ZERO3……というかWindows Mobileにはかなり幻滅しているのだが(最初から期待していなかったからかろうじて耐えていられる)、PDAに冷たい日本では他に選択肢がないのである。消去法でPDAを選ばざるを得ないような状況で、PDA市場に復調の兆しなんて言われても、にわかには信じがたいんだけど。Palmがauあたりと組んで日本市場に再度殴りこんでくれたら信じてもいい(し、たぶんW-ZERO3から乗り換えるだろう)。
◆ efm [それで、どういう小説なんですか]
◆ ただただし [いや、まぁ……よくわからないんだけど(笑)]