2006-08-15(火) [長年日記]
■ GTDを始める(1)
春頃から「やろう、やろう」と考えていたのになかなか着手できなかったGTDを、夏休みを利用して導入することにし……ていたのに、その夏休みももう最終日である。すべての元凶はSt.GIGAという気がする。
夏休みにやりたかったことは「tDiaryの(溜まりに溜まった)パッチやバグをやっつける」と「GTDを始める」(その他モロモロ)だったんだけど、残り1日で両方できるはずもない。ここは「GTDでタスクを管理し始めればtDiaryの開発もばっちり進むさ!」と思い込むことにして、GTD導入を優先する。すまぬ。
で、『Life Hackes PRESS』は読んでいたから、あと1冊なにか読んでから……と思っていたら、ちょうどかみさんが『 ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則(デビッド アレン)』を持っていたので借りて読んだ。ちなみに、かみさんに「GTDやってるの?」と聞いたら「check*padは使ってるよ!」と返ってきた。いやそれ、GTDじゃないし。
で、1時間足らずでパラパラと読んでみて、正直なところ別に読む必要ないんじゃね? と思った。52の「法則」に分かれているエッセイ集の体裁だが、どれも同じことの繰り返しだ。GTDは基本的に経験則から導き出されたHow Toにすぎなくて、本質的には以下の2点に尽きる。
- 頭の中の「やること」を全部外に出してリストアップ
- リストを定期的にレビューする
これだけのネタを引っ張りまくって本を1冊書こうと思えば、薄くなって当然だよなぁ。というわけで、最後の10ページ(第5章)と田口さんの前振り・あとがきだけ読めば良い本である。……だとしたら『Life Hackes PRESS』だけで十分ということだ。あとはBiz.IDをチェックしてればノウハウ的なフォローができるだろう。
もちろん、後付の哲学的な部分にも見るべきところはあるけれど(それも太字のところだけ拾い読みすれば十分)、読まなくてもGTDはできるんじゃないの。まして、翻訳の質ばかりが評判の聖典は(ry
つづく。
■ GTDを始める(2) - 収集
つづき。
まずは収集フェーズ。とにかく2、3時間、じっくり集中して、いま抱えている仕事やら、いつかやりたいと思っていることなど、頭の中にあるToDoを全部外に出す。
リストアップするだけなので紙に書くのが一番だろうが、どうせあとで電子化するので、最初からツールを使うことにした。今回用意したのはRemember The Milk(以下RTM)。あれ、check*padじゃなかったの? と言われそうだが、check*padはモバイル版がW-ZERO3から使えないので(モバイル専用のURLを用意するならUA差別をしないでもらいたいものだ)、しばらく前から端末を選ばないRTMに移行していたのだ。こっちの方が機能が多いしね(なんだかんだ言って高機能好き)。
そんなわけで、RTMの「受信箱」をホームポジションにして、思いつく項目をひたすら入力していく。RTMはキーボードショートカットが充実していて、新規項目の追加は「t」でできるので、キーボードから手を離す必要はない。あとあと楽になることはわかっているので、締め切りが明確な項目には期日も入力しておいた(「d」キー)。あとRTMはタグが付けられるので(おれ的に最重要機能)、仕事の項目には「job」のようなタグを入れておき、TPOに合わせたアクションアイテムを絞り込めるように仕込んでおく(タグの入力は「s」キーで)。
で、日ごろからこの手のリストはあちこちに書き散らかしている方なので、それらを集める作業をするだけでもけっこうな量になる。まずはGmailで★をつけてある「返事を書かなきゃいけないメール」を全部リストアップ。40もあったよ(ぉぃぉぃ)。
続いてカレンダーから締め切りのある作業をリストアップ。仕事関係はすでにRTMに入れてあるので、プライベートなものがメイン。それからあたりを見回して、家の中でやっておきたいことや、PC関係、バイク関係でやりたいことをどんどん追加していく。あっという間に100項目になったが、まだまだありそうな感じ。
RTMはこういう使い方をあまり想定していないのか、項目の追加にかかる処理時間がどんどん長くなってきて困った。ブラウザを立ち上げなおすと直るので、JavaScriptのバグかも知れない。
そんなこんなで2時間。今まで読んだGTD関係の資料では、たいてい最初の15分くらいで書くことがなくなるそうだが、おれの場合、なぜか2時間ノンストップで止まる気配がない。やばい、今夜は徹夜か? というか、RTMの限界に挑戦?
……と焦り(?)始めた矢先、RTMが落ちる。えーっ!?
タイミングが良すぎるものの、ここで「自分のせい?」とか考えたら負けである。復旧するまでの間、テキストエディタでリストアップを続ける。さすがに2時間を過ぎるとペースが落ちてくるので、トリガーリストの助けを借りる。と、さらに50項目くらいゾロゾロと出てきたりして。
そんなこんなで3時間。約250項目がリストアップされた。多いのか少ないのかよくわからない。自宅で出せるものは全部出せたと思う。
しかし記憶などあてになるわけがない。明日会社に行ってみないと思い出せない項目は確実にあるだろう。特定の1日に2、3時間確保したからと言って、全部が吐き出せるわけがないと思うので、これでいいんじゃないだろうか。「すべて頭の外に出せたというスッキリ感がいい」みたいな、経験者のプロパガンダを信じるあまり、かえってストレスを溜めたら意味がない。「思い出せたらすぐに追加すればいいや」くらいの軽い気持ちでゴー。
つづく。
■ GTDを始める(3) - 処理、整理
つづき。
その後Remember The Milk(RTM)も復活したので、リストをすべて電子化。これをフローチャートに合わせて処理する(フローチャートはBiz.IDの最初の図を参照)。
まずはRTM上に振り分け先のリストを作成する。日本語の名前は妙に長いので、適当な英語名にしてしまった。原書ではたぶん違う名前が付いているだろうけど、気にしない方向で。なおRTMでは名前順にソートされてしまうので、順番も意識して命名:
- 「次の物理的なアクション」⇒「Action」
- 「プロジェクト」⇒「Project」
- 「資料」⇒「Material」
- 「連絡待ち」⇒「Waiting」
- 「いつかやること/多分やること」⇒「Zzz」
なお、RTMには期日指定ができるので、今回はカレンダーツールは使わなかった。
また「Action」は状況別に分類しておけということだが、先に書いたように、タグをつけてそれを実現することにした。状況別と言っても通常は複合的な条件になるわけで、普通の一次元的な分類では融通が利かない。タグを使えば、たとえば「list:Action tag:job」で検索すると「仕事関係のアクションリスト」が抽出できるわけだ。RTMではよく使う検索条件もまたリスト化できるので、頻繁にアクセスする上記のような状況は保存しておいたほうがいいかも知れない。
あとはとにかく、フローに合わせて分類分類。RTM上の「受信箱」が空になるまでひたすら分類。帰宅したかみさんが温泉に行きたいというので、近所の日帰り温泉に出かけたが、待ち時間にもW-ZERO3で分類を続ける。RTMはモバイルモードでも一通りの機能が使えるので、こういう真似ができる。
やっているうちに「Material」はぜんぜん使わないことがわかった。おれは資料を頭の中に残しておくほど記憶力がよくないからだろう。このリストは消してしまおう。
それから「Action」と「Project」、「Project」と「Zzz」の境界があいまいで、ボーダーライン上の項目が分類に困る。このあたりは経験者の談話でもよくあがるので、気にせずにどちらかに強制分類してしまう。重要なのは「どこかに分類されていること」だからだ。それでも、「次のレビューで必ず読み返されるべきだ」と思うものは、より頻繁にレビューされるリストに入れるように気をつけた。それでも「バイクのオリジナルシートをオーダーする」が「Zzz」で、「バイクのウィンドスクリーンをリプレイスする」が「Project」なのは自分でもよくわからんが。
結果、2分以内に実行可能な「すぐやる」はたった4項目で(実際その場で完了にした)、その他は(重複などがあったので除いた結果)、以下のようになった:
- Action: 102
- Project: 87
- Waiting: 3
- Zzz: 45
バランスがいいのか悪いのかもわからんなぁ。Actionが多すぎるような気もする。Life Hacks PRESSには「このリストに100個以上の項目が並ぶことはまずない」そうだから、実際に多すぎるんだろう。たぶん実際はProjectに入っているべき項目がかなり混じっているに違いない。このあたりは週次レビューで徐々に改善されていくはず。
ちなみに週次レビューは、金曜の夜、会社を出る前に職場でやるつもり。これは職場にいないと判断できない項目があると思ったから。でも、そういう条件の付いたアクションアイテムが存在すること自体がいけないのかも知れないので、割り切って土曜の朝とかの方がいいかもね。
つづく。
つづき期待
ワタシもRTMを使って「タスク・リスト」が大量にできてしまい四苦八苦してましたが、ナルホド、上手にtagを使えばいいんですね。参考にさせていただきます。
http://gadget.cre8system.jp/gtd/gtdgtd_r.html
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