2006-08-01(火) [長年日記]
■ シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)(チャールズ ストロス)
面白いんだか、そうじゃないんだか、よくわからん。
ガジェットは面白かった。スピンの保存(だっけ?)を使った超光速通信を大真面目にやったり。ナノテクが「なんでもできる魔法」のように使われるのはありがちながら、ちゃんとさまざまな保存則が制約になっていたり。
ストーリーもわかりやすくて、こういう(どういう?)小説にしては、不親切なところがない。コミカルで楽しめる。エンディングもなんだかほのぼのしていて、いい感じ。
一番不満なのは、せっかく<特異点>をネタにしているのに、そういう感じがしないところだろうか。超知性であるはずのエシャトンは、何を考えているのかおぼろげながら理解できる存在だし(理解できないほど発達するからこその<特異点>だろうに)、一方、エシャトンよりはよほど人類に近いはずのファスティヴァルの方がよっぽど得体が知れない……というか、ほとんど描写がない。逆だよなぁ、と思う。
それで、どういう小説なんですか
いや、まぁ……よくわからないんだけど(笑)