2000-06-01(木) [長年日記]
■ Eterm
Etermで小さいフォントが出なくて(1〜4までサイズがあって2が標準、でも1を選んでも小さくならない)、ちょっと不満だった。うちは1024x768の液晶ディスプレイなので、フォントを小さくしないと画面が狭いのね。で、こないだいじった~/.Eterm/themes/Eterm/MAIN
を見てみると、気になる部分が。問題のサイズ1のフォントの指定が、こうなってる。
font 1 "fixed"
■ 他のサイズ指定と明らかに違う。ここを他に合わせて、そしてサイズを12ポイントに明示してみる。こんな感じ。
font 1 -*-fixed-medium-r-normal--12-*-*-*-*-*-iso8859-*
■ これでEtermを再起動してみると、おお、小さくなった。すばらし。このサイズだと、横に2つのEtermを並べても重なり合わないので良い良い。
■ フォント
でもねー、これはLinuxに限らずWindowsもなんだけど、いい出来の日本語フォントって、ないよねぇ。ターミナルにびっちり詰まった日本語の文書を表示すると、行間が詰まりすぎてとても読めたものじゃない。英語は小文字が上に空間のあるフォントだから行間が詰まっていても読めるけど、四角い枠にぴったり入るようにデザインされた日本語フォントは、適切な行間を与えないととても読めたものではない。試しに手元にある雑誌や本を手に取ってみればわかるけど、日本語は大きく行間をとって表示するものなんだよ。
Windowsには、標準のMS明朝/ゴシックにパッチをあてて適切な行間を持つフォントを生成するフリーソフトがあったりして、会社ではこれを使っているんだけど、こういうフォント、Linux環境にも欲しいねぇ……つーか、Windowsのフォントを持ってくればいいのか。同じTrueTypeだし、動くんじゃないかな? ライセンスは1本余ってるしな。ちとフォントを勉強して、いずれ挑戦してみますか。
■ バカンス
さて、あさってからちょいとバカンスざんす。うちの会社、10年勤めると1週間ほど休みをくれるので、夫婦でバリまでリフレッシュに行くことにしたのだ。PC抜きだぜ。へへへ(笑)。
2000-06-03(土) バリ旅行(1) [長年日記]
■ しばらくBali日記になります。
■ 04:00
眠いったら。11:00に飛ぶ飛行機に乗るためにこんなに早起きしなきゃならないなんて異常だ。もっとも、かみさんがいるからこんなに早く起きなきゃいけないんだけどさ。おれだけなら、あと30分は寝てられる。
■ 11:30
成田のイミグレーションはものすごい混雑で、まるでゴールデンウィークのようだ(って、GWに海外旅行行ったことないけどさ)。搭乗待ち合い所はそれほど込んでなかったから、空いてるのかなーと期待したけど、イミグレーションをぎりぎりに抜けてきた乗客が続々とやって来て残念ながらほぼ満席。ジャンボに乗るのは2年ぶりか。JALのスッチーのレベルの低さ(と言っては失礼か。好みからの外れ具合、だ[笑])は相変わらず。頼むからバリにも飛んでくれぃ >ANA
それにしても、10:55発なのに滑走路で飛行機が大渋滞で、飛びたてたのはやっとこの時間。やっぱ成田はどうにかすべき時期なんですかねぇ。
■ 12:30
食事の前にPalmで日記をつけてみる。POBox inlineにpb-tkの組み合わせを持って来たけど、これが大失敗。dic-tk特有の送り仮名がPOBox側でまったく利用されないので、ぜんぜん動詞が出ない。これでは少なくとも日記用途には使いものにならんわ。しかたがないので、使い慣れたmanae+dic-tkを使うことに。この組み合わせ、少なくとも単語が出なくてストレスが溜まることはない。
■ 18:30(JST)
中継地ジャカルタ到着。時差は2時間あるけど、バリに着くまで日本時間でいこう。滑走路は地方空港みたいだけど、建物がなかなか美しい。赤い瓦屋根に床は煉瓦。成田ももっと怪しいアジアンテイストを醸し出せばいいのに。なんたって、神の国なんだしさ(笑)。
■ 20:30(Bali Time)
機内で夕食がわりの軽食が出て、やっとDenpasarに到着。もちろん外はまっ暗で、いったいどんな土地に来たのかさっぱりわからない。空港はジャカルタみたいにエキゾチックじゃなくてちょっと残念。でも、そこかしこにさりげなく神様の像が隠れてるけどね。こま犬ウォッチャーとしては、本能を刺激され続けられる土地である。
またもやイミグレーションに長い行列を作ったあと、空港の外でちょっと小太りでやや関西訛りの日本語を話すI'llの現地人ガイドに会う。かなり年期のいったハイエース(?)に乗せられて、こんどはUbudまで1時間の旅。左側通行なので怖くない(笑)。街の中はタンデムしたカブのアベックが多い。ほとんどがタイカブかその派生機種。
■ 21:30
その後、何度か道を曲がるとどんどん田舎道になり、まるで丹沢の山奥の様相。いきなり箱根に行くようなもんか。Ubudに入るとポツポツ雨が降り始める。おお、こんなところでまで雨男の面目躍如か(あとで聞いたら、夜に降ることは珍しくないらしいが)。道ゆくバイクは、ホンダ製よりヤマハ、スズキが増えてくる。山の中なので、パワーのある2stが重宝されてるってことかも。そして雨足はどんどん強くなり、バケツをひっくり返したような土砂降りの中、ホテルPita Mahaに到着。ホテルといっても、30軒ばかりの独立したヴィラなんだけど。通されたのは、30畳ほどの広さを持つ一軒家。外見は暗くてよくわからんが、いかにも風通しのよさそうな作りだ。なんたって、露天風呂だもんな(笑)。ホテルからのプレゼントだという包みにはサロンが1枚。日本の浴衣みたいなもんか。腰に巻いて、濡れたTシャツのかわりにシンガポール土産のアジアなシャツを着たら、かみさんに受けまくっている。似合いすぎらしい。たしかにもう少し色が黒ければ、現地人と見分けがつかぬ。
■ 23:30
お湯の出が悪くて(というか、風呂がでかすぎ?)なかなか湯船がいっぱいにならないので、てきとうにシャワーを浴びて寝る。雨のおかげで涼しくていい。すごく静かだし。突然部屋の隅でヤモリが鳴いたりするけど。
2000-06-04(日) バリ旅行(2) [長年日記]
■ 07:00
明け方からまた雨。乾季のはずなんだがなぁ。今朝は10:00からマッサージの予約を入れてあるので、わりと早く起きなければいけないのだ。しばらくうだうだしたあと、雨も上がったのでホテルのレストランで朝食。ヴィラなので、出歩く時は必ず外を歩かなきゃならない。
それにしても涼しい。雨のおかげだと思うけど、日本の5月くらいか。部屋の中では夕べもらったサロンをつけてるけど、これもまた涼しい。日本の夏もこれにすればいいのに……って、これって浴衣の下半身か。熱帯では正しいスタイルってことよねぇ。日本で真夏にネクタイしめて上着きてるヤツは、自分がどれだけアホな格好してるかよく考えた方がよろしい。こっちには、暑い時にはちゃんと涼しい格好をする文化があるぞぃ。
レストランはホテルの一番高い場所にあって、眺めが良い。といっても、Ubudの森林が見えるだけだが。近づいて見ると植生がぜんぜん違うけど、遠目には日本の田舎とそう変らない。濃い緑は心が落ち着くねぇ。
ヴィラに戻ると、掃除中だった。6人くらいいるだろうか。いったいこのホテル、いったい何人従業員がいるのやら。
■ 10:00
時間になってもマッサージの人が来ないので、フロントに電話してみると、予約は17:00になってるという。夕べは混んでるから10:00になったとか言ってなかったか? まぁいい、17:00ならこっちの要望通りだし。というわけで、それまでは何もすることなく、ただのんびりする……という、この旅本来の目的を果せることに。といってもかみさんは横になったとたんに寝てしまったので、こっちはヴィラの周辺をうろうろしながら写真を撮ったり、日記を書いたり。うーん、PCもTVもないって、いいもんだなー。
■ 12:00
散歩に行きがてら昼食にしようってことで、ふらふらと外に出る。といってもホテルの敷地内だけど。熱帯の動物や植物にちょっかいを出しながら一番下のプールまで行く。すごい深いプール。その先は断崖。ワイルドじゃのぅ。
朝食をとったレストランで昼食。朝にはなかった飾りつけがあり、ディナーの時にLegongをするそうな。ホテルのダンスはインチキ度が高いらしいけど、せっかくなのでリザーブしておく。どうせ夕食もここなんだし。明日のツアーでケチャかバロンかLegongを選べと言われていて悩んでいたんだけど、今夜Legongを見ておけばあとは二者択一だ(笑)。昼食はナシ・ゴレンやらなんやら。うまいけど辛い〜っ。それより、デザートに頼んだBalinezeクレープが面白かった。どうも生地が米っぽい。中身も謎。
■ 17:00
部屋に戻って昼寝をしたり、本を読んだり。優雅であるな。リゾートはこうでなくては。そうこうするうち、ふたりの女性がやってきて、Balinezeマッサージん始まり。オイルを使ったマッサージなんだけど、複雑な指の動きと、カイロプラティック風の関節鳴らしが特徴か。気持ちよかったけど、慢性の肩凝りにはさほど効き目はなかったか。ま、そりゃそうだがね。
■ 19:00
Legongなディナー。レストランの一角にGamelanの演奏隊が陣どって、すでに演奏を始めている。Ubud Specialというセットを注文したら、すぐにダンスが始まった。ちなみに紹介の挨拶は英語と日本語で行なわれた。客の半数近くが日本人のため(笑)。ダンスは何種類も行なわれて、どれも楽しい。音つきの写真を撮ってみたけど、どうかな。足の指をあまり地面につけないのが面白かった。あと、手の指の動きね。Gamelanの演奏も、観て楽しい。鉄琴のテクはすごいぜ。2時間はあっという間に過ぎて、目も腹もいっぱいである。ホテルのダンスは観光客向けに薄味にされてるって
いうけど、入門にはいいんでないの。解説もあるしさ。
■ 23:30
就寝。
2000-06-05(月) バリ旅行(3) [長年日記]
■ 08:00
7:00に起きるはずだったのに、寝坊してこんな時間。にもかかわらず、かみさんがのんびりストレッチなんてしてるもんだから、朝食を食べ終ったのがガイドとの待ち合わせ予定の9:30。どうして女って生き物は先を読むってことができないのかね。Bali Heatのガイドは若干25歳のアリンバワ君。決っして日本語は上手ではないが、これだけ話せれば立派なもんだ。こっちは20年近く英語を勉強してるけど、もっと下手だもんな。
■ 10:00
ガイドとは別に運転手までついて、丸1日のツアーが2人で1万円。安いねぇ。最初はUbudから20分くらいのところにあるGoa Gajaという遺跡。入り口でサロンを借りて入る。洞窟の中に神様が祭ってあるという、8世紀ごろの遺跡である。けっこう歴史があります、Bali島。ま、Java島には原人がいたくらいだしな。
何かの入口になってるところにはかならず両側に魔除けの像が立っているんだけど、残念ながらこま犬との共通点はなし。つーか、インドをルーツにしてそれぞれ独自の進化を遂げたいとこって感じかな。いとこってとこだろうか。
■ 12:00
続いてはBali信仰の総本山、Pura Besakih。田舎道というか山道をかなり走る。日本では林道へのアプローチルート級の狭い道。路面も悪い。ガイド持参のサルンを腰に巻いて(ここで借りると有料なので)寺院の中へ。といっても観光客は中に入れてもらえないので、周囲を回るだけ。ガイドブックには長い参道を登らなきゃならないと書いてあるけど、別にたいたことないぞ? 神社の参道で慣れちゃってるからか?(笑)。11世紀ごろから次々と寺が集まり、大きな寺院になったとのこと。並み居る石像の数々は妖しさ爆発である。一番てっぺんには眺めのいい場所があって、妙な風車がカタカタと音をたてている……と言いたいところだが、あいにく今日は風がない。アリンバワ君がミネラルウォーターを買ってくれる。寺院の出口の売店ではBaliフルーツを買ってくれるし、なかなか気が利くぞ、アリンバワ。
ところでデジカメがいかれた。つーか、メモリが飛んだくさい。何の前触れもなく「reformat?」とか聞いてくんなーっ >SANYO DSC-X110 自宅で復旧できる可能性に賭けて、予備の8MBメモリに入れ替え。昨日撮った音入りLegongがパァだ。しくしく。この32MBスマートメディア、Rioに入れてる時も、しばしば読み込みできなくなったりするしなぁ。16MBあたりのを買い足すか。
■ 13:30
Kinamaniで湖と山を見ながらランチ。物売りであふれるビューポイントを微妙に外したレストランの客は白人率高し。でもバイキング形式ながら、なかなか旨い。眺めも雄大でいいですな。Bali観光の基本は「物売りからいかに逃げるか」と「日本人の行く店は高い」なので、Bali Heatの選択はなかなかいいところをついている。オススメである。
■ 14:30
おれがサロンを欲しがっているので、途中にあったバティックを作っている村に寄る(名前失念)。店は観光客向けでけっこう大きく、売り子も日本語を話すのでちょっと引いたけど、品ぞろえも良くて、そんなに悪くなかった。3枚ほど、気にいったサロンをGET。
■ 15:00
Tirta Empl。聖なる水の湧く寺。ま、日本で言えば清水寺か(違うって……)。それより忍野八海か柿田川ってところか。水が吹き出したり流れたりしているせいか、空気が爽やか。
■ 15:30
Tegala Lang。急な斜面に棚田が作ってあるという。って、それだけで観光地にしちゃうのかよー。いや、もちろんそれだけじゃないから、なかなかよい風景なんだけどね。それにしても、二毛作、三毛作が当たり前の世界では、稲穂が首を垂れてる田んぼの横で田植えしてたりするんだもんなぁ。
■ 16:00
Ubudに戻って市場で買い物。初めてUbudの町中に出てきたゾ。市場は二階建てで、とにかく小さい店がたくさん並んでいる。サロンを買ってすっかりBalineze化計画に夢中なおれは、もうひとつのBaliファッションであるウダンを入手。男性が頭に巻く三角巾である。あれは一枚の布を使ってるんだと思ってたけど、実はすでに畳んだ状態で縫い合わせてあったのだ。二重に巻き付けて頭の前で縛るだけでいいものだったとは。元はただの布切れだったんだろうな。なんか、最初から結んであるネクタイみたい。
それにしても、ことあるごとに店員が「かわいい」を連発するのにはまいった。ったく、外国に来てまで貧困なボキャブラリをまき散らすんじゃないっつーの。ちなみに「菩提樹」「供物」「丁子」。これ、アリンバワ君が嘆く「日本人に通じなかった日本語ベスト3」である。嘆かわしや。かと言って「三ちゃん農業」とか「もうかりまっか」「ぼちぼちでんな」なんて言葉を教えてはいけません(っておれのことか)。
■ 16:30
このあと、Ubudの近くにあるArma美術館へ。Ubud周辺にはBaliアートを集めた美術館がいくつもあるけど、ここが一番のオススメという知人の言葉に従って来てみた。噂にたがわず、強烈なBaliアートの数々にクラクラ。超細密画もいいけど、一番気にいったのは「水泳の練習」という妙な味の絵だった。持って帰りたいくらいだぜ(って買えないくらい高いと思うけどな)。
■ 18:30
Kecakを見るために車で30分ほど離れた村へ。今夜はUbudでもKecakが見られるそうだけどあまりよくないらしいので、アリンバワ君の勧めによってここまで来たのだ。寺院の前に石の舞台がしつらえてあり、その前に300席くらいのベンチが並べてある。あとはなにも言うまい。網膜に焼きつけるのが忙しすぎて、写真を撮ってる暇がなかったとだけ書いておく。残念だったのは、フラッシュ焚きまくりでろくに鑑賞していないアホな白人が邪魔だったことか。今度は松明の明かりだけで見てみたいものだ。
それにしても、Baliと日本の文化は驚くほど似ている。どちらもアニミズムをベースにした宗教を持ち、自然に対する姿勢も近い。そういえば、音階も近いそうだ。そのせい(?)か、Legongの笛(尺八にそっくり)と唄はまるで日本の民謡だし、Kecakの語りは浪曲を聴いているかのようだった。Baliにいると妙に落ち着いてしまうのはそのせいかも知れない。
両国の国民の最大の違いは、その信仰心だろう。「神秘の島」なんて呼ばれることの多いBaliだが、日本にだって同じくらいの神秘性を持つだけの下地はあるのだ(国内各地の神社をまわっているとつくづくそう思うよ)。みずからの神秘性を放棄しておきながら、他国にそれを求めるなんて、虫のいい話だねぇ。
■ 21:00
夕飯もどこか外で、という計画だったけど、さすがに疲れたのでホテルに帰してもらった。こんな遅くまで引きずり回して、すまんかったね、アリンバワ君。運転手も丁寧(だけど速い)し、Bali Heatはオススメである。ルームサービスで軽く食べて、あとは寝るだけ。
2000-06-06(火) バリ旅行(4) [長年日記]
■ 08:00
ずっとPita Mahaにいたかったけど、残念ながら最終日まで部屋を確保できなかったのだ。なわけで、今日の午後からJinbaranのRitz-Carltonに引っ越し。昼までなにして過ごそうか……とか話をしながら、けっきょくダラダラと過ごしてしまう(笑)。まぁ、ダラダラ過ごすのが目的だからいいんだけどさ。
■ 11:30
チェックアウト。でもガイドが迎えに来るまで1時間くらいあるので、ホテルの外を散歩することにした。ホテルのすぐ近くにネカ美術館があるのでそれを目指す。ちょっと歩くと、昨日世話になったBali Heatのオフィスがあった。……こんな近くにあったのか。アリンバワ君はいないと思うけど。
美術館はやたら細分化された建物を引きずり回される感じでちょっとイマイチか。昨日のArmaだけで十分かも。昨日気に入った「水泳の練習」の続編(?)「水遊び」があって、それはよかったけど(笑)。
■ 12:30
名残惜しいが、さらばPita Maha。また来るぞ。空港からここまで連れてきてくれたI'llのガイド氏に連れられて、下界に。下るに従って、バイクにホンダが増えてくる。パワーのせいかもって書いたけど、もしかすると貧富の差かも知れない。山の上ほど貧乏なら、高いホンダ製は買えないだろう。実際、下界ほど新車が多いし。
途中、バティックを作ってるTrpati(?)村があって、そこの工場兼ショップに寄り、バティックのシャツを買う。なんか買いまくってるな、今回の旅は。でも、昨日アリンバワ君に連れていってもらった店より、だいぶ高い。ブランド(?)価値か、はたまたJAL PACKの陰謀か。ま、それでも十分安い(と思う)のでいいんだけど。よく、ガイドブックに「半値まで値切れ」みたいなことが書いてあるけど、おれは別に無理して値切らなくてもいいと思うんだけどね。まぁ、習慣として少しは値切るけど、別にいいじゃん、日本人は金持ってんだからさ(笑)。おれの落とした金が、少しでもBalinezeたちの生活のたしになるなら、それはそれで本望だよ。
■ 14:00
Ritz-Carlton Bali。こっちは典型的なビーチ・リゾート・ホテル。こじんまりとしたPita Mahaに比べて、建物はでかいし、エアコンがビンビンに効いてるし、同じリゾートでもここまで方向性が違うと気持ちがいいな(笑)。こっちに泊まってる日本人は若いのが多い。それもグループ旅行。Pita Mahaは基本的にアベックしかいないし、物珍しいやね。荷物を置いたら、広い敷地をブラブラと散歩。昨日買ったサロンを腰に巻いてうろついてたら、すれ違うホテルの従業員から何かと声をかけられる。そう? そんなに似合う?(でへへ)
ビーチまではけっこう遠い(バスまで出てる)ので、プールサイドから海を見て過ごす。けっきょく18:30ごろの日没までいてしまった。下界はずいぶん暑いけど、海からの風は気持ちがいい。
■ 19:00
夜はすることもないので、お土産でも買いに行きますかと(自分の物しか買ってねーし。基本だけど)、直通バスに乗って免税品店へ。ま、特に書くこともなし。規模ばかりでかくて、品物は高い。こういうところでカモになるくらいなら、街の怪しい店でぼったくられる方がいいよな。ってことで、小さい土産物を少し買っておしまい。
■ 21:00
ホテルから海岸沿いまで下って、そこにあるシーフードレストランで夕飯。こういうホテルの飯は、やたらと多いんだよな。白人嗜好なのか。Pita Mahaは量も味もしっくりしててよかったなぁ。ここのレストランは奥に見える桟橋の先端に特別席があって、かみさん曰く「こないだTVで田中美佐子(?)が飯食ってた」だそうだ。なぜそんなところで飯を食いたがる(笑)。
2000-06-07(水) バリ旅行(5) [長年日記]
■ 09:00
今日でBaliともお別れ。うーん、想像以上に短かったな。計画中は長すぎるような気がしてたんだが。出発は夜なので、今日はホテルのプールでのんびりしていようと思ったら、かみさんがどうしてもUbudに戻って買い物がしたいとぬかす。そういうことはUbudにいる時に言えよ……。女って生き物は(以下略)。それでも午前中はプールでのんびりを決行することにする。おれのリフレッシュ休暇なんだから、ちったぁ好きにさせてくれ。
■ 10:30
プールサイドは白人がおおぜいマグロ化していた。そこに混じって、泳いだり、灼いたり、本を読んだり。リゾートホテルに来てこういうことをせずに帰ったらあかんやろ(笑)。
■ 14:00
ホテルカーを借りて、Ubudに出発。チェックアウトは18:00だけど、向こうに1、2時間もいられればいいらしいので、この時間に出る。なんでも日本の雑誌に載っていたショップに行って、布を買いたいらしい。なんで今日になるまで黙ってるんだか。ホテルカーの運転手のMadeさんは、日本語は勉強中でほとんどしゃべれない。よって会話は英語。かみさんはおれより英語が得意だが、なぜかAsian Englishのヒアリングがぜんぜんダメ。よってこういう場合、かみさんが話しておれが聞き取るという、変なコミュニケーションになる。Madeさんは日本語を勉強して、日本で働きたいらしい。そういえばアリンバワ君もそんなことを言っていた。いまだに日本は憧れの国らしい。でも、日本も不況であまり仕事ないよ、と言ったら、なんと最近は農業をしに行くんだそうだ。若い連中が街に出てしまって、年寄りばかり残った農村に行けば、そりゃ大事にされるだろうなぁ。農業技術も学べるし。なるほどねぇ。
■ 15:00
Ubud到着。1時間ほど散策できるみたい。雑誌の切り抜きを手に街をうろつくかみさんに付いて歩く。何やら高そうな絹の布を買っている。なんと値引きなしだって。そんなタカビーな店がBaliにもあるとは知らなんだ。つーか、そんな店で買うなよ(笑)。いいカモだな。それにしても、さっきから腹の調子がどうもおかしい。滞在も4日になると、そろそろ調子を崩してくるか。Bali腹なんて言葉があるらしいし。
■ 18:00
16:00にUbudを出て、17:00にホテルに帰着、急いで荷物をまとめて、チェックアウト。結局あわただしかったではないか。でもこのあと、ガイドが来るまで1時間以上あるので、それまで軽く食べることに。ホテルのバーで軽食が取れるとのことなので行ってみると、出てきた料理はこれまたやたらと量が多いし。これのどこが軽食だ。つーか、おれは腹の調子が……(汗)。この頃から、頻繁にトイレに通うようになる。うー、やばいって。
■ 21:00
Denpasarの空港までは、おなじみI'llのガイドさんに連れてきてもらう。これでお別れ。ここは「また来たいのぅ……」と後ろ髪をひかれるところだが、腹具合がおかしくてそれどころではない。かみさんは元気に空港の免税店めぐりをしているけど、こっちは脂汗を流しながら椅子に座って待っている状態。成田の検疫で止められたらどーしよ(笑)。これってたぶん、体がBaliモードに切り替わろうとしてるんだよね。しばらくしたらなに食っても大丈夫になるんだと思うんだ。でも、ちょうどそのタイミングで帰国になっちゃうんだから罪な話。ひと月くらい滞在してみたいくらいいい土地であった。
2000-06-08(木) [長年日記]
■ 腹が……
ホテルの「軽食」から以降、何も食わずに帰国。なんとか生き長らえている。検疫でも「じゃあしばらく様子見て下さい」って言われただけ。多い症例なんだろうな、やっぱ。……というわけで、以後2日間、不調で寝込む。それで休暇はおしまい(笑)。前半と後半でえらい違いだ。とほほ。
2000-06-11(日) [長年日記]
■ サロン
夏着がわりに買ってきたサロンを着る機会がないくらい涼しいな、日本は。寂しいぞ。
■ メール
旅行中ISPにメールをためておくとえらいことになるのは目に見えていたので、すべて会社に設置したKondaraマシンに転送しておいた。とうぜんqmail
なので、すべてのファイルをtar.gz
にまとめてftpしてきて、自宅の~/Maildir/new
に展開すればそれで完了。ふふん。で、仕事のメールを抜いても1300通もあった。うげー、読む気しねー。
■ クロスファイア
というわけでメールからは逃避して(体調もぼちぼち戻ってきたので)、休暇の最終日はひさびさに映画。宮部みゆき原作の「クロスファイア」を観る。監督が同じで、キャストもけっこうだぶっているし、音楽まで同じ……ということで期待していたが、まさしく「ガメラ4」だったのには笑ったぞ。いや、褒めてんだけどね。プラズマ火球を吐く主人公(?)の怪獣が、念力放火の女の子に変わっただけです。樋口特技監督抜きでもここまで作れるなんて、すごいじゃん、金子監督。
2000-06-12(月) [長年日記]
■ cdda2mp3
つーわけでBali気分にいまだに浸っているので、GamelanとKecakのCDを買ってきた。なんか久しぶりにCDを買ったな。で、最近はロクに聴かずにCD-ROMドライブに突っ込んでMP3にするのだ(笑)。……が、どうしたことか、「このドライブはSCSIじゃない」とかぬかしよる。へんだなと思って/usr/bin/cdda2mp3
を見てみると、オリジナルに戻ってる……。
もしかしておれ、Kondara 1.1にして以来、CD買ってなかったのか? そんで、上書きされちゃった? cdda2mp3.orig
なんてファイルが残っていた(?)ので見てみるが、なんかパイプを使っていない、へんな構造。これも違うような。なんだかなー、どこいったのかなー、と困りつつ家探しをしていたら、/usr/doc/gogo-2.35/
の下にgogo
専用のcdda2mp3
があるでないの。なぁんだ、よかった。最近は(つーか、最近じゃないんだって……)、-b 64 -v 0
なんてオプションを試している。小さくなるけど音がいいので、携帯MP3プレイヤーにたくさんの曲を詰め込む場合にオススメ……でも、Baliの音楽は高音成分が多いからか、低いビットレートだと歪んじゃってダメだこれ。しょうがない、128kbpsでエンコード。これで明日から通勤中もBali気分♪(仕事しろよ)
2000-06-23(金) [長年日記]
■ タイムマシン
例のタイムマシンは方々で話題になったあげく、いたずらで無茶な入札をされた上に、入札完了を待たずに消されてしまった。まったく、洒落のわからんヤツの多いこと、なげかわしい。「落札して過去に戻ってきた」と言う人が転売をするという新しいネタも出てきたが、これも消されたか? いちばん洒落がわかってないのはYahoo!ってことか。ああいうのは、夢に入札してるんだからさ、ちゃんと商品として成立してると考えるのがオトナでしょ。バランス感覚の欠如はいかんよね。
■ 洗脳
昨日と今日は、泊まりがけで新潟に出張。早めに上がれたので雨が降ってなければ神社めぐりをしてきたんだが。そのかわり(?)、一緒に行った若い衆をRubyで洗脳してきた(笑)。むこうもまさか、課長から新しい言語を布教されるとは思わなかったであろう。最近、徐々に社内で信者を増やしているのだ。ふふふ。
2000-06-24(土) [長年日記]
■ ruby-eb
EBライブラリをRubyからアクセスするruby-ebが1.4になっていた。検索がイテレーター化されたり、辞書の任意の場所からデータを取り出したりできるようになっている。追加された定数を見ていると、どうもサウンドやイメージ、検索キーワード(?)を扱えるようになっているような気がする。いかんせん、そのあたりのドキュメントがまったくないので、使い方がぜんぜんわからん(笑)。暇をみつけて試行錯誤してみっか。これができると、楽しいよなぁ。
■ Ruby 1.4.5
そういえば、Rubyも1.4.5になったんだけど、Time#localtimeに致命的なバグがあるみたいなので、まだ入れ替えない予定……つーか、Kondaraにパッケージが入るまで待ち(汗)。慎重派なので、まだ1.5系には手をつけないゾ。そもそも、S.P.C.のサイトはまだ1.2ということもあって、あんまり新しいのを入れても、互換性のないことできないんだけど。いや、どうせおれたちしか使ってないから、「バージョンアップしてくりょー」って言えばいいんだけどね。
■ Rio300
それは置いておいて、今日は、Rioへの自動転送スクリプトを少し改造。指定したサイズ以下のファイル(ライブCDには拍手だけのトラックとかがあるんだよ)や、指定したパターンのファイルを除外するようにした。除外条件を判断するクラスをいくつかつくって、同じメソッドを呼び出すだけでチェックできるようにする。Rubyならではだよなぁ、ひひひ。と一人悦に入る(この程度のスクリプトでそんなことする必要はないのだが)。
2000-06-25(日) [長年日記]
最近、ノイズが多いな、この日記。つーか、ノイズばっかし。
■ スポーツ観戦
熱烈なサポーターであるかみさんに連れられて、コンサドーレ札幌の試合を見に平塚まで行く。14:00キックオフの試合なのに、なぜか3時間も前に競技場に着くスケジュール。開門までにもまだ1時間あるという……。サポーターという人種のやることは理解できん。かみさんも、普段は行列なんて大嫌いのくせに、こういうときは平気らしい。試合はまぁ、エキシビションの少年サッカーや女子サッカーも含めてなかなか面白かったのだが、チケット代をけちってサポーター席にしてしまったのは大失敗。試合開始から前のヤツらは立ちっぱなしだわ、鳴り物と声援で耳がガンガンするほどうるさいわで、とても試合を観戦する状況ではない。
こないだ東京ドームのプロ野球で「球音を楽しむ日」と言って鳴り物応援禁止の日があったけど、ああいうのいいと思うんだよな。でもファンへのインタビューをTVでやってて、「応援した気がしない」とかぬかす若者がいてあきれた。サッカーのサポーターもそうだけど、どうも観戦よりも応援自体が目的化しちゃってるみたい。最近のコンサートもそうらしいよね。音楽を聴くよりも、騒いで踊るのが目的になっちゃってるから、1曲目から立ちっぱなしだとか。ジジイは体力的についていけん(笑)。
おれなんて、スポーツ観戦つったら、プロの技をじっくり観賞する機会だと思ってるから、むしろ騒ぐと気が散っていやなんだけど(もちろん良いプレイには拍手するけど)、そういうのは流行らないのだろう。勝っても負けても大騒ぎの、自己満足が時代の流れか。
そういえば、日本のPalmコミュニティには「一筆啓上運動」とか言って、フリーソフトウェアの作者にお礼のメールを書こうなんてムーブメントがあって、おれはかつて「勘弁してくれ」と言ったことがある。個人的にメール出してる暇があったら、他のことでコミュニティに貢献してもらった方がよっぽど嬉しいし、第一、お礼だけのメールを何本ももらったら、うるさいだけじゃん(笑)。でも、こういう意見は少数派らしい。いま受け入れられているのは、メールを出す方と受ける方の自己満足で完結してしまう、なんとも狭量な世界だ。こういうのって、コミュニティの可能性を狭める、ろくでもない方向性だと思うんだけどね。ジジイの愚痴かね。
2000-06-26(月) [長年日記]
■ ntp
今日は懸案だったNTPによる時刻の自動設定に挑戦。けっこう時刻が狂っていることに気づいていたんだけど、手動で直すにもdate
コマンドの時刻指定のフォーマットがいつまでたっても覚えられないわ、ハードウェアクロックの設定をするコマンドhwclock
の名前も思い出せないわ(歳か?)。
まず、職場で使ってるマシンは、社内にNTPサーバーがあるのでそれを利用することに。KondaraのCD-ROMから、xntp3-5.93-13k1.i586.rpm
をインストールして、/etc/ntp.conf
のserverで始まっている行を書き換えて、社内NTPサーバーを指定する。以上。あとは/etc/rc.d/init.d/xntpd start
でdaemonを実行する。こいつの動作状況はntpq -p
でわかる。……と、これくらいはWWWで検索するだけですぐにわかるんだな。便利な時代だ。
問題は自宅の方で。ダイヤルアップルーターを使ったPPP接続なので、xntpd
を動かしておくわけにはいかない。ということは、適当な間隔でntpdate
を実行させてやることになる。cron
の出番ですな。ついでにKondaraのcron
がどうなってるのか見ておこう。
まず、rootになってcrontab -l
を実行すると、
SHELL=/bin/bash PATH=/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin MAILTO=root HOME=/ # run-parts 01 * * * * root run-parts /etc/cron.hourly 02 4 * * * root run-parts /etc/cron.daily 22 4 * * 0 root run-parts /etc/cron.weekly 42 4 1 * * root run-parts /etc/cron.monthly
■ これが、何もしないで設定されているcronだ。run-parts
ってのは/usr/bin
にあって、指定したディレクトリにあるファイルを次々に実行してくれるプログラムらしい。シェルスクリプトだから、見ればわかるってのはいいよな。つまり、/etc/cron.*/
にあるプログラムを、毎時01分、毎日4:02、毎週月曜4:22、毎月1日4:42に実行する。って、うちのマシンは毎日電源落としてるから、そんな時間に動いてないっつーの(笑)。
つーわけで、たいていInternetにつないでいる23:00前後にdailyが走るようにcrontab -e
で変更。あとは、職場マシンと同様にxntp3
のパッケージを入れてから、時刻合わせをするスクリプトを作ってcron.daily
に入れればいい。ま、こんな感じか:
#!/bin/sh /usr/sbin/ntpdate clock.nc.fukuoka-u.ac.jp >> /var/log/settime /sbin/hwclock --systohc
■ これ書いてると、hwclock
はclock
って名前にリンクされてることを今ごろ知ったりして、こんな名前と知ってたら覚えるのに苦労しなかったのに……ぐぅ。そうこうしてる間に23:02になった。ちゃんと動いているもよう。今日はトラブルありませんでしたな。なんかコツをつかんできた感じがするぜ。ふふふ。
しかし、Webで情報探してたら、AMラジオの時報で時刻合わせをするページなんてのが引っかかったりして、面白い世界だなぁ。GPSがないからってあきらめちゃいかんのね、この世界。
2000-06-28(水) [長年日記]
■ Ruby 1.4.5
うっかりしていたらKondaraのsnapshotにRuby 1.4.5のパッケージが入っていたので、GETしてくる。とるものもとりあえず、突っ込みましょーっ♪
# rpm -Uvh ruby-1.4.5-2k.i586.rpm error: failed dependencies: libreadline.so.4.1 is needed by ruby-1.4.5-2k
■ おおぅ。なんでreadlineが。まぁいいや、これも新しいのを取ってきましょう。
# rpm -Uvh ruby-1.4.5-2k.i586.rpm readline-4.1-k4.i586.rpm error: failed dependencies: libhistory.so.3 is needed by postgresql-6.5.2-1k2 libhistory.so.3 is needed by postgresql-devel-6.5.2-1k2 libhistory.so.3 is needed by postgresql-server-6.5.2-1k2 libhistory.so.3 is needed by postgresql-tcl-6.5.2-1k2 libreadline.so.3 is needed by cdecl-2.5-9 libreadline.so.3 is needed by ftp-0.15-1k4 libreadline.so.3 is needed by git-4.3.17-5 libreadline.so.3 is needed by guile-1.3.2a-1 libreadline.so.3 is needed by postgresql-6.5.2-1k2 libreadline.so.3 is needed by postgresql-devel-6.5.2-1k2 libreadline.so.3 is needed by postgresql-server-6.5.2-1k2 libreadline.so.3 is needed by postgresql-tcl-6.5.2-1k2 libreadline.so.3 is needed by samba-client-2.0.6-5 libreadline.so.3 is needed by samba-common-2.0.6-5 libreadline.so.3 is needed by fvwm2-2.2.2-3k3 libreadline.so.3 is needed by librep-0.11-1k2 libreadline.so.3 is needed by samba-2.0.6-5 libreadline.so.3 is needed by sawmill-0.25.1-1k2 libreadline.so.3 is needed by bc-1.05a-4 libreadline.so.3 is needed by python-1.5.2-7k
■ うぎゃー。まぁ、readlineにいろいろ依存してるのはわかるけど、なんでGUIのfvwmとかsawfishまで。sambaなんてdaemonやないか。どうもダメな気がしてきたけど、念のためこいつらも持ってきて一緒に入れてみると、最後にはgnome-coreまで依存してるとか言ってくる。なんでRubyを入れ替えるためにGNOMEまで入れ替えなあかんねんっ。
……とここまで毒づいてから、「ひょっとして、自分でパッケージを作り直したらいいんじゃないか」と思いつく。なんたって、Kondaraの基本はnosrc.rpm
なんだから。もしそのSPECファイルにreadlineの特定のバージョンに依存する記述があったら、そこを直せばいいんじゃないの? そうだよ、それだ。Rubyのソースはすでに(用もないのに)入手済みだったので、ruby-1.4.5-2k.nosrc.rpm
を持ってきて、rpm -ivh
で展開。
■ ~/src/rpm/SPECS/ruby.spec
を見てみるが(KondaraのSPECファイルがこんなに複雑だとは知らなかった……)、別にreadlineのバージョンなんて書いてない。試しにビルドしてみるか。
$ rpm -bb ruby.spec (略) File not found: /var/tmp/ruby-1.4.5-root/usr/lib/ruby/1.4/i386-linux/curses.so File not found: /var/tmp/ruby-1.4.5-root/usr/lib/ruby/1.4/i386-linux/dbm.so File not found: /var/tmp/ruby-1.4.5-root/usr/lib/ruby/1.4/i386-linux/etc.so (略)
■ ありゃ。これは最後のインストールテストのフェーズかな? 確かにこんなディレクトリ(というかシンボリックリンク)はない。そもそもなんでi386なのか。Kondaraはi586なんじゃないのか。いや、もしかするとどっかで明示してやらないとi586にならないのかも……と思ってrpm
のman
を見てみると、--target
ってオプションがあった。これかな。ひょっとすると~/.rpmmacros
に指定できるのかも知れないけどよくわからん。これでリトライしてみよう。
$ rpm --target i586 -bb ruby.spec
■ すると、何も指定しなかった時には-O2 -m486
だったgcc
のオプションが、-O6 -mpentium
になってる。おお、これぞKondara神速の秘密か!?(笑) Warningもやたらと出るけど、これはたぶん、RubyのソースがANSIじゃないからなのかな。で、無事にビルドが終わり、ruby-1.4.5-k2.i586.rpm
が完成。ドキドキしながらアップデート。成功♪ readlineへの依存などなし。
つまりこういうことか。バイナリパッケージを作った人の環境がすでにreadline-4.*
を使っていたので、readlineを使っているRubyのパッケージはそれに依存してしまった(SPECファイルには無関係)。が、自分の環境でパッケージを作り直したことで、自分が使っているreadline-2.*
に依存したバイナリになった、と。なるほど、「ソースパッケージを持ってきて【自分の環境に合わせて】ビルドしなおしましょう」というのは、まさにこういう意味だったのだな。バイナリパッケージが公開されてない場合に自前ビルドをしたことはあったけど、本来の意味がやっとわかったぜ。src.rpm
万歳っ(笑)。