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ただのにっき


2000-06-11(日)

サロン

夏着がわりに買ってきたサロンを着る機会がないくらい涼しいな、日本は。寂しいぞ。

メール

旅行中ISPにメールをためておくとえらいことになるのは目に見えていたので、すべて会社に設置したKondaraマシンに転送しておいた。とうぜんqmailなので、すべてのファイルをtar.gzにまとめてftpしてきて、自宅の~/Maildir/newに展開すればそれで完了。ふふん。で、仕事のメールを抜いても1300通もあった。うげー、読む気しねー。

クロスファイア

というわけでメールからは逃避して(体調もぼちぼち戻ってきたので)、休暇の最終日はひさびさに映画。宮部みゆき原作の「クロスファイア」を観る。監督が同じで、キャストもけっこうだぶっているし、音楽まで同じ……ということで期待していたが、まさしく「ガメラ4」だったのには笑ったぞ。いや、褒めてんだけどね。プラズマ火球を吐く主人公(?)の怪獣が、念力放火の女の子に変わっただけです。樋口特技監督抜きでもここまで作れるなんて、すごいじゃん、金子監督。


2001-06-11(月)

リンク

麻弥さんによるリンクについてのアンケート結果が出た。偏りがあるとは言え、800人近い数が集まるとなかなか面白い。集計も大変だっただろう……と思ったらRubyが活躍してるようですな。喜ばしい(笑)。

面白くてついつい全部読んじゃったよ。おかげで返事を書いてないメールが多数……すまん。明日書きます(^^;

しかし一読しての(特にトラブル事例を読んでの)感想は「世の中、エキセントリックなヤツが多いのぅ」ってことだなー(やや抑えた表現)。エキセントリックというか、ナイーブというか。そんな神経で末永くWebサイトを運営していけるのか心配である(←大きなお世話だ)。

特に、相互リンクしてくれないからって怒るようなのは、ナイーブなくせに厚顔極まりないってことだから、わけがわからん。相互リンクしてくれってことは、「ウチのサイトはおたくのリンク集に入る価値がある」って自分で言ってるようなもんだろ? うわぁ、恥ずかしい。

でも、リンクに制限を設けてるサイトってたいていの場合、(リンクの本質について)よく考えたことがない→頭使ってない→コンテンツ自体が面白くないってことで、リンクしたいと思わないことが多いから実害はないけどさ(笑)。

日記的覚え書き

会社休んで、運転免許更新。角結膜炎の後遺症で視力が落ちてないかドキドキだったがセーフ。それにしても、毎年思うのは交通安全協会の必要性である。あれではただの、警察のアウトソーシング先だ。

待ち時間にカルビマックを食す。なにしろ、他に選択肢がないときしかマクドには入らないので。カルビだけじゃなくてハンバーグまで入ってるのはインチキだー。


2002-06-11(火) 0歩

BMW盗難

寝坊したので朝メシ抜きで家を飛び出したら、目の前にあるべきものがない。「やられた」と思った。愛車BMW R1100RSが盗まれたのだ。

すぐに警察に連絡。15分ほどたって、おっとり刀でCubに乗った警官が登場。型どおりの事情聴取と現場検証。ま、おざなりなのはわかってるけどさ。この手の犯罪で、警察がまじめに動くことはほとんどないのだ。バイク乗りの警察不信はこういうところに根がある。

バイクはCivicの背後に隠すように置いてあったが、ロックはハンドルとディスクプレートのみ。ひきずった跡もなく、ディスクロックが壊された痕跡もなし。駐車場からの段差解消のためのブロックをどかしてあったりすることから、クレーン付きのトラックを使った複数犯による典型的な窃盗団の手口だ。BMWバイクの盗難はこの手のパターンが非常に多い。純正の車体カバーは隣家の塀にかけられていた。

ということは、国内で転売される可能性はほぼ皆無。コンテナに積まれてそのまま外国行きだろう。そろそろロックやアラームを強化しようとしていた矢先のできごとなので、悔しい。輸出の水際で摘発されない限り、発見の可能性はほとんどない。

いちおう会社に休むことを連絡し、購入元の福田モータースに連絡。全国のディーラーに連絡をしてくれるそうだが、上述のとおり国内で転売される可能性はまずないので期待はできない。

……ということで、たぶんお悔やみのツッコミが多数あることが予測されるんだけど(笑)、BMWに乗ってる以上いつかこういうことがあると覚悟はしていたし、少々ショックではあるがそんなに深く落ち込んでるわけでもないので、気遣いは無用だ。もちろん盗難車に関する情報をもらえると嬉しいが。この手の窃盗団はコンテナ一杯分たまるまで国内のどこかに保管するので、その間に発見されることもなきにしもあらずだからだ。

 というわけで、情報。

車種: BMW R1100RS(ハーフカウル、初期型、赤)
ナンバー: 相模 て 1755
車体番号: 0296513R1100RSCJ
特徴: 外見はほぼノーマル(写真)
    写真にはないが純正パニアケースを両サイドに装着
    パニアケース蓋はDOKENの薄型リッド(赤)に交換済み
    写真ではBAGSTARのタンクカバーがかかっているが盗難時にはなし

 はぁ……。そうは言ってもショックだよなぁ。実は静岡の準々決勝のチケットが手に入ったんだけど、いいことのあとには悪いことがあるってか。それにしてもこれはないだろ。くっそーっ。

本日のツッコミ(全18件) [ツッコミを入れる]

Before...

ホリウチ [ひぇ〜。 心中、お察しします。 状況から厳しいかと思いますが、出てくるといいですねぇ。 むぅ。]

joe [り、リッターカブが!プロ窃盗団憎し。 彼とは顔見知りなので我がことのように悔しい。 私も出て来るよう祈る!それくらい..]

puraiya [バイクを盗難されたら辛いですよね。僕も今さっきバイク盗まれました(ToT)。警察は頼りにならないし・・・。一日も早く..]

ポチ [僕も今日朝起きたら原付がなくなってました。警察に連絡しても見つかる可能性少ないんですよねぇ?]

あひる [明けて19日の夜中1時15分に愛車が盗まれました。防犯カメラに一部始終が映ってたんだけど、犯人が傘をさしていた為、顔..]

でぐちせいじ [わたしも、R1200GSとF650GSとセロ-の3つ持ちです。もう神経をすり減らすのがいやなので、とうとう半年前から..]


2003-06-11(水)

大阪

なんや、暑いやないかー。

留守中のbsfilter

spam 132通、スルー1通、フィルタ率99%。誤認識1通。惜しい。

もっとも、100通を超えるとちゃんと内容を吟味して確認なんてしてられないので、ガイジンさんからのまともなメールをspam呼ばわりしている可能性は高い。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

halchan [確かに、今日は蒸し暑いです...仕事したくないな〜]

こさか [大阪モードになってはりますね(笑)]


2004-06-11(金)

tDiary: makerss.rb

2.0リリースに向けてけっこう熱心にコーディング中。

output_rdf.rbの代替プラグインに着手。たまには第二tDiary.Netから人柱の地位を奪い取るか……というわけで、世界でもこの日記だけで運用中。

  • 過去の更新を50件ほど覚えていて、日付をまたいだデータを生成
  • セクションの増減や変更を感知するので更新時刻(dc:date)がけっこう正確に入るし
  • 全文入るので、(望むなら)RSSリーダだけで事足りるぞ
  • もちろんツッコミも1アイテムだ;-P

というわけで、きっとmixiなんかでも正しく読んでもらえるはずだ。反面、またキャッシュファイルを作ってしまった……という反省点もあるわけだが。まぁ、これはバックエンドをDBMSにでもしないかぎりどうにもならんよな。

残るToDoは:

  • @optionsでファイル名指定を可能に
  • 画像を埋め込めるように
  • 名前をoutput_rdf.rbにするかmakerss.rbにするか決める

LL Weekend(2)

チケット届いた。……と、意味もなく更新のテスト。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

飴谷 [Opera7.51のRDFリーダでもきちんと読めました。日記に長文がないとしたら、RDFリーダだけで事足りちゃうなっ..]

zoe [favicon取ったんすか?]

ただただし [あれ、前は付いてたっけ? この日記にだけは付けてた痕跡がない……]

zoe [え? http://sho.tdiary.net/20030613.html#c01 やばいっすよ、健忘症。]

ただただし [いや、それはtDiary.Net全体の話なんだよね……。おれの日記にはプラグインすら存在していないのだが……やっぱ健..]

zoe [http://www.google.com/search?q=cache:4u6KryH-sgUJ:sho.tdia..]


2005-06-11(土)

R1200GS

自宅前にて 無事納車。降られなかったぞ(えっへん)。

狙ったわけでなく、本当に真実偶然なんだが、3年前の今日は、R1100RSが盗まれたその日だったりする。いや、感慨深い。つーか、よく3年も我慢できたものだ。

続きはふらっとツインにて。

Tags: r1200gs

すごい虹

東の空 晴れたらバイクに乗って出かけたいなー、と思ってふと外を見たら、すごい虹がかかっていた。東の地平線から西の地平線までずばーっと巨大で(うちから地平線が見えるわけじゃないけどさ)、しかも二重。しかも傾いた陽のおかげか、すごく明るい。ここまでみごとな虹は見たことがない。

夢中で何十枚も写真を撮ったけど、虹をきれいに撮るのは難しいんだなぁ。そもそも画角が足らなくて全景が写せない。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

a.k [無事納車されたのね(^O^)携帯から見えないよ〜→フラットついん]

ただただし [昨日電源工事で停電があったから、IPアドレスが変わっちゃったんだよね。DNSが更新されるまでしばらくアクセスできない..]


2006-06-11(日)

日本Rubyカンファレンス2006(2日目)

image 講演中にステージ上から日記を更新するアホは誰ですか。

……というわけで、無事に終了(⇒発表資料「Ruby anywhere」)。考えてみたら、朝イチバンというのは残りをゆったり楽しめるという意味で、実にいいポジションであったわけだ。Railsのセッションは置いてけぼりをくらいっぱなしだったけど。DHHの講演も「RESTネタ?」と思ったが、途中からなんだかよくわからない方向に。おらはもうダメだ……。

いつもの(?)メンバはもちろんのこと、essaさんやma2さんなど、会いたくてもなかなか会う機会のなかった人たちに会えたのも良かった。

日本のRubyコミュニティが、単独であれだけ気配りに富んだイベントを実行できるまでなったということに、いちばん感動した。関係者のみなさん、ほんとうにありがとう。すばらしいカンファレンスでした。

Tags: rubykaigi

2007-06-11(月)

顔と名前が一致しない病は健在

Ruby会議2007や懇親会で、おれに声をかけたら顔を見たあとに名札をチェックされて「あぁ」とか言われた人が何人もいるはずなんだけど、忘れていたわけじゃないのよ。いや、そういう意味では忘れていたんだけど(どういう意味だ)、顔と名前が一致しないのはもう、持病なので。どうしょもないのであります。ごめんなさい。

願わくば、あれだけ大きな名札なのだから、でっかく太く名前を書いておいてもらえると、近づいてくるときに(声をかけられる前に)気づいて名前をチェックできるのでありがたい(ぉぃ)。

Tags: rubykaigi
本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

かくたに [名札用サインペンの調達指示をミスった私が悪いのです。あと名札がひっくり返ってることが多かったので、両面使えるようにし..]

ただただし [なるほど >サインペン 両面はやりたいですねぇ。まぁ、片面だったおかげで某ヴァーチャル発表者ごっこができたわけですが..]

unibon [相貌失認ですかね。]

ただただし [具体的な病名を出されると深刻さが一気に増しますね(笑)。まぁ、そこまでひどくはないです。何回か(短期間に)会えば長期..]


2008-06-11(水)

オールドファッションドSFの愉しみ

例によって半月遅れのSFマガジンを読んでいたら、山本弘の連載が始まっていて小躍り。そんなタイミングで野田昌宏大元帥の訃報。正直、クラークの訃報よりショックかも。帰宅途中にBookOffなどに寄ってみたけど、『銀河乞食軍団』など見つかるはずもなく。全部うっぱらっちまったのを悔やんでも遅い。

野田作品に漂う、「古き良きSF」の香りが好きだった。そう言えば山本弘は、そんな野田作品にも通じる、オールドファッションドSFの名手。追悼読書として、またもやひねくれた方向を選ぼう。

闇が落ちる前に、もう一度 (角川文庫)(山本 弘)

積ん読箱から最初に掘り出したのはこの短編集。もっとも、ちょっと期待した方向とは違ったか。いちおう「ホラーSF短編集」ということになっているようだが、ホラーと言うにはちょっと怖さが足らない。というかぜんぜん怖くはない。むしろオモロイ感じ。SFで本当に怖いホラーを書くのは難しいよね。

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)(山本 弘)

こっちはまさに、ワンアイデアをぐいぐい推し進めるタイプのSF短編集で、ネタは新しいけどスタイルはまごうことなきオールドファッション。これこれ、こういうのが読みたかったのだよ。

ほとんどはSFMで既読だったけど、どれも楽しめた。脳の最新理論をSFらしく拡大解釈した「七パーセントのテンムー」が秀逸。

Tags: book

2009-06-11(木)

iPhone OS 3.0で一番期待しているのはBluetoothのA2DP対応

yooseeのPalm Preレビューを読んで、pilot1000以来のPalm信者としては猛烈に欲しくなってしまったわけだが、日本のキャリアで採用しそうなところはないよなぁ。EMOBILEあたりから出るとすごく嬉しいけど。

いずれにしても今のiPhoneを2年使わなくてはならないので、OS 3.0が出たらとっととアップデートするつもり。もっとも、今のiPhoneに対する不満の多くはアーキテクチャに起因するので、OSを3.0にしても(たとえ本体を3GSにしても)解消されないと思うけど。あとはもう、普通のバグをなんとかしてくれ……という気持ちでいっぱいです。I/O待ちで再生中の音楽がブチブチ切れるとか、ありえないだろ。

OS 3.0で(唯一)期待しているのはBluetoothのA2DP対応である。これでやっと不恰好なアダプタをつけなくてもワイヤレスにできる。ますます電池がもたなくなるだろうけど、自宅に2ヶ所、職場に1ヶ所の充電ポイントを常設し、mobile boosterを常時持ち歩いてるおれに隙はない。

もっとも、今使ってるプリンストンのBTレシーバ(が原因かどうかわからないけど)、ちょっとでも本体と離すとすぐに通信が途絶する。レシーバを胸ポケットに入れ、iPhoneを尻ポケットに入れると、それだけでダメ。50cmくらいしか離れてないのに。間に人体が入っているせいらしいけど、こんなんじゃ実用にならんだろう?

B000KQGN7S

というわけで、常識的な距離でもちゃんと使い物になるBluetoothレシーバを、誰かオススメしてくれないかなぁ。条件は任意のヘッドフォンが使えて、マイクを内蔵していること。USB経由で充電できると最高。ちなみに下のSONYのヤツはまぁまぁの評判なので、もしこれしかないようならSONY製でもガマンして買う。

B0015CYFLC

あとはLogitechのコレ? SONY製より2000円も安いあたりに罠がありそうな気がする。

https://www.amazon.co.jp/dp/B001QCXR3S

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]

Before...

ただただし [>shun あー、それは調べたんですけど、マルチペアリングできないので、iPhoneでは実用になりませんねぇ。デザイ..]

arton [SONY使ってるわたしが来ましたよ。確かにびっくりするほど途切れず、音鮮明(他2種類との比較)。マルチペアリングもば..]

かな [>arton DRC-BT15を直に充電するケーブルはなさそうですけど,充電台につなぐUSBケーブルはあるので,少し..]

arton [おお、どうも。ACアダプタ自体は小さい(NDSのやつよりは大きいけど)とは言え場所を食うので、これはいいですね。]

shun [OS 3.0になれば内蔵BTでA2DP使えるようになるのでマルチペアリング必要ないんじゃないですかね?2台もちとかで..]

ただただし [バイクのナビもBTなので、まぁ一種の2台持ちかな?]


2011-06-11(土)

tDiary: カテゴリ入力をドロップダウンに

[スクリーンショット]設定画面

引き続きjs化を進めている。以前どっかでカテゴリ(タグ)の入力支援を一覧じゃなくてドロップダウンリストにしているプラグインを見たような気がするのだが見つからなかったので*1、jQueryで再実装した。設定画面で選択できる。将来的にはもうちょっとインテリジェントな感じにしたいけど、まぁとりあえずはこれでいいや。

(6/12追記)で、翌朝になってFirefox(4)とMSIE(8)で試したらまともに動かないの(笑)。jQueryのブラウザ非互換吸収を信頼しきっちゃダメだよなー(←知ってて何度もやる)。慌てて直したが、他のブラウザでまで試す労力はかけられないので、当面これはもうユーザからの指摘を待つしかないわな。

Tags: tDiary

*1 本人に指摘されてtamootさんのとこだったと判明。


2012-06-11(月)

https://www.amazon.co.jp/dp/9784488250102

本が好き!で当たった献本なんだけど、不思議なことに必ず「4回に1回」当たるんだよね。抽選つってるけど、作為が入ってるようにしか見えない(笑)。

それはそれとして、あらすじを読んで反射的に応募したのだけど(ミステリだということは理解していた)、蓋をあけてみたらジュブナイルだった。しかも、ページをめくって目に飛び込んできたのは「1932」という数字。なんと、原作が書かれた年である。それからようやく調べてみると、1930年から同じペンネームを使って複数の作者が書き続け、数百冊におよぶ大シリーズの一冊だということ。ようするにミステリ界のペリー・ローダンということか! いやぁ、存在すら知らなかったよ。

主人公は「少女探偵」、アメリカ在住の18歳(?)でコンバーチブルの車を乗り回し、父親は成功した弁護士、大学アメフトの選手をボーイフレンドに持つという、いい感じにファンタジーの入った設定で、たしかにこれで主人公が歳を取らなければ長く読み継がれるシリーズになるのもうなずける。ミステリとはいえ殺人は起きず、少々危ないメにはあうものの命にかかわるようなことはない。シリーズすべてがこんな感じなのかはわからないが謎解き要素は希薄で、むしろ冒険小説にちかいプロット。子供の頃に知っていたらたぶんはまっていたと思う。

面白いなぁと思ったのは、捜査中のナンシーの問い合わせに、警察署も郵便局も航空会社も、第三者の個人情報をほいほい渡すところ(笑)。のんびりした時代だったのだねぇ。現代のプライバシー基準下ではとても書けない(謎が解けない)のは間違いない。そいういう意味でのオールドファッションさも、ジュブナイルとしてのバランスの良さにつながっているんじゃないかと思う。近作がどんな感じなのか読んでみたいね。

このシリーズは複数の出版社から出ているけど、創元のシリーズは表紙もかわいいながらも萌え絵ではなく、ちょっと外国文学らしい香りが残っていて良いと思った。翻訳はこの巻でおしまいという噂をみかけたけど、ちゃんと継続して、学校の図書室にずらっと揃えておいて欲しいなぁ。

Tags: book

2017-06-11(日)

映画化された「あなたの人生の物語」を観てきた

(例によって「メッセージ」という邦題がアレなのでこんなタイトルだが、邦題の話は本文のあとに書く)

最初に盛大なネタバレを書いてしまうが、ばかうけに似ているとして急遽プロモーションに使われた宇宙船だが、実際はぜんぜん似てなかった。むしろ巨大な甘食にそっくりなので甘食業界にはがんばっていただきたい。

https://www.amazon.co.jp/dp/9784150114589

さて、テッド・チャンの傑作「あなたの人生の物語」が映画化されると聞いたときは(SFファンのごたぶんに漏れず)ばっかじゃねーの!?と思ったわけだよ。だってさ、「あなたの人生の物語」といえば、異星人との地味~なファーストコンタクト物で、宇宙船もなければドンパチもない。だいたい〈ヘプタポッドA〉で光明のみえてきた交流が〈ヘプタポッドB〉の登場でひっくり返り、フェルマーの原理をきっかけにヘプタポッドたちの特異性が明らかになるあたりが醍醐味だけど、そんなの映像化したって面白いわけないじゃん?

ご安心ください。そんなもの、いっさい出てきません! それどころか、ルッキンググラスも出てこないし、コンタクト地点も12個に減ってるし、ヘプタポッドたちの固有名も変わってる上に指の本数も違う、それどころかゲーリーの名前までイアンに変わってる!!

代わりに加わっているのが、(真っ黒い甘食そっくりな)巨大宇宙船、多少のドンパチと国際紛争。あとルイーズの娘の名前。つまり、原作からは大規模な改変がされている。

ああ、ダメなハリウッド映画になっちまったかと落胆めされるな。これらのどれもが「正解」なのだ。驚いたことに、原作のエッセンスをまったく損なうことなく、すばらしくまっとうなSF映画に仕上がっている。とにかく脚本が上手い。そして(SFマニアにだけわかれば良かった)原作の不明瞭な点が、みごとな演出できれいに整理されていて、映像化に細心の注意が払われているのがわかる。

以後、多少のネタバレは気にせずに書く:

なんといっても〈ヘプタポッドB〉の表現がすばらしい。小説を読んでいてもせいぜい複雑な漢字ライクな記号しか想像できなかったんだけど、映画ではたくさんのヒゲがついたサークルで、それが(タコ型宇宙人である)ヘプタポッドの足先から噴出されるイカスミで描かれる*1。描き始めと描き終わりがなく順序性もないという〈ヘプタポッドB〉の条件を満たしているばかりか、カオティックになるはずの「スミ」の広がりを事前に予測して噴出させるというスタイルによって、過去と未来のすべてを内包する〈ヘプタポッドB〉の特異性までをも表現している。これはもう、ものすごい発明だし、これをみられただけでも満足だ。

ヘプタポッドたちの居住環境を白いモヤで満たされた空間にしたのも「なるほどそうきたか」と感心した。〈ヘプタポッドB〉という空中に投影する言語が生まれた環境として合理的で、彼らがちゃんと徐々に進化してきた生物だと納得できる。原作だとあの言語の原始的な状態が想定できなかったから、ヘプタポッドたちが実在の生物だという実感がわかなかったし、これは映画化で大きく補完された表現だ。

叙述トリックを成立させつつ、観客に適度な追加情報を与える映像演出も上手い。冒頭で赤ん坊を抱っこするルイーズの薬指に光る指輪をアップにしたり、決して父親の姿を映さなかったり。さらにはオチで未来の出来事をきっかけに「事件」が解決に向かって走り始めるあたりの改変はドラマチックで実に映画的。「中国」の使い方*2も含めてここはお見事としか言いようがない。

というわけで、満足。原作も映画も、ぜんぜん違うけど、どっちも同じくらい傑作だ。

ところで宇宙船は北海道にも降りたということになっているんだけど、帰りながらかみさんと話した「彼らの行く末」が「食卓にあがって美味しくいただかれた」で一致した。たぶん日本人なら食べてみたくなるはず(笑)。


さて、映画に関する最近のニュースといえばマーキュリー計画を描いた「Hidden Figures」の邦題「ドリーム 私たちのアポロ計画」が批判を受けて「ドリーム」に変更されたというアレだ。あからさまに誤ったタイトルをつけたとはいえ、文句を言えば変更できるという前例を作ったことは大きい。これからもふざけた邦題にはガンガン文句言っていこうぜぇ。

で、今回の「メッセージ」も、含意もへったくれもないクソみたいな邦題でがっかりなんだけど、映画の原題からして「ARRIVAL」なのでどっちもどっちである。小説の原題は「Story of Your Life」で邦題も直訳だけど、読み終えてから意味が明確になるというあたりに知性を感じるし、映画としても充分通用するいいタイトルだと思うんだけどなぁ。

ようするに、一見して映画の内容がわかるストレートなタイトルを付けてもいいけど、見終わると別の意味が浮かび上がるような、知性あふれるタイトルにして欲しいのよ。「Gravity」や「Inside Out」みたいにさ*3

Tags: movie

*1 タコ型なのにイカスミとはこれいかに(イカのスミは海中で形を保つので〈ヘプタポッドB〉はイカスミ製だと思う)。

*2 中国市場を無視できなくなったハリウッド映画に、不自然な形で中国ないし中国人が登場するようになってしまったという嘆きは多く聞かれるが、この作品では(無視できないなりに)かなり自然な形で扱っていて「上手いことやりやがったなぁ」という感想。

*3 最近観た中から、原題はすばらしいが邦題が台なしの代表的なものとしてあげた。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

kitaj [オレも見た! 原作とかなり違うけど本当にいい改変だと思った。 こういう映画ばかりなら大歓迎なんだが。]

yomoyomo [> で、今回の「メッセージ」も、含意もへったくれもないクソみたいな邦題でがっかりなんだけど、映画の原題からして「AR..]

ただただし [> yomoyomo なるほど、そういう解釈ができるという点は同意します。 ただ、〈ヘプタポッドB〉を会得し..]

ただただし [↑と書いたものの、一本の映画にここまでの理解を可能にする表現を求めるのは無茶かも知れません。こういうのは読み返しも前..]


2018-06-11(月)

映画「ピーターラビット」を観てきた

観てきた知人の誰もが満足そうだったので、これは観ておかねばなぁと思い、時間を作ってちょっくら観てきた。

こういう映画、「特撮*1すげー」という評価はもう、しなくていいんだろう。「アバター」で(計算コストの低い)のっぺりとした生物と人間を同じ画面に収めたのに始まり、「猿の惑星」で人間によく似た毛むくじゃらの生物を描いたのちの、人間のように振る舞ううさぎたちを実写映像に入れ込んだこの作品は、もうそのことで驚いたりするものではない。現代の映画では、これくらい当たり前のものとして受け入れるしかない。

なので、ようやく「普通に映画として」面白いかどうかだけを評価すれば良くなったってことだよな。いいことだ。

そういう観点では、悪知恵が働くアンモラルなうさぎどもと人間の、仁義なき戦いをユーモアたっぷりに描いていて、お見事。隅から隅まで楽しんだ。エンターテイメント映画として十分に傑作。

とはいえ、終わってから振り返ると、ビアがうさぎたちの「正体」にいっさい気づいていなかったのが、実はけっこう不気味なんじゃないのと思った。彼女が最後に気づくフックとしての「ウィンク」がそれまで繰り返し登場しているのが、そのことを強調している。マグレガーが早々に気づいていたのと対象的に、ビアの鈍感ぶりは異常だ。自然が人間に敵対的かそうでないかは敵対的に決まってるんだけど、ビアの存在は能天気な「自然主義者」(カッコつき)を揶揄するために作られたのではないだろうか。

Tags: movie

*1 言い方がもう古い。


2019-06-11(火)

OSSライセンスMeetup Vol.3「知財部門から見たOSSライセンス」へ行ってきた

[写真]大内さんの「OSSライセンスとの格闘経験から」

Vol.2が面白かったのでVol.3にも参加してみましたよ。今回は開発者サイドではなく、知財部門の人たちの話を聞く会。スタンスの異なる立場の人たちなので、これはなかなか良い着眼点。ただ、今回の講演者探しは難航したっぽくて、主催者がTwitterなどでつてを探すようすが観測されていましたね。

けっきょく同じ大手IT企業で知財を担当する(バックボーンがやや違う)2人が講演者ということで、バリエーションの乏しい感じになってしまったのは残念か。まぁ、もっぱら開発者だらけのミートアップにわざわざ話しに出かけてきてくれる知財担当者というのは、少ないだろうなぁというのはわかる。……というかですね、自分と同じグループ企業のわりとよく知ってる話を聞かされることになったおれの立場は(笑)。

とはいえこの世界ではわりと名の知られた大内さんの歴史的な話は聞いたことがなかったので、興味深かった。OSSという言葉が誕生する前からずっと現場でライセンスまわりを扱ってきて、活動の場は広げつつも開発者カルチャーに迎合することなくニュートラルな視点を持ち続けているのがすごい。

そして開発者が自分が採用したライセンスに関する知識を持っていないという指摘は鋭い。実際「みんなが採用してるからなんとなくMIT」みたいな開発者は本当に多いもんね。利用したいOSSのライセンスを特定するのが困難という話題から最後に、OSSを公開するときはLICENSEファイルとSPDXをつけてくれ、というメッセージ。これ「LICENSEファイルに合うSPDX識別子をソースに埋め込むプルリク」を生成するGitHubボットを作ればいいのでは……?*1

発表資料はこちら→知財部門から見たOSSライセンス

もう一人の大崎さんは特許畑が長い方で、話の中で「門番」発言があったように、OSSを公開したいサイドからするとわりと煙たい部門の人である。もちろん、開発の邪魔をしたいと思っているわけじゃないのはわかってるんだけど、プロセス上どうしてもブレーキになりがち。

なのでディスカッションパートで「開発者サイドはできるだけ関わりたくないと感じる部門として、どんな歩み寄りの工夫をしているか?」といったちょい意地悪な質問をしてしまった。すみません。当然ながら、互いに歩み寄らないといけないんですが。大きな会社だと全社知財部門にいきなりではなく、顔を見知った自部門にいる知財担当を頼れば済むような仕組みを作っているとのこと。地方自治的発想。権限委譲さえできていれば合理的で良い。

終了時間がだいぶ遅かったので、懇親会には出ずに早々に退散。今回も見知った顔が多かったけど、前回とはちょっと入れ替わっていたのが面白かった(前回のレポートを読んで申し込んでくれた人が何人かいたらしい。レポート大事)。

Tags: oss

*1 そう簡単な話じゃないのはちょっと考えればわかるが、開発者ならまずはこういう血の通わない手法を検討すべきである。


2022-06-11(土)

南林間の台湾料理店「慈福園」にいってきた

かみさんが今日のランチに行きたい店として指定してきたんだけど、写真をみるかぎり入口がないし、持ち帰り専門店? 店の前に出ているスツールで食べるのかな。でも店内に3席あるって書いてある。てか3席ってなんだよ。……みたいな感じで怪しさ満点なのである。まぁ面白そうなので車を出すわけですが。

南林間の駅からわりとすぐで、店のわきにある小さな木戸に体をねじ込むと、実際3人入ればいっぱいになるカウンターがある。秘密基地か(笑)。

出てくる料理は(おそらくオーソドックスな)台湾の屋台料理で、どれも美味い。日本向けに手加減してない感じがいい。おれはルーロー麺、かみさんは牛骨&漢方スープの麺に加えて海老ニラ焼きまんじゅう、あと土産に胡椒餅と台湾ソーセージを買って帰った。

[写真]海老ニラ焼きまんじゅう

[写真]ルーロー麺

店内の冊子で知ったのだけど、このへんは戦時中に雷電を作るのに台湾の工員たちをたくさん招いていたのだそうだ。現在でも交流があるらしい。大和市が資料を作っている→高座海軍工廠と台湾少年工


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