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ただのにっき


2012-05-09(水) [長年日記]

Windows7で無線LANが頻繁に切れる現象をなんとかする(解決か?)

Let'snote N8でWindows7の無線LANがぶつぶつと切れる問題について、先月少し対策したものの、現象はまだ残っており、基本的にはまったく未解決のままだったのだが。

その後もコンパネから無線LAN関連の設定を洗い出してみていたところ、インテルの診断ツールがプリインストールされていることに気づいた(PROSet/Wirelessツール)。これを走らせてみたところ、なんと驚いたことに、問題がおきているときには「無線LANがオフです」という診断結果が出るではないか。えっとつまり、設定や電波状況のせいではなく、そもそもWindowsが無線LANデバイスを認識しなくなっているということ?

N8には無線LANをON/OFFできる物理スイッチがついているので、それを何度か切ったり入れたりしてみるが、あまり変化はない。とはいえ、何かあるとすればこのスイッチの周辺が一番怪しい。以前のLet'snoteにはなかったものだし。

というわけで、いったん電源を落とし、液晶を閉めて、スイッチの近くを本体の裏側から人差し指の爪でパンパンパン、と3回弾いた

それから2週間。意図せずに無線LANが切れることはなくなったように思う。やっぱ昔から言われているように、機械はまず叩いて直すのが基本ってことだな!

Tags: windows

2012-05-08(火) [長年日記]

(ようやく)ターミナルをUTF-8にした

Debian lennyにしたときに、screenがUTF-8に対応していなかったおかげですっかり嫌気がさして、そのままずるずるとEUC-JPのままになっていたターミナル。先日、ReVIEWのコマンドがEUC-JP環境下ではことごとくうまく動かないこともあり、「そろそろscreenをやめてtmuxに乗り換えるか」とつぶやいたら、方々からツッコまれてしまった。Debianのscreen、とっくにUTF-8対応していたらしい。そりゃそうだ、あれから3年、squeezeにしてからだってだいぶたってるのに。

というわけで、ようやくUTF-8環境の人になった(ReVIEWも動いた)。

screenのUTF-8化に関しては、調べるといろんな設定方法が出てくるのだけど(~/.screenrcに「defutf8 on」とか)、一番安心なのは起動パラメタに「-U」をつける方法らしいので、そのように。~/.zshrcが以下のようになっていたのを:

screen -xR

下記にしただけ:

screen -xRU

他に、環境変数LANGを書き換え、/etc/locale.genのja_JP.UTF-8 UTF-8を有効にしてからlocate-genコマンドを実行すれば移行完了。いまのところ問題は出ていない。なんだ、もっとはやくやればよかった。


2012-05-06(日) [長年日記]

esrオープンソース三部作を読み返した

というわけで、ちゃんと読んだ。繰り返しになるがなんでこんなことをしてるかというと、「伽藍とバザール」からちょうど15年、esrが「伽藍」と「バザール」として対比させたものが何なのかすら忘れられつつある(!)という状況を受けてartonさんが現代的視点で解題してくれた一連の文書をちゃんと理解するために読み返したというわけだ。件の文書は以下にあるから読むといいと思うよ:

(本当は「ハロウィン文書」もEPUB化すべきなんだけど、表が多くてやる気がおきない。)


「伽藍とバザール」はよくできた現状分析という感じで、初めて読んだ時とそれほど印象に違いはない。でもまぁ、これは基本中の基本だよなぁ。これを読まずに(または読んでもなお)「伽藍」がクローズドソースで「バザール」がオープンソースだ的な解釈をするやつがいるようで困る。

個人的に(そうきわめて個人的に)面白かったのは「ノウアスフィアの開墾」で、最初に読んだときはあまりに「おれたちの」文化を赤裸々にしているさまにカチンときたものだが、さすがにこの歳になると客観視できるというか、実によくできた文化人類学的なフィールドワークレポートだね、これは。なんでカチンときたかというと当時は文化人類学者に観察される一方の未開人の立場だったのが、今では立派な文明人になったからだな(笑)。そんな読み手の個人的な変化が面白かった。

こいつの結末は慣習を慣習法へ……ということでこのハッカーたちの慣習を「法」として文書化しようという提言(?)になっているのだが、2012年の現代はというともっと愉快な方向にねじ曲がっていて、それはGitHubを中心としたソーシャルコーディングだ。ここでは「ノウアスフィア~」で描かれたハッカー文化がシステム化され、よりあからさまになっている。明文化よりシステム化の方がハッカーぽいし、これは正常進化だと思うね。相変わらずプロジェクトのフォークは起こらないが、コードのフォークは極めて簡単になっているとかね。

となるとクラウドベースのサービスが覇権を競っている現代に合わせて「魔法のおなべ」もアップデートが必要じゃないかと思うのだけど、終章の結論、最後までオープンにならないのはアプリケーションだというのは、わりと現状に合っているのかな。

で、アプリケーションが将来オープンになるかというとたぶんならなくて、なぜなら勝ち組サービスを保有するベンダーは十分に大きくなって、自社内に「バザール」的なエコシステムを構築できてしまうからだ。Googleしかり、Facebookしかり。彼らは優秀でモチベーションの高いハッカーを大勢雇って、社内におけるコードの所有権を曖昧にすることで、コードをオープンにすることなく効果的なバザール開発をしてしまっている。インフラやミドルウェアはまだしも、アプリケーションのコードまでわざわざインターネットに公開する必然性はない。ここにきて、「伽藍」が「クローズ」とイコールではないように、「バザール」は「オープン」とイコールではないよという話になるわけだ。面白い。やっぱり読み返してよかった。

Tags: oss ebook

esrオープンソース三部作のダウンロード数にみるEPUB普及状況

esrオープンソース三部作のEPUB/Mobi版公開ページ*1は、見ればわかるようにGitHub pagesを使っているのだけど、個々の電子書籍のURLはbit.lyで短縮したDropbox上のファイルなので、ダウンロード数がわかるようになっている。

で、ちょっと集計してみた。

[グラフ]esr三部作のダウンロード状況。伽藍とバザールは80:120、ノウアスフィアの開墾と魔法のおなべは50:80程度でEPUBの方が多い

実は公開直後はMobiダウンロード数の方が伸びていて、「ああ、やっぱり技術者のKindle普及率は高いしなー」と考えていたのだが、一夜明けてみたらEPUBが逆転してやや優勢という状況に。さらに結城さんが紹介してくれたあたりからEPUBがさらに伸びて、いまではほぼ倍の差がついている。そりゃそうだ、Kindleよりスマートフォンやタブレットの方がよっぽど普及してんじゃん*2

というわけで、現状では技術者向けならEPUBファーストでおk。一般向けなら言うまでもない。これがAmazon電子書籍の日本市場参入でどう変わるか、楽しみである。

Tags: ebook

*1 今日、いくつかのバグを潰した最新版に入れ替えてあります。

*2 そういえば結城さんだってiPadユーザなのになんでKindle?

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

結城浩 [アクセスに貢献(?)できてうれしいです。 > そういえば結城さんだってiPadユーザなのになんでKindle? ..]

ただただし [なるほどw 間違いをみつけたらpull requestくださいね!]


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