2006-10-17(火) [長年日記]
■ TVドラマ版『のだめカンタービレ』を観た
録画しておいたのを今日になって観た。
上野樹里すげー。でも子供時代の千秋の方がもっとすげぇかも。溺れるシーンの表情にヤラレタ。あと、みんな書いてるけど竹中直人はいらねぇ、超いらねぇ。
TVドラマ(特に日本の)は過剰で安っぽい演出に耐えられないので、もはやなんにも期待していないんだけど、「のだめ」はけっこう見られたなぁ。原作付きのドラマを面白くするには、守らなきゃいけないセオリーがあるのかも。
- これ以上過剰な演出が不要なくらいぶっ飛んだ原作を選ぶこと
- その上で可能な限り原作に忠実に作ること
最初の条件は、TVドラマ的な派手さを求められても十分にそれを受け止められる必要があるということ。ドラマ向けの要素が足らないと(月9の前作「サプリ」みたいに)、ドラマ的な要請に従って過剰な演出をぶち込まれやすい。
あとは演出家がよけいな色気(ミルヒー役に竹中直人を持ってくるとか)を出さなきゃ、ほっといても面白くなる。もちろん、原作ファンの期待を超えることはできないが、及第点は取れる。期待を超えるには、かなりの才能が必要だけど、そういう人はきわめて少数だ。
2006-10-16(月) [長年日記]
■
月に行こうか、火星に行くか(五代 富文)
読み始めてすぐに「わー、失敗したー」と思った。自分は完全にこの本のターゲットではない。ちょっと宇宙開発に興味のある人には、どこかで読んだり聞いたりした話ばかりの、かなり薄い内容の本だ。
かといって、このジャンルに初めて挑む人が読むと良いかといえば、ぜんぜんそんなことはない。なにしろこの手の本としては異例なことに、本文中に図表・写真がいっさいないのだ。五代氏は何冊か著作があるものの、決して文章がうまい方ではない。というか、かなりたどたどしい。それで図表も写真もなしに、宇宙船や探査機の構造について説明しようというのだから、はっきりいってわけがわからない。
構成もナゾだ。話があちこちに飛ぶし、数ページ前に書かれていたのとほとんど変わらない話がまた出てきたり。なんだか、あちこちに発表したエッセイをごちゃっとまとめたような体裁だ。
なんか、この本の問題は、まともな編集者がついていればすべて解決しているような話ばかりだなぁ。これだけの経験のある著者に何か書かせるなら、この人だけが知ってるような裏話満載の、マニアックな本にすればいいのに(売れないか)。
2006-10-15(日) [長年日記]
■ GTDを始める(10) - 2ヶ月目のふりかえり
GTDを始めてからちょうど2ヶ月が経過したので、ここらで振り返ることにしたい。で、いちおうこの連載は終了。
日常のルーチン
平日の朝、出勤したらまずRTMのCalendarリストから太字になっているもの(今日着手する予定のタスク)をすべて選んでActionリストへ移動。基本的に平日の作業はこれだけ。なぜなら締め切りの決まっていないタスクなど仕事ではないから。つまりProjectやSomedayに入っているタスクなど、しょせんは仕事ではないのだ、と割り切っている。これで数百もあるリストを朝の慌しい時間にさらわなくて済む。
で、その日のActionをすべてこなしたら、改めてProjectを見直して、そこから次にすべきタスクを抽出。着手すべき日が決まるなら日付を入れてCalendarに移動。着手日が決まらないけど近いうちにアウトプットが必要なタスクがあったら、タスクを分割して着手できるように計画を練り直し、一部でもいいからCalendarに移動する。
タスクの追加は、思いついたらすぐにその場で。PC上ではブラウザから、移動中なら携帯やW-ZERO3でメールをする。メールは受信箱に入るので、PCを立ち上げてFirefoxが開いたら、最初に目に入る。そこですぐに適切なリストに移動しておく。これを習慣づけておけば、週次レビューでは新たな収集フェーズはいらないだろう。
週次レビュー
週次レビューは、土曜か日曜の朝。ここでProjectやSomedayを頭からチェックし、必要なリストに項目を移動する。
リスト間で移動するときは、それらを着手しやすいように分割できないかよく考えることにしている。この話はあちこちのGTD解説でよく出てくるが、特にActionに長くとどまっているタスクはこの分割がうまくいっておらず、手を付けにくい状態になっているのが原因だ。心理的障壁を感じるタスクがあったら、なによりまず、分割できないか考えてみると良い。
週末で時間があるときは、CalendarだけでなくProjectやSomedayからも、直接Actionへ移動することもある。「この週末はこれをやるぞ!」という気分が出やすいので、できるだけ日曜よりも土曜がいい。
「ストレスフリー」になったか?
GTDの収集フェーズで「頭の中をすべて出したらすっきりした!」という感想をよく見かけるが、そんな能天気な話があるもんか、と思う。おれは特に自分の記憶力には自信がないから、何時間粘ろうとも、すべてのタスクがアウトプットできたなどと信じることはできない。実際、3時間以上を収集フェーズにかけたが、翌日起きたとたんに忘れていたタスクを思い出したくらいだ。これでは「すっきり」なんてするわけがない。
というわけで、「頭の中になにもないからストレスがない」なんていうのは(おれにとっては)ただのプロパガンダに過ぎない。ただし、それに「かなり近い状態」にあるのは確かなので、ストレスが軽減されたのは確か。自分でやってみて「すっきり感」がなくても、がっかりすることはない。おれに言わせれば、そういう人の方が理性的だ。
あとは以前にも書いたが、何かを思いついたら即座にメモらないといけないというプレッシャーが増えた。これはストレス。だが、結果として「忘れてしまうかも」という不安を取り除けるので、プラス・マイナスでいうと得と言っていいだろう。そのためには、何よりも「どこでもメモれる環境作り」が最重要。
GTDは万能ではない
当たり前のことだが、GTDを導入すればすべての問題が片付くわけではない。
例えばおれのProjectリストには「○○に会ったときに1000円返す」という項目がある。貸した本人が「次に会ったときでいいよ」と言ってくれているからなのだが、この「会ったときに」というのが曲者だ。なにしろ頭の中には何も残さないのだから、○○に実際に会ったときにこのリストを見直さない限り、1000円返すというタスクはかなわない。借金くらい覚えておけという話だが、GTDを厳密に適用すると、このように解消不能なタスクが発生する。
つまり、GTDは能動的なタスク管理は得意だが、受動的なイベント管理は不得意である(かといって受動的なイベント管理が得意な手法があるかどうかは知らない)。もちろん万能ではないからといって価値がないわけではないから、GTDはダメということにはならない。不得意なこともあることを認識すればいいだけの話だ。
まとめ
とまぁ、いくつか問題もあるが、シンプルで継続しやすいという謳い文句に間違いはない。実際に物忘れはだいぶなくなったので(「完全になくなった」と言えないのはアレだが、これは単に個人的な資質の問題だろう。ううっ)、この先も続ける価値はあると考えている。
……というわけで、1年後にもちゃんと続いているかどうかをチェックするタスクをCalendarに入れておこう。
GTD関連エントリ
- GTDを始める(1)
- GTDを始める(2) - 収集
- GTDを始める(3) - 処理、整理
- GTDを始める(4) - 初日の運用
- GTDを始める(5) - 2日目の運用
- GTDを始める(6) - 各リストの割合
- GTDを始める(7) - 週次レビュー
- GTDを始める(8) - 忙しいさなかに週次レビュー
- GTDを始める(9) - 本来の姿に近づける
◆ takkan [のだめと真澄ちゃんの完成度が高いだけに、竹中直人が竹中直人にしかみえませんね]
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