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ただのにっき


2014-08-27(水) [長年日記]

パラークシの記憶 (河出文庫)(マイクル・コーニイ)

前作「ハローサマー、グッドバイ」の感想で未訳の続編のことに触れていたにもかかわらず(しかもその出版が決まったことまで追記しておきながら)、1年近くもまったく気づかずにいたというね。なんでAmazonはこれをレコメンドしないのか。

続編とはいえ前作から「一周期」ほどあとの時代の話なので、登場人物も重ならないし、設定についてもちゃんと説明があるので前作を読んでいなくても話はわかる。が、どうせこれを読んだら前作も読みたくなると思うし、そうなると前作の「大どんでん返し」を楽しめなくなってしまうのでちゃんと前作から読んだほうが良い。

で、続編も「どんでん返し」かというとそうでもなくて、スタイル的には正統派のミステリー、それも殺人事件の。もちろん事件の真相はある意味「どんでん返し」なんだけど、それよりもたんねんに構築された世界の生態系や新しい異星の文化の描写が楽しい本だと思う。

とはいえ、前作からこの星の人々にはどういうわけか世代を超えて伝わる完璧な記憶という超能力が付加されていて、たったひと世代でこんな変化が起きるというその理由もいちおう説明されてはいるんだけど、個人的には「ないわー」と感じた。ほかにも地球人が登場したりと、変化をつけるためとはいえちょっと都合が良すぎる状況設定が目立つし、恒例(?)のボーイミーツガールもいささか順調すぎて単純だ。

十分楽しめたし佳作には違いないが、前作が大傑作だっただけあって、ちょっと点が辛くなっちゃうかな。作者が書き上げたあとで出版せずにいたというのもあんまり出来に満足してなかったからではないか……なんてよけいな想像をしてしまうのだった。いや面白かったけどさ。

パラークシの記憶 (河出文庫)
マイクル・コーニイ
河出書房新社
¥1,045

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
マイクル・コーニイ
河出書房新社
¥935

Tags: book sf

2014-08-25(月) [長年日記]

ALS以外の難病のことも時々でいいから思い出してあげてください

数日前にしたTweetが、いつの間にか1000件以上RTされてて「おおっ」てなった:

たどってみるとアンチ自民とかアンチ安倍政権みたいな人たちの琴線に触れただけみたいではあるけど。まぁそうだよね。

言うまでもなくALSアイスバケツチャレンジと特定疾患医療受給者の自己負担が増える話には関連はない。両者を並べたところで、そこに意味を見出せるのは当事者だけだろう。なので実際にALSに寄付をした人を揶揄する意図はない。まぁ、一人の難病患者としては「ALSめうまいことやりやがって」とか「その寄付金、ちょっとでいいからこっちにも回してくれねぇかな」とは思うけどさ。エゴだって? そりゃそうだ、こっちは自分の命がかかってるんだから。

日本で「難病」(カッコつき)というと、かなりざっくりした定義としては「原因不明で治療法も見つかっていない慢性疾患」で、厚生労働省が決めた130疾患(!)のことだ。そのうちの数十疾患は国から医療補助が出ている*1。話題のALSはその中のone of themにすぎないのだけど、その特異な症状や、天才物理学者ホーキング博士という「ヒーロー」の存在もあって、難病のなかでは超メジャー級の知名度だ。が、今回のチャレンジを通じて初めてその存在を知ったという人がけっこういて、ALSでない難病患者としてはかなり暗い気分になってしまった。

こと病気の話だし、慢性疾患だから症状が表面的になりにくい場合もあって、今回のチャレンジのように派手なことをしないと人々の意識にはとまらないのだよね。一時期マーケティングやプロモーションに関わっていた身としては、こんなにも低予算で効果的なプロモーションを思いついた人をなによりも賞賛したいし、これをきっかけにして他の難病の存在も(少しは)知られたという効果は良かったかなとは思う。他の疾患を持つ人の反応なんかもぼちぼちあるし(随時追記予定):

そういう意味で個人的な興味は、安倍首相の動きである。彼はよく知られているように(と書いてはみたけど一般には知られないよね)難病のひとつである潰瘍性大腸炎の患者で、第一次内閣を途中で降りたのは病状の悪化が原因だ。現在ちゃんと職務を遂行できているのは臨床研究が進んで彼の症状にマッチした良い薬が出たからで、まさに日本の対難病政策の成果を享受している人物だ。すでに他の政治家から次のチャレンジを指名されている彼が、どのようなメッセージとともにこれを受けるのか。きちんと他の難病についても言及するのか。「がっかりさせてくれるなよ」という期待とともに待っている。

なお「難病」について少しでも興味を持った人は、難病情報センターのサイトをざっと眺めてみるといろいろわかると思う。公益財団法人難病医学研究財団では寄付も受け付けている。

*1 逆にいうとなんの補助も出ていない気の毒な患者もたくさんいるということだ。


2014-08-24(日) [長年日記]

バナナを長持ちさせようとお湯に浸けた話

朝食にバナナを食べているんだけど、この季節はすぐに黒ずんできてしまってよろしくない。そういえばネットでちょくちょくバナナを長持ちさせる方法てのが流れてるよなぁ、と思って試してみることに。

たしかしばらくお湯に入れておいてから、室温で冷ますんだっけ……? (←めっちゃあやふやな記憶) 鍋にいっぱいお湯をわかして……一本一本とか面倒くさいし、房ごと投入しちゃえ! ……ってあれ? なんか黒ずんできちゃったぞ、やばい、すぐ引き上げないと……アチチチ!

photo

いやー、びっくりした。バナナって、熱湯につけるとすぐ真っ黒になるんだよ。知ってた?

長持ちするバナナの(正しい)作り方:

  • × 90℃のお湯に5秒
  • ◯ 50℃のお湯に5分

こんどはちゃんとやろうと思う。みんなも気をつけような。

なお、表面は真っ黒になったけど中身は無事でした。あと、起きてきたかみさんが気味悪がってた。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

smbd [オーブンで丸ごと焼くと同じようになりますねー。 それとアイスにシナモンパウダーとレモン絞るとウマーです]

ただただし [いや、そういうお料理ネタじゃないからw]

ToshiOkada [氷点下の部屋に放置しておいても同じように真っ黒になりますよー,お試しあれ(笑]

にじむ [角砂糖洗うアライグマ的な。]


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