2012-02-28(火) [長年日記]
■ 結局、「無料の電子書籍」ばかり読んでいる(2)
続き。
Aozoragenのデバッグを兼ねて(←例によって目的と手段が入れ替わっている)最前線あたりの小説をパラパラと読んでいるのだが、やっぱラノベは合わないなーなどと言いつつ、『エレGY』はけっこう面白かった:
ちょっと痛めのラブストーリー。登場人物はエキセントリックだけど、萌えやら魔法やらが出てこなところがいい。最初に絆創膏を貼るシーンが好き。著者名でググったら、ハヤカワJAからも出てるじゃないか。ぜんぜん知らんかったよ。
セドナ、鎮まりてあれかし (ハヤカワ文庫JA)
早川書房
¥93
たまに異ジャンルにでかけると発見があっていいね。
それにしても、PDF化して読んでるとときどき文字が欠けている部分があったりして、元をたどってみるとけっこうやんちゃな文字コードを使っているのが判明、一般的な文字に置換するようにスクリプトを改造したりして、グリフにこだわる作家の要求に合わせて電子書籍を作るのはほんとうに大変だと思った。
2012-02-26(日) [長年日記]
■ 時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)(フェリクス J.パルマ)
「SFなのかなー」と思って手にとったのだけど、少なくとも終盤まではそうではなかった。この本はネタを割らずに感想を書くのは不可能だし、新刊というわけでもないので気にせずネタバレを書くけど。正直、「これはないなー」という読後感。ちなみに向井さんは絶賛していたので、そっちを信用した方が良いでしょう(笑)。
というわけで以下ネタバレ。
時間モノSFが過去を描くとしたらペストが猛威を振るう中世ヨーロッパか、切り裂きジャックが暗躍するロンドンかというくらいで、本書の舞台も19世紀末のロンドン。主人公は「タイムマシン」を発表したばかりのH.G.ウェルズとなれば、おのずとガチな時間SFを期待するが、実はそうではない。いや、表面上はそういう体裁をとっているけど、少なくとも第一部と第二部はタイムトラベルを装ったペテンの話で、これはこれでけっこうよくできているので楽しいのだ。ここまでは良い。そりゃそうだ、「ハヤカワNV」なんだから。とうぜん第三部にもそういう筋を期待するし、さまざまな伏線がどんなトリックで回収されるのか楽しみにしていると、今度は本物のタイムトラベルが登場してしまい、なんとも都合のいい結末がついてしまう。がっかり。
特に第三部のタイムパラドックスは手垢がついたというか、今どきそれはないんじゃないのという感じだし、それを成立させるためなのか語り手がしょっちゅうメタな話題を挿入してくるものだから、読んでてイライラしてくる(これはもう冒頭からしばらくそんな感じで、途中で投げ出したくなるくらいにウザい)。やっぱベストセラーとは相性が悪いのかねー?
2012-02-25(土) [長年日記]
■ モゲマスはじめて1ヶ月
DeNAの罠(?)にはまってモゲマスを始めてから、ちょうど1ヶ月になる。いまだ無課金ながらプロデューサーランクは「D:新米プロデューサー」でLv.35、イベントも1、2回こなしてSレアも(ようやく)1枚入手したりと、ほどほどな感じでちゃんと楽しく遊んでいる。1ヶ月飽きずに楽しめてるんだからそろそろ課金兵になってもいいかなという状況だ。
ソーシャルゲームに課金する*1というと何かおかしなこと/悪い習慣に金を払っていると感じる人が少なくないようだけど、楽しめてるから継続的にお金を払うというのはごくごくあたり前の行為だと思っていて、早朝の空いている時間にしかニコ動をみなくてもプレミアム会員になってるのと同じことである。だいたいアイマスはパッケージに数千円、その後もDLCに毎月3、4千円はかけるゲームなんだから、モゲマス予算として月々3千円も確保しておけば安い方だし、それを節度を持って運用すればいいだけの話だ。まぁそれができない人がたくさんいる、というのが問題視されているんだろうけど。
ちょうど「行き過ぎたソーシャルゲーム GREEで不正行為の内幕」なんて記事がタイムリーに出たりして、あいかわらずソーシャルゲーム界隈は賑やかであります。もともと自分は自制心の非常に強いタイプなので、ギャンブル的なものに何十万円もつぎ込んでしまう人の心理は本当にまったく理解できないから、射幸心云々に関してはもうとくにコメントはしないでおこうと思う。いやもうホント、「なんで自制できないんですか?」とか言いようがない。子供はまた別だけど。
複製技に関しては、そとから見ていると単にトランザクションをサボっているだけに見えるし、それにしてもコストや性能との兼ね合いからあえてサボった部分なんだろうなぁと想像。でも以前から不正が行われているとわかっていたなら、とっとと何か対策打てよと思うが。
今回「事件」になったのはドリランドだったけど、カードゲームはどれも似たりよったりだから、複製技は他のゲームでも横行しているに違いない。モバゲーでもゲーム間の招待イベントがあって、別のゲームに招待されたりするので試しにやってみるんだけど、ほんとまったく同じゲームシステムの、固有名詞を機械置換して、グラフィックを置き換えただけにしか見えなくて笑ってしまう。モゲマス以外にはまったく食指が動かない自分の心理を振り返るに、こういうクローンのようなゲームを次々とリリースして、その中のどれかにはまってくれればOKというモデルなんだろうなぁ。いや別にいいんじゃないですかね、車やケータイにカラーバリエーションがあるようなものだし。
それより遊んでて面白いなぁと思ったのが、「ソーシャルゲーム」と称していてもたいして「ソーシャル」してないんだなぁというところ。いちおう知り合いどうしで応援しあったり、同じチームに入って協力しあったりみたいな機能はあるけど、ソーシャルグラフを積極的に活用したゲームにはなっていない。やってることは20年前にオンラインでQuakeやってたころとたいして違ってない。一歩進んでグラフの活用にもっと踏み込み始めると、もうちょっと違った展開になるのかも知れない*2。GREEもDeNAも儲かってる上に優秀な開発者をおおぜい抱えているんだから、こっち方面の研究開発にもリソース割いてるんだろうなぁ。というかやってなかったらマヌケですよね。
◆ 向井 [SFになっちゃうのは残念なんですが、最後にSFになっちゃうというのがネタバレなため感想に書けない、というのが問題です..]
◆ ただただし [やっぱり、最後は残念ですよね!]
◆ kitaj [「最後」だけが気になる!]