2011-09-07(水) [長年日記]
■ グスタフ、飼い猫になってから2年が経つ
グスタフを庭で拾ってから、今日で2年になる。さすがにこの日ばかりは、家を出る時にあたりを見回して、捨て猫がいないかどうか確認してしまう(笑)。幸い、今年はなにもいなかった。
現在、体重7.0kg。1年前の30%増。明らかに肥満の傾向。そろそろ成長を止めてくれないと困るレベルです。
といっても、普段近所で見かける父親(とおぼしき猫)みたいにふてぶてしい顔ではなく、相変わらず写真のように愛嬌のある顔をしている。これが飼い猫ゆえのユルさか。でもドーラはもうちょっとシュッとした顔してるんだよな。性格ですかね。
写真は、リビングに置きっぱなしのキャリー(またの名を「猫小屋」)に半身だけ入って外をうかがっているところ。緊急避難用に買ったキャリーが、完全に据え置きになってしまった。
2011-09-06(火) [長年日記]
■ 出版社はみずから「自炊代行サービス」を提供すればいいんじゃないの
出版社7社、作家・漫画家122人が、自炊代行業者に対し「あんたらがやってるのは法律違反なんだけどどう思う?」って質問状を投げたそうで(参考:出版社からスキャン代行業者への質問状を全文公開、潮目は変わるか)。これ、顧客のニーズにいっさい目を向けずに、既存ビジネスを守るためだけに敵を叩くという、音楽業界とまったく同じルートをとっているわけだけど、出版社には自殺願望の持ち主しかおらんのか?
仮にこの「脅し」が功を奏したとすると、自炊代行業者は廃業、読者はここに名を連ねた出版社・作家を敵視して購買を控え、出版社・作家はさらに収入減……と、Win-WinどころかLose-Lose-Loseではないか。愚かな。
というか事実、おれはもう紙しか出さない出版社には見切りをつけ始めていて、電子版が買えない本はできる限りブックオフで調達するようにしてる。だって断裁料のこと考えたら、新品買ってなんていられないもん。「自炊」なんてバカバカしい行為は早くやめたいし、ちゃんと作家に還元されるルートで本が買えるならぜひそうしたいんだけど、出版社が率先して邪魔をしてるんじゃしょうがない。
まぁ、もし今後新刊がすべて電子書籍として買えるようになったとしても、書庫に眠っている多量の本が場所を取っている状況は変わらないわけで、なんらかの方法で電子化したいという欲求は変わらない。でも現状の「自炊代行」に問題があるのだとしたら、なぜ出版社みずからがそれを行わないのか。自炊代行(に類した事業)を出版社が行うと、問題は一気に解消すると思うのだが:
- 「複製」が出まわることがない。スキャンした書籍が読者の手元に戻るからいけないのであれば、利害関係者である出版社みずからがきちんと処分し、複製を残さないようにできるはずだ。
- 一度だけスキャンすれば良い。同じ書籍のスキャン依頼が来ても、バカ正直に毎回スキャンする必要はない。次からは以前のデータを送り返せばいいだけなので、コストは大幅に下がるだろう。顧客が希望すれば、本当の「電子書籍」を送り返しても良い。
- 作家に還元できる。下がったコスト分は作家に還元すればいい。もちろん、許諾も出版社が取ればよいので、「無許可の複製」も同時に解決できる。
出版社が単独で事業化すると、その出版社の本しか対象にできないから、大手印刷会社あたりがBOOKSCANを買収して、複数の出版社の代行をするのが手っ取り早い。読者はニーズを満たされて満足度向上、作家も還元を受けられて、しかも出版社がうまく回せば収益も上がる。こんないい話をなぜだれもやらないの?
「自炊ブーム」という動きを、チャンスととらえてすばやくビジネスを興した自炊代行業者たち。他方、作家と直接コンタクトでき、権利関係の課題を一気に解消できるリソースを持っている出版社は、このチャンスを棒に振ろうとしている。どちらが優秀な経営者か、書くまでもないよねぇ。
2011-09-04(日) [長年日記]
■
翼の贈りもの (Seishinsha SF Series)(R.A. ラファティ)
ラファティの本は、読むたびに「わけわかんねーー!!」と思うくせについつい買っちゃうんだよな。といいつつ買ってから三ヶ月も放置していたわけだけど(電子積読が20冊を超えている状況ではいたしかたない)。
ハヤカワ文庫あたりでまとめられた短篇集なんてぜんぜん「わかりやすい」と言えるくらい、論理もへったくれもないぶっ飛んだ話ばかりが収録されていて、一編読むたびにクラクラしてしまうのだけど、それでもなんだか「嬉しい」というのがラファティ独特の読後感。
指の骨が異常発達して飛べるようになった新人類(?)が旧人類と不自由な同居を強要される表題作はまだわかりやすい。というかこれはむしろラファティらしくないくらいに実に美しい作品ですな。短い周期で繰り返す宇宙でただ一度の発明を競うあう「ユニークで斬新な発明の数々」なんて、クスクス笑いながら読んだけどさっぱりわからん(笑)。ラファティを語る時によく使われる「キャンプで焚き火を囲みながらホラ話を披露しあう」というシチュエーションがまさにぴったりの作品ばかりだ。
まぁ、読む人を選ぶけど(ボソ)。
Before...
◆ nori [自分でやるとしても、こうするでしょ。]
◆ ? [レンタルCDやDVDと同じで 自分で複製する→個人の範囲でOK 業者に依頼する→NG ってだけだろ。何言ってんの??..]
◆ ただただし [> TJ スキャンに関わるのは著作権(複製権)、電子書籍の発行は出版権であるという違いのことを指していますか? そう..]
◆ yoosee [仮に論点が「自炊された電子複製が無許諾に大量に流通すること」であれば自炊業者を止めることは特に意味がありませんよね。..]
◆ ただただし [うん、代替案がないこと、読者の方を向いていないことの2点が反発を受けるポイントですよね。出版社と作家はそのことをわか..]
◆ nobio [それは誰が言ってるのですか、と質問したら あなたも質問状には書かれていないことを主張されているようですが? と返答さ..]