2011-09-04(日) [長年日記]
■ 翼の贈りもの (Seishinsha SF Series)(R.A. ラファティ)
ラファティの本は、読むたびに「わけわかんねーー!!」と思うくせについつい買っちゃうんだよな。といいつつ買ってから三ヶ月も放置していたわけだけど(電子積読が20冊を超えている状況ではいたしかたない)。
ハヤカワ文庫あたりでまとめられた短篇集なんてぜんぜん「わかりやすい」と言えるくらい、論理もへったくれもないぶっ飛んだ話ばかりが収録されていて、一編読むたびにクラクラしてしまうのだけど、それでもなんだか「嬉しい」というのがラファティ独特の読後感。
指の骨が異常発達して飛べるようになった新人類(?)が旧人類と不自由な同居を強要される表題作はまだわかりやすい。というかこれはむしろラファティらしくないくらいに実に美しい作品ですな。短い周期で繰り返す宇宙でただ一度の発明を競うあう「ユニークで斬新な発明の数々」なんて、クスクス笑いながら読んだけどさっぱりわからん(笑)。ラファティを語る時によく使われる「キャンプで焚き火を囲みながらホラ話を披露しあう」というシチュエーションがまさにぴったりの作品ばかりだ。
まぁ、読む人を選ぶけど(ボソ)。