2007-09-03(月) [長年日記]
■ nippon2007(5日目・最終日)
夕べは夫婦でホテルに泊まったので、朝はのんびり。で、出勤(?)したらラウンジ用のMacが倉庫になくて蒼くなる。どうやら夕べ、熱心なボランティア諸君が丁寧に箱詰めしてくれたらしく、搬入時の姿で発見。もう1日使うんだから出しっぱなしでいいのに。
特異性:その描き方(創作講座)
今日は、日本人は仕事に戻ってしまうだろうという予測の元、ほとんど英語企画ばかりという状況。itojunたちは果敢に満員の「カフェ・クラッチェ:ラリイ・ニーヴン」に出撃していったが、おれは面倒でどうしようかなーと思っていたところ、志村さんが「ストロスがシンギュラリティの話をするよ」と教えてくれたのでそちらへ。つーか、確かに「特異性」の方が正しい訳かも知れないけど、日本ではすでに「特異点」で定着してるんだから、そっちを使わないとわからんがな。
で、ネイティブどうしの英会話にはまったくついていけず、玉砕。45分で離脱。
火星探査:インサイド・ストーリー
火星縦断のランディスが出るというので。と思ったらなんと、ランディスの隣にはエリック・コタニこと近藤陽次博士、それから実際の研究者たち。贅沢なセッションじゃないか。でも入り口には「通訳あり」って書いてあるのに全編英語です。本当に(ry ……と思ったら最初から会場にいた通訳氏がなぜか途中から登場。あいかわらず企画サイドとの連携悪し。でもこの通訳氏はとても優秀だった。最初からやって欲しかったなぁ。
ランディスの司会で「SFの火星探査はこうだけど、現実は?」という対比を、軽妙に楽しく進む。
- 火星の1日に合わせて仕事をする*1と、40分ずつ時差が蓄積して世界一周気分になれる。
- これを利用して、実際に火星時間で生活すると人体にどんな影響があるか調べる実験を兼ねた(!)。
- 砂嵐があると、砂塵が落下して空が晴れるまで、(太陽電池が発電できないので)50日くらい探査ができない。
- 火星の塵はH2O2以上の酸化剤。船内に入ったらなんでも漂白されてしまう(一夜にして白髪に!?)。
- 科学者は地質学的に興味深いところに行きたがるが、ミッションコントロールは危険のない(イコールなにもない)ところに行かせたがる。
- ランディスは極冠を提案している*2。
- 極冠近くにある「ハインライン」というクレーターには、水の氷があるかもしれない。
で、濃い話に入る前に尻切れトンボで終了。1時間枠じゃぜんぜん足らない……。
■ 終了。
お疲れさまでした >おれ
2007-09-02(日) [長年日記]
■ nippon2007(4日目)
朝っぱらから、涼宮・長門・朝比奈のコスプレをした小学生(?)少女3人組を見たときの感情をどう表現したらいいのかわからない。
さて、今日もネットワークは快調。トラブルらしいトラブルは、おれがいない間に出尽くしたということか。いや、おれが来たからトラブルが出なくなったと考えた方がいいな(笑)。今朝からインターネットラウンジにテーブルタップを増設してみた。あとはネットワーク死活監視と称して、参加する部屋に一時的な無線基地局を設置してみたりして。
ハードSFの楽しみ
でも朝イチのこの企画は、タイミングを逃してしまって基地局設置できず。ワールドコンなのに日本語企画ばかりに出ていていいのかという話もあるが。まぁいいか、どっちも。
関西方面(?)のハードSF作家4人(堀晃、林譲治、野尻抱介、小林泰三)による自作解説。この中ではもっともエンターテイメントというか表現に心を砕いている作家である(とおれが認識している)小林泰三がやはりダントツでプレゼンがうまい。小説が上手い人はプレゼンも上手い……だろうか。
インタビュー: テッド・チャン
開始20分前から、4Fの狭い箱の前に大行列が発生し、慌てて3Fの大きな箱が用意される。オペレーション、GJ! もっとも、(チャンは日本で大人気なので)こうなることくらい予測しておこうよ、という気もするが。列の中にはnijimu、takahashim、企画サイドにjmukなど、見知った顔がやたらと多い。
インタビュアの菊池さんが、潔く「1時間しかないから通訳はサマリにする」宣言をする。チャンの方も、まくしたてる感じじゃなくて訥々と話す人なので、なんとなく聞き取れる。
- クラリオンが「人生を変えた」とまで言う。仲間に飢えていたのね。作家コミュニティって重要だなぁ。
- 物理からコンピュータに鞍替えしたという経歴が自分と同じなので共感する。おれはあんなに賢くないけどな!
- (もっと書いてよ!という注文に対して)すごいアイデアを思いつかないと書く気になれない。年に1本とか。
- (最近発表した新作について)1000年前を舞台にしたタイムトラベルもの。両端が別々の時空に固定された「どこでもドア」タイプのタイムマシンが出てくる。濃ゆいハードSF臭がするね!
- 次回作は、中編。
1時間があっという間! 時間少なすぎだ。終わったあと、チャンとがっつり握手しておいた。あえてサインはもらわない主義で。
メカデザインと監督のおもしろさ
出渕裕と河森正治の業界デビュー30周年という企画で、二人の仕事を振り返りつつ、最新作の宣伝などなど。詳細略。
2007-09-01(土) [長年日記]
■ nippon2007(3日目)
大規模ITカンファレンスを上回るトラック数なので、出たいセッションが重なるのは当たり前。合間合間にネットワークの状況を監視しなきゃいけないし。それにしても、金髪碧眼でメガネの美少女が、ふつーに歩いてるんですよ。さすがワールドコン(そこかよ)。
「さよならジュピター」リメイク推進委員会
同時トラックにハインラインのネタがあったんだけどこっちをチョイス。
- 小松左京がマイク握りっぱなし。元気いっぱいです。
- 小松・樋口のツーショット! これだけで満足だよ。
- 部屋に入るとWiFiがぜんぜん入らない。スタッフ特権で基地局を持ち歩くか……(ぉぃ)。
サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!
瀬名秀明がぜんぜん進行を掌握できていなかったが、第一線の研究者に15分で研究内容を話せという方が無茶な話だよなぁ。第一部ラストの「パラサイト・ヒューマン」がめちゃめちゃ面白かった。おれも操縦されてぇ!
ディスカッションはなんだかグダグダな予感がしたので、ラウンジの監視のために出てきた(らアップルの人がやっと来てくれたので安心モードだった)。後半は別のセッションに出よう。
「電脳コイル」を語ろう!
で、サイエンスを振ってこっちに出るというのはどうか。無線基地局を一時的に設置してみた……が、おれ以外に使ってる人はいなかったみたいだ。そういえば、外人はPDAのWiFiでアクセスしてる人がすごく目に付く。けっこう普及してるんだな。
で、肝心のセッションはふつーに楽しかった。後半、妙に熱い話になったし。濃い話じゃなくて熱い話。結論は「日本にNHKがあって本当に良かった」?。
◆ hyuki [> 感情をどう表現したらいいのかわからない。 萌え?]
◆ ただただし [>萌え? いや、なんつーか、「日本終わったな」という感じ?]
◆ yoosee [むしろ「日本はじまったな」という感じでひとつ。 それはそれとテッド・チャンインタビュー&握手、羨ましすぎです。]
◆ itojun [濃い通訳まくりで凄かったでござる。へっへっへ。 brinさんの政治思想話を通訳できるひとはそうは居まい。 串田アキラ..]
◆ にじむ [takahashimさんとは、14時前に近くの椅子のところで一緒になったですよ。お互い、テッド・チャンの部屋を狙って..]
◆ 松房 [星雲賞自由部門はMーVが受賞。シリーズものは完結時に授与対象という規程があるのですが、それが適用になったのだろうか。..]