2012-04-19(木) [長年日記]
■ アクセシビリティキャンプ東京#1を開催した
今日は1月のキックオフから準備を始めてきた、アクセシビリティキャンプ東京の第一回を開催した。
当初はアンカンファレンス形式でという話もあったんだけど、いきなり「好きなように発表して」といってもハードル高いし、ディスカッションを通じて共通認識を育むようなイベントにしていきたいと考えたので、テーマ別に10人くらいのグループで議論をする会にしたのだった。今回、参加者が30~40人ということで、設定したテーマは以下の3つ:
- 首相官邸を採点する
- スキップリンク
- フォームのエラー通知
「首相官邸~」は(言うまでもなく)おれの発案で、モデレータには一緒に首相官邸サイトをDISった仲間(笑)でもあるばけらさんにお願いした。もちろん首相官邸サイトをやり玉にあげるのが目的ではなく、どういう観点でWebサイトのアクセシビリティを確保したらいいのかを、JISに沿った形で解説しつつ意見交換をするのが目的。3つのテーマの中では比較的初心者にも優しいグループになったかと思う*1。
最後はそれぞれのグループから10分程度のまとめを発表してもらって*2、クロージング。スキップリンクにしてもフォームのエラー通知にしても、さまざまな環境があるために「あちらを立てればこちらが立たず」という状況があることが浮き彫りになって、やっぱり一筋縄ではいかないという結論だったようだ。まぁ、そういう認識が共有されるだけでも意味があるよなぁ。
企画の期間に年度末が含まれていたせいもあって実行委員がぜんぜん動けず、さまざまな決定や告知がギリギリになってしまい、とくにモデレータの方々にはご迷惑をかけてしまった。次回はもうちょっと余裕のある企画・運営をしたい。というわけで、運営委員も募集中です。
なお、会場はIMJさんの会議室を貸していただいた。ちょっと細長い部屋だったけど、むしろグループに分かれて話をするには好都合だったし、ケータリングでそのまま懇親会会場にできてしまうのは(移動に苦労する人が多くなりがちな)アクセシビリティ関連のイベントにはいいですな。
*1 他の2テーマは専門用語がバンバン飛び交っていたようで、それはそれで面白そうだったが。全部のセッションに出られないのがジレンマだなぁ。
*2 このあたりは東京RubyKaigi05をインスパイア。
2012-04-18(水) [長年日記]
■ 南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)(野尻 抱介)
遅ればせながら読了。これは二次創作だねぇ。いや、一次ソースが創作(フィクション)ではなく現実のいまの日本なのだから、1.5次創作くらい? もちろん悪い意味でなく、二次創作の体裁で書かれているところにこそ、この作品の価値があるわけだが。
ボーカロイドやニコニコ動画を始めとしたCGMにインスパイアされた「尻P」が、SF作家・野尻抱介として書いた短篇集というか、それぞれの話は時系列でつながっているのでオムニバス長編になるのか。タイトルにある「ピアピア動画」がまんまニコニコ動画を指しているだけでなく、登場するボーカロイドの小隅レイはもちろん初音ミクだし、ドワンゴの面々やニコ技も登場する。というかむしろ主役がニコ技。これらの背景を知らなくても普通のSF小説として楽しめるが(そこはさすがにプロの作家なわけで)、この極めてハイコンテクストな舞台設定は同時代にこれらのムーブメントをともに楽しんでいないと決して理解できない。そういう意味でもやはりこれは二次創作だ。
ところで、この作品のベースにある、なんでもかんでもオープンにしてしまう文化が世界を変容させていくという主題、我々プログラマはすでに体験済みなわけで、CGM文化はライセンス問題や企業との折り合いの付け方など、FOSSが直面してきた歴史をけっこう忠実になぞっている。となると、FOSSを題材にした類似のフィクションとしてチャールズ・ストロスの『アッチェレランド』なんかが思い浮かぶ。あっちは遠未来に向けて物語をすすめることで社会の変容を描いたわけだが、本作品は別の手段で(より希望に満ちた)未来を見せる*1。
その「手段」がかなりオーソドックスなネタだったりするせいで、SFとしては「アッチェレランド」の方が面白いと思うけど、本作品の「S」はもう、「Science」の意味じゃなくてむしろ「Social」なんだよな。なんてことを、Amazonにあった本書の楽しみ方を見つけられなかった気の毒なSFファンの感想を読みながら考えたのであった。ただのSFとして読んだら損だよね。
南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)
早川書房
¥682
9784152090034
*1 そうそう、「アッチェレランド」の解説が小飼弾、本書の解説がドワンゴ会長という対比も面白いかも知れない(笑)。
■ ナビスコ: 川崎 3-1 仙台@等々力陸上競技場
相馬監督をとうとう解任して、望月監督代行になってから2試合目。ナビスコ杯仕様でメンバーは一部入れ替わっているとはいえ、相手は今季は「J1で一番強い」仙台である。監督代行も仙台出身だし、これはなかなかの好カード。
途中から實藤が退場処分をくらって10人になるわ、ジェシが負傷交代するわと、前節のリードしながら逆転負けした悪夢がよぎるが、全員で踏ん張って1失点にとどめたのはすごい。小林の「らしい」ゴールもひさびさに決まったし、あれ、もしかしておれら等々力で初勝利観戦か? いやめでたい。このまま望月監督でいいんじゃね?
2012-04-17(火) [長年日記]
■ Windows7で無線LANが頻繁に切れる現象をなんとかする(未解決)
Let'snoteを外で使っていると、無線LANがしょっちゅう切れる。すぐに復帰するのでときおり「イラっ」とする以外はさほど実害はないのだが、まぁ、切れないでいてくれるならその方がありがたい。XPの頃はそんなことなかったので、ああ、最近は無線LANアクセスポイントが乱立していて干渉がひどいと聞くし、そういうことなのかなぁ……とか勝手に想像していたのだが、考えてみればDesireやKindleでそんなことはないので、間違いなくWindows7の問題じゃないか。
で、「Windows7 無線LAN 切れる」とかで検索するとすぐに解決策が見つかるのであった。はやく探せばよかったよ、とほほ。消えたら困るからこっちにもメモっておこう:
- コンパネ→ネットワークと共有センターから「ワイヤレスネットワーク」を開いて
- 「プロパティ」を選択
- 「QoSパケットスケジューラ」と「Microsoftネットワーク用ファイルとプリンタ共有」をOFFに*1
- さらに「TCP/IPv4」のプロパティを開き、「詳細設定」を開く
- 「WINS」タブにある「NetBIOS over TCP/IPを無効にする」を選択
上記のすべてが切れ切れ問題の原因とは考えにくいので、本当はひとつひとつON/OFFを切り替えて様子を見るべきなんだけど、とりあえずは明らかに切れなくなったみたいだからいいや。
ちなみにPanasonicにもそのものずばりのFAQページがあるが、まったく役に立たないのであった。いやはや。
追記
「やった、治った!」と思ったのもつかのま、やっぱりブチブチ切れるのであった。なんだよこれぇ!?
追記2
ワイヤレスネットワークが省電力設定になっているのではないかという指摘があったので、フルパワー設定にしてリトライ。やはり切れる。が、少しマシになった気もするので当面はこれで運用してみる。
*1 自宅で使ってるならファイル共有は切らない方がいいと思うんだが、とりあえず自分は使わないのでOFFにした。
◆ hs [ご存知かもしれませんが、著者本人による解説が4/12付けで公開されています。http://d.hatena.ne.j..]
◆ ただただし [もちろん読んでますよ~。向こうにもリンクがありますが、さらなる二次創作(本稿の表現を敷衍するなら三次創作ないし2.5..]