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ただのにっき


2012-04-01(日) [長年日記]

BOOKSCANのチューニングラボがすごく進化して実用レベルになっていた

BOOKSCANのプレミアム会員にスキャン済みのデータを各種ブックリーダー向けに最適化してくれる「チューニングラボ」というサービスがあって、Kindle向けのは以前試して余白をカットするのはたぶんムリという感想を書いたんだけど、いつのまにかずいぶんチューンが進んでムリだと思っていた余白カットができるようになっていた。こりゃすごい。BOOKSCANはマジで開発力高いなー。

さっそく試しにやってみた。上がBOOKSCANの進歩したKindle向けチューニング、下がいつもの自作スクリプトKindlizerによるもの:

[スクリーンショット]上がBOOKSCANのKindleチューニング、下が自作のKindlizer加工

ちなみにPDFのサイズはどちらもほぼ同じ14MBほど。BOOKSCANの余白カットはまだ少し改善の余地があるせいで字がやや小さめ、また画質もあまりよくないが、ノンブルもきれいに落ちているしこれなら実用上はほぼ問題のないレベル。いやぁ、たいしたもんだねぇ。本当にノンブルを完全自動で切り落とせるのかどうか疑念もあるが、急いでいるときや自分でKindlizeしたくないなら十分に選択肢になる。

さらに最近はチューニング済のPDFをDropboxやKindle Personal Documentsに送りつけてくれたりするので、BOOKSCANのサービスの利便性はめっちゃ高い。これでAmazonの送り先をBOOKSCANにしておくと、紙の本にはいっさい触れることなく勝手にKindleにデータが届くという、まるで本当の電子書籍を買っているような世界が実現できてしまうのだから*1

問題は、そろそろ自宅の本棚が空に近づきつつあるということで、そうなるとスキャンする本もないのに毎月1万円近いプレミアム会員費を払うのはありえないということだ。本棚の維持とチューニングラボ周辺のサービスだけ切り出して、月500円とか1000円とかで提供するメニューも作ってくんないかなー。

Tags: ebook

*1 おまけに手元にはDRMのかかっていないPDFファイルが残るのだから、文化的な意味でもそこらの電子貸本屋よりはるかに価値が高い。もっとも表紙/裏表紙の情報が落ちてしまうので、そこまで踏み切れないんだけど。


2012-03-31(土) [長年日記]

森薫拾遺集 (ビームコミックス)(森 薫)

(作者の)趣味全開で大変楽しかった。好きなものを好きなように描いているのをみるのはいいもんだ。

収録作品は新旧入り混じっているんだけど、「こだわり」の深さに変化はないものの腕はメキメキと上がっていてすごい。もっともちょっと古めの作品も味があってけっこう好き。

Tags: book

木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)(石黒 正数)

最近、石黒正数が好きで買い集めている。

この作品もけっこう評判いいので買ってみたけど、ちょっと合わなかったかなー。少年誌ゆえの制約のせいだろうか。ところどころクスクス笑えるんだけどね。というかチャンピオンコミックスなんて買うの何年ぶりだ? とりみき以来じゃねーの?(←古すぎる)

Tags: book

2012-03-28(水) [長年日記]

さよならジュピター〈上〉 (ハルキ文庫)(小松 左京)

まだこんな時代のを読んでいたりする。というかKindleの未読リストの半分くらいが、最近ブックオフで買いあさっている1970~80年代の国産SFなんだが……。同時代の海外SFはたくさん書庫に並んでいるのに、国産SFはみんな売っぱらっちゃったんだよなぁ。たぶん「どうせあとで簡単に買い直せるし」と考えたんだと思う(けどそれほど簡単ではなかった)。今後、市場から消え去ってもいいようにがんばって自炊しよう。

「さよならジュピター」は個人的「ベスト・オブ・小松左京」なので、楽しく読んだ。とはいうものの、どうしても先の震災にからめた感想を抱いてしまうのだが。自分は震災の影響をあまり受けていない方だと思ってはいるけど、そうでもないのかな。たった2年で木星を爆破させるプロジェクトを成功させるプロフェッショナル集団をずさんな原発管理と対比してしまうし、計画を妨害しようとするジュピター教団の急進派はデマを撒き散らすことも厭わない過激な脱原発派に重なる。はたして人類は今後100年で、こんなすごいことをやってのけるところまで進歩できるんだろうか?

それはそれとして、ハルキ文庫版は巻末の対談が面白い。本書が書かれた時期はちょうど8bitのパソコンが普及しはじめた時期ということもあって、コンピュータに映画製作をサポートさせるためのテクノロジーがどんどん出てくる。3Dのワイヤーフレームを描くのに一晩かかったとか、タダでCray-1を借りちゃった話とかちょっと今では考えられない。にもかかわらず、作中にインターネットは登場しないわけで、いかにインターネットという存在が「想定外」のものだったかよくわかる。

さよならジュピター〈上〉 (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所
¥1,999

さよならジュピター〈下〉 (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所
¥680

Tags: book

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