2010-11-12(金) [長年日記]
■ AMN(アジャイルメディアネットワーク)がちっともアジャイルじゃない件
7月の末ごろだったと思うのだけど、登録してあるAMNのブログクラブからメールがきて、プロフィルがリニューアルしてFans:Fansというサイトになるとかなんとかそんな内容*1。こういうメールはたいてい設定で拒否してるはずなので、当然のことながらおれの反応は舌打ちだった。まぁ、それはそれですぐに忘却したのだが。
そうこうするうちに、そのFans:Fansというサービスは正式運用に入ったらしく、今度は10月になってから「ポイントシステムやいいね機能を実装した」という案内だの、ポイントが何点ついただのというメールが来るようになってしまい(そんなの送っていいなんて許可した覚えはない)、頭にきてTwitterでグチったら、知人ネットワークを経由して担当者からお詫びのメールが来たり。それがざっと……10日前の話。
その時の言い訳が、最初のメールはサービスが変わるから必要な案内のつもりだった(つまり確信的)、その後の案内はシステムのバグで拒否してる人にも送ってしまったというもの(つまり事故)。前者の言い訳は嘘っぱちだ。だって旧サービスの「プロフィル」はまだそのまま生きてるし、ログインしても移行の案内すら表示されない。後者にしたって、指摘されるまで何日も気づかないとかありえんでしょう。
もっとマシな言い訳考えろよと思わなくもなかったが、誤ってメールを送付した会員にはあとでお詫びをするというから待っていたのに、10日たってもまだ来ない(Fans:Fansのサイトにもまったく何の記述もない)。しょうがないから日記に書く。
断っておくけど、AMNには期待してるのよ。破竹の勢いのFacebookだって見方を変えればバズマーケティングで食ってる会社なわけで、日本にもちゃんとしたバズマーケティングができる会社があるべきだし*2、徳力さんみたいな誠実な人がやってるから信頼していいと思ってる(思ってた)。社員の中には知人・友人もいる。だからよけいに腹がたつ。会社が大きくなってきて、ビジョンの共有がおろそかになってるんじゃないの?
AMNってぇのはブログをつなげて企業と個人の仲立ちをしようとしてる会社でしょう。ブログオーナーたちは大事なメディアなはず。そういう大切な人たちとの「約束」をAMN側の勝手な理屈で破っておいて、しかもいつまでたっても詫びひとつ入れないとか、何かが狂ってるとしか思えない。
以前、βユーザに申し込んだ「Stamp!」というサービス*3にしても、わざわざtDiary用のプラグインまで書いて正式運用を待ち構えていたのに、まったく開発が進んでいる様子もないし、こっちから質問やバグ報告をしても反応なし。会社のミッションにある『「透明性」と「信頼感」を核に』とは正反対の行動だ。
流行らせるつもりがあるのかないのかわからないサービスを乱発してる暇があったら、「カンバセーション」の基本に立ち戻って、誠実なところを見せて欲しいですよ、ホント。
2010-11-11(木) [長年日記]
■ 永和システムマネジメントの新しい受託契約がすごく面白い
今日は永和が話題をかっさらったねー。「新しい契約形態での受託開発サービス」。
アジャイルと受託開発の相性の悪さには定評があって、なにも作らないうちから納品物・納期をきっちり決める従来の契約形態だとアジャイルな開発がうまくできないというのが最大の課題だったわけだけど、それを開発費用は受託側の持ち出しにして、運用時(アジャイルなので継続的に開発が入る)に細く長く回収するという新しい契約スタイルを打ち出した。
この手の話になると「そもそもアジャイルで受託という発想がいけない、欧米では開発はインハウスがあたりまえ」みたいな頭の悪い舶来信仰が飛び出たりするわけだけど、社外のプロフェッショナル集団が必要なときに必要なものを素早く開発してくれる受託が絶対的に悪いことなんてあるはずがない。永和は、受託開発に対するこだわりがあるんだろうなぁ。そういうところは好き。
もっとも、外部からは永和側がどんなリスク回避策を仕込んでいるのか見えないので、この仕組みが本当にうまくいくのか、なぜうまくいくと考えているのかよくわからない。もしかするとうまくいくかどうかわからないからのトライアルなのかも知れないし。
この形態に合わない案件、例えば運用期間が費用回収できないくらいに短くなりそうな案件は受ける前に断るんだろうな、というのはわかる。でも極端な話、永和のライバルがこの契約形態向きの案件をたくさん発注して、開発だけさせて運用に持ち込ませなければそれだけで永和は疲弊して潰れてしまう(笑)。
あと、アジャイルでは「プロジェクト掛け持ちは悪」だったと思うんだけど、1社15万円/月だと1人の開発者が掛け持ちするプロジェクトはかなりの数になる。チケットがたくさん発行されたら十分な数&スキルの開発者を確保できるのだろうか、とか。いずれも永和側のリスクだけど、この契約形態が持続可能だという見込みがないと発注する側にとってもリスクになるわけで、そのへんの解決策がよく見えないね。
というわけで、実に面白いチャレンジだし、アジャイル開発が抱えていた課題をのひとつの良い解決策だと思うけど、不透明な部分があるからまだまだ手放しで「良い」とは言い切れない。外野としては実際の事例が出てくるのを待ちたいところだ。
2010-11-10(水) [長年日記]
■ 「jQueryクックブック」を自炊した(再)
先日自炊した「jQueryクックブック」、出先や職場で参照してみるも、なかなか手軽に読めるという感じではない。まぁあの厚いのを持ち歩くのに比べたらいつでも読めて検索までできるというのは格段に便利ではあるんだけど。
まず、最低画質で取り込んだこともあってやはり読んでいて不愉快。あと、狭い画面で文字が入っている部分だけを拡大して読んでいると、左右の余白が邪魔。とくに後者はDesireで表示してるときに操作性が落ちるのでなんとかしたい。
というわけで、再度スキャンしてみた。
まず、ScanSnapの設定で画質はファインに。その代わり白黒固定にした。前回オートでやったら網掛けが入っているページはグレーで取り込まれてしまったので、今回画質は上げる一方で階調は落とした。
それから用紙の設定も自動になっていたものをカスタム設定にして、紙面のうち文字が入っている幅だけを指定した。これで左右の余白は取り込まれないはず。縦方向は実際の紙よりも小さくしてしまうとScanSnapが止まってしまうので自動のまま(なので上下の余白はそのまま)。
結果。上が前回のものをAdobe Readerで2ページ表示したもの。20インチクラスのワイド画面のディスプレイなら快適に読めるけど、字が汚い。下が今回のもの。左右の余白が消えて、狭い画面でも読みやすくなった。字もわりときれい(この写真じゃわからないと思うけど)。
とはいえ、やはりDesire程度(3.7インチ)の画面だと、横にしても厳しいんだよなぁ。「うーん、これはKindleフラグか」と思ったけど、最新のKindle3は6インチ画面だから対角15cm。Desireの画面を2つ並べた程度の面積しかない。だとしたらKindleでも横向きにしないと読めないってことで、不自由なことに変わりはないなぁ。Kindleを買ういい口実ができたと思ったんだけど(笑)。
で、ここでかならずiPadを勧めてくるお節介さんが登場するわけだけど、おれがアンチAppleなのを差し引いたとしても、日本の通勤電車で立って使うにはデカすぎて重すぎて落とせば割れるという、移動読書端末としては無価値なデバイスであるということはキッパリ書いておく。Androidタブレットにしても同じことだ。
◆ AMN甲斐 [お詫びメールの件未送信の件、大変申し訳ありません。 お詫びメールはたださんにご指摘いただいた後、11月2日に対象者..]
◆ ただただし [んー、そういう言い訳にならない言い訳はもういいんで、どうぞこれからもがんばってください。]