2010-11-02(火) [長年日記]
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サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ(瀬名 秀明)
ほとんど小説を買わなくなったおかげで、積読箱の中身も読みそこねて古びてしまった技術書と、老後用のレムばかりになってきた。と思ったら底の方からこんな本が発掘されたりして。2年前かよ……。
2007年に横浜であった世界SF大会にて、おれも参加していた同名のセッションのまとめ本で、当時科学者たちから提示されたお題に、SF作家たちが小説の形で応じて補う形になっている。
当時の感想にもあるように、最前線の科学者にたった15分で自身の研究について一般向けに語らせるというのがまず無茶だったし(プレゼンの特に上手い人がかろうじてこなせたレベル)、その後のパネル参加者が1ダースを超えているのを見ればわかるように、発散するばかりでまとまりがいっさいなかった。
本書の中でも科学者が指摘しているように、30年とか50年先に実用化されると考えられている研究を、40代50代の人がやっているという妙な状況が、SFの側でも起きていて、本書に寄稿している作家もいいかげんベテランばかりだ。例外は円城塔だけど、例によって(斜め上方に)浮いているので人選ミスだと思う(笑)。もっと若い人も参加してもらうべきだったんじゃないかな。おまけに瀬名秀明の作品は独りよがりでなんだかよくわかんないし。
本書を読み返してみても、やっぱりとても成功したとは言いがたいセッションだったよなぁ。
2010-10-31(日) [長年日記]
■ パラボラアンテナのサイトをリニューアルした
![[スクリーンショット]「Parabolic Antenna Livers!!」トップページ [スクリーンショット]「Parabolic Antenna Livers!!」トップページ](https://userimages.tdiary.net/sho/20101031_0.jpg)
WikiFarm閉鎖後、Wiki形式のまま静的HTML化してほとんど放ったらかしだったパラボラアンテナのサイトを、リニューアル・オープンした。ここしばらく、他のことは放り出して、時間をみつけてはポチポチ開発を進めていたんだけど、まぁ、だいたいメドが立ったので:
といってもまだ作りかけで、新しいページは第二階層あたりまでしかない。まぁ、個々のコンテンツはぼちぼち移行していけばいいので、とりあえず公開しちゃっていいや。
基本的に静的HTMLだけからなるサイトにしようと考えて(動的な部分はJavaScriptでまかなえばいい時代だ)、それじゃあってんでソレ用のCMSを作ろうと思ったら、DSL部分が難航してしまい、そうこうしているうちに『メタプログラミングRuby』を読み始めたせいで全面的に作り直したり。
で、最終的に「CMSを作りながらコンテンツも作るのは無茶だ」という結論に達したので、evalを排除するのは後回しにして、コンテンツ部分だけ先に進めた(逆だろ……)。というわけで、そのCMS『REGO』は、公開してはあるものの荒削りで完成品にはほど遠い。
おまけに作ってる途中でHTML5に変更したり*1、Facebookが流行り始めたからファンページと連携したり画像をFacebook APIで持ってくるようにしたり。おまけにjQueryにはまったりと、紆余曲折していたせいで、アンテナ施設夏の公開日にはまったく間に合わないというていたらくである。まぁ、面白かったからいいんだけど。
そんなわけで、旧デザインのページをなんとかするまで、もうちょっと他のものは後回しになりそう。
*1 なので一番まともに見えるのはChrome、次がFirefoxという感じ。IEは期待した通りには見えない。
2010-10-28(木) [長年日記]
■ 9784796663700
たまには小説も読まないと想像力が錆びついてしまうので発掘。「面白いよ」といわれてもらったんだったか。うん、けっこう面白かった。派手さはないけど肩のこらないエンターテイメント。人を食ったような語り口ながら行き過ぎにならない節度があって、波長が合う文体だなーと思って奥付をみたら同世代だった。どうりで。
コンプライアンス的に自由が効かない親企業の代わりに汚れ仕事を依頼される、大手IT企業の子会社の無茶なお仕事の数々を集めたオムニバス長編。著者が「このミス大賞」の人だし、謎解きテーマの第一話読んでいて「ミステリーかな?」と思ったけど、種明かしがちょっとルール違反っぽいのでそういうスジ向けじゃなさそうだ。むしろプロットはピカレスクロマンで、スケールは大きくないけど不幸になる人がほとんどいない、きれいなオチがつく。
この会社の社長の「〈多数から少しを奪う〉よりも〈一人から多くを奪う〉行為の方が罪深い」というポリシーが、気が効いてていい。売れる小説を書こうとすれば、おのずと派手になるこの逆をいくものだろうけど、それだとリアリティがないからそういう指向の小説は白けるんだよね。〈多数から少しを奪う〉話はみんながちょっとずつ不幸になり、全体的には幸福というオチになるので、地味だけど得心できる。現代小説だったらこういう方が面白いよなぁ。