2008-08-22(金) [長年日記]
■ 夏休みツーリング(DAY2:平日の臼田宇宙空間観測所)
魚沼
早い電車に乗るかみさんを送り出した後、それほど距離があるわけでもないので9時ごろ出発。
このあたりはいわゆる「魚沼」なので、目に入る田んぼはみんな「魚沼産こしひかり」である。こんだけあったら、ピンからキリまであるんだろうなぁ(と考えてしまう大人っていやね)。国道沿いは民家も多く、豪雪対応の三階建て住宅などを観察しながらのんびり流す。
津南
R117に入ると、道が単調になってちょっと退屈してきた。ふとナビに目をやると、平行してぐねぐねした道が走っている。「ティン!」ときたのでそっちへ。ぐるっと回って元のルートに戻れそうだし。これがけっこう正解で、中速コーナーが続く短いながらもいい感じのワインディングだった。
もっとも、予定していたコースを外れたので、ナビが別ルートを発見できず、「Uターンしてください」を繰り返す。それでも無視して走っていたら、あきらめたのか、その先へ進むルートを示した。はっはっは、やはり機械は腕っ節でいうことを聞かせないといけませんな。
で、それがスキー場のメンテ用(?)らしき細い道で、なかなか心細い。見晴らしはいいけど。それでもあきらめずに登っていくと、R405(道の細さは変わらず)にぶちあたって南下、R117に戻った……すでに通過した場所に。えぇ~?
なんかしゃくにさわったので、もう一度トライしたら、途中で曲がるべき場所を(飛ばしすぎて)見落としていたらしいことがわかった。改めてそっちに入ると、ちゃんとR117の先のほうに戻れた。
臼田宇宙空間観測所
さて、今日の目的は(また)臼田である。普段は休日にしか来れないので、アンテナはお休みのことが多いが、平日ならほぼ確実に稼働中のはず。中野ICから上信越道に入って距離を稼ぐ。そういえば今日はまだ雨降ってない。が、山の上になるとだんだん寒くなってきたので、悔しいがカッパを着た。
佐久ICで降りて順調に臼田へ。もくろみどおり、アンテナは山側を向いた仰角45度くらい。通信先はどこだろう、かぐやかな?
いい気になって写真を撮っていたら、だんだんガスってきて、「おお、これはこれで趣があっていいかも!」と思っていたら、どんどんどんどん霧が濃くなり、とうとうアンテナがぼんやり見えるくらいまで視界が悪くなってしまった。えぇい、おれが何をしたというのだ!
大河原峠
少し待ってみたけど晴れるようには思えなかったので、しかたなく臼田を離れる。ここから西に向かうルートをナビに入れると、かならずいつもの林道を勧められるのだけど、今日もガン無視して国道まで出てリルートさせた。
そしたら予定していたのとぜんぜん違うルートを設定してくれましたよ、このナビは。さっきいじめたのを根に持っているのか。ちょっと迷いながらも蓼科スカイラインにむりやり戻して、大河原峠へ。標高2000mを超えるので、晴れているけどかなり寒い。
でも、以前来たときと違って、別荘地帯の一部を除き舗装がすごくよくなっていて、林道っぽさがずいぶん鳴りを潜めていたのには驚いた。これなら気負わずに走れるなぁ。これはいい道だ。普通にしてるとナビがチョイスしてくれないのが残念。
諏訪湖
だいぶ時間を食ってしまったので、そのまま休まず白樺湖に抜けて、ビーナスラインを走り抜け、諏訪湖の宿へ。かみさんより先に着くはずだったのが、30分遅れての到着になってしまった。
夜はまた酒を飲みすぎて撃沈。でも毎日やっている花火大会は部屋の窓から見られた。花火写真は難しいな。かろうじて数枚撮れた。
2008-08-21(木) [長年日記]
■ 夏休みツーリング(DAY1:奥只見リベンジ)
さいきんすっかり鉄分が豊富なかみさんが、「只見線に乗りたい!」と言うものだから、「そうか、じゃあ、気をつけて行ってらっしゃい」と優しく見送ったおれは、すぐにバイクにうちまたがるのであった。春に断念した奥只見のリベンジだ!
いやまぁ、実際に家を出たのはおれの方が先なわけだが。日中は別行動、宿で落ち合う夏休み家族旅行。
中央道~圏央道~関越道
いつもどおり、八王子から中央道に乗り、圏央道経由で関越へ。関越に乗ったあたりで、ケータイとiPodの充電器を忘れたことに気づくが、かみさんも家を出たあとだった。手遅れ。ケータイの充電はどこでもできるが、iPodはつらいなぁ。
今日の前半はとにかく移動するだけなので、とにかく走る。分水嶺を越える手前で、いかにも雨が降りそうな雲行きになってきたので(いつものことです)、谷川岳PAでカッパを着る。冬なら気にせず走れるのに、夏は面倒だ。案の定、トンネルを抜けると本降りになっていた。
小出ICで降りて東へ。
奥只見湖
バイク差別が根強く残る奥只見周辺。バイク解禁になったのは湖周回の国道だけで、ダムへのアプローチになるシルバーラインは通行禁止のまま。ま、どうせ狭くてトンネルばかりでつまらないに違いないので、どうでもいいけど(←想像だけで書いてる)、
周回道路は、湖に流れ込む沢がよほど大きくない限り道路の上を通すという方針らしく、そこらじゅうが水浸し。けっこうゴウゴウと流れる場所もあったりして、そのたびに「バッシャーン!」「ひゃっほ~!」な感じでけっこう楽しい。平日なので交通量もほとんどなく、ほぼ独り占め状態。でもまぁ、地図を見ればわかるように、やたらと入り組んだ人工湖なので、風景はそれほど楽しくない。
湖を抜けるあたりで晴れ間も見え始める。
尾瀬
湖を越えてから尾瀬までは、思ったほど曲がりくねった感じでもなく、なかなか気持ちのいいワインディング。無事に春のリベンジを果たした。
ちょっと下った集落で、ふらっと入った蕎麦屋がけっこう当たり。裁ちそばとはっとうのセットを食べた。 裁ちそばはいわゆる十割蕎麦だけど、ぼそぼそしたところがない。はっとうは、そば粉ともち粉を練り合わせ、十念(えごま)と砂糖で味付けた餅。名物らしいが、けっこううまい。
食べてるあいだに外は晴れてきて、「ラッキー」と思ったが、店を出たとたんに降りだした。ま、いまさら雨くらいで顔色変えたりしませんよ、ええ。
田子倉
後半は只見線に乗るかみさんとほぼ重なるルートだが、只見湖~田子倉湖に入っても、線路なんてぜんぜん見えない。ナビが「このあたりが田子倉駅だ」と言うので、よくよく見てみたら、道路の下のほう、崖にしがみつくように駅が作られていた。あとで聞いたら、「超」がつくほどの秘境駅だそうだ。いやー、こんな趣のある路線だとは思わなかったわ。
ちょっと下ったところに、駅の出口になる雪よけのトンネルがあったので、そこで写真を撮って、とっとと先へ進むことにした。待ち伏せしようにも、ケータイが圏外なので連絡もできないという。
栃尾又温泉
かみさんより1時間ほど早く投宿。471.6km。
ここはぬる湯で何時間でも入っていられる、好みの温泉。でも夕飯に飲みすぎて1回しか入れず。
2008-08-19(火) [長年日記]
■
ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)(マイクル・コーニイ)
かつてサンリオ文庫で出ていた本の新訳、どうも傑作らしいとの噂を聞いたので読んでみた。たしかに傑作。
サンリオが生きてる頃がいちばん本を読んでいたので、どこかですれ違っているはずだが*1、ぜんぜん覚えていない。
さて、内容はといえば、典型的なボーイ・ミーツ・ガールな青春恋愛小説。ちょうど子供から大人に「なってしまう」微妙な時期の少年と少女が、戦争が暗い影を落とす小さな漁業の街で恋に落ちる。苦く切ない物語……と書いてしまうといかにも陳腐な感じなんだけど、話がうまくてギクシャクしないので、とても読みやすくて良い小説。
それだけなら良いのだが、どういうわけか、舞台が異星、主人公たちも人間ではない。オリジナリティあふれる生態系、この惑星独特の風物、文化など、実によく作りこまれた世界だが、恋愛小説的にはぜんぜんSFである必然性がない。わざわざ読者を狭めるなんて、ほんまSF作家の考えることはわからんわ。
……などと油断して読んでいたら、ラストのほんの3ページでだだだだーん! と見事なまでのどんでん返しで、頭を抱えた。再三にわたって伏線が張ってあったのに、全部みのがした! おれはアホか! なるほど、これは確かに、SFとしても傑作だ。
なんでも未訳の続編があって、それが出るかどうかは本書の売れ行きにかかっているらしいので、SF者はきっちり買っておくべき。
*1 同じ作者の「ブロントメク!」は見覚えがあるけどタイトルから内容がさっぱり想起できないので買わなかった覚えがある。当時は今ほど書籍情報にアクセスしやすくなかったからなぁ。サンリオ文庫を買い占めておけば、いまごろ大金持ちですわ(ないない)。
◆ minechi_n [>サンリオ文庫を買い占めておけば、いまごろ大金持ちですわ 買い占めておいたら、売ることなんてできないですよね!ね! ..]
◆ ただただし [続編の出版が決まったそうです: http://bm.que.ne.jp/log/20080821.html#p01]