2007-02-13(火) [長年日記]
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時の眼―タイム・オデッセイ (海外SFノヴェルズ)(クラーク,アーサー・C.)
出だしがかったるいことは以前書いたが、さすがに中盤になると少し物語が動き始め、登場人物が勢ぞろいする。と同時に、終盤のクライマックスに何をやる気なのか丸わかりになってしまうという、ありがたくて涙が出る展開に。どっちが勝つかまであからさまにわかるんだから、これ以上読む必要ないじゃん!
登場人物の顔ぶれを見て、なんかどこかで読んだことがあるような……と思ったが、『リバーワールド』から面白い部分を削除するとこんな感じか? せっかく歴史上の大人物たちが揃って登場するのに、視点が数人の現代人からほとんど動かないから、なんだか醒めた描写ばかりが続いてちっとも盛り上がらない。
で、しまいには、第二部に続く謎を放り出してオシマイ。物語的にちゃんと締めようとか、そういう意図がまったく感じられない。だったら別々じゃなくて、1冊の上下巻として出せばいいのに。
というわけで、駄作。読む価値なし。
もっとも、訳者あとがきによれば、続編は「近未来を舞台にした工学系ハードSF」だそうで、それはそれで読みたいよなぁとか思ってしまう、弱いおれ。でもなんとなく、裏切られそうな気がビンビンするけどな。
2007-02-12(月) [長年日記]
■ 映画『世界最速のインディアン』
かみさんが「面白いらしい」という情報を仕入れてきたので、『世界最速のインディアン』を観てきた@109シネマズ川崎。バイクの映画だというのに、ぜんぜん知らんかったよ。
1920年代のオンボロ・インディアンを駆って、ボンネビル塩湖の最高速度レースに挑むニュージーランドのお爺ちゃんライダーの話。バイクはover 40歳、ライダーは60歳台の、合計over 100歳ペア。これが信じられないスピードを出すんだから、痛快極まりない。最高。バイク乗りに限らず、エンジン付きの乗り物が好きなら見て損はない。
ボンネビルのことを知らないライダーはいないと思うが(いや実際はいると思うが)、バート・マンローのことはぜんぜん知らなかった。さすがに、最高速チャレンジャーのことまでは追いかけてないからなぁ。
アメリカ珍道中の話は、たぶんかなり脚色が入っていると思うけど、当時のアメリカはこんな感じだったに違いない、と信じさせてくれる、うまい演出。なにしろ、悪人が一人も出てこない、じつに幸福な映画である。
アサマシリンクを貼り忘れた! ちゃんと(?)便乗本が出ております。
9784270001820
余談。
- レースの舞台になる塩湖が「ボンヌヴィル」という表記になっていたんだけど、日本では「ボンネビル」の方が通りがいいはず。翻訳サポートにモリワキの名前が出ていたようだが、ヨシムラに頼めばちゃんと「ボンネビル」になったに違いないよね。というか、「アクスル」とすべきところを「アクセル」にしちゃうなんて、モリワキはどんな仕事をしてるんだ。まぁ、これが戸田奈津子クオリティ?
- 1000cc以下クラスの世界記録はいまだ破られていない……とのことだが、今日び1000ccそこそこの市販車でも公道で300km/hを超える時代。おそらくこのクラスにはだれも興味を持たなくなったというのが真相だろうと思う。あとは、みんなが大好きなバートおじいちゃんの記録を、そんな最新鋭マシンで破るのは大人気ないしというのもあるだろうし。
- 普通のロードタイヤにある細工をしてレース用のタイヤを作るシーンがあるんだけど、あれに既視感を覚えたカブ仲間は少なくなかったと思われる。おれはツインリンクもてぎで同じシーンを見たよ!
- 海賊版撲滅キャンペーンが、例の(ものすごく評判の悪い)黒い涙を流すアレから、五月女ケイ子のイラストを使ったちょっとコミカル(?)な感じのものに変わっていた。心を入れ替えたようだ。というか、少しはマシな広告代理店がついたということか。
2007-02-11(日) [長年日記]
■ カブ廃車
来月、次のオーナーが引き取りに来ることになったので(しかも四国まで乗って帰るというので)、廃車手続きをしつつ、整備に出した。
タイヤを交換したんだけど、バイク屋にチョイスを任せたら、CT110用のタイヤを取り寄せてくれた。本来2.50サイズのC90に、2.75を履かせるのだから、だいぶ無理をすることになるのだが(といっても今まで履いていたのもほぼ同サイズである)、干渉するFフェンダーを熱で広げることまでしてくれた。GJである。
他にもブレーキシューやオイルの交換なども実施したので、長距離ライディングに耐えうる状態に戻っただろう。こいつとも、あとひと月余りだなぁ。ナンバーないから乗れないけど。
◆ スギヤマ [本日観ました。たぶんこの映画館でいちばん涙したのは私です。 >普通のロードタイヤにある細工をしてレース用のタイヤを作..]
◆ ただただし [スギヤマさんは絶対泣くと思ってましたよ! おれはなぜか泣けなかったんだけど。どちらかと言えば笑いどおしでした。]