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ただのにっき


2018-06-11(月) [長年日記]

映画「ピーターラビット」を観てきた

観てきた知人の誰もが満足そうだったので、これは観ておかねばなぁと思い、時間を作ってちょっくら観てきた。

こういう映画、「特撮*1すげー」という評価はもう、しなくていいんだろう。「アバター」で(計算コストの低い)のっぺりとした生物と人間を同じ画面に収めたのに始まり、「猿の惑星」で人間によく似た毛むくじゃらの生物を描いたのちの、人間のように振る舞ううさぎたちを実写映像に入れ込んだこの作品は、もうそのことで驚いたりするものではない。現代の映画では、これくらい当たり前のものとして受け入れるしかない。

なので、ようやく「普通に映画として」面白いかどうかだけを評価すれば良くなったってことだよな。いいことだ。

そういう観点では、悪知恵が働くアンモラルなうさぎどもと人間の、仁義なき戦いをユーモアたっぷりに描いていて、お見事。隅から隅まで楽しんだ。エンターテイメント映画として十分に傑作。

とはいえ、終わってから振り返ると、ビアがうさぎたちの「正体」にいっさい気づいていなかったのが、実はけっこう不気味なんじゃないのと思った。彼女が最後に気づくフックとしての「ウィンク」がそれまで繰り返し登場しているのが、そのことを強調している。マグレガーが早々に気づいていたのと対象的に、ビアの鈍感ぶりは異常だ。自然が人間に敵対的かそうでないかは敵対的に決まってるんだけど、ビアの存在は能天気な「自然主義者」(カッコつき)を揶揄するために作られたのではないだろうか。

Tags: movie

*1 言い方がもう古い。


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