2015-12-13(日) [長年日記]
■ RubyKaigi 2015(3日目)
昼休みにグラコロにかぶりついていたら、何人かのrubyistが続々とマクドに入ってきた。みんな寿司食べてるんだと思ってたよ(笑)。そういえばゆうべのパーティでみんなグラコロ同盟や宅配トラッカーの話題を振ってくれていたので、最近作ったサービスもけっこう知名度あるのねと思ったり。
朝イチ(といってもゆうべのパーティの影響を考慮して遅めの開始)のRuby Committers vs the World、一番のニュースはリリースマネージメントから開放されて燃え尽きていたyuguiさんの復活宣言ではないだろうか。もちろんいつもの面白(?)コミット紹介も楽しめた。
ところで今回のRubyKaigiで「あ、これはまずいな」と思ったことに「機械学習系の発表がひとつもなかった」点がある。昨日のパーティでも話題にあげてみたところ、危機感を抱いている人は少なからずいた印象だけど、根っこをたどると数値演算ライブラリの整備をずーっと放置してきたことがあるだろう。気がつくと数値演算方面ではPythonに大きく水をあけられていて、いまやその応用である機械学習では(LLの中では)Pythonの独壇場だ。Webアプリケーションの分野で一世を風靡した気になってる間に、いま一番ホットな領域がまったく話題にならない言語になってしまった。今日は学生無料デーだったのにほとんど来た学生がいなかったらしいし、若い人に見向きもされない言語になってるんじゃあるまいか。5年後に3倍の速度を達成しても、有効に使ってくれる領域はもう焼け野原だったりして。
……という状況で「数値演算でPythonに勝てるか?」という質問がコミッターたちになされ、mrknが「Pythonを使ってみて、同じものをRubyで書いて下さい」と答えたのはなかなかケッサクだったと思う。そう、Rubyはふたたび他言語のフォロワーになったのだ。20年前にもできたんだから、今でもできないわけがない。かな?
その他の話題
- Hyalite、よさ気だけどこれに依存するとそれはそれでヤバい気がして躊躇してしまう。JavaScriptのエコシステムを信用してないという意見にはまったく同意だけど(笑)
- Refinementsは真面目に使っていこうという気になった
- emorimaさんの講演は(聴いたことあるのは)Threadの話ばかりなので、おれの中では「Thread大好きな人」になってる
- Ruby3x3の話題を正面から受けて立った最後のkeynote、最高にcoolだった。やれそうな気がしてきた(笑)。そうそう、彼の作ったpuma、この日記のWebサーバでもあるのだよな、お世話になっております*1
- 次回は京都!? マジかー。会社を説得するハードルが上がったなぁ、つーかさすがにムリじゃあるまいか……
*1 レスポンスが悪いのはWebサーバのせいじゃなくてMongoLabのせい
2015-12-12(土) [長年日記]
■ RubyKaigi 2015(2日目)
会場は築地市場のすぐそばなのでみなさん寿司などを食べに行っているのを横目に、今日も通セット。昨年のチャンプが出遅れてるので単独首位ですよ。一日天下だろうけど。
さて昨日に続いてRubyKaigiへ。そういえば、開催直前になって今年のRubyKaigiプラグインがcommitされたので、→のサイドバーに差し込んである。
今日は朝早いので、rubyistたちの集まりは悪いが、がちゃぴん先生のありがたいお話なのでちゃんと聴く。最初、このままLinuxの話で終わるんじゃないかと心配してたけど、ちゃんと後半はRubyの話になってよかった。年季を積んだ開発者は勘でデバッグしてしまって知識が伝わらない(暗黙知にとどまってしまうという意味だろう)、だからLinuxには(形式知にするための)トレーサやプロファイラのようなデバッグ用のツールが充実しているのだ、という指摘には唸る。これぞエンジニアリングだなぁ。
今日は知り合いの講演は(きっといつか直接聴けるので)あえて避けて、知らない人の話を聴く。RubyKaigiは日→英の同時通訳はあっても逆のない、正味の国際カンファレンスになってしまったので日本人にはいろいろつらいが、これがグローバルスタンダードなのでがんばろう。いろんなデバイスをRubyからコントロールする話、DDR用の足で踏むマット型コントローラでドローンを操縦していてやばかった(聴衆にむかって一直線という意味で)。RubyMotion、あいかわらずMac専用なので聴くだけだったが、iOSとAndroidでコードの共通化が進んでいてすばらしいね。Rustの話は聞きそびれたが(←面白かったらしい)、Goの話は「そんなに苦労してまで使いたくないなぁ……」というのが実感。
mrubyはあまり近づかないようにしていたんだけど、組込みだけじゃなくて普通のデスクトップやサーバでポータブルなバイナリ生成ツールとして使われつつあるのは興味深かった。各種プラットフォームでのテスト用にDocker環境も含めて提供されているのが現代的で面白い。こんどCLIなツールを書くことがあったら使ってみようか。
LTを経て、別会場のオフィシャルパーティへ。てか「懇親会」って言わんのか。さすが国際カンファレンスや。朝・昼と小麦粉ばっかり食べてるのでタンパク質をメインに食しつつ、流れてくる知ってる人・知らない人と会話する。けっこういろんな人たちと話できた気がする。tachikoma.ioの中の人(たぶん)に「たださんが一番ちゃんとtachikoma.ioを使ってくれてるんですよ」と言われてびっくりした*1。今後は「僕が一番、ガンダムtachikoma.ioをうまく使えるんだ」って言うことにしよう。あと、LTでRailsの国際化の話をした学生さんに「就職するならデータをいっぱい持ってる会社じゃなきゃダメだよ」って言った記憶もある。
明日で最終日か。あっという間だ。
*1 tachikoma.ioからのPRがきたら、アプリの場合はマージして、ライブラリの場合はPRを閉じる、という運用をしているということだそうだ。そんなの当たり前だろうと思ってたよ。
2015-12-11(金) [長年日記]
■ RubyKaigi 2015(初日)
例年では春ごろ行われるはずのRubyKaigi、今年は諸事情があってこんな時期に。困ったことに、グラコロの先行販売が今日からなんですよ!!
会場もよりのマクドナルドは事前に調査済みだ。というか勝手知ったるカレッタ汐留のマクドじゃないですか。
……というのは昼の話なので、朝から書かねばならぬ。前夜から続く大雨で、家を出るのがいやになるくらいだったところをなんとかがんばって出発したら電車が遅れて、こりゃ間に合わないと思っていたら開始時間を30分早く勘違いしていたのでまつもとさんのkeynoteにはちゃんと間に合った。着いたら着いたでTシャツ + パーカーというやたらかさばるノベルティを渡されてギャーとなる。こんなん、バッグももらわなきゃ持って帰れないやん……(バッグがあるものと思って小さいので来たし)。そんなことは置いといて「Ruby 3.0は(2.0より)3倍速くする宣言」、通称「Ruby3x3」がrubyistたちの共通認識になった。さあたいへんだ(←おまえはたいへんじゃないだろう)。
今日前半の講演にはじつはそれほどビビッとくるものはなくて、でもRailsの話はもうないし(笑)、専門外だけどコアな話がけっこうあって、すぐに役に立たないまでも記憶にとどめておくといい感じの話が多かった気がする。
そうそう、マクドから戻って、ちゃんと寿司にもありついた:
今日の肝は最後の2コマだったなー。「Faml vs Hamlit」の話、まさか開発者が2人ともCookpadの人とは思わなかったわ。まぁ社内で別の実装をコンペするのはアリだと思うし、協調からでなく切磋琢磨から出てくるいいモノもあるからね。個人的にハードタブ対応してもらったいきがかり上、Hamlitを使っていこう(笑)。
最後の「TRICK 2015」は、驚いて、呆れて、笑う。
◆ shyouhei [日曜は市場がお休みだったという話はあるかと。]
◆ ただただし [おお、なるほどw]
◆ ささだ [> やれそうな気がしてきた(笑)。 お待ちしております!]
◆ ただただし [そういう反応がくると思ったよw]
◆ tSU_RooT [3日目は学生無料なのは知ってたんですけど、本当は参加費高いことも知ってるし なんか敷居が高い感じがありましたね。その..]
◆ ただただし [本来高いから無料でも敷居が高く感じるというのは面白い心理ですね。少しわかる気もしますけど。]