2012-05-04(金) [長年日記]
■ 9784150310615
相変わらずの神林節で面白かった。以上。……というのは(これを読み返す未来の自分に対して)あんまりか。
アフタヌーンで「勇者ヴォグ・ランバ」というちょっと神林世界っぽい骨太なSF作品が連載されていて毎月楽しみにしているんだけど、「意識」を喪失するということは想像力を失うことを意味するという本書の表題作で行われる議論と似通っていて、今後の「勇者ヴォグ・ランバ」の読み方に何かを付け足してもらったようで嬉しかった。なにかと「伊藤計劃」というキーワードとともに語られがちな作品だし、そのことはもちろん重要なんだけど、ぜんぜん別の楽しみもできるってことで。あと、飛浩隆の解説が補完的な意味で良い。
冒頭の「ぼくの、マシン」も含め、ネットワークに対する嫌悪というか不快感が提示される作品が目立つのだけど、ひごろからネットの向こうに芽生えつつある集合意識/無意識の存在が面白くてしょうがないネットジャンキーの自分としては、この感覚とは相容れない。まぁたしかにスタンドアロンのコンピュータも楽しかったし、作者の言うこともわからんではないけど、ネットにつながってからの楽しさはその比じゃないしなぁ。もちろんそれが年寄りの懐古趣味ではない、と確信するくらいには神林長平を信じているので、意見の相違は乗り越えて楽しんで読んだわけだが。
9784150310615
もちろん、以下を読んでいないと表題作は理解できない:
9784150309848
9784150310196
2012-05-03(木) [長年日記]
■ ReVIEWを使ってESRのオープンソース三部作をEPUB化してみる(2)
先日EPUB化に着手したESRのオープンソース三部作だが、なんとかそれっぽくなったのでEPUBとMobiを生成して公開した:
表紙画像は某達人出版会の標準デザインからインスピレーションを得てでっちあげ(笑)。
ReVIEWの勉強をしながらなので、まだ使いこなせていない機能とか、うちの環境との相性のせいでReVIEWのコマンドのいくつかが満足に動かないとかいろいろ問題があるが*1、EPUBはReadiumで、Mobiはcalibreで変換したものをKindleに送って確認してあるので、まぁ読む分にはほぼ問題ない。Mobiの生成に関しては、せっかくKindlegenをgem化してあるのだから、ReVIEWに組み込んでもらうようにしないとね。
さて、これで当初の目的(の出発点)に到達したので、Kindleでちゃんと読まないと(←最難関)。
2012-05-02(水) [長年日記]
■ 益子陶器市、2日目
昨日に続き、益子陶器市。決めたのがわりと直前ということもあってめぼしい宿はどこもいっぱいで、泊まったのは益子舘。まぁなんというか、大人が着るには恥ずかしすぎるファンシーな浴衣とか、戦国時代(?)をイメージしたような妙な調度の食堂がどうみてもファンタジー空間だとか、がんばった結果がことごとく明後日の方角を向いている点はいいとしよう。こういうのが好きな人もいるだろうし。しかし、客室の携帯電波がほぼ壊滅、代わりのWiFiサービスもないというのは、我々ネットジャンキーにはありえないわなぁ*1。まぁ、二度と泊まることはないだろう。
天気があまりもちそうにないので朝からどんどん店を見てまわり、昨日めぼしをつけていた食器はあまり買わずに(えっ)、何枚か皿を買った。去年も書いたようになぜかやたらとカレーを出す店があるのだが(昨日の昼もstarnetのカレー)、なぜかその場でナンを焼いている本格インド料理のテントが出ていたのでそこでキーマカレーを食べたらそれが大正解だったのであった。カレーの街、益子。
その後、東北道経由で帰ってきたんだが、途中からものすごい雨になって、おまけにC2が事故で通行止めになっていたのでC1の渋滞に揉まれてへとへとに。これが休日だったらもっとひどかったはずなので、まぁ不幸中の幸いというか幸い中の不幸というか。
*1 そもそも益子町内でSBM/EMOBILEがほぼ使い物にならないのだからしょうがないのだけど、せめて今どきWiFiは入れて欲しい。
◆ 結城浩 [MobiをSend to Kindleで見ました。 http://d.hatena.ne.jp/hyuki/2012..]
◆ ただただし [おっ、たしかに。これはreview-epubmakerが生成するファイルのせいですね。ちょっと調べてレポートしておき..]