2011-08-06(土) [長年日記]
■ ヒロシマの日なので『
夕凪の街 桜の国』を読む
毎年恒例。何十回と読み返しているというのに、いまだに新しい発見があるというのもすごい話だ。
さらに今年は3.11以降ということで、また新しい意味が付け加わってしまった。先日あった東海テレビの「セシウムさん事件」を例に上げるまでもなく、ヒロシマ・ナガサキから何十年たとうと、人間の本質はなーんも変わらんってことだよな。「桜の国」が希望のある終わり方で救われていただけに、最近のいわれない風評被害は本当に腹立たしい。
(参考) 「夕凪の街 桜の国」関連の記事:
夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)
双葉社
¥880
そう言えば、文庫版を買い直して自炊するというのはアリかも:
■ 川崎 1-2 C大阪@等々力陸上競技場
松田直樹の急逝は、本当に急すぎてぜんぜん実感がわいていなかった。今節はその後最初の試合ということもあり、スタジアムのフラッグはみんな半旗だし、選手たちは喪章をつけている。試合開始前には黙祷があり、その直後、サポーターの間から沸き起こった「松田コール」で、ようやく実感できた気がする。あの屈託のない笑顔はもう見られないのだなぁ。
さて、そんな松田の無念を晴らすためにも、マリノスや山雅FCだけでなくJリーグ全体に盛り上がってもらわないといけないわけだが、残念ながら今日のフロンターレはダメダメなのであった。あいかわらずパスミスが多くて、中盤で攻撃のスピードががくっと落ちちゃう。CKがやたらと多いことからみても、シュート性のボールが多いのは明らかなのに、得点に結びつかないのは最後の精度が悪いせいなんだろう。
怪我人が多くてあちこち穴があいているけど、代わりに優秀な若手が育っているし、長い目で見ればさほど悪い状況ではないとは思うけど、ホームで勝てないのはなぁ。
2011-08-05(金) [長年日記]
■ ひさびさに自分のプレゼンを聴いた
社内向けに不定期にWebアクセス解析のセミナー講師をしているのだけど、先日のセミナーもようを参加者が録音していて、それが(社内で)公開されてしまったものだから、せっかくなので時間をみつけて聴き返した。なにしろ延々3時間しゃべりっぱなしのセミナーなので、全部聴き返すのもひと苦労だ。
最近はカンファレンスなどで発表することも少ないので*1、あとで自分のしゃべりを聴く機会はずいぶん減ってしまい、こういうのは貴重だ。とか思ってるなら自分で録音すればいいものだが、まぁそういうのはようするに面倒くさいのである。手軽な録音・録画機材を持ってる人は、空気読まずにどんどん記録して公開し、講演者にフィードバックしてあげると良いと思います。まぁ最近は公開カンファレンスならふつーにUstがあるけどな。
で、一番「おおー」と思ったのは、「えー」とか「あー」とか言葉にならない「つなぎ」がずいぶん少ないこと。以前聴いた講演ではもっと(見苦しいくらいに)入っていたので、これは進歩であろう。というか、これは何度も同じセミナーをやっているために練習効果が出ていると解釈すべきだな。シナリオが全部頭に入っていれば、つっかえたり考え込んだりせずにスラスラと喋れるのである。練習はホント大切だ*2。
一方、1時間をくらい過ぎたあたりから、咳払いが頻繁に入る。喉が弱いのだなぁ。これはどう鍛えればいいのやら。もっともこれはまぁ、そもそも3時間ものあいだ講師がしゃべりっぱなしというスタイル自体に問題があるので、それはまた別途検討しなおさなくては。
あと、文脈の違う話を唐突に間髪を入れずに挟む癖がある。文章ならカッコ書きなどで「印」を入れられるからいいが、しゃべりでこれをやられると混乱のもとだなぁ。ちゃんと間を入れるなり、切り替えの合図をするように意識しないと。
なお、肝心の「セミナーが受講者にとって有用だったか」どうかは録音を聴き返してもわからないので、これはまた別の評価が必要である。言うまでもなく。
■
新世界より(上) (講談社文庫)(貴志 祐介)
各賞総なめ的な傑作だったはずなんだけど、ちょうどSFから離れていた時期だったせいか読むチャンスがなく、ふと入ったBookOffで文庫が揃っていたので買ってみたのだった。あーもう、断裁料がバカにならないから、ちょっと古めの文庫は全部BookOffでいいなぁ。新品買って欲しかったらとっとと電子書籍化してねってことで、出版社のみなさんはがんばってください。紙の古本と電子版があったら、たとえ高くても電子版を買うからさ。
さて本題。
今から千年後、極端に人口が減少した、なぜか念動力が使えるようになっている人類。茨城あたりにある日本人コミュニティを舞台にした、ミステリーあり、伝奇あり、冒険ありの本格SF。たしかにこりゃ傑作だ、分厚い三冊を一気に読んでしまった。
科学力が低下しているせいもあって念動力には論理的な説明がつかないのだけれど、たった千年で異様に変貌した生物相とか、人類社会の変化にはそれっぽい理屈がつけられていて、ちゃんと現在の延長線上にある未来という体裁が整っているのがすごい。登場する新種の生物たちがまた魅力的で、ちょっと「地球の長い午後」っぽいなー、と思っていたら、解説でネーミングに関してインスピレーションを得ているという話が出ていた。なるほど。
人類そのものをネタにした本格SFはざっくり二種類に分類できて、それは「どんなに環境が変わっても人間は変わらないよ派」と「人間はここまで変貌できるかも知れないぜ派」なんだけど、後者は非常に希少なので本書はもちろん前者なのだけれど、それゆえに登場人物に感情移入できてSFに馴染みのない人にも読みやすい(かも)。
9784062768542
2011-08-04(木) [長年日記]
■ 「Remember The Milkのリアルタイム更新が動かない!」と騒いだけどChrome拡張のせいでした
昨日、長年愛用しているタスク管理サービス「Remember The Milk (RTM)」のブログに「リアルタイム更新機能がRemember The Milkのウェブ版に追加」という記事が出たので、おおいに喜んだわけですよ。会議で新しいタスクをAndroidアプリに登録して、自席に戻ってもリロードするまでそのタスクがリストに出てこなかったので、うっかりタスクをやり漏らすなんてこともなきにしもあらずだったので。
で、さっそく試してみたけど動かない。普通のリストはたしかにすぐに反映されるんだけど、スマートリストの場合がダメ。おれが日常的に使っているのは「Actionリストにあるうち、jobタグがついていて、かつ2日以内に完了しなくてはいけないスマートリスト」みたいにちょっと条件が複雑だったりするものばかりなので、そのせいかなぁ……と思ってTwitterでちょっとつぶやいたら@rtmjpにさっそく捕捉されて、そんなことはないという。
そこで公式の窓口に報告しつつ*1、自分の環境を疑っていろいろ試してみたところ、Chrome拡張のA Bit Better RTMをdisableするとリアルタイム更新が動くことが判明。お前かぁ~。A Bit Better RTMはキーボード操作を拡張してくれたりしてなかなか便利なので、これを手放すか、それともリアルタイム更新を諦めるかという究極の選択に(おおげさ)。
で、A Bit Better RTM拡張のオプションをいろいろ組み合わせてみたところ、「Tasks count」という機能をonにした時のみ、リアルタイム更新が失敗することが判明。リストごとの残タスク数を表示してくれる機能だけど、まぁなくても困らないのでoffにした。これでなんとか。
せっかくなのでA Bit Better RTM拡張にバグレポしようと思ったけど、いいところがないのだよなぁ。レビューはそういう場所じゃないとは思いつつ、しょうがないので書いたけど。
*1 日本語で報告したらすぐに返事がきたのはびっくりしたけど(英語で)。