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ただのにっき


2010-10-28(木) [長年日記]

9784796663700

たまには小説も読まないと想像力が錆びついてしまうので発掘。「面白いよ」といわれてもらったんだったか。うん、けっこう面白かった。派手さはないけど肩のこらないエンターテイメント。人を食ったような語り口ながら行き過ぎにならない節度があって、波長が合う文体だなーと思って奥付をみたら同世代だった。どうりで。

コンプライアンス的に自由が効かない親企業の代わりに汚れ仕事を依頼される、大手IT企業の子会社の無茶なお仕事の数々を集めたオムニバス長編。著者が「このミス大賞」の人だし、謎解きテーマの第一話読んでいて「ミステリーかな?」と思ったけど、種明かしがちょっとルール違反っぽいのでそういうスジ向けじゃなさそうだ。むしろプロットはピカレスクロマンで、スケールは大きくないけど不幸になる人がほとんどいない、きれいなオチがつく。

この会社の社長の「〈多数から少しを奪う〉よりも〈一人から多くを奪う〉行為の方が罪深い」というポリシーが、気が効いてていい。売れる小説を書こうとすれば、おのずと派手になるこの逆をいくものだろうけど、それだとリアリティがないからそういう指向の小説は白けるんだよね。〈多数から少しを奪う〉話はみんながちょっとずつ不幸になり、全体的には幸福というオチになるので、地味だけど得心できる。現代小説だったらこういう方が面白いよなぁ。

Tags: book

2010-10-26(火) [長年日記]

猫にたかられるようにして寝ている

[図]寝姿 寝るときに「猫あんか、あったけ~」とTweetしたら、ほうぼうから羨ましがられたので、最近どういう状態で寝てるのかメモ。こういう図をImpressで描くのは難しいな。こういうのはあれだ、コミPo!があればいいのか。

以前、一緒に寝てくれるのはグスタフだけで、独立心の強いドーラは寝てくれないと書いたけど、最近はさすがに寒いのか、おれが寝支度をしているとベッドの上で待ち構えるようになった。で、もちろんグスタフも入って来たがるんだけど、2匹を一緒に布団に引き入れるとどうしてもドーラがグスタフにじゃれかかってしまうので、騒がしくてこっちが(グスタフも)寝てられない。

それぞれ別の場所で寝てもらわなくてならないものだから、図体の大きいグスタフは腹のあたりに、ドーラは尻の下あたりに収まってもらうのがいい落ち着きどころらしい。見ればわかるようにこれでは人間が寝返りを打てないので、それはそれで困るんだけどね……。

なぜかかみさんとはあまり寝たがらないので(女性の方が体温が低いからだろうか?)、必然的に2匹の面倒はおれが一手に引き受けることに。まぁ、冬は暖かくていいよ。猫サイコー。

Tags: gustav dora
本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

smbd [奥様にねたまれそうw]

yomoyomo [たださんが屁をこくとドーラが被害にあうと思うと腹が立ちます!]

ブチャ猫 [↑yomoyomo さんって愉快な方ですね(笑 猫に好かれるタイプってあるようですよ。 きっと、たださんがそういう..]


2010-10-23(土) [長年日記]

9784274067891

関数型言語、特にLisp族への漠然とした憧れというのがあるわけですよ。S式を操るのってなんかカッコいいし。で、7年も前にSchemeに挑戦してあっさり挫折した身としては、このClojureで再チャレンジになる。

きっかけは今年のLLTigerで、Language Updateで紹介されたのを聴いて興味をもったため。特に並行プログラミングをサポートするSTMは面白いと思ったし、プラットフォームがJVMというのも、豊富なJavaのライブラリを活用できるいい選択だと思った。JVMを要求するとなると活躍の場が限られてしまうけど、今ならAndroidもあるからね。

読み手(おれ)の側で7年前と何が大きく違うって、いまはRubyでメタプログラミングがそこそこわかっている点だ。おかげでClojureでやろうとしていることが、Rubyではどう書けばいいのかなんとなく想起できるので、ずいぶん理解が早い。つまり、手続き型言語脳をRubyを介して関数型言語脳に変換できるようになっているわけで、これがないとまた挫折したんだろうなー、と思う。やっぱRubyすごい。

登場するコードはREPLに入力して動作を確認しながら読み進めた。川合さんの訳も読みやすいし、著者にもできるだけトリッキーなコードを排す姿勢があって、けっこうサクサク読める。まぁ、「理解できたか?」と聞かれれば「だいたいわかった」という程度だけど、最後まで読み通せた自分をほめてあげたい(ただし「マクロには近寄るな」ってじっちゃが言ってたので、軽く流す程度←じっちゃじゃねぇ)。

(JVMの制限で)関数型言語のくせに末尾再帰最適化ができないとか(これは回避策がいくつかある)、Javaのライブラリを使うときのシンタックスシュガーがちょっとキモいとか、慣れるのに時間がかかりそうな要素はあるものの、基本的には素直なLisp族という印象。ロック状態に気を配らずに並行プログラミングができるSTMはすばらしいし、(動的ディスパッチ的な)マルチメソッドも面白い。使いこなしたらなかなかいい武器になりそうな言語という印象だ。

とはいえ、何か本格的なアプリを書いてみないことには、言語を習得したとは言えないわけで、そうは言っても今のところいいネタがないんだよな。とか言ってるあいだに忘れそうだが(笑)。いやAndroidアプリを書けばいいんだけどさ。

Tags: book clojure

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