2010-07-01(木) [長年日記]
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家なき鳥、星をこえる プラネテス(幸村 誠)
2年半も前の本を発掘してしまった……。
宇宙SFコミックの金字塔、「プラネテス」の外伝というかスピンアウト小説。商業ベースにのると二次創作とは言わない。のかな? 主人公は原作ではテロリストとしてちょい役で登場するハキムで、彼の軍人時代を描くのがメイン。
原作との交点はラストのほんの数十ページにすぎないので基本的に独立して読めるし、それでいて原作では描かれなかったハキムの人格形成過程が詳細に描かれているので、読後に原作を読み返すとさらに深みが増すという。実にうまいなぁ。
「原作好きな人にはちょっと……」みたいな感想を見かけたけど、そうは思えない。プロット的には「不幸なハチマキ」の物語のようで、ちゃんと原作と呼応するようになっているし、雰囲気だってよく似ている。原作ファンも読んで損はないと思うなー。
作者の常盤さんは彼の編集者時代にカブつながりで少し接触があったりしたのでがんばって欲しいなーと思っていたんだけど(だったら早く読めよって話ですね)、この本以降、単行本が出てないんだなぁ。ブログも2008年で更新止まってるし。
2010-06-29(火) [長年日記]
■ W杯: 日本 0(3PK5)0 パラグアイ
23時キックオフで、「まぁ、1時に寝れば明日の仕事はなんとか……」と思っていたら、まさかの延長、さらにPK戦。そして敗退。
まぁPK戦というのは、両者まったくの互角なのが判明した上で「ジャンケンで決めるのも忍びないからサッカーっぽいゲームで便宜上の勝者を決めようぜ」みたいなものなので、敗退ではあっても敗北ではない*1。だから、残念ではあるけど、あんまりがっかりはしてない。次につながる良い代表チームを手に入れた、という感じ。
じっさい、両チームとも随所でミスはあったものの*2互角といっていい戦いっぷりで、南米のチームにコテンパンにされるんじゃないかという危惧はまったく外れた。特に今大会の日本は守備の安定感が素晴らしかったねぇ。もともと目立っていた中澤・闘莉王はもちろん、(MFだけど)長谷部の冷徹な職人的ディフェンスがかっこよかった。もちろん、スーパーセーブ連発の我らが川島も(とは言うものの川島の神っぷりは見慣れているんだけどw)。
それからケンゴ! 試合のたびに「岡ちゃん、ケンゴ出そうよ~」とつぶやいていたものの、彼は勝ちパターンをそうそう変えないと思っていたから*3あんまり期待はしていなかった。それがまさかの途中出場! いやー、相手DFに囲まれながらも、わずかな隙間から出たパスの鋭さを見ましたか。やっぱケンゴは世界で通用するよ。もう一試合くらい見たかったなぁ。
残りの試合は、仕事に差し支えない程度に、時間が合えば見るつもり。さすがに2回戦以降の顔ぶれはなかなかのチームがそろってるし。
最後に大事なことを。
きみが声を限りに応援した日本代表選手の多くは、実は毎週のように国内で試合をしている。日本各地に点在するスタジアムに足を運んで、千円札を何枚か出すだけで、世界と互角に戦った彼らを目の当たりにできるのだ。
Jリーグの再開は7月14日から。たとえば川島、ケンゴ、稲本、テセ(北朝鮮)とW杯代表を4人も擁する川崎フロンターレ*4は、ホーム等々力陸上競技場で大宮アルディージャと対戦する。これを機に、「4年後の代表を育てる」という楽しみをみつけてみるのはどうだろう?
2010-06-27(日) [長年日記]
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くらやみの速さはどれくらい (ハヤカワ文庫 SF ム 3-4)(エリザベス・ムーン)
いつ買ったんだこれ……って、文庫か。それでも1.5年前だけど。積読箱がカオスになってきたなぁ。
傑作という評判も、「21世紀のアルジャーノン」という評価もまっとうなものだと思う。自閉症者を正常人(ノーマル)と十分に生活をともにできるレベルまで訓練する技術が確立したほんの少しの未来。ほとんどアスペルガーと見紛うレベルの知性を備えた自閉症の主人公の一人称で、自閉症者の感じる世界がノーマルに理解できる文体で書かれている。さながらそれは(SF的にみれば)日本語で書かれた異星人の手記のような趣だ。
われわれノーマルから見て彼らの見ている世界がどれだけ豊かで、異質で、興味深いかを知る手がかりとしてはたいへん面白かった。これでも彼らと生活を共にするのは苦労するかも知れないけど、それでも日本語が不自由な外国人とのコミュニケーション程度にはたやすいんじゃないかと思ってしまう。
ただ、どこからがフィクションなのかわかりにくいという意味で、へんな期待が醸成されてしまわないかとう心配もある。すべての自閉症者がルウのような特殊な才能を持っているわけじゃないだろうし。そういう観点で見ると、へんな誤解を生み出さず、それでいて想像の多様性が担保されている「元祖」アルジャーノンの方が優れた文学かも知れない……というのはひねくれた見方だろうか。
今日は川崎フロンターレの選手が総出でおれの誕生日を祝ってくれる予定だったんだが
◆ おが [>これを機に、「4年後の代表を育てる」という楽しみをみつけてみるのはどうだろう? 今野泰幸が札幌にいたのが7年前。..]
◆ ただただし [たしかに、2002年の日韓の直後あたりから登場してきた選手が、いま代表で主力なんですよねぇ。気の長い話だけど、将来を..]