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ただのにっき


2008-08-21(木) [長年日記]

夏休みツーリング(DAY1:奥只見リベンジ)

(EveryTrail is obsoleted.)

さいきんすっかり鉄分が豊富なかみさんが、「只見線に乗りたい!」と言うものだから、「そうか、じゃあ、気をつけて行ってらっしゃい」と優しく見送ったおれは、すぐにバイクにうちまたがるのであった。春に断念した奥只見のリベンジだ!

いやまぁ、実際に家を出たのはおれの方が先なわけだが。日中は別行動、宿で落ち合う夏休み家族旅行。

中央道~圏央道~関越道

いつもどおり、八王子から中央道に乗り、圏央道経由で関越へ。関越に乗ったあたりで、ケータイとiPodの充電器を忘れたことに気づくが、かみさんも家を出たあとだった。手遅れ。ケータイの充電はどこでもできるが、iPodはつらいなぁ。

今日の前半はとにかく移動するだけなので、とにかく走る。分水嶺を越える手前で、いかにも雨が降りそうな雲行きになってきたので(いつものことです)、谷川岳PAでカッパを着る。冬なら気にせず走れるのに、夏は面倒だ。案の定、トンネルを抜けると本降りになっていた。

小出ICで降りて東へ。

奥只見湖

道路を渡る沢 バイク差別が根強く残る奥只見周辺。バイク解禁になったのは湖周回の国道だけで、ダムへのアプローチになるシルバーラインは通行禁止のまま。ま、どうせ狭くてトンネルばかりでつまらないに違いないので、どうでもいいけど(←想像だけで書いてる)、

周回道路は、湖に流れ込む沢がよほど大きくない限り道路の上を通すという方針らしく、そこらじゅうが水浸し。けっこうゴウゴウと流れる場所もあったりして、そのたびに「バッシャーン!」「ひゃっほ~!」な感じでけっこう楽しい。平日なので交通量もほとんどなく、ほぼ独り占め状態。でもまぁ、地図を見ればわかるように、やたらと入り組んだ人工湖なので、風景はそれほど楽しくない。

湖を抜けるあたりで晴れ間も見え始める。

尾瀬

春は通行止めだったところ 湖を越えてから尾瀬までは、思ったほど曲がりくねった感じでもなく、なかなか気持ちのいいワインディング。無事に春のリベンジを果たした。

ちょっと下った集落で、ふらっと入った蕎麦屋がけっこう当たり。裁ちそばとはっとうのセットを食べた。 裁ちそばはいわゆる十割蕎麦だけど、ぼそぼそしたところがない。はっとうは、そば粉ともち粉を練り合わせ、十念(えごま)と砂糖で味付けた餅。名物らしいが、けっこううまい。

食べてるあいだに外は晴れてきて、「ラッキー」と思ったが、店を出たとたんに降りだした。ま、いまさら雨くらいで顔色変えたりしませんよ、ええ。

田子倉

田子倉駅 後半は只見線に乗るかみさんとほぼ重なるルートだが、只見湖~田子倉湖に入っても、線路なんてぜんぜん見えない。ナビが「このあたりが田子倉駅だ」と言うので、よくよく見てみたら、道路の下のほう、崖にしがみつくように駅が作られていた。あとで聞いたら、「超」がつくほどの秘境駅だそうだ。いやー、こんな趣のある路線だとは思わなかったわ。

ちょっと下ったところに、駅の出口になる雪よけのトンネルがあったので、そこで写真を撮って、とっとと先へ進むことにした。待ち伏せしようにも、ケータイが圏外なので連絡もできないという。

栃尾又温泉

かみさんより1時間ほど早く投宿。471.6km。

ここはぬる湯で何時間でも入っていられる、好みの温泉。でも夕飯に飲みすぎて1回しか入れず。

Tags: r1200gs

2008-08-19(火) [長年日記]

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)(マイクル・コーニイ)

かつてサンリオ文庫で出ていた本の新訳、どうも傑作らしいとの噂を聞いたので読んでみた。たしかに傑作。

サンリオが生きてる頃がいちばん本を読んでいたので、どこかですれ違っているはずだが*1、ぜんぜん覚えていない。

さて、内容はといえば、典型的なボーイ・ミーツ・ガールな青春恋愛小説。ちょうど子供から大人に「なってしまう」微妙な時期の少年と少女が、戦争が暗い影を落とす小さな漁業の街で恋に落ちる。苦く切ない物語……と書いてしまうといかにも陳腐な感じなんだけど、話がうまくてギクシャクしないので、とても読みやすくて良い小説。

それだけなら良いのだが、どういうわけか、舞台が異星、主人公たちも人間ではない。オリジナリティあふれる生態系、この惑星独特の風物、文化など、実によく作りこまれた世界だが、恋愛小説的にはぜんぜんSFである必然性がない。わざわざ読者を狭めるなんて、ほんまSF作家の考えることはわからんわ。

……などと油断して読んでいたら、ラストのほんの3ページでだだだだーん! と見事なまでのどんでん返しで、頭を抱えた。再三にわたって伏線が張ってあったのに、全部みのがした! おれはアホか! なるほど、これは確かに、SFとしても傑作だ。

なんでも未訳の続編があって、それが出るかどうかは本書の売れ行きにかかっているらしいので、SF者はきっちり買っておくべき。

Tags: book sf

*1 同じ作者の「ブロントメク!」は見覚えがあるけどタイトルから内容がさっぱり想起できないので買わなかった覚えがある。当時は今ほど書籍情報にアクセスしやすくなかったからなぁ。サンリオ文庫を買い占めておけば、いまごろ大金持ちですわ(ないない)。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

minechi_n [>サンリオ文庫を買い占めておけば、いまごろ大金持ちですわ 買い占めておいたら、売ることなんてできないですよね!ね! ..]

ただただし [続編の出版が決まったそうです: http://bm.que.ne.jp/log/20080821.html#p01]


2008-08-18(月) [長年日記]

[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)(シオドア スタージョン)

うーん、どれもそこそこ面白いんだけど、一方でどれもぱっとしないというか。スタージョンらしさはあるんだけれど。

もっとも長い表題作は、SFとしての出来はオソマツなんだけど、文章は楽しい。逆に「必要」はアイデアは面白いのに、終盤で寡黙なはずのGノートがやたらと饒舌になったりしてバランスが悪い。なんだか良い点と悪い点がかならず同居しているような、変な短編ばかりだ。

唯一の例外は「火星人と脳なし」か。タイトルからして妙すぎるのだけれど、バカバカしさ丸出しの(SF的)アイデアと、コメディっぽいオチが渾然となって、いい味を出している。これは収穫かな。


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