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ただのにっき


2008-04-25(金) [長年日記]

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫)(フィリップ リーヴ)

傑作『移動都市』の続編で、トムとヘスターの2年後を描く。もう2人ともハイティーンなので、ジュヴナイルと呼ぶのはためらわれるなぁ。ヤングアダルト?(ってもう死語?)

『移動都市』が、世間知らずで正義感の塊のようなトムを軸に話が進むのに比べると、本書はヘスターのネガティブな情動が駆動力なので、なんだかドロドロな感じもして、そういう意味でもジュヴナイルっぽさは影を潜める。いやぁ、嫉妬に駆られた女は何するかわかんねぇよ、こえぇぇ。

だからと言って、面白くないわけじゃなくて、フィリップ・リーヴのストーリーテリングは相変わらずすごい。ぐいぐい引き込んで、あっという間に読ませてくれる。このシリーズの残り2作が楽しみだ。

ところでヒロインのヘスター、顔にひどい傷跡がある片目の醜い少女ということになっているが、前作では話の後半になるとぜんぜん気にならなくなっていた。が、本書では最初から彼女の劣等感をビシバシと叩きつける厳しい描写が続いて痛々しい。……のだが、やっぱり後半は気にならなくなる。

なんでかなー、と思ったが、そうか、「隻眼で顔に傷のある飛行船乗り」と言ったら、エメラルダスじゃないか!*1 そりゃぁ、自動的に補正がかかって、絶世の美女に思えちゃうのはしょうがないか、松本零士で育っちゃった世代としては。

移動都市 (創元SF文庫)
フィリップ・リーヴ
東京創元社
¥1,034

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫)
フィリップ リーヴ
東京創元社
¥3,193

*1 もちろん、エメラルダスは隻眼ではない。が、ついハーロックの眼帯をつけた姿で妄想してしまうのもやむをえない間違いではある。

どんなローカライズにも価値はあるんだな

ここ数日、Twitterのfollow通知が毎日けっこうな数届いている。日本語化の影響でまたユーザが増えてるんだろう。ただでさえ日本人の割合が多かったのに、これでまた増えるぞ。

それにしても、英語でもたいして使うの難しくなかった(というか専用クライアントを使えば英語に触れる必要はほとんどない)のに、それでも日本語化を契機にしてユーザがどーんと増えるんだなぁ。ローカライズって大事だわ。

今回の日本語化、訳語の微妙さ加減に批判的な意見をけっこう見かけるけど、おれは、なんつーか、朴訥な感じがしてけっこう好き。変にウケを狙わずに(いやむしろ狙いすぎて失敗したのかも知れないけど)、真剣に翻訳したら変な方向に行っちゃったというか。いずれにせよ、仮にどんなにひどい日本語でも、ないよりマシなのだ、たぶん。実際にユーザが増えてることからしても、それは正しい。

あ、最近Twitterは流れにまったく乗れてないので、新しいfollowはあまりしない方針です。ごめんね。つーか、現状はほぼアイマスクラスタへの参入専用ツールになりつつあるので、アイマス無関係な人はむしろremove気味(笑)。

Tags: twitter l10n

2008-04-24(木) [長年日記]

天海春香の魅力をコードで語る

class アイドル
   def initialize( *attr )
      @attr = attr
   end
end

水瀬伊織 = アイドル::new( 'ツンデレ' )
高槻やよい = アイドル::new( '赤貧' )
# 中略
三浦あずさ = アイドル::new( '巨乳', 'お姉さん' )

class 松田聖子 < アイドル
end

天海春香 = 松田聖子::new

疲れてるみたい……。

Tags: idolm@ster

2008-04-23(水) [長年日記]

銀河北極 (ハヤカワ文庫 SF レ 4-4 レヴェレーション・スペース 2)(アレステア・レナルズ)

レナルズは、ニーヴンの「ノウンスペース・シリーズ」を目指してるんじゃないかなぁ。世代的にはおれと近いので、十〜二十代に頃にニーヴンを読んでるはず。個人的には、もうちょっとテンポが良くなって(特に長編は半分の長さに!)、この調子で続けば「21世紀のノウンスペース・シリーズ」と呼んでもいいんじゃないかって気がする。

そんなわけで『火星の長城』に続く第2短編集。「ノウンスペースっぽい」と書いたものの、レナルズはけっこうグロ好きらしく、ホラー風味の作品が多い。「グラーフェンワルダーの奇獣園」はまさにそうだし、一見するとミリタリー物のような「ナイチンゲール」があんな結末になるとは。いや、途中からなんとなくそんな雰囲気はあったけど。海洋リゾートSF風味な「ターコイズの日々」だって、個々の描写はけっこうキモい。

でも突出して面白いのはやはり「銀河北極」か。『タウ・ゼロ』を少々(少々?)スケールダウンしたような話で、登場人物がどんどん人間離れしていくのに、けっして人間性を失わないところがなんだかいい。希望があるんだかないんだかよくわからない結末も、雰囲気出てて好き。

Tags: book

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