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ただのにっき


2008-04-16(水) [長年日記]

【ナビスコ】川崎 3-0 柏@等々力競技場

バックスタンド1Fより ジュニーニョ大爆発。今季初得点を皮切りに、まさかのハットトリック。まぁ、その初得点を遅刻して見逃したわけだが。いいんだ、おれが見てない方が勝つんだから……。

こないだの大分戦で10人になった相手と引き分けてしまったことを悔いたのか、全員異常なほどにアグレッシブだった。まるで勇介が11人いるみたい。柏の選手は、ちょっとでも長くボールを持つと必ず川崎に奪われてしまうので焦ってしまい、慌ててファールしてカードもらいまくり。今日はほんとうに川崎らしい試合だったなぁ。

それから今日は、野田祐樹審判がよかった。判断が早くて公平で、毅然としている。なによりも流れを止めないところがいい。最近のJリーグには、ちょっと転んだだけでゲームを止めて、面白さを削ぐビビり系の審判ばかりなので、こういうのはいいな。こういうスタイルには批判も多いみたいだが、この調子でもっとやって欲しいね。

前節から、バックスタンド1Fのアウェイ寄りで見ている。ここはみんな座って静かに見ていて、「応援」よりも「観戦」主体の人が多いみたい。ピッチも近くて雰囲気がよくわかるし、ゲームを見るにはいい席だ。

Tags: frontale

2008-04-15(火) [長年日記]

レインツリーの国(有川 浩)

これで手持ちの有川作品はおしまい。図書館戦争の外伝その1はすでにflipperが買ってるので待ってればおりてくるな(←買えよ)。

図書館内乱』の作中に登場する架空の小説を、別の出版社から出すという大胆企画を形にしたもの。なので図書館とも自衛隊とも関係ない、小細工なしの真剣勝負恋愛小説。(やはり1年半も前の本なのでネタバレを気にせずに書くが)主人公は聴覚障害者なので、かなーりヘビーな話である*1

装丁もきれいで手が込んでいるし、ちょっと版型が小さくて薄いこともあって、とても手になじむいい本だ。こういう重い恋愛小説が、こんなふうに軽やかなパッケージになっているのはとてもいいな。ハッピーエンドを想像させてくれて(というか、言うまでもなくハッピーエンドだけど)。

感想とかはググればいくらでも出てくるので、昨日の続き。我々男子は、なぜ有川浩にはまるのか問題について、偏見丸出しのおれなりの結論:

本書を読んでいて気づいたのだが、有川作品に出てくる男たちは(多少の例外はあるけど)、たいてい理屈で女を口説く。喧嘩しても理詰めで問い詰める。脳みそまで筋肉でできてるかと思えるような自衛隊員でさえそうだ。

こういう男は、現実世界ではモテないはずなんだが、有川世界ではいい感じに評価される。もちろん女たちは現実世界に忠実に、理屈でどうこうできない存在として描かれるので、理詰めで喧嘩すると泣くわけだけど、基本的に理屈っぽい男の評価軸はプラス方向だ。これはもう、男の妄想世界以外のなにものでもない。

だから、男が読んで心地よいんだな。

女性が書いた恋愛小説が女性視点だと思ったら大間違いだ。有川作品は完全に男性視点。実際、描写の視点も男サイドからのことが少なくない。だから、「べた甘なラブストーリー」と聞いて及び腰にならなくてもいいのだ。これは男が読んでこそ楽しい、架空世界のお話なんだから。残念ながら、現実世界で登場人物の真似をしてもモテないと思うけど。

Tags: book

*1 帯に「すれちがう彼女の秘密と彼の秘密。それはとても重大でささやかな秘め事。」とか書いてあるけど、そんなの前半1/3までの話じゃん。重要なのは後半なのに、なにこの下手な煽り文句?

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

hyuki [> なにこの下手な煽り文句? …とアルファブロガーに書かせてブログで言及させるための煽り文句、とか。]

ただただし [なるほど、アルファなら帯だけにツッコミ入れておしまい、というわけには行きませんからねぇ。……って、「なるほど」じゃね..]


2008-04-14(月) [長年日記]

クジラの彼(有川 浩)

このまま一気に全部読んじゃうよー。

空の中』の後日談1本、『海の底』からのスピンアウトというか後日談2本を含む、全編「自衛隊員の恋愛ネタ」で占められた短編集。なので、どういうことになるか想像がつくと思うが、劇甘である。だがそれがいい*1。『塩の街』の後日談は単行本後半に入ってるから、これで自衛隊シリーズはとりあえず終結か?

こないだ『空の中』を読んだばかりなので、「ファイターパイロットの君」が一番いいかな。もうグニャグニャ。下ネタ満載の「ロールアウト」はコミカルで楽しい上に、タイトルが秀逸すぎる(気がする……けど深読みしすぎか)。

有川浩の恋愛小説をどうして受け入れられるのか考えているんだが、どうも男の妄想を上手に実装してるからではないかと思った。たとえば、登場する女性は基本的にすべて美女だが(少なくとも「平均以上」として描かれる)、男性に関しては容姿の描写がほとんどない。女は自分よりもかわいい女が出てくる話を喜んで読めるかも知れないが、男は自分よりいい男がいいメを見る話には素直に感情移入できない動物だ(たぶん)。

女性視点で相手がどんなにいい男か描写することはほとんどないので(逆はたっぷりある)、ある程度はリアリティをもって自分のことのように読める。もちろん登場する男はほとんど自衛官なので、マッチョな面ではかなわないわけだけど、「設定だからしょうがない」と割り切れる部分だし。

こういう「手加減」を、狙ってやってるんだとしたらたいしたもんだと思うけど、もし素でやってるんだとしたら、有川浩って中身は男だよなぁ。

クジラの彼
有川 浩
角川書店
¥1,540

空の中
有川 浩
メディアワークス
¥1,760

9784840230926

9784840239219

Tags: book

*1 なので『空の中』と『海の底』は読んでおいた方がいい。「独立してるから単品でも楽しめます」なんて営業トークは言わない。

関連する日記: 2008-04-15(火)
本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

tokoya [http://www.geocities.jp/seishusironeko/shuzai/lib1shuzai.h..]

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ただただし [ネタバレの方にリンクしないtokoyaさんの心遣いに惚れた! そういうの、(有川世界では)モテますよ!(笑) 旦那さ..]

tokoya [それって現実世界ではモテないって事じゃん(笑)。]


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