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ただのにっき


2007-08-13(月) [長年日記]

キーボードラウンチャ「Launchy」を使ってみた

ちょっと化けてるけど支障はない 以前Tech総研ブログの方でMutter Launcherを紹介したら、作者の方が他のラウンチャを勧めてくれたんだけど、どうも趣味が合わなくてそのままMutterを使い続けていた。

今日、Remember The Milk BlogにLaunchyから素早くタスクを登録するという記事が紹介されていて、Launchyという似たようなコンセプトのラウンチャが紹介されていたので入れてみた。

GPLだし、なんといってもデザインが上品だし、拡張方法もさほど面倒ではないので、けっこういいかも。もっとも、Mutterのように何も入力しない状態で履歴を出してくれたりしないので、やっぱりMutterを使い続けてしまいそうな気がするが。検索の重要性に気づくのはいいが、ついでに履歴の重要性にも気づいて欲しいもんだ。特に個人が使うツールにおいて、履歴はかなり重要だと思うんだけどな。

で、肝心の(?)RTM連携は面倒くさそうなので入れてないんだが。


2007-08-12(日) [長年日記]

デイアボロ・ジンジャー買ってみた

image 想像以上にピリッとしていていい感じ。甘みはもう少し抑えてもいいと思うけど。

ウイルキンソンとは比べ物にならないものの、少なくともカナダドライとはおさらばですな。

円城塔の「Boy's Surface」を読んだ

こないだのLL魂で、志村さんがおれの顔を見るなり「Boy's Surface読みましたか!」と声をかけてきたのだった。どんだけ円城好きやねん! おれは今、ジョジョと一緒に奇妙な冒険をするのが忙しくて、SFマガジン読んでる暇がないのであります。

世の中には「円城塔はすごいよ派」と「円城塔をSFと認めたら負け派」がいて、おれはたぶん後者なんだけど、ていうか、こういうことを書くと目くじらを立てるシャレのわからない人がいるような気がするから念のためエチケットペーパーを敷いておくと、久々にいじりがいのある日本人作家が出てきたってことですよ(←どこがエチケットペーパーだ)。で、ネットで軽く「Boy's Surface」の感想を漁ってみたけど、誰も何がいいのか具体的に書いてなかった。ようするにお前ら何も理解できてないくせにわかったふりをしてるだけだろう! やれやれだぜ。

プログラマとして上っ面だけ読むと、レフラー球はコンピュータのアナロジーとして理解できる。メモリの中で何が起きているのか人間にはわからないが、変換された結果はディスプレイを通して理解できる。変換をしているのはプログラムで、入れ子になったレフラー球は、言うなればそのプログラムが生成した仮想マシン(VM)の中で別のプログラムを実行してるようなものだ。

自己書き換えプログラムも、プログラムを生成するプログラムも実在するので、ここまでは何も難しいことはない。こうして入れ子になった構造が、その内部から外に向かって逆向きに意味の通る何かを生成しているという点から、因果が逆転するのでSFと化す。あとはお決まりの「無限」を導入すれば「Boy's Surface」のできあがりだ。数学的構造とかいってるが、ただのアルゴリズムじゃん。

で、おそらく二度、三度と読むと深読みができるようになるんだろう。「青」のヒミツとか、章のタイトルに使われている「(x,y)」形式にも数学的な意味がありそうだし。でも今のおれは、移動時間のすべてをジョジョに、自由時間の大半をニコニコ動画に捧げているので、あえて二度読みはしません(笑)。

S-Fマガジン 2007年 09月号 [雑誌]
-
早川書房
¥2,580

9784152088215

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kitaj [ワラタ.> 「やれやれだぜ」]


2007-08-11(土) [長年日記]

映画『夕凪の街 桜の国』を観てきた

詳細な読書ノートを作るほど原作に思い入れがある人が、別のメディアに展開されたものをポジティブに評価ができるわけがないわけで、ようやく近所で公開されたのを期に、がっかりするのを覚悟の上で観に行った。

結果、がっかり半分、評価半分というところか。以下、ネタバレ半分。なにしろ「皆実の火傷の位置が違う」とか、「そこでサッカーボールかよ!」とか、かなりどうでもいいことが気になるようなヤツの感想なので、偏っていること甚だしいのは間違いない。

前半の「夕凪の街」パートは、麻生久美子が神という評判はまったくそのとおりで、原作の皆実が抜け出してきたかのようなすばらしい演技を見せてくれた。これは大収穫。一見の価値あり。

このパートの「がっかり」は、こんな名女優を得ていながら、彼女の演技だけで勝負しなかった監督の度胸のなさにある。麻生久美子の独白だけで十分に話を引っ張れるのに、わざわざきのこ雲や原爆絵画を差し込んだりして、もう、雰囲気ブチ壊しである。そんなものを挿入しなくても、麻生久美子は表情だけで皆実の悲しみを表現できるだろうに。

再読されることを前提にネタを仕込めるマンガと違い、一回で理解させないといけない映画では、いろいろ制約があることはわかる。けど、原爆に関しては日本人相手ならある程度の共通知識を前提に描いちゃってもいいと思うので、直接的な表現はバッサリ落としてしまうくらいの割りきりが欲しかった。

その他、皆実が原爆ドームを見上げる、本作でもっとも重要なシーンを落としたり、皆実の眼が見えないからこそ意味がある「真昼の夕凪」がおかしな具合に描かれていたりして、原作の読み込みが足らないよ、監督。

一方、後半の「桜の国」に関してはだいぶ挽回していて、原作をしっかり理解したうえでのいいアレンジが加えてある。皆実の形見である髪留めは、原作ではちょびっと登場していただけだが、目に見えるアイテムとして明確に登場させることで映画ならではの臨場感をかもし出している。それから、旭と京花のなれそめを七波が見つめる演出なんかはとてもいい。七波にオレンジのパーカーを着せることで、彼女だけがちゃんと「浮いて」見えるんだよね。

後半の「がっかり」は、(麻生久美子と比べるのは気の毒かも知れないが)田中麗奈の演技がイマイチだったところか。男勝りで元気いっぱいな感じは出ていたけれど、物思いに沈む静かなシーンの演技にリアリティがない。特に口元の表情はもうちょっと勉強して欲しいよナァ。いつも半開きで知性が感じられないぞ。


でもまぁ、映画館はすすり泣きの声がかなり聞こえていたので、みなさんそれなりに満足していたのでしょう。それでも複雑な話なので、1回観ただけでは理解できない点も多かったと思うけど。原作知らずに観に来ていたお客さんには、ぜひ原作も手にとって欲しいよね。

映画が公開されてから、読書ノートへのアクセスががくーんと伸びてるんだけど、にも関わらず、先月からウチの日記経由で原作が売れたのはたったの1冊ですよ。どういうことだ(←最後はアサマシか!)。

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)
こうの 史代
双葉社
¥880

Tags: movie
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ムムリク [田中麗菜>田中麗奈、ですね。]

ただただし [おおっと、こりゃ失礼。直しました。]


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