2007-01-10(水) [長年日記]
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夜は短し歩けよ乙女(森見 登美彦)
えーと、「妄想癖のある童貞で小心者の京大生が、一目惚れした酒豪で後輩の不思議ちゃんをストーキングする話」。
coco's bloblogの書評を読んで面白そうだと思いwishlistに入れておいたのだが、昨日、SFマガジンで風野さんが褒めているのを読んだ後に、静岡で時間つぶしにふらりと入った本屋の棚に刺さっているのを目にしてしまった。わかったよ、買うよ。で、帯では(「文芸評論家」を名乗る)大森さんがまた絶賛。でもSFじゃないよな。強いて言えばファンタジーだが。
で、さっそく読み始めたものの、こっちはドラッグにはまったく共感を覚えないタチなので、第一章の酒も、第二章の辛味もネタとしてたいして面白くない(どちらも広義のドラッグだろう。第四章も高熱でトリップする話だ)。だから「どこが恋愛小説やねん、ただのドラッグ小説やんけ」と(やや)がっかりし始めてきたが、第三章の終盤で「先輩」がついに行動を起こしたあたりから面白くなりはじめる。第三章はドラッグ抜きでハイなのもいい。
そして、最後の最後、残り数十ページになって、伏線がガツガツつながりはじめると、怒涛のごとく恋愛小説に向かって進み始めたのだ。思わず「上手い!」と叫んで居住まいを正してしまいましたよ。後輩ちゃんに少しずつ「気づき」を与えていくこの話運びはすごくいい。結果的にはとても面白かった。
ストーリーはさておき、やはり本書の魅力はこの文体だ。明治臭のする古風でやたらと饒舌な生地に、現代風俗をトッピングして、薄く引き延ばして京都をすっぽり包んで焼き上げたようなこの文章は、目でなく耳で味わいたいところ。できれば「黒髪の乙女」のパートだけ、プロの舞台女優に朗読してもらいたい。少し舌足らずな感じの人がいいけど、深夜アニメで萌えキャラやってるような声優だと、ちょっと違う雰囲気になっちゃうし。
■ ブログマーケティング勉強会 sponsored by SONY
ブログマーケティングに関していくつも失敗してきた(つってもおれが知ってるのは2件くらいだけど)SONYなのに、「SONYさんからのメッセージ」の中ではそのことに何も触れていない。あの件とかあの件についてはアンタッチャブルなのか? あえて言及して誠実な姿勢を示すというのが、対ブロガー戦略としては重要だと思うのだが。
2007-01-09(火) [長年日記]
■ 職場が暑くてしょうがない
例年だと、年明けは休暇中に冷え切ったビルのおかげで寒くてしょうがないのだが、今年は仕事始めの2日間を休んだので、十分に暖まってから出社。……と思ったら、こんどは暑くてしょうがない!
ちょっと古いビルだからIT対応できておらず、冬は暖房しか入らないのだが、今年のように暖冬だと冷房にしてもらわないと夏のような暑さになってしまう。ウォームビズとか呑気なこと言ってる場合じゃない。たまらんなー。
■ coLinuxからネットワークにアクセスできなくなった
正確に言うと「ちょっとしか通信できなくなった」。
たぶん先月のどこかの時点からなんだけど、Let's noteに入れてあるcoLinuxから、外への通信が制限されてしまった。ごく小さい量の通信(小さいファイルのcvs ciとか)なら可能なんだけど、通信量がなんらかの制限を越えた時点で固まってしまうように見える。例えばw3mでWebサイトを見ようと思うと反応が返ってこない。別のホストにsshしてみると、ログインまでできるけど、その後のコマンドの実行途中で止まる。セッションは確立されているようなんだが、データが流れてこないのである。
そう言えば、ちょうどその頃に会社のネットワークにアクセスするためにCiscoのVPNクライアントを入れたよなぁ……と思い、アンインストールしてみたが、無関係だった。
ひょっとして……と思って、自宅の無線LANではなく、W-ZERO3でダイヤルアップ接続してみたら、こっちは問題なく通信できる。遅いけど量的な制約はない。それじゃあ……と有線LANでつなげてみたら、無線LANと同じように通信できない。はて、両者の違いはいったいなんだ? いずれにしても、coLinuxじゃなくてWindows、もしくはそれより外側の問題ということか。
VPNクライアントがMTUをいじると聞いたことがあるので、内容を確認してみると、無線LANと有線LANが1300、coLinuxのTAPアダプタは1500。両者をそれぞれ1300、1500に合わせたりしてみても改善せず。ダイヤルアップの方はよくわからなかった。
うーむ、きっかけがなんだったか思い出せないので、対策もたてようがない。何が原因なのか探る方法から探さないと……。
というネタをゆうべ書いてあったんだけど、調べていくと「Path MTU Discoveryブラックホール」というキーワードにぶち当たる。これか? TAPドライバを使ってNAT化したcoLinuxが出すパケットが、ホストの持つMTUサイズを超えてはいけない? だったら1300 > 1500という状況はまさにそうだが。今夜もう一度見直してみるか。
■ 静岡
ひさびさのWiki小話にエントリーできて、こいつは春から縁起がいいやと思っていたら(エントリーしたのは昨年中だけど)、急な出張が入って静岡へ。トホホ。ちゃんとキャンセル待ちの人にわたったらいいんだけど。
で、帰りには改札にキップが飲みこまれて行方不明になるという珍しい体験をさせてもらった。って、乗り遅れるかと思ったヨ! 駅員にも想像できないほどの最深部から発掘されて、事なきをえたけど。
2007-01-08(月) [長年日記]
■ ETagとLast-Modifiedはどっちが優先されるべきなんだ
FirefoxでtDiaryを閲覧するときに、html_anchorプラグインと(Apacheの)Actionのあわせ技で空白ページが返ることがあり、ETagを返すことで直るということを高木さんが発見したとのこと。
tDiaryは、リンク元が加わったりサイドバーの内容が変わったくらいではLast-Modifiedを変更しないので、ブラウザのリロードでは内容が変わらない。このためno-cache系のヘッダを追加して、常にコンテンツをGETさせるようにしているのだが、Firefoxではこのへんが悪さをしている(らしい)。適当なETagを返してやればそれが解消されるということだろう。
この件についてまちゅさんがいろいろやってくれているが、よくわからんので、とりあえずtDiary 2.1系でETagを吐くようにした。Apacheが「304 Not Modified」を返してくれないなら、CGIスクリプトが自分で判断して304を返せばいいだけだし。しかしHTTPのこのあたり、キャッシュ制御まわりの仕様は、条件が複雑でわけわからんなー。今度「HTTPはシンプルなプロトコルで〜」とか言うヤツがいたら首を絞めてやる。
で、いろいろテストしてみたんだけど、IE6は、ETagとIf-None-Matchが不一致だからと「200 OK」を返しても、Last-Modifiedが変わらなければ表示内容を変化させないような。なんだかなぁ。ちゃんとETagの値を変えた上でコンテンツ全部返してるんだから、それ使ってくれればいいじゃん。ケチ。
(もしかするとIf-Modified-Sinceにも対応するともっとマシになるのかも知れないけど、今回はパス)
そう言えば、If-None-Matchの値がcgi.rb経由で取れるかと思ったら、取れなかった。[ruby-core 6906]で1年前に提案されているけど1.9行きか。まぁ、非互換出されても悩ましいだけなのでこれでいいか。
Before...
◆ 咳 [外れでしたか。起動後しばらく通信できて、その後coLinuxから外に出られなくなる、とう現象が私のマシンで起きてたの..]
◆ ただただし [へぇ、そんな現象があるんですねぇ。条件によって通信できたりできなかったりです。 つーか、咳さんがcoLinux実行環..]
◆ kitaj [たださんいないなーと思ってたら出張だったのね。 残念。]
◆ 咳 [Ruby使いたかったのですが、WindowsのPATHとかよくわからなくて、coLinux入れることにしました。保守..]
◆ eto [私も同じ症状になったことあります。 TAPのdriverをuninstallして再度installすると復帰しました..]
◆ TrackBack [http://sho.tdiary.net/20070114.html#p02 ただのにっき coLinuxからネッ..]