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ただのにっき


2006-10-19(木) [長年日記]

移動都市 (創元SF文庫)(フィリップ・リーヴ)

最終戦争から千年後の未来、都市は巨大なスチームエンジンとキャタピラを装備して大地を動き回っている。そして見つけた他の都市を文字通り食うのだ。移動都市による弱肉強食の世界。なんという設定! めまいがするほどイカレている。

そこにかぶさるのは、王道ともいえるグローイング・アップ & ボーイ・ミーツ・ガールなストーリーで、まったく先の読めない最高のスピード感があるアドベンチャーだ。キャラは立ってるし、絵になる描写には事欠かない。ヒロインの顔にはひどい傷があることになっているんだけど、読んでるうちにそんなことはどうでもいいと思えるように読者の心理を誘導するうまさ。おまけにほどよい薄さ(重要)。いやー、いいもん読ませてもらいました。

4部作の1冊目らしいので、ちゃんと続きを出して欲しいから思い切りほめてみた(笑)。

Tags: book
本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

ma2 [なんか似たような設定のSFありませんでしたっけ? 順列都市じゃなくて鋼鉄都市じゃなくて… ちなみにSFはたださんのお..]

ma2 [思い出した(つーか教えてもらった)。「逆転世界」ですね。あれも変な小説だったなあ。]

ただただし [あー、「逆転世界」。あれは未読なんですよねぇ。面白そうだけど。 でもたぶん(想像)、「移動都市」は「逆転世界」と違っ..]


2006-10-18(水) [長年日記]

ティンカー (ハヤカワ文庫SF)(ウェン スペンサー)

ハヤカワの「あわよくばラノベ読者を取り込もう戦略的萌え系表紙作戦」にはもう騙されないと決心したので買わずにおいたんだけど、けっこう評判がいいので遅ればせながら。

魔法に科学的な理屈を与えようというSFとしては、ニーヴンのアレとか、(ちょっと違うけど)『プラクティスエフェクト』とかが思い起こされるけど(例えが古いのは歳のせい)、これもそういう感じの説明があるものの、あんまり論理的に突き詰めてないので、マジメに取り合ってはいけないのだろう。そういう点に目をつぶれば、次々に新しい展開が現れる、スピード感のある楽しい小説だった。実際、1日ちょっとで読んでしまった。

でも主人公は「天才」って設定だけど、そうは感じなかったなぁ。理系的な合理精神が希薄だし、天才らしいひらめきもない。「誰にも原理のわからない機械が作れる」ってだけで天才性を表現できると考えるのは甘いんじゃないか。

Tags: book

shuffleが壊れたと思ったら空っぽなだけだった

再生しようとしたらグリーンとオレンジのLEDが交互に点滅するだけで何もおきず、「うわ、また壊れたか!」と焦った。実際は、いつも転送用に使っているスマートプレイリストに条件を満たした曲がなくなり、shuffleの中身が空っぽになっていたのに気づかなかったのが原因だったのだが。

で、正直に言えば最初に考えたのは「次はなに買おう」だったんだけど(ありがち)。もっとも、shuffleに匹敵する軽さなのはSONYのアレくらいしかないし、だからといっておれがSONY製品を買うわけがないので、選択肢はshuffleしかないのだが。とはいっても、新型はまだ出ていないし、本当に壊れたらかなり悩ましい状況だわな。

しかし、今日のAppleのリリースを見て、かなりムカついたのも確か。

アップルは、Windowsがこのようなウイルスに対して脆弱であることや、出荷前に問題を把握できなかったことを大変遺憾に思います。

Appleの傲慢すぎる態度には、普段なら大目に見てやってもいいか的な感情を抱いていたところだが、これは言っちゃいかんだろ。ガキの言い訳レベルだ。既知のウィルスの侵入を許すなんて、言い逃れできんよ。

けっこう真剣に、Apple製品をボイコットする算段をした方がいいかも、という気になった……けど、いまは増井さんがいるんだよなぁぁ。ぐわぁ。

Tags: ipod apple
本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

通りすがり [>しかし、今日のAppleのリリースを見て、かなりムカついたのも確か。 先に原文を読んでいれば、少しは印象も違ったか..]

774cc [ハヤカワのあこぎな作戦には正直辟易していますが、以前もティプトリーなんかで少女漫画絵を表紙にしていることもあったこと..]

ただただし [>通りすがりさん 原文をあたってみましたが(日本のユーザは原文など読む必要はないので別に原文にあたる意義はないとは思..]


2006-10-17(火) [長年日記]

TVドラマ版『のだめカンタービレ』を観た

録画しておいたのを今日になって観た。

上野樹里すげー。でも子供時代の千秋の方がもっとすげぇかも。溺れるシーンの表情にヤラレタ。あと、みんな書いてるけど竹中直人はいらねぇ、超いらねぇ。

TVドラマ(特に日本の)は過剰で安っぽい演出に耐えられないので、もはやなんにも期待していないんだけど、「のだめ」はけっこう見られたなぁ。原作付きのドラマを面白くするには、守らなきゃいけないセオリーがあるのかも。

  • これ以上過剰な演出が不要なくらいぶっ飛んだ原作を選ぶこと
  • その上で可能な限り原作に忠実に作ること

最初の条件は、TVドラマ的な派手さを求められても十分にそれを受け止められる必要があるということ。ドラマ向けの要素が足らないと(月9の前作「サプリ」みたいに)、ドラマ的な要請に従って過剰な演出をぶち込まれやすい。

あとは演出家がよけいな色気(ミルヒー役に竹中直人を持ってくるとか)を出さなきゃ、ほっといても面白くなる。もちろん、原作ファンの期待を超えることはできないが、及第点は取れる。期待を超えるには、かなりの才能が必要だけど、そういう人はきわめて少数だ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

takkan [のだめと真澄ちゃんの完成度が高いだけに、竹中直人が竹中直人にしかみえませんね]

TrackBack [http://d.hatena.ne.jp/akiraak/20061031/1162256094 アキラの日記 の..]


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