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ただのにっき


2013-04-16(火) [長年日記]

9784774155654

タイトルからして面白そうなので読みたいなと思っていたら本が好き!で献本募集があったので申し込んだらあたってしまった。過去、正確に4回に1回の間隔であたっていたのに、なんと今回は3回目である。うちゅうのほうそくがみだれる……!!

学生のころ、全身が真っ白い羽毛で覆われたティラノサウルスの化石が発掘されるというシーンから始まる小説を書いたことがあって*1、鳥類が恐竜の末裔であるということはそのころ(四半世紀くらい前?)からすでに一般にも認定されていたと思う。ので、現生鳥類から恐竜のことをあれこれ想像するのはごく当然のなりゆきなはずだけど、そういう話はいままであんまり読んだことがなかった。

とはいえ、このことがほぼ確定的になったのはなんと2011年のことだと説明されて驚いたりして、やっぱりこの世界は油断がならない。というか、こんなに知らないことが多かったんだなぁと唖然とするくらいに話題は多岐にわたっていて、ページをめくるたびに新しい発見と驚きがあってじつに面白い。クジャクのアレはじつは尾羽根じゃないとか、ダチョウなどの飛ばない鳥のことを「平胸類」って呼ぶなんてぜんぜん知らんかったよ*2

こうしてみると、自分が恐竜について知ってる(つもりだった)ことに比べて、普段から慣れ親しんでいる(つもりだった)鳥類のことはなんにも知らなかったんだなとわかる。恐竜を餌にして鳥類について知ってもらいたいという、鳥類学者である著者の策略にまんまとはまった感じ。そう、本書は「鳥類学者が恐竜について語って」いるように見せかけて、実は「恐竜を通して鳥類について語って」いる本である。

あと、とにかく軽口が多くて、軽口を除いたら一割くらい薄くなるんじゃないかというくらいなんだけど、これがぎりぎりでオヤジギャグになる手前くらいには面白い。あえて適切じゃない例え話とか。恐竜のサイズをガンタンクで例えてみたり(わかんねーよw)、重心の話題でハーレーとビューエルを比較してみたり(バイク乗りじゃなきゃわかんないだろ)。

というわけで、恐竜についての新しい視点を得られるだけでなく、鳥類についてもいろいろ知ることができて、おまけに気の利いたジョークも読めて、一冊で2.5冊分は楽しんだ感じだ。お得!

9784774155654

Tags: book

*1 100ページほど書いたあたりでめでたくお蔵入り。それはそれとして本書には「白い恐竜」がいたかどうかの考察もある。

*2 なんでや! 「蒼い鳥」はちゃんと飛んだじゃないか! という冗談はさておき、おれが知っていたのは別名の「走鳥類」の方だったようだ。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

深尾洋行 [楽しく読ませて頂きました。 文献として最良のランク。 ユーモアも満点。 分かりやすさに関しては、点のつけようが無いく..]


2013-04-11(木) [長年日記]

「(白石俊平と)カッコいいやつら」に行ってきたよ

[写真]白石俊平、藤井太洋、高橋征義

html5jの白石さんが、なんか面白そうなことを始めるというので行ってきた。というか、テーマが電子書籍で、対談相手がGene Mapperの藤井太洋さんと達人出版会の高橋さんというのはどうみても俺得じゃないの。

前説で白石さんからこの会の趣旨として「自分が50歳になったときにどうしてるかわからないので、いまチャレンジしている人に話を聞いてみたい」といった説明があって、「わかるわー」という感じである。まぁ自分の場合はもうそんなこと言っていられる年齢じゃないのだけど、ようするに10年後くらい先の未来は見えないよねという話だろう。だから鈴木みそじゃなくて藤井太洋だし、楽天Koboじゃなくて達人出版会なんだな*1

会場のリクルートメディアテクノロジーラボは銀座の地下にある隠れ家的スペースで(WiFiあり)、「勉強会」というよりもカフェのイベントという感じ。無料なのに酒と軽食まで出て、スポンサーすごい。というか、そんなスポンサーまで集めて自分が話を聞きたい人と対談する企画を立ち上げちゃう白石さんの実行力がすごい。「自分が」ってところがミソだよな、そうでなきゃ面白くなるはずがないわけで(そしてじっさい面白い)。

さらにこのイベントのために専用のHTML5アプリがあって、画面上の「カッコいいね」ボタンを押すと正面スクリーンにその人のアイコンがピピッと流れる*2。壇上でこれを見ていた藤井さんが(おれのアイコンが流れるのを見て)「ただただしさんがいらしてるんですか?」→高橋さん「あちらに」→おれ「えっ、えっ」みたいな流れがあって焦った。いやTwitterで何度かやりとりはあったけど、個人的に認識されてるとは思ってなかったので。おかげでちゃんと挨拶&名刺交換できたのは今日の収穫。

というわけで十分おもしろかったものの、『「おもしろすぎる」を目指す』という目標に到達していたかというともう一息というのが正直なところ。こういう話はハイコンテクストなほど面白くなるはずなのに、そこまでたどり着けていなかった。対談中も「なかなかオフレコ発言が引き出せない」と言っていたけど、聴衆がコンテクストを共有してない前提で始めてるんだから当然だと思う。500人1000人のイベントならいざしらず、たった80人のイベントなんだから、思い切りハイコンテクストにしちゃえばいいのに。今回で言えば「Gene Mapper」を読んでいることは当然(ゆえにネタバレもOKで)、達人出版会がどういうビジネスをしているのか知っていて、その他にも電子書籍に日常的に親しんでいることくらいは参加者に求めていいんじゃないかなぁ。でないと次回以降も「おもしろすぎる」手前で終わっちゃうのでは。

(で、あえて対談の内容には言及しないのであった。ああいうのは現地で聞くから意味があるので)

Tags: ebook

*1 鈴木みそや楽天がチャレンジしてないという意味ではなくて、ロールモデルとして適しているかどうかという意味で。

*2 RubyKaigi経験者ならigaiga LTタイマー的な仕掛けといえばわかる感じ。


2013-04-10(水) [長年日記]

【ナビスコ】川崎 0-0 清水@等々力陸上競技場

[写真]川崎-清水戦

今日はソロ観戦。ケンゴや大久保がスタメンどころかベンチからも外れたあからさまな「ナビスコ用チーム」で、そんな余裕こいてる場合じゃないだろうと思うんだが。ご子息が出てないだけマシなのかなぁ……。結果は案の定のドローで相変わらず勝ち点3が遠い。公平を期すために書いておくと、攻め込んでる時間も多くてそんなに悪い展開ではなかった。決めきれなかっただけで。まぁ、清水もそんなに良くなかったので、見ている側としてはあんまり面白い試合でもなく。

それにしても、キーパーと一対一になってるのに焦って真正面にしかシュートできないとか(それも再三)、走っている味方が通り過ぎた場所にパスを出すとか(これも再三)、とてもプロのテクニックとは思えんものをやたらと見せられると、単純に練習が足りてないんじゃないの、と感じてしまうのだよなぁ。勝てないならせめて、華麗なプロの技を見せてほしいわ。

Tags: frontale

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