2013-02-26(火) [長年日記]
■ クラウドストレージ「Box」を使って究極の原音再生に挑む
ピュアオーディオの世界におけるストレージがPCローカルのHDD/SSDや家庭用NASを離れ、クラウドストレージ選びが主戦場になって久しい。長い海底ケーブルを経由するため深海の低温にさらされたシグナルはノイズが減って研ぎ澄まされ、明らかなダイナミックレンジの拡大が認められるためだ。
国内ではDropboxとGoogle Musicが人気を二分していたが、Google Musicはその制約が嫌われて選択肢から外れつつある状況だ。そこで今回わたしは、オルタナティブな選択肢として国内ではマイナーなストレージサービスであるBoxを試用し、その忠実な原音再生能力に驚愕したのでここに報告したい。
なぜBoxが良いのか。それはBoxがWebDAVというインタフェースを提供しているためだ。
従来のストレージサービスはいったんローカルのディスクにデータをキャッシュし、それを利用することになるため、どうしても従来のローカルストレージで発生していた問題を内包していた。しかし、WebDAVはネットワーク上のファイルを直接参照するため、ローカルストレージを経由しない。もちろんメモリ上に多少のキャッシュはされることになるが、チューニングによって最小限に抑えることも可能だろう。結果、海底ケーブルから出てきたばかりの音楽データを、そのまま再生することができる。これが他のクラウドストレージを使ったオーディオ再生との大きな違いだ。
WebDAVの利用は簡単だ。Explorerの「コンピュータ」で右クリックして「ネットワークドライブの割り当て」を選択。任意のドライブを指定して「https://dav.box.com/dav」を入力する:
認証ダイアログが出るので、BoxのIDとパスワードを入力する。これだけで太平洋の向こうにあるファイルが扱えるようになる。そのレスポンスの遅さにいかにキャッシュが「効いていないか」を感じとることができ、いやがおうにも期待が高まる。なおスクリーンショットでは「https」を指定しているが、「http」の方が暗号化にかかる処理が減る分、音質が良いようだ(2013-10-28追記: URLが変わったようなので注意)。
さて、プレイヤーには定評のあるWindows Media Playerを使おうとしたのだが、なぜかWebDAV上のファイルをライブラリにインポートできなかったので、今回はWinAMPを使った。ライブラリへの追加は非常に時間がかかるので、しかけたままで一晩放置しておくと良いだろう。
さて、高まる動悸をおさえつつ、おそるおそる再生ボタンを押す。再生開始までには数秒のタイムラグがあるが、再生そのものは途切れることなくスムーズである。西木野真姫と矢澤にこの声質の違いが際立ち、一聴するだけで明らかに他のクラウドストレージとは一線を画しているのがわかる。ローカルストレージへのキャッシュがいかに音質に影響を与えていたかを知り、愕然とする思いだ。
しかしながら、太平洋を横断するというのはやはりデメリットも少なくない。特にドラムなど打楽器のアタック音などに、音が丸まるなどの影響が感じられる。これまでDropboxで満足していた耳も、Boxを使うようになるとそのアラが気になるようになってしまった。
距離が問題だとすれば、それを短縮すれば良い。ということで次回は「Amazon S3シンガポールリージョンを使った自分だけのクラウドミュージック環境」に挑戦してみたい。
……と、ピュアオーディオ・パロディで遊んでみたものの、やったことは本当。未圧縮WAVを至上とするピュアオーディオでクラウドストレージはありえないと思うけど(笑)。ま、WinAMPが数秒固まったり曲間が妙に空いたりと、あんまり使い勝手はよくないね(あたりまえだ)。ローカルストレージに空きがないときにはアリだと思うけど。ちなみにググるとわかるけどSkydriveも非公式ながらWebDAVをサポートしているようだ。
それにしても、ながらくiTunesの代替を探しているんだけど、なかなかないねぇ。iTunesさえ切れればApple製品とはおさらばできるんだけど。最大のネックだったモバイルへの転送をJUST PLAYERで解消できそうなので、あとは「iTunes並みに賢いスマートプレイリスト」さえあればいいんだが、これがなかなか。Apple製品が一番高機能ってところが納得できん。なにかいいのがあれば教えて下さい(Songbirdとその派生、今回のWinAMPは試用済みで不満足)。
2013-02-24(日) [長年日記]
■ ruby 2.0.0-p0リリース
長いRC期間をとって順風満帆、20回目の誕生日に満を持してリリースとなったruby 2.0.0。……と思ったら、当日の朝になって@hsbtがこんなことを:
tDiary の flickr api 叩くコードが 1.9.3p392 だと動いて、trunk r39439 で動かない
— SHIBATA Hiroshi (@hsbt) 2013年2月23日
またtDiaryか!*1
しかし、まさか当日になってshow stopperクラスのバグが見つかるとは。おれは指をくわえて眺めてただけなんだけど、バタバタと原因が究明されてパッチが作られ、関係者によるチェックが通ってなんとかp0リリースに間に合ったらしい。なんという綱渡り。
で、これを書いているのは日付も変わるかという時間だけど、rbenvのruby-buildプラグインがまだ未対応なので手元の環境はまだ2.0.0-devなのであった。でもサーバの野良ビルドは入れ替えたので、今日からこの日記も2.0である*2。
合わせて読みたい→るびま0041号(ruby 2.0特集)
2013-02-23(土) [長年日記]
■ 「Ruby 20周年記念パーティ」で祝辞LTをしてきた
明日、2/24でRubyが生誕20周年を迎えるということで、1日早いお祝いが品川の楽天で行われたので行ってきた*1。で、事前に「祝辞LT」を打診されていたので喋ってきたのだけど、なにしろ今日登壇して何か喋ったのは正味8人。20周年なんて記念すべき場でそのうちの1人に入るなんて恐れ多いったらありゃしない。いやまぁ、断るのももったいないので受けるんですが。
で、「LTつっても祝辞なんだからルールも緩いだろ」となめてたらドラ娘付きできっちり5分のガチLTだった。しかもいつものigaigaタイマーがない(!)近年になくハードコアなLTで、途中でまったく時間調整ができずにスライド4枚分も残しての惨敗でありました。とほほ。せっかくなので資料を貼っておきます。やっぱりLTでは言いたいことを最初に言わないと(←と毎回言ってる):
事前に「tDiaryで人生曲がっちゃった人」たちのコメントをTwitter / Facebookで募集しておいたおかげで、説得力(?)のあるいい感じの資料になりました。ご協力感謝。というかこんな晴れの場でスピーチできるのもこの人たちが盛り立ててくれたおかげだよね。
他の祝辞も次々と途中でぶち切られていき、パーティとは名ばかりの仁義なき場であった。そもそも乾杯の音頭が@n0kadaで*2、いっさい挨拶抜きでいきなり乾杯するとか(ある意味想像通り)、まぁオープン系ITイベントらしいといえばらしかった。それから、フリータイム中に飛び入りでLTを始めたakrさんのドラ担当をしたり。考えてみたらLTでドラ叩いたの初めてかも。ドラ息子デビュー!
そうそう、パーティの時間が14:00~17:00と、きっちりフェスを回避してくれたのはありがたかったですね!(謎)
さて、あとは明日のRuby 2.0.0リリースを待つばかり!
◆ mono [私はiTunesとiPhoneに囲い込まれてしまったのですが、以前はfoobar2000を使っていました。 専用のク..]
◆ ただただし [foobar2000はけっこうな人たちがあげてくれました。あとMediaMonky。あとで試用してみたいと思います!]
◆ gocho [MusicBeeはどうですか?私はiTunesを長らく使ってないので使用感の比較はできないのですが、いいプレイヤーだ..]
◆ ただただし [MusicBee、初めて知ったけどなんかオシャレっぽいですね。これはいいなー(見た目は)。これも候補に入れてみます。..]
◆ ネコ [box だと、PCM(44KHz/16bit) でもストリーミングできますね。]