2011-07-16(土) [長年日記]
■ ドーラ、我が家に来てから1年になる
ちょうど昨年の今日、庭に来たドーラがかみさんに捕獲されたのだった。当時は我々に向かってもしばらく「フーッ」と言うくらいの野良だったが、今では家の中で通りすがりに目が合うだけでも「ニャー」と挨拶をするくらいの甘えんぼである(でも抱っこは嫌い)。ただ、人に慣れたのかといえばぜんぜんそんなことはなくて、家族以外の人間を見ると一目散に逃げ出すくらいに警戒心が強い*1。
体重はようやく3kgで、なかなか大きくならない。痩せっぽちで、グスタフと並ぶとそのあまりの小ささに心配になってしまうくらいなのだが、これは単にグスタフがでかすぎるのかも知れない。メス猫で3kgってまぁ普通?
ちなみに1年前は「呼称はドラちゃん」とか書いていたけど、今はなぜか「ドーちん」と呼ばれることが多いのであった。未来は予測がつかないものだね。下は1年前のドーラ。
*1 グスタフは誰に対しても甘えてなでてもらいたがるくらいの世渡り上手(ただし獣医は除く)。
■ 「The Final RubyKaigi」1日目
来年はスタッフやらないよ宣言のとおり、今年は発表なし、労働もなし(ちょっと働いたけど)で一人の参加者として「最後のRubyKaigi」へ行ってきた。まずは1日目、講演聞いてただけなのにすっげー疲れた。去年までこれにスタッフワークが加わってたなんて信じられん。でもまだあと2日ある。
レポートについてはまいどいい仕事をするレポート班によるスペシャルレポートがあるのでそちらを。
バカウケ基調講演からコミッター漫才までは大ホールにいたけど、その後は小ホール中心にウロウロしていた。ここ2年ほど大ホール番長だったこともあって、小ホールでやるようなマニアックでアカデミックな方向の話は遠ざかっていたので楽しかった。大ホールはわりと仕事でRubyを使っている人たちによる「より良い(Rubyの)使い方」で、小ホールは「これからRubyをこうしたい」的な話が多かった気がする。どっちも好きだけど、今回は後者に軸足置いてみるかなー。
それにしても2006年当時は、こんな大きな会場に、仕事でRubyを使っている人が大勢集まるなんてまったく想像もしていなかったもんなぁ。なんでも、初日だけで去年の規模を超えたらしいですよ。ひえぇ。
そうそう、闇RubyKaigiでdanさんが「打倒tDiary」な話をして、その中で「(日記やブログは)feedとpermalinkさえあればいい」ということを言っていたけど、ブログ業界(?)的にはかなり以前から同じような見解にたどりついてる人はけっこういる。こないだ高橋さんとも「静的HTMLいいよね」的な話をしたりした。正直、ちょっとしたWebサイトならサーバサイドはAPIを提供するだけにしちゃって、普通のコンテンツは静的HTML、動的部分はjsでいいと思うね。大規模サイトはちょっと違うかも知れないけど。
ブログじゃないけどParabolic Antenna LoversはREGOを使って書きだした静的HTMLで、まだjs要素は多くないけどその方針で、ぜんぜん不都合はない。時代は巡り巡って初期のMovableTypeみたいな方向に行くのだとしたら面白いね。
2011-07-13(水) [長年日記]
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Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略(Michael Lopp)
オライリー・ジャパンの高さんから献本(兼誕生日プレゼント)をいただいた。いつもありがとうございます。
タイトルから、ギークがギークであるがままに生きるためのノウハウ集的なものかと想像していたんだけど、ちょっと違った。たぶんそういう向きには先日話題になったエンジニアtypeの「脱・リーマンエンジニアに必要な4つの習慣」みたいな記事の方が参考になると思う。この人たちはちょっと突き抜けちゃってる気もするけど。
本書がターゲットにしているのは、もうちょっとリーマンエンジニア寄りなギーク。自分をとりまく人々がどんなことを考えているのか、彼らと上手に付き合って、会社生活にうまく馴染むにはどうしたらいいかという、処世術的な話題が多い。元がブログの文章ということもあって、良くも悪くもブログ本的な面がある。良い面は著者の個人的な体験をベースにちゃんと自身の言葉で書かれていること。悪い面はターゲットが(想像以上に)多様なこと。なにしろギークの家族に向けたメッセージまである。頭から尻尾までギークに向けて書かれていると期待するとちょっと肩透かしかも知れない。
それよりもむしろ、ギークたちを束ねなければならないマネージャに向けて書かれた文章が多い。著者自身もエンジニア上がりのマネージャだし。というわけで、会社ではプレイング・マネージャ、かつチーム内では誰よりもギークな自分にとっては、むしろ「おれが読まねば誰が読む」的な本かも知れない。キャリアパスの向こうに「マネージャ」が見え隠れしているエンジニアはまさに本書の主要ターゲットと言えるだろう。
中でもいいなと思ったのは、上司を類型化して対応方法を考える章。ちょっとまともな社員教育をやってる会社なら、必ずマネージャ向けに「部下を類型化して対応方法を学ぶ」といった研修があると思うが、逆に上司を類型化する一般社員向けの研修は聞いたことがない。でもこれって必要だよね。「人を類型化するなんていけない」と綺麗ごとを並べるんじゃなくて、法則がなければ上手に動けないギークたちのために「ほら、パターンがみえれば対処できるでしょ?」という例示をするのは悪くない手法だ。
とにかく話題はかなりバリエーションに富んでいるし、日米の文化の違いを楽しめることもあり、随所に面白いところのある本だった。あと、@naoyaの「日本語版まえがき」がピリッと短くてイイね(長ったらしいまえがきや謝辞が大嫌いなので)。
2011-07-12(火) [長年日記]
■ 我、Googleプロフィール・ロックアウトから生還せり
先日のGoogleプロフィール・ロックアウト事件からはや12日。ついに復活の日がやってまいりました!
今日の昼ごろ、ふと(Desireの)TweetDeckを見ると、ここしばらく沈黙していたGoogle Buzzのタブに更新があるではないか。プロフィールがロックされているとBuzzを見ることはできるが投稿ができなかったのだけど、APIは読み書き両方閉じられていたらしく、クライアントアプリからはいっさいの更新が見られなくなっていたのだ。「これは!?」と思ってGoogle Mapsを立ち上げ、Latitudeを有効にしてみると、これも生き返っていた。どうやら、ようやく復旧したらしい。
その後PC上で確認すると、今朝までこんな状態だったプロフィールが:
こうなっていた。完全復活である:
この10日あまりの経過は先の日記に書いてあるとおりだが、今回の復活がGoogleへのフィードバックが効いたのか、それとも(中の人である)tmatsuoさん*1の働きかけによるものか、はたまた指示通りに行った「再送信」が処理された結果なのかは不明である。もしわかればここに追って書くことにする。
なおこの現象、Twitterでの反応を見ているとおれの他にも大勢食らっているらしいが、おれ以外に復活したという話はまだ入ってきていない。ちょっとデマも交えて広まっているみたいなので、整理しておくと:
- Googleプロフィールの名前を何度も変更していると、上記のような画面(「審査中」)になる
- ただしこれは、本名の強制を意味するものではない(参考: コミュニティ規約)
- 審査中は、プロフィールに関わるソーシャル系サービスが使えなくなる。具体的にはGoogle+、Buzz、Latitude。Gmailやカレンダー、Picasaに影響はない
- 審査中には「プロフィールを再送信して下さい」というリンク付きメッセージが加わることがある(のでそれは押しておくべきだろう)
- 再開にあたって、Googleから特にメッセージはない(もちろんお詫びもない)
ここからは多分に想像が混じるが。外から見ているかぎり、この現象は以下の2点のコンボで発生しているように見える:
- 不正アカウントかどうかの判別アルゴリズムが甘い(名前の頻繁な変更や不当な記号の入力だけで判断している)
- ロックアウトしたアカウントの復帰のためのワークフローが決まっていない
対象のアカウントが「生きて」いるかどうかなど過去の活動実績から見れば難しい話ではないはずだし、アルゴリズムによる制限は「失敗」する可能性が常にあるわけで、不当なロックアウトからの回復手順をワークフローに含んでいないのは手落ちもいいところだ。
これがトライアルテスト中の新サービス「Google+」だけの問題なら、そういう運用面のツメがまだまだなのも理解できなくもないが、一緒に従来のサービスまで巻き添えにして使用不能にするというのは、あまりにお粗末というものだろう。徹底したソースコードレビューによる品質確保で有名なGoogleだが、運用体制まで含めた「レビュー」は、どうやらあまり徹底していないようだ。本気で「ソーシャル」を相手にするなら、むしろこっちの方が大事だと思うよ。
*1 たぶんGoogle+の直接の関係者ではないと思うのだけど、おれの窮状をみかねて自主的に手を差し伸べてくれたようで、たいへん感謝している。
なお、他にもGoogleには何人か知人がいるけれど、アクションを起こしてくれなかったからといって責めたりするつもりは毛頭ない。Googleがどんなに変わった会社だとはいえ、常に個人がどうこうできるとは考えていないし、第一こういうことはGoogle+がシステムとして解決すべき問題だと思うから。
◆ 鳥居三三 [ご復帰おめでとうございます。自分はまだまだ停止中で、なおかつ審査中から停止中になってしまいました。申請は2度ほど行い..]
◆ ただただし [えっ、「審査中」の次には「停止中」なんてステータスがあるんですか! それも本人とのインタラクションなしに!? それは..]
◆ 鳥居三三 [とりあえず、Googleプロフィールの規約の運用はかなり杜撰なレベルということがわかりましたので、ご報告までに。漢数..]
◆ ただただし [さすがにここまで来ると、もはや「面白い」と言わざるをえない(笑)……いやすみません、ご本人はそれどころじゃないのはわ..]
◆ 鳥居三三 [いえ、じゃんじゃんネタにしちゃってください(笑) そのほうがいい供養(?)になりますw]
Before...
◆ ブチャ猫 [NTの関係者が太ってると想像できますか? お腹周りは歳相応ですが<ダイエットに成功していない]
◆ ただただし [たしかに! 失礼しました ><]
◆ sora_h [http://d.ajunk.org/ も静的HTMLを吐いてる. 静的HTMLいいよね http://github..]
◆ ムムリク [本題とは無関係なのですが、http://d.ajunk.org/ の 201106xx のいくつかが「ごがつ・・・」..]
◆ ただただし [つまり、「ごがつ……」の部分は日付から自動生成されてないってことかw]
◆ sora_h [あれは全部手動やでー]