2011-02-15(火) [長年日記]
■ tDiary開発者会議だった
hsbtの呼びかけでtDiaryの開発者が集まって、今後の開発方針を話し合う「tDiary開発者会議」が行われた。主にtDiaryのテストインフラを最初に整備したkakutaniの話を聴くのが目的。議事録(?)はGitHub上のWikiにまとまっている(まだまとめ中)。
過去なんども書いているけれど、日記というものは継続性がもっとも大切で、だからこそ日記(ブログ)ツールは長寿命を目指すべきだ。ブログブームのさきがけたるMovableTypeが最近だいぶ残念なことになっているように、いま現在隆盛を誇っているWordPressだって10年後にはどうなっているかわからない。tDiaryは「最低でも四半世紀の継続性」を謳って開発を続けているが、その目標までまだあと15年もある。
今後(少なくとも)15年間のメンテナンスを維持するために、コードを安心していじれる保証をしてくれるテストは最重要。TDDが一般的でなかった時代に書かれたtDiaryに後からユニットテストを書くのは極めて困難だが、少なくとも現時点でEnd to Endのテスト環境はできあがりつつある。今回はその成果の確認と、今後の方向性を決めることができたと思う。
継続性と言っても過去にしがみついてばかりではしょうがないし、時流に合わない機能は思い切りよく捨て去って身軽になる必要もある。今回の合意の中にはそんな機能も含まれているので、あとから「ギャー」と言わずに済むようにユーザは上の議事録に目を通しておいた方がいいかも。「これがなくなったら困る!」と言えるのはいまのうちよ(笑)。ちなみにそういう意味での今回の最大の決断は「TrackBack機能の削除」か。もうみんな使ってないよね? あとは今どきmod_rewrite使えないレンサバとかないよね、というこで「404ハック」も削る。
ところで、今回会場を提供してくれた(エンジニア絶賛募集中の)クックパッド、初めて訪問したけど、有名なキッチン含め、ちょっとIT企業っぽくなくて面白かった。というかあの会社はすでに「ただのIT企業」ではないのかも知れないね、技術の会社ではあるけれど。
2011-02-14(月) [長年日記]
■ デフォルトブラウザをGoogle Chromeにした
なんだかんだ言ってFirefoxはもっとも柔軟なブラウザなので、いろいろカスタマイズして使うには最高なんだけど、いつのころからかやたらと重くなってしまい、数秒から十数秒も固まって戻ってこないなんてことがしばしば発生するように。
すでにJavaScriptを多用するWebサービスは速いJSエンジンを積んでいるChromeでアプリ化して使っているんだけど(主にGmailとRTM)、Firefoxの遅さに耐えられなくなってきたので全面的にChromeに移行してみることにした。Firefox4βもなかなか評判がいいけど、生来のβ嫌いなので遠慮した。正式版になったらまたもどるかも。
Chromeも最近は拡張が充実してきて、あんまり困ることはなくなったね。Smooth Gestureが任意のJavaScriptでジェスチャーだけでなくキーボードアサインもできるおかげで、Firefoxに近いレベルでマウスいらずの環境にできたし。
当面の問題はFlashで日本語が入力できないことなんだけど……いや、Chrome9になってから不具合が出ていたことは知ってるし、それがつい昨日(?)直ったというからちゃんと最新版にアップデートしたのにである。これで何が困るって、ニコニコ動画のコメントで「wwww」しか入力できないことだよ。
2011-02-13(日) [長年日記]
■ パブーから「キュレーションの時代」を買ってみた
「パブー」といったら、ブログベースの電子書籍をシロウトさんが手軽に出版するためのサイトだと思っていたら、普通にプロの本も売ってるんだ……ということを、佐々木俊尚の「キュレーションの時代」を売っているというニュースから知った。
調べてみるとフォーマットはPDFとEPUB、しかもDRMフリー。なんだよ、これはある意味、理想の電子書店じゃないの。不勉強だったなぁ。
というわけで買ってみた。紙より200円以上安い700円。まだ読んでないので、感想は読み終えてから*1。
パブーのFAQには「Kindleで本を読むことはできますか?」という質問に対して「はい、もちろんできます。PDFをダウンロードして読んでください」とあるけど、横書きPDFで1行40文字以上ある上に余白もけっこうとってあるから*2、Kindle3ではランドスケープにしても字が小さくて読めないだろう。ここはEPUB版を入手してCalibreでmobiに変換するのが正しい。DRMがかかってないからこういう技が使える。
それにしても、パブーのPDFとEPUB二本立てというのは現時点ではもっともポータビリティのある、実にバランスのいい選択だ。EPUBが読めない電子書籍端末は事実上存在しないし、紙に出したければPDFが使える。最悪の場合でもEPUBをほどいてHTMLを取り出すことだってできるから、仮に将来、EPUB対応端末が消滅しても「本」を救うことはできる。
読者としては、こうやって将来に渡って自分が買った本を読めることさえ保証してくれれば、わざわざ自炊なんてしないのにさ。逆にいうとこれが保証されない電子書籍なんてまったく買う気になれない。こういう、読者にとっては当たり前の電子書店がほとんどないというのはどういうことかねぇ。売る気がないんだろうか。
とかいいつつAmazonへのアサマシリンクを貼っておく:
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
筑摩書房
¥990
パブーはこちら:
◆ ati [TrackBackなんてゴミしか来ないのでプラグインを無効にして久しいです。 …と、tDiary 一ユーザとして意見..]