2010-05-21(金) [長年日記]
■ 今年最初の臼田詣。「はやぶさ」に最後のエールを送ってきた
あかつきとイカロスも無事に打ち上げられたので、ちょっと臼田まで行って道中の無事を祈ってきた(←明らかに嘘である。家を出たのは5:30だが、H2Aの打ち上げは7時ごろ)。いやまぁ、言うまでもなく、6月帰還が決まった「はやぶさ」の応援ですが。
R299
ガソリンも高いし、高速の割引もないのでどうしたものかと悩みつつ八王子まで走ってきたが、「下道行けばいいんじゃね?」と気づいたので、そのまま酷道ことR299で北上することにした。前回通行止で踏破できなかったからリベンジも兼ねて。
リベンジもなにも、今回はなにも問題はなくスムーズで、通行止区間もクリア*1。もっとも、壁面工事がつづいているし、落石がゴロゴロしているので、相変わらず危険な状態なのは間違いない。よくまぁ国道を名乗ってるよ。
ともあれ今日はやたらと天気がよくて気持ちがいい!! 外界の気温はぐんぐん上がっているようだけど、標高があるから過ごしやすい。止まると暑いのでほとんど走りっぱなしで長野入り。
国立天文台野辺山
はやぶさが可視になるのは午後のはずなので、今日は余裕がある。R299を西に向かってもいいけど、ひさびさに野辺山を訪ねるのもよかろう。ということでR141を南下。
45mはちゃんと稼働していた。湿度の低い時期しか運用しない(そして5月の連休あたりがその限度)と聞いていたので、たぶん上向きだろうなーと思っていたから、これはラッキー。数分おきにちょっとずつ動いていたので、ターゲットを変えながら何か観測していたのだろう。平日で見学者もいなかったので、独り占め状態でしばらく眺めるなどする。
運用を終了している干渉計は1基だけ横倒し状態で、たぶん去年の一般公開時以来ずっとこの状態なのかな。かわいいねぇ*2。
にしても暑い。駐車場から45mまで数百メートルの徒歩で汗だく。ウェアを脱いでくればよかった。
臼田宇宙空間観測所
軽く昼食をとってから一路臼田へ。到着は14時ごろ? ディッシュはすでにだいぶ上を向いていたものの、最初はまだ動いていなかった(と思う)。受付でいつものようにパンフレットと見学者バッジを受け取るが、バッジがクリップ留めのものから丸い布製のステッカーに変わっていた。ステッカーの印刷も発色が悪いし、事業仕分け対策のコストダウンだろうか?
ところで、64mが新品みたいにピカピカですよ! 冬の間に改修工事をしていたのは知っていたけど、ここまで全面的に再塗装されてるとは思わなかった。もう、白い部分はとことん白く、仰角制御のギヤはキリリと黒くて、もうヨダレ出ちゃう。これであと20年は戦える! いやね、大型のアンテナってもう作られないから、現存するのはどれも老朽化、間近で見ると錆が浮いていたりして、ちょっと悲しくなるんだよね。いやぁ、これは美しい。眼福眼福。
そんなこんなで興奮しながら激写しまくっていたら、じりじりと動き出したので、(たぶん)はやぶさと交信を始めたのだろう。以前、Twitterで@Hayabusa_JAXAに臼田との交信時間を質問したけどまったく返答がなかったので、いま何をしてるのかよくわからないんだよなー。公開してはまずいんだろうか?
それにしても、もうすぐそこまで来てるんだよなぁぁぁぁ! あと半月ちょっとで戻ってくるんだよ! まだ信じられん。
2010-05-18(火) [長年日記]
■ グスタフ、2階のベランダから脱走する
家猫とはいえけっこう外が好きなグスタフは、しょっちゅうベランダに出てはスズメを監視したりしているのだが、今日の夕方は出たっきりなかなか中に入ってこない。どうしたのかと思って呼びにいったら、どこにもいないではないか。気づかない間に屋内に戻ってきたかと思って家じゅうを探してみたが、どこかに隠れて寝ているわけでもなさそう。脱走したか。
1階の屋根の上から下のフェンスまでは1m程度しかないので、ちょっとジャンプすれば逃げ出せるかも……と以前から予想はしていたが、早くもそれが現実になるとは。もうすっかり大人だから、庭でおとなしく遊んでいてくれたりはしないだろうなぁ。とりあえず餌で釣るために、カリカリを入れたガラス瓶を持って外に出る。
暗い中、名前を呼び、瓶を振りながら近所をまわってみたけれど、ぜんぜん応答がない。猫は迷子になるとどんどん遠くに行ってしまうというから、これだけ探して見つからなければもう近くにはいないと考えていいのではないか。なんか、おれが飼う猫って、かならず途中で行方不明になるんだよなぁ。とほほ。
で、もうダメかと思って庭で座り込んでいたら、裏門の隙間からひょっこり入ってくるではないか。「どこ行ってたんだよ!」と声をかけたら逃げ出そうとするのですかさず捕まえた。あー、よかった。
写真は、帰宅直後に玄関で「また出してくれないかなー」とおねだり中のグスタフ。いいや、なにか対策をうつまで、しばらくはベランダ禁止!
2010-05-17(月) [長年日記]
■ 入門Git(濱野 純(Junio C Hamano))
4ヶ月も前に買っておいて今ごろ読むとかね。しかも出版はさらに4ヶ月前とか、どうなんですかね。
すでにGithubを便利に利用していて、チュートリアルにも一通り目を通してあるので、まぁ復習がてら……と思って読み始めたらとんでもない、これはツールの入門書ではなく、新しいソフトウェア開発のワークフロー解説書だ。というか、いきなり内部構造の説明から入る入門書なんてあるかい!
冒頭Linusのはしがきに、彼が作ったベースの上に「一般のユーザにも適したユーザインタフェース」と「磨きあげられたシステムにまで育てていくメンテナ」が必要だと書いてあって、いきなり吹き出してしまう。いや、実際Gitプロジェクトは(本書の著者という)素晴らしいメンテナを得ているが、ユーザインタフェースはとても一般向けとは言い難い。特にリポジトリを操作するコマンドが多すぎて、正直「きれいなリポジトリの維持」に対するこだわりがパラノイアすぎるんじゃないかと感じる。
そんなわけで、本書はGitにそういう「過剰さ」が必要になった背景の説明に満ちている。
LinusがBitKeeperからの乗り換え先を探すにあたって、「履歴管理」のツールではなく「パッチ管理」のツールが欲しいと言っていたのを覚えているが、Linux Kernelのように巨大で、歴史があり、大勢が関わっているようなプロジェクトの場合それは必然で、プロジェクトを効率良く運用していくためにGitにはそれをサポートするコマンドが数多くある……という背景を理解するのが、Git理解の近道なのだ。そういう意味で、本書のChapter 10(パッチベースのワークフロー)こそが本書の本論部分になるんだと思う。
おそらくLinux Kernelほど大きくない普通のプロジェクトにおいては、Gitの持つ機能の大半は不要だろう。だが、なぜ「歴史」をきれいに編纂しておく必要があるのか、そのためにプロジェクトメンバがどのような心がけを持つ必要があるのかについては、ひととおり理解しておいた方がいいと思う。というか、そこを押さえずにGitを使っても、たぶん宝の持ち腐れだろう。
で、思想はわかったとしても、やっぱりこの複雑なコマンド群を使いこなせるとはとても思えないんだよなぁ。Gitはもう、コマンドラインで使うツールじゃないよ。だから標準でGUIツールが付属するのは非常に納得がいく。GUIで対話式に操作しないと、普通の人は歴史の編纂なんてできないって(→TortoiseGitを入れてWindows上に開発環境を移すフラグ?)。
◆ ふくだ [野辺山のミリ波干渉計は運用終了していたのですか、知りませんでした。 「はやぶさ」はかに座の方向にいるそうなので、14..]
◆ ただただし [ほんとにパラボラアンテナを見るには最高にいい天気で、上の写真を撮った時間はまだ雲があったけど、そのあとどんどん晴れて..]