2008-08-19(火) [長年日記]
■ 9784309463087
かつてサンリオ文庫で出ていた本の新訳、どうも傑作らしいとの噂を聞いたので読んでみた。たしかに傑作。
サンリオが生きてる頃がいちばん本を読んでいたので、どこかですれ違っているはずだが*1、ぜんぜん覚えていない。
さて、内容はといえば、典型的なボーイ・ミーツ・ガールな青春恋愛小説。ちょうど子供から大人に「なってしまう」微妙な時期の少年と少女が、戦争が暗い影を落とす小さな漁業の街で恋に落ちる。苦く切ない物語……と書いてしまうといかにも陳腐な感じなんだけど、話がうまくてギクシャクしないので、とても読みやすくて良い小説。
それだけなら良いのだが、どういうわけか、舞台が異星、主人公たちも人間ではない。オリジナリティあふれる生態系、この惑星独特の風物、文化など、実によく作りこまれた世界だが、恋愛小説的にはぜんぜんSFである必然性がない。わざわざ読者を狭めるなんて、ほんまSF作家の考えることはわからんわ。
……などと油断して読んでいたら、ラストのほんの3ページでだだだだーん! と見事なまでのどんでん返しで、頭を抱えた。再三にわたって伏線が張ってあったのに、全部みのがした! おれはアホか! なるほど、これは確かに、SFとしても傑作だ。
なんでも未訳の続編があって、それが出るかどうかは本書の売れ行きにかかっているらしいので、SF者はきっちり買っておくべき。
*1 同じ作者の「ブロントメク!」は見覚えがあるけどタイトルから内容がさっぱり想起できないので買わなかった覚えがある。当時は今ほど書籍情報にアクセスしやすくなかったからなぁ。サンリオ文庫を買い占めておけば、いまごろ大金持ちですわ(ないない)。
2008-08-18(月) [長年日記]
■ 9784309622002
うーん、どれもそこそこ面白いんだけど、一方でどれもぱっとしないというか。スタージョンらしさはあるんだけれど。
もっとも長い表題作は、SFとしての出来はオソマツなんだけど、文章は楽しい。逆に「必要」はアイデアは面白いのに、終盤で寡黙なはずのGノートがやたらと饒舌になったりしてバランスが悪い。なんだか良い点と悪い点がかならず同居しているような、変な短編ばかりだ。
唯一の例外は「火星人と脳なし」か。タイトルからして妙すぎるのだけれど、バカバカしさ丸出しの(SF的)アイデアと、コメディっぽいオチが渾然となって、いい味を出している。これは収穫かな。
2008-08-17(日) [長年日記]
■ 知人宅にGSを見せびらかせに行き、代わりにぬこに触るなどする
来週の夏休み前にバイクの調子を見ておこうと思い、5時に起床していつもの箱根~富士山方面へ。といってもこのコースは久しぶりか。空はどんより。
いつもどおり東名~小田厚。小田原あたりでぽつぽつ降ってきたのでカッパを着用。夏場は面倒だなぁ。「メッシュだけど雨は通さない」みたいなドリーム素材の登場はまだか。
湯河原から椿ラインに入ると、だんだん霧が濃くなってきて、上のほうでは視界20m足らずに。そんな中でもかっ飛んで来る対向車(四輪)とかいたりして、たまらん。自殺なら他でやれ。
雲の上に出てしまえば問題なく、芦ノ湖スカイラインと箱根スカイラインはコンディション・ドライ。ほどほどのペースで走る。三国峠の駐車場が全舗装されていて驚いた。いつのまに。富士山スカイラインも快調で、西に行くに従って天気が回復、水ヶ塚では太陽が出てきた。でも富士山は見えないけど。
で、今日は「GSを買おうと思っている」という長泉町在住の知人に、GSを見せに行くのだ。南富士エバーグリーンラインを南下。上の料金所で四輪用の500円を徴収されてしまい、それを下の料金所で取り返したりしたので手間取る。あの自動徴収機は欠陥品だぞ。
GSを見せびらかした後は、彼の飼い猫のロシアンブルーに遊んでもらう。うちの近所には猫好きがいない上に野良猫もいないので、猫に触ったのは久しぶりだ。ぬこはいいなー、ぬこ。
◆ minechi_n [>サンリオ文庫を買い占めておけば、いまごろ大金持ちですわ 買い占めておいたら、売ることなんてできないですよね!ね! ..]
◆ ただただし [続編の出版が決まったそうです: http://bm.que.ne.jp/log/20080821.html#p01]