2008-04-01(火) [長年日記]
■ 【スクープ】高校野球を蝕む電■の陰謀!!(2008年4月1日掲載)
2007年8月某日。近畿圏のとある高校の校長室。
連盟の方から来た人(以下「連盟」)「……というわけで、ご協力をお願いできませんか」
監督「そう仰られても……うちの選手にそんなハレンチな真似はさせられません」
連盟「ご存知のように、高校野球の人気は下降の一途です。熱心なファンは球場に足を運んでくれるが、それ以外の国民は、大会中であることすら知らないことも珍しくない」
監督「我々はファンを増やすために野球をやっているわけではありませんよ。スポーツを通して健全な青少年の育成をですな……」
連盟「こんな場で建前論はやめましょう。野球ファンの減少は、野球をする環境の悪化に直結します。プロ野球中継の視聴率はここ数年、低下の一途です。生徒さんたちの就職先がなくなるかも知れないという危機感を持っていただきたい」
監督「たしかに選手集めは年々難しくなっていますが」
連盟「高校野球のファン層はすでに固定化されています。ファンを増やすためには、ターゲットの幅を広げる必要があります。そこで、近年注目されているオタク層の取り込みを狙います。特に女性のオタクは忠誠心に篤い。いちどファンになると何年も夢中になってくれます」
校長「そううまくいくものでしょうか?」
連盟「すでに高校野球が注目を集める下地はできているのです。いかにもな感じのマンガが人気を博していますしね。あとは現実が一押しするだけなんですよ」
校長「だからと言って、なぜウチの高校が」
連盟「おたくのバッテリーがそういう関係にあることは調べがついています。いくら我々でも、まったくのノンケにそういう真似をさせろと言っているわけではありません」
監督「しかし、それでは差別を助長しかねない!」
連盟「この国では、十分な話題性を得られれば差別はおきません。マイナーにとどまろうとするから差別を受けるのです。むしろ人気が出て、翌年のドラフトでは引っ張りだこになりますよ」
校長「マスコミが暴走したらどうなります? 彼らは容赦がない」
連盟「高校野球に盛り上がって欲しいのはマスコミも同じです。我々は同じ目的を共有しているのですよ。ハンカチ王子を見てごらんなさい。ああいう、常識的に考えればちょっとキモいキャラも、マスコミの手にかかれば最高の人気者です。大丈夫、我々にお任せください、悪いようにはしません」
校長「しかし……」
連盟「そういえば校長先生、先生は来年、定年退職だそうですね」
校長「そうですが……それがなにか?」
連盟「教師生活最後の年に、甲子園で優勝、なんてことになったら嬉しいでしょうなぁ。監督、校長先生を甲子園にお連れできますか?」
監督「そりゃぁ、できればそうしたいが。いくらウチが強豪校とはいえ、こればかりは確約できるものでは……」
連盟「(ぼそ)21世紀枠……」
監督「えっ?」
連盟「いえ、なんでもありません。どうも長居をしすぎたようです。そろそろおいとましますよ。すぐにお答えいただかなくてもけっこう。了承していただけるなら、まずは次の秋季大会で試してみましょう。では失礼します」
2008-03-30(日) [長年日記]
■ 川崎 2-0 千葉@等々力競技場
優勝候補にあげられていながらこれまで勝ち星なし、おまけに寒くて雨が降る予報……ということで、今日は客足も鈍く*1、ちょっと遅めに行ったのにちゃんと屋根のある席に座れた。まったく、客は正直だなー。
でも今日は、中盤で華麗にインターセプトして、そのまま執拗に波状攻撃を仕掛けるという、ひさびさにフロンターレらしいサッカーだった。これが、ジュニーニョ、我那覇、黒津を欠き、おまけにフッキは退団、箕輪の復帰もまだ……という状況でだ。まぁ、こういうチャンスで控え組がいい結果を出すというのも、フロンターレらしいんだけど。
もっとも相手は早い時間に10人になっちゃったし、もっと得点できたはず。テセはかなり空回りしてたし、やっぱ攻撃陣が好調にならないと不安は少なくない。
とはいえ、何ヶ月ぶりかでアヴァンテを歌ったよ。ようやくの初勝利、勝ち点3。よかったよかった。
*1 17,000人程度だった。最近2万人超えるのが普通だったのでかなりさびしい。
■ 盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)(ジャック・フィニイ)
SFの古典が映画化かなんかのタイミングで復刊されて、まだ未読だったりするととりあえず買ってみて、失敗したりするわけだけど、これも復刊もの。4回目の映画化に合わせての復刊。まぁ、映画の方は例によってゴニョゴニョだったようだけど*1。
そうは言っても、ジャック・フィニイで失敗するわけがない。50年以上前の作品なのに、ぜんぜん違和感がない。そりゃ登場人物がばかすかタバコを吸うとか、電話に交換手がいるとか、そういう時代的な古さはあるけど、エンターテイメントとしてのテクニックは現代作家にまったく劣らない。
緩急のあるストーリー、(フィニイらしい)叙情的な描写、どこをとっても一級品だ。福島正実の訳がまたすばらしいんだ、これが。こんな名作を読まずにいたなんて、おれはなんて罰当たりなんだろう。
*1 Amazonの評価はそこそこ高いけど信じない方向で。