2007-04-19(木) [長年日記]
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膚(はだえ)の下〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)(神林 長平)
連載で読んでいたからいいやと思って単行本はパスしたんだけど、文庫になったら我慢できずに買ってしまった。神林長平の火星三部作、20年ごしの完成。
内容に関わらず、ある特定のシーンがあるがゆえに、その作品を好きになってしまうことがある。本書にもそんなシーンがあって、上巻半ばにある「アートルーパーが人間の少女に文字を教える」シーンがたまらなく好きだ。いかにもSFらしい時間的・空間的に壮大な場面ではない。だが、人間が自らの創造物からものを教わるというその状況が、なんともセンス・オブ・ワンダーに満ち溢れていて、あぁ、SFやっててよかったなぁとしみじみ思うのである。物語的にもこのシーンはターニングポイントになっていて、最後まで主人公を鼓舞し続ける。このシーンに共感できるかどうかで、本書が楽しめるか否かが分かれると思う。
物語としては、月を失って荒廃した地球から一時的に避難を決めた人類、地球復興の実作業を担当する機械人、機械人を監視するために作られた人造人間アートルーパーの3者をめぐる……と、いかにもSFっぽい設定。だが、その内容は主人公のアートルーパーによるいわば「自分探し」で、ひたすら内省、内省、内省。純文学と言ってもいいくらい。
イーガンあたりなら、100ページくらいの中篇でさらりと書きそうな気がする主題だが、神林はそれに1200ページをつぎ込む。そのある種の冗長さが神林作品の魅力で、おれも神林作品だけは長くてもいいんだが、まぁ、普通に考えれば長すぎるよな。だが、それがいい。
それにしても、三部作の一作目、『あなたの魂に安らぎあれ』を読んだのは学生の頃だ。もう完璧に内容を忘れてるなぁ。読み返そうか。
あなたの魂に安らぎあれ (ハヤカワ文庫JA)
早川書房
¥924
膚(はだえ)の下〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
早川書房
¥1,254
9784150308827
2007-04-18(水) [長年日記]
■ OpenCVでナンバープレート認識エンジン!
……を誰か作らないかな、というネタです。
一昨年の夏に書いたナンバープレートなぜ隠す?という記事が急にアクセスを集めていて、何事かと思ったが、どうやらkanoseさんがブクマしたせいで注目エントリ入りしたかららしい。タイムスリップした気分になったぜ。
その後、「ふらっとツイン」の方ではナンバープレートにモザイクを施したアルバムを公開しているけど、まぁ、はっきりいって面倒だね。どうしても公開が遅れてしまう。
で、写真の顔を認識して笑い男のアイコンで隠すサービスがあったのを思い出して、だったらOpenCVでナンバープレートを認識させて、自動的にモザイクかけてくれたらよくね?と思った。ちょっとググったら、ナンバープレート認識まではやってる人がいるようだ。
ここまでできればあと一息だなぁ。誰か作らないかなー。
2007-04-17(火) [長年日記]
■ おれんじれんじ渋滞
平日の夜に横浜アリーナでコンサートすんの、やめてくんないかなぁ……と思ったけど、自分も等々力競技場の周辺住民から同じようなことを思われてるはずなので、やめておく。
でも、ポルノグラフィティとオレンジレンジを立て続けにやるのはなぁ。毎週レッズ戦があるようなもんだぞ。たまらんわ。
◆ 山本 [ララポート豊洲駐車場のナンバープレート認識装置のプログラムはインテルのOpenCV、IPPで作ってあるという噂です]
◆ ただただし [へぇぇ。オープンソースにならないかなぁ。]