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ただのにっき


2006-10-18(水) [長年日記]

ティンカー (ハヤカワ文庫SF)(ウェン スペンサー)

ハヤカワの「あわよくばラノベ読者を取り込もう戦略的萌え系表紙作戦」にはもう騙されないと決心したので買わずにおいたんだけど、けっこう評判がいいので遅ればせながら。

魔法に科学的な理屈を与えようというSFとしては、ニーヴンのアレとか、(ちょっと違うけど)『プラクティスエフェクト』とかが思い起こされるけど(例えが古いのは歳のせい)、これもそういう感じの説明があるものの、あんまり論理的に突き詰めてないので、マジメに取り合ってはいけないのだろう。そういう点に目をつぶれば、次々に新しい展開が現れる、スピード感のある楽しい小説だった。実際、1日ちょっとで読んでしまった。

でも主人公は「天才」って設定だけど、そうは感じなかったなぁ。理系的な合理精神が希薄だし、天才らしいひらめきもない。「誰にも原理のわからない機械が作れる」ってだけで天才性を表現できると考えるのは甘いんじゃないか。

Tags: book

shuffleが壊れたと思ったら空っぽなだけだった

再生しようとしたらグリーンとオレンジのLEDが交互に点滅するだけで何もおきず、「うわ、また壊れたか!」と焦った。実際は、いつも転送用に使っているスマートプレイリストに条件を満たした曲がなくなり、shuffleの中身が空っぽになっていたのに気づかなかったのが原因だったのだが。

で、正直に言えば最初に考えたのは「次はなに買おう」だったんだけど(ありがち)。もっとも、shuffleに匹敵する軽さなのはSONYのアレくらいしかないし、だからといっておれがSONY製品を買うわけがないので、選択肢はshuffleしかないのだが。とはいっても、新型はまだ出ていないし、本当に壊れたらかなり悩ましい状況だわな。

しかし、今日のAppleのリリースを見て、かなりムカついたのも確か。

アップルは、Windowsがこのようなウイルスに対して脆弱であることや、出荷前に問題を把握できなかったことを大変遺憾に思います。

Appleの傲慢すぎる態度には、普段なら大目に見てやってもいいか的な感情を抱いていたところだが、これは言っちゃいかんだろ。ガキの言い訳レベルだ。既知のウィルスの侵入を許すなんて、言い逃れできんよ。

けっこう真剣に、Apple製品をボイコットする算段をした方がいいかも、という気になった……けど、いまは増井さんがいるんだよなぁぁ。ぐわぁ。

Tags: ipod apple
本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

通りすがり [>しかし、今日のAppleのリリースを見て、かなりムカついたのも確か。 先に原文を読んでいれば、少しは印象も違ったか..]

774cc [ハヤカワのあこぎな作戦には正直辟易していますが、以前もティプトリーなんかで少女漫画絵を表紙にしていることもあったこと..]

ただただし [>通りすがりさん 原文をあたってみましたが(日本のユーザは原文など読む必要はないので別に原文にあたる意義はないとは思..]


2006-10-17(火) [長年日記]

TVドラマ版『のだめカンタービレ』を観た

録画しておいたのを今日になって観た。

上野樹里すげー。でも子供時代の千秋の方がもっとすげぇかも。溺れるシーンの表情にヤラレタ。あと、みんな書いてるけど竹中直人はいらねぇ、超いらねぇ。

TVドラマ(特に日本の)は過剰で安っぽい演出に耐えられないので、もはやなんにも期待していないんだけど、「のだめ」はけっこう見られたなぁ。原作付きのドラマを面白くするには、守らなきゃいけないセオリーがあるのかも。

  • これ以上過剰な演出が不要なくらいぶっ飛んだ原作を選ぶこと
  • その上で可能な限り原作に忠実に作ること

最初の条件は、TVドラマ的な派手さを求められても十分にそれを受け止められる必要があるということ。ドラマ向けの要素が足らないと(月9の前作「サプリ」みたいに)、ドラマ的な要請に従って過剰な演出をぶち込まれやすい。

あとは演出家がよけいな色気(ミルヒー役に竹中直人を持ってくるとか)を出さなきゃ、ほっといても面白くなる。もちろん、原作ファンの期待を超えることはできないが、及第点は取れる。期待を超えるには、かなりの才能が必要だけど、そういう人はきわめて少数だ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

takkan [のだめと真澄ちゃんの完成度が高いだけに、竹中直人が竹中直人にしかみえませんね]

TrackBack [http://d.hatena.ne.jp/akiraak/20061031/1162256094 アキラの日記 の..]


2006-10-16(月) [長年日記]

月に行こうか、火星に行くか(五代 富文)

読み始めてすぐに「わー、失敗したー」と思った。自分は完全にこの本のターゲットではない。ちょっと宇宙開発に興味のある人には、どこかで読んだり聞いたりした話ばかりの、かなり薄い内容の本だ。

かといって、このジャンルに初めて挑む人が読むと良いかといえば、ぜんぜんそんなことはない。なにしろこの手の本としては異例なことに、本文中に図表・写真がいっさいないのだ。五代氏は何冊か著作があるものの、決して文章がうまい方ではない。というか、かなりたどたどしい。それで図表も写真もなしに、宇宙船や探査機の構造について説明しようというのだから、はっきりいってわけがわからない。

構成もナゾだ。話があちこちに飛ぶし、数ページ前に書かれていたのとほとんど変わらない話がまた出てきたり。なんだか、あちこちに発表したエッセイをごちゃっとまとめたような体裁だ。

なんか、この本の問題は、まともな編集者がついていればすべて解決しているような話ばかりだなぁ。これだけの経験のある著者に何か書かせるなら、この人だけが知ってるような裏話満載の、マニアックな本にすればいいのに(売れないか)。

Tags: book

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