ただのにっき
2006-10-15(日) [長年日記]
■ GTDを始める(10) - 2ヶ月目のふりかえり
GTDを始めてからちょうど2ヶ月が経過したので、ここらで振り返ることにしたい。で、いちおうこの連載は終了。
日常のルーチン
平日の朝、出勤したらまずRTMのCalendarリストから太字になっているもの(今日着手する予定のタスク)をすべて選んでActionリストへ移動。基本的に平日の作業はこれだけ。なぜなら締め切りの決まっていないタスクなど仕事ではないから。つまりProjectやSomedayに入っているタスクなど、しょせんは仕事ではないのだ、と割り切っている。これで数百もあるリストを朝の慌しい時間にさらわなくて済む。
で、その日のActionをすべてこなしたら、改めてProjectを見直して、そこから次にすべきタスクを抽出。着手すべき日が決まるなら日付を入れてCalendarに移動。着手日が決まらないけど近いうちにアウトプットが必要なタスクがあったら、タスクを分割して着手できるように計画を練り直し、一部でもいいからCalendarに移動する。
タスクの追加は、思いついたらすぐにその場で。PC上ではブラウザから、移動中なら携帯やW-ZERO3でメールをする。メールは受信箱に入るので、PCを立ち上げてFirefoxが開いたら、最初に目に入る。そこですぐに適切なリストに移動しておく。これを習慣づけておけば、週次レビューでは新たな収集フェーズはいらないだろう。
週次レビュー
週次レビューは、土曜か日曜の朝。ここでProjectやSomedayを頭からチェックし、必要なリストに項目を移動する。
リスト間で移動するときは、それらを着手しやすいように分割できないかよく考えることにしている。この話はあちこちのGTD解説でよく出てくるが、特にActionに長くとどまっているタスクはこの分割がうまくいっておらず、手を付けにくい状態になっているのが原因だ。心理的障壁を感じるタスクがあったら、なによりまず、分割できないか考えてみると良い。
週末で時間があるときは、CalendarだけでなくProjectやSomedayからも、直接Actionへ移動することもある。「この週末はこれをやるぞ!」という気分が出やすいので、できるだけ日曜よりも土曜がいい。
「ストレスフリー」になったか?
GTDの収集フェーズで「頭の中をすべて出したらすっきりした!」という感想をよく見かけるが、そんな能天気な話があるもんか、と思う。おれは特に自分の記憶力には自信がないから、何時間粘ろうとも、すべてのタスクがアウトプットできたなどと信じることはできない。実際、3時間以上を収集フェーズにかけたが、翌日起きたとたんに忘れていたタスクを思い出したくらいだ。これでは「すっきり」なんてするわけがない。
というわけで、「頭の中になにもないからストレスがない」なんていうのは(おれにとっては)ただのプロパガンダに過ぎない。ただし、それに「かなり近い状態」にあるのは確かなので、ストレスが軽減されたのは確か。自分でやってみて「すっきり感」がなくても、がっかりすることはない。おれに言わせれば、そういう人の方が理性的だ。
あとは以前にも書いたが、何かを思いついたら即座にメモらないといけないというプレッシャーが増えた。これはストレス。だが、結果として「忘れてしまうかも」という不安を取り除けるので、プラス・マイナスでいうと得と言っていいだろう。そのためには、何よりも「どこでもメモれる環境作り」が最重要。
GTDは万能ではない
当たり前のことだが、GTDを導入すればすべての問題が片付くわけではない。
例えばおれのProjectリストには「○○に会ったときに1000円返す」という項目がある。貸した本人が「次に会ったときでいいよ」と言ってくれているからなのだが、この「会ったときに」というのが曲者だ。なにしろ頭の中には何も残さないのだから、○○に実際に会ったときにこのリストを見直さない限り、1000円返すというタスクはかなわない。借金くらい覚えておけという話だが、GTDを厳密に適用すると、このように解消不能なタスクが発生する。
つまり、GTDは能動的なタスク管理は得意だが、受動的なイベント管理は不得意である(かといって受動的なイベント管理が得意な手法があるかどうかは知らない)。もちろん万能ではないからといって価値がないわけではないから、GTDはダメということにはならない。不得意なこともあることを認識すればいいだけの話だ。
まとめ
とまぁ、いくつか問題もあるが、シンプルで継続しやすいという謳い文句に間違いはない。実際に物忘れはだいぶなくなったので(「完全になくなった」と言えないのはアレだが、これは単に個人的な資質の問題だろう。ううっ)、この先も続ける価値はあると考えている。
……というわけで、1年後にもちゃんと続いているかどうかをチェックするタスクをCalendarに入れておこう。