2003-05-31(土) [長年日記]
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月のひつじ コレクターズ・エディション [DVD](サム・ニール)
mputさんの日記で発売されていたことを知る。4月25日だって!? 一ヶ月も前じゃないか。こういうものを薦めないなんて、Amazonのレコメンデーション・エンジンは何をやってるんだ!!(マジギレ)
つーわけで、ソッコーで1 clickしますた(←怒ってるわりにはAmazonで買ってしまう)。うひょひょ。
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ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF)(コニー・ウィリス)
SARS騒ぎ真っただ中のこの時期に文庫化するとは、狙ったのか、早川。
評判によれば「泣ける話」らしく、悪い評価を見たことがないくらいの傑作らしいんだけど、正直言ってシラけた。中世パートは確かにすばらしい。重厚で、悲壮で、迫真だ。これだけだったら確かに泣ける。すばらしい小説。SFではないが。
でも、現代パート、ありゃなんだ? 解説によればギャグ満載のコメディとのことだが、ちっとも笑えない。ホントに面白いですか、これ。むしろ、シリアス極まる中世パートと落差がありすぎて、せっかく盛り上がった熱気を冷ます役目しか持っていない。ない方がマシ。
1992年の執筆ということだから、誰も携帯電話を持っていないとか、インターネットがまったく発達していないのは仕方がないかも知れないが、サイバーパンク以降のSFとしてはちょっと浮き世離れがひど過ぎる。いまから50年も後の世界で、明かな進歩がTV電話とタイムトラベルだけってのはどうよ。脇役もバカばかりで、現代パートだけロビン・クックが書いてるんじゃないかと思ったくらい。
■ 第一が重い
今日は本当にひどい。トラフィックのグラフがこんな感じ。
15時からの2時間とか、21時以降に、急激にトラフィックが低下している。ざっとピーク時の1/3だ。CPU loadはそれほど高くないので、回線状態が悪いのだと考えられる。ちょうど正時に始まるので、隣接する回線で何かが行われているのかも知れない。
なんとかならんものかのぅ。
2003-05-30(金) [長年日記]
■ 昨日のbsfilter
spam 46通、フィルタ率100%、誤認識0通。よしよし。
いろいろいじろうと思っているんだが、なかなか時間が取れないな。今日は夕方、早めに退社して日経ソフトウェア創刊5周年記念セミナーに行くのだ。
■ ソースコードの基本的人権
まつもとさんが「フリーソフトウェアは思想だ」と書いたことに対して、「いや、自分はそんなつもりでフリーソフトウェアを書いてないから」的な反応がけっこうあるようだ(5/28の周辺)。「思想」を押しつけられそうな気がして、恐怖を感じているのだろうか?
しかし安心していい。フリーソフトウェアの思想は、作者本人に降りかかるものではないからだ。フリーソフトウェアの思想というのは、いわば「ソースコードに基本的人権を!!」とでも言うべきものだ。そこには作者をどうこうしようという意図などない。あくまで主体はコードだ。
ソースコードの基本的人権とはどういうものかと言えば、おなじみのコレである:
- 自由に子供を作る権利(改変の自由)
- 自由に移動できる権利(配布の自由)
コードは衣食住を要求しないので、このようにたいへん少ない権利で満足する。さらに「家族と一緒に住む権利(著作権保護)」を入れてもいいかも知れない。これに加えてGPLでは、
- 生まれた子供にも同じ人権を与える義務
を課している点がポイントであるが、見ればわかるように「義務」なので評判が悪い。子供からしてみれば権利なので、そんなに不自然ではないはずだが。
独占ソフトウェアは独裁国家の住人と同じで、上記のような基本的人権を認められていない。オープンソースの中にも、権利を制限している場合がある。人権保護団体であるFSFやRMSが独占ソフトウェアを攻撃するのは当然だ。フリーソフトウェアを語る時に、どうしても思想的、政治的な言葉が入ってきてしまうのは、こういう状況があるからだ。
さて。となれば、人権を付与する対象が「人間」でなく「コード」であると言う点さえ気にしなければ(慣れればたいして困難ではない)、フリーソフトウェアに対しても普通に人に接するのと同じように振る舞えるはずである。
■ ColorMatch 5K
色使いが苦手である。tDiaryでもおれが作ったテーマはほとんど単色で(例外はCandyくらい)、たいていはどんな色を組み合わせたらいいのかよくわからない。
で、shinoさんの日記で見つけたこのサイト、主要な色を選ぶだけで、組み合わせ可能で無難な(笑)色を選んでくれる。こりゃ助かる。
追記: 進化系
■ 日経ソフトウェア創刊5周年記念セミナー
会場近くでkitajとばったり会ったので、通路を一緒に歩いていたら、ロビーの椅子に座ってふつーにPCをいじっているまつもとさんを発見。参加者の一人かと思ったよ(汗)。声をかけて自己紹介。パネルの中身はcapsctrldays参照(ってぉぃ)。そして、休憩時間には咳さんを紹介される。うわー、この2人が並ぶと恐縮しちゃうよ。
◆ ほそのひでとも [告白します。デザイン学科出身のくせに私も色は苦手です。]
◆ ただただし [そのツッコミ、なんか違うし!(笑) >Nana]
◆ Yu [お世話になります、tdiary を利用して自宅サーバで日記を書き始めました。 アンテナで捕捉していただけると幸いです..]
◆ ただただし [あれ? とっくに捕捉済みですが?]
◆ ひらまつ [基本的人権まではいいんですけど、GPLだとさらに ・結婚した相手にも同じ権利(と義務)を課す義務 がくっついて来ます..]
◆ ただただし [その義務は「子供にも〜」に入れたつもりなんだけど、もし結婚ネタを入れるなら「同じ自由を持った人としか結婚できない」じ..]
2003-05-29(木) [長年日記]
■ 昨日と一昨日のbsfilter
spam 104通、フィルタ率100%、誤認識3通。
誤認識された3通は普段からよくspamが来るMLなので、-vを付けてみたら確かにメールヘッダばかりがターゲットになっていた。時間を見て対策してみるつもり。
■ 反応リンク集
けっきょく、TrackBackが普及するより前に、Wikiによる人力リンク集がけっこう役立つことが見えてしまって、またTrackBackの有用性にマイナスポイントだなぁ(苦笑)。
きょうはまずblogってどうよ?を見て回ってから、「つぎは42件の話〜」と思って探してみたら、なんと反応リンク集が2つもあるし。う〜む、こんな非効率を見逃していて良いのか。
ってことで、反応リンク集を作るための専用Wikiサイト、反応リンク集のリンク集を作った。とりあえずポータルとして整備しよう。
■ blogってどうよ?(リンク集)
もう祭も終わっちゃった感があるので、感想だけ残しておこっと。
そもそもあれは、HotWiredのblog関連記事のせいで「これからは個人ジャーナリズムの時代だ!」と勘違いしてしまった人たちに、HotWired自身が冷や水をぶっかけて熱気を冷ますための記事なんだろう。本場アメリカのbloggerたちの冷静な視点を知ってもまだ浮れていられるか、ふつー?
おれは主にインタビューを読んで、日米の違いは以下に集約され、それはもはや埋まることはないと思った。そしてそれで問題ないと思う。
- アメリカには9.11があったが、日本にはなかった
- 日本にはmeshとJBAがあったが、アメリカにはなかった
■ 42件騒動(リンク集)
こっちも感想だけ残しておこう。ちなみに、いちばん腹が立ったのは、この程度の文書をわざわざPDFにするオモイカネの悪習(?)だ。読みづらいったらないっつの。
オモイカネの反論(PDF)によれば元の文書(PDF)は顧客説明用の補助資料ということなので、いわばマーケティング資材である。たいていのマーケティング資材には、なんらかの嘘が含まれるのが普通である。だとすれば中身についてあれこれいうのは意味がない。責めるべきは以下の2点ではないか。
1. マーケティング資材を公開しておいたオモイカネの非
恣意的な基準で選ばれたリスト(しょせんマーケティング資材なので恣意的なこと自体に問題はない)を、誰でも読めるところに置いておく必要はない。内容がフリーソフトウェア/オープンソース作者のモチベーションを低下させる可能性を持っているのは明らかなのだから、オモイカネはあくまで内部資料としてこれを使うべきであった。オープンソースで飯を食ってるオモイカネとしては、致命的な判断ミス。
2. マーケティング資材を不用意に使った経済産業省の非
この手の資料は、説明者がちゃんと付いていないと意味がない。オモイカネ的には「日本発のOSSもけっこうあるんですよ」と顧客に説明するのが目的だったのに(だから30件でなく42件にしたと読める)、講演では逆に「42件しかないんですよ!」という文脈で引用されてしまった。/.Jにあった聴講レポートによれば多分に煽り要素があったようだが、あまりに後先を考えなさすぎる。数字が一人歩きする危険性を考慮しなかった講演者にも非がある。
◆ ksaito [現代側バカ共のそのあまりに薄っぺらい様子が、中世側の事態に対する「ボケ」、というギャグかと。この期にヒゲに泡でエール..]
◆ ただただし [落差を狙った作者の意図はわかるんですが、あまりにご都合主義的ストーリーで、同じ小説の中に同居させることに無理があり過..]