出版社7社、作家・漫画家122人が、自炊代行業者に対し「あんたらがやってるのは法律違反なんだけどどう思う?」って質問状を投げたそうで(参考:出版社からスキャン代行業者への質問状を全文公開、潮目は変わるか)。これ、顧客のニーズにいっさい目を向けずに、既存ビジネスを守るためだけに敵を叩くという、音楽業界とまったく同じルートをとっているわけだけど、出版社には自殺願望の持ち主しかおらんのか?
仮にこの「脅し」が功を奏したとすると、自炊代行業者は廃業、読者はここに名を連ねた出版社・作家を敵視して購買を控え、出版社・作家はさらに収入減……と、Win-WinどころかLose-Lose-Loseではないか。愚かな。
というか事実、おれはもう紙しか出さない出版社には見切りをつけ始めていて、電子版が買えない本はできる限りブックオフで調達するようにしてる。だって断裁料のこと考えたら、新品買ってなんていられないもん。「自炊」なんてバカバカしい行為は早くやめたいし、ちゃんと作家に還元されるルートで本が買えるならぜひそうしたいんだけど、出版社が率先して邪魔をしてるんじゃしょうがない。
まぁ、もし今後新刊がすべて電子書籍として買えるようになったとしても、書庫に眠っている多量の本が場所を取っている状況は変わらないわけで、なんらかの方法で電子化したいという欲求は変わらない。でも現状の「自炊代行」に問題があるのだとしたら、なぜ出版社みずからがそれを行わないのか。自炊代行(に類した事業)を出版社が行うと、問題は一気に解消すると思うのだが:
出版社が単独で事業化すると、その出版社の本しか対象にできないから、大手印刷会社あたりがBOOKSCANを買収して、複数の出版社の代行をするのが手っ取り早い。読者はニーズを満たされて満足度向上、作家も還元を受けられて、しかも出版社がうまく回せば収益も上がる。こんないい話をなぜだれもやらないの?
「自炊ブーム」という動きを、チャンスととらえてすばやくビジネスを興した自炊代行業者たち。他方、作家と直接コンタクトでき、権利関係の課題を一気に解消できるリソースを持っている出版社は、このチャンスを棒に振ろうとしている。どちらが優秀な経営者か、書くまでもないよねぇ。